〜道中〜
「「姉御!何かあったら俺たちを呼んでくだせぇ!すぐ駆けつけます!」」
鬼兄弟はナルトに別れを告げどこかに消えた。
「なんだったんだ…?」
「「さぁ…?」」
やはり状況がつかめなかったカカシたちであった。ちなみにナルトはというと、
「ああいう人たちもいるんだね…」
と、変に感心していた。
「と、とにかく前に進もうか…」
カカシはとりあえず前進することに決めた。
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「へぇ…霧が深いな…」
今俺たちはおっさんの知り合いの船に乗っている。船からだと近道になるとかなんとか。
「あまり大きい声を出さないでくれよ?あいつらに見つかっちまう…」
と、船頭は怯えた様子で言う。はぁ…。すると、中途半端なところで船が止まった。
「タズナ、俺が送れるのはここまでだ。」
「あぁ…すまんかったな…」
おっさんは申し訳なさそうにする。面倒クセェ…もうちょっと進めただろうがよ…
ガサッ!
俺が負の考えをしていると草の中から音がした。それを聞いたナルトとは、
「ひいっ!…」
小さい悲鳴をあげたあと、気絶…って待て待て!よりによってこれで気絶かよ!とりあえずナルトの体を地面に着く前になんとか受け止めた。
「チッ、世話の焼ける…俺はこんなことしてる場合じゃねぇのに…」
そう、俺はあの男を殺さなければならない…なのにこいつは気絶してばっかで…忍者やめたほうが良いんじゃないか?
「…」
気絶しているナルトの顔を覗いてみる。綺麗に整った顔つき、サラサラの金髪、ぷっくりとした唇…
「…可愛い(ボソッ」
って、何言ってんだ俺は!?こいつが可愛いだと!?そんなこと…そんなことあるわけが…そもそも俺は復讐者だぞ!こんなこと考えてる暇なんて無いはずだ…!
「チッ、サクラ!」
俺はサクラを呼ぶ。こいつを運んでもらわなくては…
「何?サスケくん?」
「こいつを運んでくれ。」
「え?でもサスケくんの方が力があるからそっちのほうがいいんじゃ…」
「いいから運べっ!」
「は、はい!」
チッ、ナルトといたら調子が狂う…なんなんだこの気持ちは…
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「…ん、ここは…?」
「あらナルト、起きたの?」
「う、うん、ところで僕はどうして…?」
僕はなんで今ここにいるか全然覚えていない。船から降りたことは覚えているけど…
「えっとね、船から降りた時にいきなり物音がして、その音でナルトは気絶しちゃったのよ…」
「あ…ごめんなさい…」
物音で気絶…忍としてどうかと自分でも思うよ…うちはくんとか絶対思ってるって…
「で、私がナルトをおぶって運んでたんだけど、一旦休憩と思ってここで休んでるのよ」
「かさねがさねすいません…」
一番足を引っ張ってる…下忍になる前にたくさん修行して強くなったと思ったのになぁ…やっぱりメンタルの問題なのかなぁ…こればっかりはどう鍛えるのかどうかわかんないよ…どうせ僕なんてさ…
「ナルト…?大丈夫?」
「え、あ、うん。大丈夫だよ?」
ネガティブ思考をしてたらいつの間にか顔に出てたらしい。春野さんが顔を覗き込んでいた。
「チッ、おいナルト」
「(ビクッ)」
いきなりうちはくんに声をかけられた…あぁ…何か言われるんだろうなぁ…
「お前それでも忍か?いい加減にしろよ?やはりドベはドベのまんまか…」
やっぱりそう思ってたんだね…しょうがないか…全面的に僕が悪いんだし…
「ちょっとサスケくん!その言い方は無いんじゃ無いの!?」
「知らん。あのくらいで気絶する奴が悪い…」
「だからって…」
「…いいんだよ春野さん…」
僕は春野さんを落ち着かせようと服をつかむ。
「僕が…僕が悪いんだ…みんなの足を引っ張ってるから…僕がいるからダメなんだ…うちはくんにも春野さんにも迷惑がかかるから…ごめんね?」
僕はそれだけ言うと草むらの中に走って行った。これ以上その場にいると自分が保てなくなりそうだったから。
「ちょっ!ナルト!?」
春野さんが何か叫んでいたが、無視をした。
〜続く〜