真剣で人生を謳歌しなさい!   作:怪盗K

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|д゚)__8話目 スッ


|ミ サッ



お待たせしました。よろしくお願いします


第8話

 爺にリンチされてから数日、へこんでいた顔面も元通りのイケメンフェイスに戻っていた。骨格から歪んでいたはずなのに、我がことながらエイリアンの細胞でも混ざっているんじゃないかと思ってしまった。

 とりあえず、爺にリベンジするために九鬼に吶喊したが、返り討ちにあった。また顔がデコボコにされた。

 

 

「ということがあってだな」

「お、おう……だからそんな包帯巻いてるのか。一瞬誰かと思ったぜ」

「フハハハハ! ヒュームと派手にやってくれたようだな。本部の一部が崩壊したと聞いたぞ」

 

 

 準や冬馬はしばらく塾もないとのことなので、お宅訪問ということで冬馬の家に遊びに来たのだ。なんだか冬馬の親父さんが、白目を剥いてたけどなんでだろうなー。

 まあ、俺と英雄が来た時点で胃に穴が開いてもおかしくねぇな。

 いやごめんて、おまけみたいに潰されて。でも、足を洗えたから許してくれ。逆に九鬼のお陰で穏便に済んだんだからな。感謝しろ、もっと金搾り取るぞ。

 

 

「ねー、修二……それって、僕のせいなの?」

 

 

 旅行から帰ってきた小雪ちゃんが包帯越しにデコボコになった俺の顔を触ってくる。ミイラモードのおかげで見た目には変態だが、触ればそこが人の頭の形としては変であるということが分かるだろう。

 

 

「あー? 小雪ちゃんよぉ、この傷は俺が選んだ結果の傷だぞ。だから、小雪ちゃんは気にしないでいいんだよ。こういう時はありがとうって、チューしてくれればいいんだよ」

「……うん」

「む、修二、どういうことだ?」

「痛い痛い痛い! 百代ちゃんの握力だと顔がデコボコで固定されちゃう!」

 

 

 小雪ちゃんを慰めながらチューをねだったら百代ちゃんに制裁された。頭の形が洋梨みたいにされそうだった。

 俺が悲鳴を上げると、なんとか百代ちゃんは解放してくれた。頭にはっきりと百代ちゃんの手形が付いていた。

 

 

「いいよ……修二、ありがとう」

 

 

 百代ちゃんから解放された瞬間、目の前には小雪ちゃんの顔があった。それとともに、唇に柔らかい感触がした。甘い香りがする、そして、それと同じだけ甘い味が接した唇から広がってくる。

 久々だったせいか、俺も唇から伝わってくる人の体温に、血が全身へと巡る感覚を覚える。

 その血流が下半身へと巡る。むずむずとした感覚、これは慣れ親しんだ覚えのあるものだった。

 

 エクスカリバーがいま目覚める……!

 

 

 

「……な、ななな……」

「ん、これでよかったかな。修二」

「ああ、ありがとうな。美味しかったぜ」

 

 

 百代ちゃんが壊れたテープレコーダーのように動いている。面白いように動いているが、あまりよろしくない雰囲気だ。主にトラウマ的に。

 

 

「修二! 小雪! なんでキスしたんだ!」

「う……モモちゃん……でも、したくなったから……」

「がるるるる」

 

 

 獣のように唸り声をあげる百代ちゃん。一歩扱いを間違えば、俺の頭どころか全身が面白オブジェに整形されてしまう。流石にこれ以上変な形にされたらアンパンマンみたいに顔を全部とっかえねぇと元通りにならんレベルになっちまうかもしれねぇ。

 小雪ちゃんは怯えた小動物のようになってしまってるし、冬馬と純もフリーズしている。まったく使えねー野郎どもばっかりだぜ、小雪ちゃんは可愛いから許す。

 

 

「フハハハ、豪胆よな。修二も小雪も」 

「そう言えるお前がうらやましいよ。ったく、くそ、せっかくエクスカリバーが抜けそうだってのに……」

 

 

 久しぶりな相棒を小雪ちゃんたちに可愛がって欲しいが、まあひとまずはいいか。

 

 

「百代ちゃん百代ちゃん」

「なんだ修二、私は怒っ……ん!」

 

 

 仕方ないので、百代ちゃんの口を、俺の口で塞ぐ。小雪ちゃんに不意打ちされて、俺も女の子ソムリエとして憤っているのだ。ならば見せつけならねばならない、俺がリードする側だと。

 

 

「んっ……はっ……あっ」

「んっ……じゅる……はぁ」

 

 

 溶けてしまえとばかりに、百代ちゃんの口を貪る。視界の端では小雪ちゃんが驚いたような表情をしているのが見えたし、その反対側では純や冬馬、さらには英雄までもが口を阿呆のように開いていた。

 たっぷり一分、きっかり六十秒の間、ぷっくりと実った果実のような唇を味わせてもらった。俺の高ぶりが流れ込めと、お互いの気持ちを高ぶらせていく。もっと、もっと寄こせとばかりに吸い付き、舐める。

 

 

「ご馳走様」

 

 

 唇を離せば、端から銀の端が垂れる。小学生じゃ想像もできないだろうキスをしてやったせいか、百代ちゃんの目は焦点が合っていない。コ●ンボディになってから、俺が、俺の意思で初めてしたキスだ。ファーストキスと言っても過言では無いだろう。

