「木遁・便利な小人さんの術!」
『もうツッコまねぇぞ。
新しいネーミングを放棄した事にはツッコまねぇからな!』
重明のツッコミの最中に、私が空から見つけたアジトへ小人さん達が入っていく。
人を見かけたら、人形の振りをするようにと命令を出しておく。
「木遁は千手の血継限界では…。」
「この子、うずまきの子なんです。
うずまきと千手は遠縁だから先祖返りではと言われています。」
「うずまき…ですか。」
「赤い髪、ゴキブリ並の生命力と莫大なチャクラ量、高度な封印術が特徴の一族ですね。
うずまき一族は離散してしまってあまり見かけませんが…。」
「先生、出来た。」
私が差し出した紙には、小人達が歩き回って集めた情報を簡単に書いたものだ。
「ダルイさん、こちらです。
…小人達は敵に見つかっては居ないようですね。」
「あー…了解っす。…じゃ、作戦会議を行います。」
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「えー…アジトの出入り口は北のみ。
つーことで、ツーマンセルで北以外の四方の壁を壊して抜け忍達を討伐しながら中心へ進んで行きます。
地図の丸印の所の壁が薄くなっているとの事です。
アジトには、里から持ち出された禁術書や人体実験の資料があると見られますので、出来るだけ被害を出さないように。」
「ダルイ、ペアはもう決めたのか?」
「俺とレナさんは南、シーとウタカタは北、鬼鮫さんとビーさんは西、ユギトさんとやぐらくんは東だ。
後質問ある人…無いなら散!」
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「鱗粉ドッカーンの術!」
「レナさんって…いつもこんな感じっすか?」
『あぁ、チビの時からこんな感じだ。』
「な、敵襲っ!」
音で気づいた10名程の抜け忍達は私達に一斉に飛びかかったものの、一瞬で大鎌の餌食となって首と胴体が別れる。
『…上忍クラスって言っても連携もクソもねぇな。
4歳の時に来た暗殺者の方が強いぞ…。』
「…暗殺者、ですか…。」
ダルイさんは何か言いたげにしていたものの、忍者に集中する。
アジトを走り抜けて、30名程の抜け忍の集団とエンカウントする。
恐らく、中心部に来ると見越して待ち構えていたのだろう。
『水遁・水龍弾!』
「水遁・水鏡の術!」
一番前列の忍達が一斉に水龍弾を放つが、私が出した水鏡によって相殺される。
「雷遁・黒斑差!」
相殺された瞬間を見計らって、ダルイが出した雷の黒豹が抜け忍達へ飛びかかった。
相殺された水遁を媒体に、雷は広がりを見せて一気に抜け忍達の意識を刈り取った。
アジトを順調に進み、全員が中心部で落ち合えたのは5分程後の事であった。