「「水遁・水鏡の術!」」
私とやぐらの声が庭に響くと、私達の前に水鏡が現れる。
やぐらの方は、私の物よりもかなり大きい。
(やはり…本家…。)
水鏡の術は、原作でもやぐらが使用していた。
やぐらの中にいる磯撫の力もあり水遁が得意なやぐらと、木遁を主に使用している私の差がハッキリ出ている。
…因みにウタカタは近くに座ってナシを食べながら見学している。
─アカデミーに入り数年が経った。
アカデミーでは、人柱力達が全員満点で3位までを独占するという事態が発生していた。
思った以上に退屈な授業では、身になる筈も無く…3人で鬱憤を晴らすかの様に修行を行っていた。
アカデミー入学の際に祝として水影様から渡されたのはやぐらが緑の花が付いた黒い棍棒と、ウタカタがチャクラでシャボン玉が出てくる管である。
どちらも原作でも持っていた物だ。
私には髪をくくる白いリボンと赤いうさぎのぬいぐるみをくれた。
…女の子らしくしろという事だろうか?
まぁ、有難く使わせて貰っているが。
それから、3人お揃いのネックレス。
それぞれ「3」、「6」、「7」の刻印が入った物だ。
ついでに私が封印術を応用し、改良した「幻術無効」の効果を入れておいた。
人柱力である私達が写輪眼などにより尾獣もろとも幻術にかかれば、霧隠れに甚大な被害がでる。
そうなれば、九尾の人柱力であるナルトがされたように、迫害が始まるかもしれない。
人柱力全員がナルトの様な鋼メンタルな人間ばかりでは無い。少なくとも、私達がナルトの様に迫害されると…最悪誰かが里抜けする可能性もある。
出来る限り幼なじみの死亡フラグを回避する為に、出来ることをしておかなければという気持ち半分、血霧の里と呼ばれる未来を回避したいという気持ち半分だ。
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クルンと跳ねがちな髪を白いリボンで後ろにまとめ、写真が立てられている棚の方へ向かう。
「お父さん、お母さん、行ってきます。」
返事が無いのは分かっていても、毎朝の習慣として続いている。
忘れ物が無いかもう1度確認し、鍵を閉めて家を出る。
「ウタカタ、やぐら、おはよう。」
「おはよう…」
「おはよう〜。」
途中で見つけた2人と合流し、アカデミーへと向かう。
3人は12歳になり…今日、アカデミー卒業試験を受ける。
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「え〜試験内容は、分身の術を行うこと。名前を呼ばれた順に隣の部屋にこい。」
そこは木の葉と一緒なのかと思いつつ、最初に名前を呼ばれたレナは隣の部屋に向かった。
「分身の術!」
煙と共に出てきた、私そっくりの分身。
教師は満足そうに頷き、私に新品の額宛を渡した。
「おめでとう。」
「ありがとうございます。」
私が作ったのは鱗粉分身だ。
どこからともなく現れ、消える謎の物体。
これまで、謎を解明しようと頑張ってみたが…もう「こういうものだから」としか言えない。
好きな様に動かそうとチャクラは減らず、オートで絶対防御を作り出すなど、プラスにはなってもマイナスにはならない為、放置している。
私の試験が終わってからも生徒の名前は呼ばれ続け、アカデミーを出る時はウタカタとやぐらも額宛を付けていた。