赤毛の末裔少女   作:ココスケ

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第4話

金剛封鎖。

それは、背中から無数の鎖を出して相手を縛り付ける技。

 

座学も終わり、いざ実践となったのはこの世界で目覚めて1週間後の事だった。

 

「金剛封鎖っ!」

 

チャクラを練って私が出した鎖は、木遁で作った的を庭に縫い付ける。

鎖は鱗粉と同じく自由に動かせるようだ。

 

「初めてでこんなにも上手く封印術を使えるようになるとはね…。

今の感じを忘れないように。」

 

「はい!ありがとうございました。」

 

「うん、いい子だ。」

 

いい子いい子と優しく頭を撫でてくれるお父さんは、任務で忙しくとも私を可愛がってくれる。

 

「じゃあ、僕はそろそろ任務に行かないと…」

 

タダの子煩悩な父親にしか見えないが、霧隠れの上忍。

あまり、多くの時間は取れないでいる。

一応、有名な忍なのだが…

 

『外では…紅い疾風って呼ばれてるんだぜ、嘘みたいだろ?

多重人格だと言われても納得出来る。』

 

「お父さん、頑張ってね!」

 

「あぁ。いい子にして待っててね。」

 

 

…この1週間で、お父さんの実力も、優しさも知った。

だから、大丈夫。お父さんなら、無事に戻ってくる。

 

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「あとは〜豚肉〜。」

 

『卵もな。』

 

「あ、そっか。」

 

商店街で買い物をすると、微笑ましい物を見る目で見られ、時々お菓子をくれる人もいる。…子供って得だ。

 

私の肩にはチビサイズの重明が乗っており、私のボディーガードをしている。

 

「これで、終わり…かな?」

 

『レナ、早く帰ろうぜ…。』

 

「うん。」

 

途中、男の子の集団に囲まれてもみくちゃにされた重明は、げっそりとしている。

 

「重明、お疲れ様。…今日はアップルパイを作ってあげる。」

 

『…マジ!?早く帰ろうぜっ!』

 

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「遅いね…ご飯冷めちゃった…」

 

『アップルパイも俺が全部食べたしな。

…それにしても、なんか嫌な感じがする。何も…無ければいいんだが。』

 

「お父さんは強いもん…何も無いに決まってる…」

 

口ではそう言ってはいるが…不安な事には変わりない。

お父さんがこんなにも遅くなる事は、1週間の間無かった事だから。

 

「…修行でもしようかな。」

 

思い立ったらスグに実行。

座っていた椅子から立ち上がり、庭の方へ向かおうとすると…

 

コンコンッ

 

「はーい…どちら様ですか?」

 

「…先生…うずまきヤシロの部下です。」

 

『父親は…確か、下忍を受け持っていたな…。』

 

「今開けます。」

 

「あっ…娘さん…ですか?」

 

「…父に何かありましたか?」

 

ドアを開けると、怪我を負った部下達がいたが、父の姿は見当たらない。

そして、部下達の泣き腫らした目や掠れた声が私の不安を掻き立てる。

 

 

 

「…うずまきヤシロさんは…お亡くなりに…なりました。」

 

私の中で、何かが弾ける音がした。

 

 




まさかの退場

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