さて、二度寝からそうしないうちに起きた訳ですが・・・。
えぇ、テンションは低いですよ?
頭は冷静です。やってやりましょう、駆逐艦寮!
・・・まぁ、もうお察し頂けるかと。
妖精さん達に作って貰った神鷹としての制服に・・・。
まぁどれも一緒ではあるけれど、それにとりあえず寝間着から着替えて準備をする。
そういえば、この姿になってから色々と大変なんだよね。特に髪の毛とか。
最近は少しずつ慣れて来たけど・・・最初の頃の大鷹といったら・・・。
「_神鷹?そろそろ行くよー。」
・・・噂をすればなんとやら。
まぁちょうど準備も終わったし都合はいいけど。
「はいはーい。今行くから待っててー。」
さて、穏便にすむことを期待してはいるけれども・・・。
どうなるかなぁ・・・?
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さて、ここに来る途中で衝突している駆逐艦や航巡がいたけれども、それは置いといて。
ある程度歩いてたどり着いたのがここ、駆逐艦寮。
というわけでもう慣れたのでそのまま中に入る。
「お邪魔しまーす。」
「いきなりね・・・。お邪魔致します。」
この時私たちは忘れていた。
駆逐艦も巡洋艦達に負けず劣らず人数が多い上に元気があるということを。
まぁつまり。
「あっ、大鷹さん、おはようございます! その隣にいるのは・・・新しい駆逐艦の子ですか!?」
「おはよう。朝潮ちゃん、この人は・・・」
「えっ、新入りだって!?」 「本当!?」 「見せて見せて~?」 ワイワイガヤガヤ
「えっ、ちょっと・・・。」
あっという間に大勢の駆逐艦に囲まれてしまった・・・。
どうすればいいんでしょうね・・・本当。
駆逐艦みたいとはいっても実際に背比べをすれば駆逐艦よりもほんの少し大きい・・・のだが。
こうやって駆逐艦達に紛れてしまえば大して変わらないのである。
つまり、どうなるかというと_
「ほら、こっち!私が案内してあげる!」
「あ、うん。それはいいけど。」
「じゃあこっちから!」
「え、ちょっとまっ_」
_駆逐艦として認定される。
そのまま手を掴まれ、問答無用で連れていかれるのです。
元気のよろしいことで・・・。 まぁいいや、このまま案内してもらおう。
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まぁ特に何も起きる事なく終了。
途中名前を聞かれたりしたがそれだけである。・・・珍しいな。
何もなく終わったのはこれが初めての気がする。
「ただいま・・・」
「あ、神鷹。終わったみたいね。」
「そうね、この寮の案内も終わったわ。」
「曙ちゃんもありがとうございます。」
「いいのいいの。で、神鷹の部屋は_」
というかまだ駆逐艦扱いされてるのか・・・。
そろそろ誤解を解かないと・・・。
あれ? あっちから来るのはもしかして・・・?
「おや、神鷹じゃないか。」
「あ、響・・・。」
「響、あんたもしかして神鷹と知り合い?」
「そうだよ、昔一緒に呉からシンガポールまで行ったことがあってね。」
「そうそう、あの時は私の機関が故障しちゃってね・・・。あのあと呉に回航されたんだよね。」
「あのあと輸送任務で他の艦も抜けたからね。結局シンガポールに向かったのは私含めて3人さ。」
そうして少しの間、他愛のない話を語りあう。
あのあと無事だったかとか、どんな気持ちだったか、とか。
だが、本人の気持ちや実体験は調べるよりもより把握することが出来たのだ。いつの間にか大鷹も話に混じったりしていたが。
・・・曙が置いてけぼりになっているのには触れないことにする。
「へぇ・・・大変だったわね。あと響、神鷹の部屋ってどこか知らない?」
「曙、何を言っているんだい?」
「へ? 神鷹が来たからどこの部屋かって聞いてるんだけど・・・」
「・・・なるほど。勘違いしているよ、曙。神鷹は空母さ。」
「・・・え? あんた空母だったの!?」
曙が素っ頓狂な声で驚くが、さらりと一言。
「そうだよ?」
「・・・あんたねぇ。」
曙が俯いて声に覇気が宿る。それを感じ取って速攻で謝る。
というかこのままだと説教コースに行きかねない。
「ごめんね・・・? でも案内してもらえて助かったよ。ありがとう♪」
感謝の言葉も入れて最後に満面の笑顔も付ける。
曙曰く、まぁ・・・それならいいけど。とのこと。
「さて。神鷹、次に行きましょうか。」
「わかりましたよー。」
そのまま駆逐艦寮を出ようとしたその時、後ろから声を掛けられる。
「神鷹!今度また来なさいよ?」
私はそれに手を差し出して無言で答える。
曙との握手。 ただそれだけのことに意味を込めながら。
一話で特に何もなく終わりましたが・・・。
その割には結構文字数が多くなってしまいましたね…。
ちなみに曙が出た理由は特にないです。
なんとなくこうなりました。 でも意外と纏まった・・・かな?