病弱ナルトの波乱万丈人生   作:島崎 冬夜

1 / 9
〜人物設定〜

・うずまき ナルト (♀)

・四代目火影波風ミナトとうずまきクシナの娘。生まれてからすぐに九尾の襲撃により九尾を腹の中に封印され、その後両親は他界。二人の子供というのは三代目火影・猿飛ヒルゼンしか知らない。物凄い病弱で、メンタルもほとんど強くないが、頭は良い。しかしアカデミーでは自分が九尾の化け物で、もし頭が良かったら殺されると思っているのでドベを演じている。アカデミーに通う際、マスクと日傘は必ず着用している。ボクっ娘


・うちはサスケ

うちは一族の生き残り。ナルトと同期。同じ班になってからナルトのことを少しずつ意識している。アカデミーでの成績は実技・座学ともにトップ。


・春野サクラ

・ナルトと同期。一般家庭出の忍。初めはナルトのことを毛嫌いしていたが、あることをきっかけに妹のように接するようになる。


身体が弱いの度を越している

「ケホッケホッ…今日はアカデミーの卒業試験…頑張らないと…」

 

金髪で両目が翠色の少女がベッドから降りる。少女の名前は『うずまき ナルト』。木ノ葉隠れの里にある忍者アカデミーに通う生徒だ。しかし彼女にはある事情がある。それは《とても身体が弱く、精神的な面でも弱い》というところだ

 

「ええと…マスクは…あった」

 

ナルトは彼女にとっては必需品であるマスクをつける

 

「忘れ物は…なし。よし、行きますか。」

 

日傘をさし、家を出る。

 

「行ってきます。」

 

 

_____________________________________________

 

 

「今から卒業試験を始める!呼ばれたものは順番に隣の教室に来い!内容は分身の術だ!最低三体は作ってもらう!」

 

アカデミーの教師、『うみの イルカ』が生徒たちに説明をしている。それを聞いた生徒たちは「えーっ」と試験内容に不満を持っていた。イルカは次々と生徒の名前をいい、隣の教室へと連れて行った。そしてついにナルトの番が来た。

 

「…次!うずまき ナルト!」

 

「…はい」

 

ナルトは緊張しながらイルカと一緒に隣の教室へと行く。そしてそこではたくさんの教師がナルトのことを見ていた。その目線はやけに〈冷たかった〉正確にはナルトではなく、腹にいる奴なのだが。ナルトは緊張のおかげかその目線には気づいてはいなかった。

 

「うずまきナルト。はじめなさい。」

 

「はい」

 

ナルトは震える手を頑張って前に出し印を組んだ。そして組み終え、「分身の術!」と言った。するとポンッと軽い音がなり、ナルトの分身が三体現れた。

 

「…っ!うずまきナルト、合格だ!」

 

イルカはナルトが術の成功を見て凄く感激したようだ。声を荒げながらナルトに合格を伝える。

 

「やった…!」

 

「おめでとうナルト。ほら、額当てだ。」

 

「ありがとうございます…!」

 

ナルトは額当てを受け取ると教室を去った。

 

 

_____________________________________________

 

 

ナルトは貰った額当てを見ながら自宅へと帰っていた。その時一人の少女が彼女の前に現れた。

 

「ナルト!なんでドベのあんたが額当て持ってんのよ!」

 

「え…」

 

「ドべが忍になれるわけないでしょ!その額当て貸しなさい!」

 

「やだっ…」

 

少女がナルトの額当てを取ろうとし、ナルトは取られぬよう必死に抵抗する。

 

「貸しなさいっ!」

 

少女がナルトを思いっきり突き飛ばし、額当てを奪い取る。ナルトは《軽く》地面に叩きつけられた。

 

「ふん!ドベのあんたがこんなの持っても意味ないのよ!」

 

少女はそう言い放つが、返事は来ない。目を向けるとナルトは地面に倒れてピクリともしていなかった

 

「ナルト…?」

 

少女は呼びかけるものの、ナルトは起きない。よく見るとナルトの頭から血がドクドクと出ていた。

 

「なっナルト!しっかりして!」

 

少女は自分の行為をひどく後悔した。自分のせいで人が死ぬ、そう思った。

 

「ナルトっ!」

 

少女が泣き叫んでいると、そこに三代目火影・猿飛ヒルゼンが駆けつけていた。

 

「ナルト!しっかりするのじゃ!」

 

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

 

泣き続ける少女にヒルゼンは責めることなく、優しく抱きしめた。そしてヒルゼンは暗部を呼び、少女を任せナルトを火影邸に連れていった。

 

 

 

〜火影邸〜

 

「すまんかった…」

 

ヒルゼン治療し終わったナルトの手を優しく握っていた。ナルトがこのように身体が弱いのは、腹に封印されている《九尾》のせいである。本来ナルトは身体が強く生まれてきたのだが、生まれてすぐに九尾を封印された。九尾は生命力が強く、とても巨大なチャクラを持っている。九尾の生命力がナルトの強い生命力と反応し、互いに打ち消しあってしまい、逆に弱い身体になってしまった。なので少しでも頭を打ったりすると大量の血が出てくる。

 

「わしがもっと見ていれば…」

 

「おじいちゃん…」

 

「ナルトっ!」

 

ナルトが目を覚ました。同時にヒルゼンの手を握る力が強くなる。

 

「すまんかったナルト…」

 

「ううん、おじいちゃんのせいじゃないよ…しょうがないんだよ。僕がドベだから…」

 

「ナルト…お前は頭が良いではないか…何故アカデミーで実力を出さん…」

 

そう、ナルトはドベと言われていだが実はとても頭が良い。おそらく奈良一族のご子息よりIQは高い。

 

「だって…僕が一番になるとみんなに怖がられて殺されちゃうでしょ?だからドベを演じるようにしたんだ…」

 

「なっ…!ナルト、いつからそのことを…」

 

「3歳の時だよ…みんな僕を見る目が他の子と違うから理由を調べてみたんだ。そしたら僕に関する記述が書いてある本を見つけて…それで知ったんだよ…」

 

「なんと…」

 

そのときからもう知っていたのか…とヒルゼンは驚愕する。確かあの本は子供では解読できない暗号で書かれていたはず。なのにナルトは自力で解いて事実を知ったのだ。

 

「ナルト…」

 

「なぁに?おじいちゃん」

 

「強く…生きるのじゃ…」

 

「うん、頑張るよ…」

 

 

 

〜続く〜

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。