会議室で、私達は椅子に座る。
我愛羅の席から視線を感じる気がするが、きっと気の所為だ。
ナニモシテナイ…ナニモシラナイ。
現実逃避をしていると、声がかかる。
「第2の試験での〝あれ〟はお前らだったか。」
「あれ?何かあったのか?」
我愛羅の唐突の一言に、父の四代目風影が反応する。
「…第2の試験の初日、三人組の人柱力に巻物を取られた上縛られてな。尾獣化した上木遁まで使われたから手も足も出なかった。
砂も効かなかったからどこのどいつだと見ていたら…ナルトの従兄弟がいたのか。
3日目になって拘束が解かれたが、体力、気力共に消耗して試験を受ける所ではなかった。」
「俺ってばレナが木遁が使えた事に驚いたってばよ。」
「先祖帰りとは不思議な事もあるものだで。」
我愛羅は特に私達をコロコロする気は無いようだ。
ナルトと五尾の人柱力、ハンがそれぞれ反応を示す中、雷影の様子がおかしい。
「大鎌コアイ…去勢ダメ、絶対…」
「ボスが壊れた…ダリィ…」
雷影の性格が原作とはエライ違いである。
どうしてこうなった、むしろどうすればこんなトラウマを植え付ける事が出来るのか。
ある意味お母さんを尊敬する。
…尊敬するだけで真似をしたいとは思えないし絶対に真似はしないと誓うが。
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中忍試験に参加した人柱力達の結果が発表される。
「波風ナルトを中忍合格とします。
…おめでとう、ナルト。」
「俺だけ?あの3人はどうなるんだってばよ。」
「いや、霧隠れの3名は中忍ではなく上忍だ。3人共おめでとう。」
「上忍…」
「つまり…」
「もっと働けって事か…」
3人の言葉にその場にいた全員がずっこける。
「ち、違う!お主らが本腰を入れて働くとほかの者が任務にありつけず食いっぱぐれるわ!
むしろこれから暇で仕方なくなるぞ!」
「暇になるなら3人で修行でもするか。周りに被害が出ないところで。」
「レナに建物建てて貰えるし…かなり遠くまで行っても大丈夫そうだな。」
「水影様、尾獣化して本気で戦えるような広い所知りませんか?」
今まで以上に任務を受けようとする3人を必死に止める水影、それを聞いてマイペースに修行合宿の計画を立てる3人。
その日、確かに水影には同情の目線が注がれていた。
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疲れた様子の
上忍になろうと、日々は変わらず…強いて言うならば任務のランクが上がった位で、殆ど変わらない日常を送っていた。
だが、それは突然訪れた。
「やぐら…もう一回言って?」
「俺…次代水影のトーナメントに出る。」