・うずまき ナルト (♀)
・四代目火影波風ミナトとうずまきクシナの娘。生まれてからすぐに九尾の襲撃により九尾を腹の中に封印され、その後両親は他界。二人の子供というのは三代目火影・猿飛ヒルゼンしか知らない。物凄い病弱で、メンタルもほとんど強くないが、頭は良い。しかしアカデミーでは自分が九尾の化け物で、もし頭が良かったら殺されると思っているのでドベを演じている。アカデミーに通う際、マスクと日傘は必ず着用している。ボクっ娘
・うちはサスケ
うちは一族の生き残り。ナルトと同期。同じ班になってからナルトのことを少しずつ意識している。アカデミーでの成績は実技・座学ともにトップ。
・春野サクラ
・ナルトと同期。一般家庭出の忍。初めはナルトのことを毛嫌いしていたが、あることをきっかけに妹のように接するようになる。
「ケホッケホッ…今日はアカデミーの卒業試験…頑張らないと…」
金髪で両目が翠色の少女がベッドから降りる。少女の名前は『うずまき ナルト』。木ノ葉隠れの里にある忍者アカデミーに通う生徒だ。しかし彼女にはある事情がある。それは《とても身体が弱く、精神的な面でも弱い》というところだ
「ええと…マスクは…あった」
ナルトは彼女にとっては必需品であるマスクをつける
「忘れ物は…なし。よし、行きますか。」
日傘をさし、家を出る。
「行ってきます。」
_____________________________________________
「今から卒業試験を始める!呼ばれたものは順番に隣の教室に来い!内容は分身の術だ!最低三体は作ってもらう!」
アカデミーの教師、『うみの イルカ』が生徒たちに説明をしている。それを聞いた生徒たちは「えーっ」と試験内容に不満を持っていた。イルカは次々と生徒の名前をいい、隣の教室へと連れて行った。そしてついにナルトの番が来た。
「…次!うずまき ナルト!」
「…はい」
ナルトは緊張しながらイルカと一緒に隣の教室へと行く。そしてそこではたくさんの教師がナルトのことを見ていた。その目線はやけに〈冷たかった〉正確にはナルトではなく、腹にいる奴なのだが。ナルトは緊張のおかげかその目線には気づいてはいなかった。
「うずまきナルト。はじめなさい。」
「はい」
ナルトは震える手を頑張って前に出し印を組んだ。そして組み終え、「分身の術!」と言った。するとポンッと軽い音がなり、ナルトの分身が三体現れた。
「…っ!うずまきナルト、合格だ!」
イルカはナルトが術の成功を見て凄く感激したようだ。声を荒げながらナルトに合格を伝える。
「やった…!」
「おめでとうナルト。ほら、額当てだ。」
「ありがとうございます…!」
ナルトは額当てを受け取ると教室を去った。
_____________________________________________
ナルトは貰った額当てを見ながら自宅へと帰っていた。その時一人の少女が彼女の前に現れた。
「ナルト!なんでドベのあんたが額当て持ってんのよ!」
「え…」
「ドべが忍になれるわけないでしょ!その額当て貸しなさい!」
「やだっ…」
少女がナルトの額当てを取ろうとし、ナルトは取られぬよう必死に抵抗する。
「貸しなさいっ!」
少女がナルトを思いっきり突き飛ばし、額当てを奪い取る。ナルトは《軽く》地面に叩きつけられた。
「ふん!ドベのあんたがこんなの持っても意味ないのよ!」
少女はそう言い放つが、返事は来ない。目を向けるとナルトは地面に倒れてピクリともしていなかった
「ナルト…?」
少女は呼びかけるものの、ナルトは起きない。よく見るとナルトの頭から血がドクドクと出ていた。
「なっナルト!しっかりして!」
少女は自分の行為をひどく後悔した。自分のせいで人が死ぬ、そう思った。
「ナルトっ!」
少女が泣き叫んでいると、そこに三代目火影・猿飛ヒルゼンが駆けつけていた。
「ナルト!しっかりするのじゃ!」
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
泣き続ける少女にヒルゼンは責めることなく、優しく抱きしめた。そしてヒルゼンは暗部を呼び、少女を任せナルトを火影邸に連れていった。
〜火影邸〜
「すまんかった…」
ヒルゼン治療し終わったナルトの手を優しく握っていた。ナルトがこのように身体が弱いのは、腹に封印されている《九尾》のせいである。本来ナルトは身体が強く生まれてきたのだが、生まれてすぐに九尾を封印された。九尾は生命力が強く、とても巨大なチャクラを持っている。九尾の生命力がナルトの強い生命力と反応し、互いに打ち消しあってしまい、逆に弱い身体になってしまった。なので少しでも頭を打ったりすると大量の血が出てくる。
「わしがもっと見ていれば…」
「おじいちゃん…」
「ナルトっ!」
ナルトが目を覚ました。同時にヒルゼンの手を握る力が強くなる。
「すまんかったナルト…」
「ううん、おじいちゃんのせいじゃないよ…しょうがないんだよ。僕がドベだから…」
「ナルト…お前は頭が良いではないか…何故アカデミーで実力を出さん…」
そう、ナルトはドベと言われていだが実はとても頭が良い。おそらく奈良一族のご子息よりIQは高い。
「だって…僕が一番になるとみんなに怖がられて殺されちゃうでしょ?だからドベを演じるようにしたんだ…」
「なっ…!ナルト、いつからそのことを…」
「3歳の時だよ…みんな僕を見る目が他の子と違うから理由を調べてみたんだ。そしたら僕に関する記述が書いてある本を見つけて…それで知ったんだよ…」
「なんと…」
そのときからもう知っていたのか…とヒルゼンは驚愕する。確かあの本は子供では解読できない暗号で書かれていたはず。なのにナルトは自力で解いて事実を知ったのだ。
「ナルト…」
「なぁに?おじいちゃん」
「強く…生きるのじゃ…」
「うん、頑張るよ…」
〜続く〜