〜アカデミー〜
「今から班の組み分けを始める!」
「「「「えーっ!」」」」
イルカ先生が組み分けをするみたいだ。他のみんなは不安があるらしい。僕はまぁ、どこでも良いかな。
「では一班から発表する!」
そこから一班、ニ班と決まっていく。そして…
「七班!春野サクラ…うずまきナルト…うちはサスケ…!」
七班…僕がここに入るのかぁ…頑張るしかないよね。ちょっと不安だなぁ。ピンクの髪の子は僕を見た瞬間そっぽを向いた。やっぱり嫌われてるよねぇ…黒髪でクールな子は…やっぱりそっぽ向いてる…七班になってごめんなさい…
「それじゃあ皆担当の上忍が来るまで待機だ!」
待機なの…なんか嫌な予感がする…はぁ…
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「もう!いつになったら来るのかしら!」
ピンクの髪の子はイライラしている。それもそのはず、担当上忍がいつまでたっても来ないからだ。
「春野さん、少し落ち着いて…」
「落ち着けるわけないでしょ!なにやってんのよ本当に!」
「…ごめんね。静かにしておくから…」
怒鳴られたから大人しくしておこう。下手なことして殺されるのは嫌だ。
「…っ!…ごめん、きつく当たっちゃった…」
「え…?う、うん…」
はじめて謝られた…僕が悪かったのに…
「ふん…」
うちはくんに関しては僕のことをチラチラ見てる…やっぱりいたらダメなのかな…
「そぉだ!」
春野さんは何かを思いついたようで、黒板消しを扉の間に挟ませた。
「こんなに遅いんだからこんなことしても良いわよね!」
春野さん…多分引っかかりませんよ…?
「上忍がそんな罠にハマるわけがねぇだろう」
ここではじめてうちはくんが口を開いた。
「もしかしたらっていうのがあるかもしれないじゃない!」
春野さんはうちはくんに片思い(?)中らしい。多分上忍に罠を仕掛けて引っ掛けたというのを見てもらいたいらしい。当たらない気がするなぁ…
すると扉の開く音がなり、同時にポフッという音も鳴った。
「(引っかかったー!!)」
「(マジかよ)」
「…っ!」
僕は上忍の姿を見て怯えた。何故なら彼の髪が銀色だったから。過去に銀色の髪の人にひどいことをされてから、銀色の髪の人には近づかないようにしているが担当上忍の人が銀色の髪だからどうしようもできない。これからずっとこの人と一緒に行動するなんて…多分耐えられない。
「お前らの第一印象は…嫌いだ」
「…ですよね…」
僕はその言葉に思わず泣いてしまった。僕なんて好かれるわけがない。やっぱりこの人も酷いことをするんだ…と思うと涙が止まらなかった
「ちょっ…!」
「あー…泣かしたわね…」
「お前本当に上忍か…?」
「(火影様から聞いてはいたがここまでとは…いろいろ気をつけないと駄目だな…)」
「とりあえず泣き止んで?悪かったから…お前らは先に屋上に行ってろ。」
「…わかったわ」
「ふん…」
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「どうして泣いたのかな?やっぱりさっきの言葉がいやだった?」
俺は彼女を傷つけないようそっと話しかける。ここまでメンタルが弱いとは思わなかった…忍としてやっていけるかどうか不安だね…
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
あらら…これはかなり重症カナ…過去に何かあったんだとおもうが…
「過去に君に何が起きたのかは知らないけど、酷いことはしなーいよ?」
「…ほんと?」
ナルトが涙を浮かばせた目をこちらに向けてくる…正直に言うと可愛い。
「ほんとだーよ。だから泣き止んで?ね?」
「…うん」
ナルトは頷くと涙を拭いて立ち上がった。
「それじゃ屋上に行こうか?」
「…うん」
これは…打ち解けるには時間がかかりそうだ…
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「待たせてごめーんね?」
私達の担当上忍がナルトを連れてやってきた。ナルトを泣かせるなんて本当に上忍なのかしら…私が言えたことじゃないけど…
「大丈夫?変なことされてない?」
「春野さん…大丈夫だよ…」
ナルトの目が赤く腫れている。あの上忍…許さないわよ…
「さーて、みんなが揃ったところで自己紹介をして貰おうかな。」
「自己紹介って…何を言えばいいのよ?」
「んー?まぁ好きなものとか趣味とか将来の夢とか…まあ色々だ。」
「じゃあ先生からしてよ。見た目もかなり怪しいし。」
なんで片目しか出してないのよ。なんでマスクなのよ。怪しさ全開じゃない。
「俺か?俺の名前ははたけカカシ。好きなものと嫌いなものはお前らに教えるつもりはない。趣味は…まぁ色々だ。将来の夢はない」
「は…?」
結局わかったのは名前だけじゃない。ふざけてんのかしら?
「じゃあ金髪の子から」
「…僕はうずまきナルト。好きなものは野菜とおじいちゃん。嫌いなものは里の大人…趣味はガーデニングと料理、あとお掃除かな…将来の夢は…この里で穏やかに暮らすことかな…」
ナルトの自己紹介って…なんか可愛さ半分悲しさ半分ってところね…里の大人が嫌いとか今まで酷いことをされてきたのかしら…
「じゃ次、黒髪の子」
「俺はうちはサスケ。好きなものも嫌いなものもない。将来の夢は…ある男を殺すことだ。」
やっぱりサスケくんはかっこいいわ…でもナルトの方が良いわね。なんか…守ってあげたい。そんな感じがする。決して私はレズじゃないわよ!
「最後、ピンクの子。」
「私は春野サクラ。好きなものは…ナルトとある男の子!嫌いなものは…不特定多数です。将来の夢は…キャーーー!」
私の自己紹介にナルトとサスケくん、そしてカカシ先生も驚いていた。まぁ、そうよね。好きなものにナルトが入っているんだもの。
「…それじゃあ明日サバイバル演習をする。」
「演習?演習ならアカデミーで散々やってきたわよ?」
「この演習はアカデミーの演習とは訳が違う…これを聞いたら絶対皆引くから。」
カカシ先生がニコニコと笑顔で言ってくる。なんなのよ?引くほどの演習って…
「合格率66%のサバイバル演習だ。」
「は…?」
「え…?」
「…」
「ハハハ、ほら引いた。」
そりゃ引くわよ!なんで三人中二人しか合格しないのよ!
「とりあえず明日それをやるから、この紙に書いてある時間通りに来ること。それと朝飯抜いてこいよ?吐くから♪」
カカシ先生はそう言うとドロンと姿を消した。
「ふざけんじゃないわよーーーーーー!!!」
私の叫びは虚しくも空に消えてしまった…
〜続く〜