 小雪ちゃんにはファーストキッス(笑)の称号をプレゼントしよう。

 

 

「おーい、百代ちゃーん、大丈夫かーい」

 

 

 目の前でパタパタと手を振ってやるが、反応はない。不意打ちだったせいかトリップしてしまっていた。まあ、多分不意打ちじゃなくてもトリップしてたろうが。

 正直言えば、すごく股間に来る表情だ。もしこの場に冬馬たちが居なければ、すぐさまに押し倒していた。ロリだが、百代ちゃんの発育は非常によろしい。

 俺の守備範囲はワールドクラスのゴールキーパーだから、もちろん小雪ちゃんも巻き込んで大暴れしていただろう。

 

 

「く、しかし流石に初っ端から見せつけプレイはレベル高い……」

「何訳の分らん事いってんだよ! こっちはいきなりトラウマもんだよこの馬鹿!」

 

 

 準がツッコミのために復活してきた。お前も何気に順応能力高いよな。

 

 

「キスを実際に見たのは初めてですね。ドラマとかでは見たことがあったのですが、やはり生だとこう、感じるものがあると言いますか」

 

 

 冬馬も何故か顔を紅潮させて俺を見ていた。おいこら、こっち見んな。なんか尻がきゅっと寒気を感じるだろうが。

 

 

「む……むぅ……今のがでぃーぷきすか……。中々に珍妙なものであったな」

 

 

 あら、意外と初心なのね、英雄。ただ、なんかお前の恋のフラグをべきべきにへし折ってる気がするから、申し訳ない気もするんだよな。主に一子ちゃんあたり。まあ、どうでもいいか。

 

 

「修二……今の……なんだ……?」

 

 

 百代ちゃんがようやく再起動を果たす。

 

 

「大人のキスだよ。小雪ちゃんよりも先に、百代ちゃんにプレゼントだ」

「……ああ」

 

 

 上々な仕上がりだな。百代ちゃんは素材がいい分、俺も手のかけ甲斐があるってもんだ。股間のエクスカリバーが真名解放しろってビンビンに主張して来てやがる。

 

 

「ただ、ミイラじゃなければ絵になってたんじゃねぇか?」

 

 

 あぁん? そこのハゲ、お前もミイラにしてやろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日も落ち、解散した後、俺は一人で考え事をしながら歩いていた。

 小雪ちゃんと百代ちゃんの大人の階段を上げた後、なぜ今まで勃起しなかった癖に、今回は息子が臨戦態勢に入れるようになったのかを。

 

 

「なぁんでかねぇ。この体も不思議なことばっかだし」

 

 

 俺がガキの頃の体なのは確かだ。このナイスガイすぎる顔面はそうそう存在しているはずはない、だが、俺がこの年齢だったころには勃起から射精まで、既に女体の神秘と競い合わせてたはずだ。

 爺にボコられたからか? ドMだったからか? いや、S嬢ならともかく、加齢臭のきつい爺にボコられて興奮する趣味はねぇ。

 

 

「よっと」

 

 

 垂直飛びでどっかの民家の屋根に飛び乗る。そのまま軽いジャンプで屋根から屋根へと跳んで行く。

 身体能力もちょっと頭おかしいレベルだしな、まあ、ジェノサイド爺とか百代ちゃんとかも居るから、バトル漫画の世界みたいだし。

 

 

「……ん? 待てよ

 

 バトル漫画の世界……? バトル漫画の世界の俺……?

 

 

「もしかして、これって俺の身体だけど、俺の身体じゃなかったってオチか?」

 

 

 俺の元々大人だった身体がコ●ン君的展開に遭遇したわけではなく、子どもだった俺の身体に俺が入り込んだってことか。そうなると年代的にずれがあっても、そこまで不思議じゃない。

 

 

「ようは馴染んでなかったって訳か? うーむ、よく分からん」

 

 

 まあ、真名解放はできるようになったし、歓楽街にある大人の風呂屋でレッツパーリーと行くか?

 

 

「いや待てよ、せっかくの童貞だ。風俗嬢とかじゃなくて、もっと面白い相手で卒業したいな」

 

 

 人生に一度しかないのだ。どうせなら、捧げてもええんちゃう? と股間の剣が反応する相手がいい、面白そう。

 俺はいつだって面白おかしく生きていきたいのだ。

 そうと決まれば、選別のお時間だ。

 

 今冷静になって考えれば、小雪ちゃんと百代ちゃんはなぁ。多分、今の俺のエクスカリバーでも、挿れたら裂ける。一子ちゃんも同様。行為中に血まみれとか萎えるから、もうちょい育ってからだな。

 いや、ぶち込みたい欲求は勿論あるんだけどね? ほら、俺って紳士だから。女の子には優しいのがデフォだから。

 

 

「どっかに都合よくおねショタできそうな女居ねぇかなぁ」

 

 

 あざといガキを演じて騙してみるのも楽しそうだな。うん、夢がワクワク広がりんぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つーわけで、今回は京都に行くぞ! おめぇら準備はいいか!」

「よくねぇよ! 昨日の今日でどうして京都なんだよ!?」

「俺が京美人に会いたくなったからだよ」

 

 

 とか言いながらちゃんと荷物用意してるじゃねぇか、このむっつりハゲめ。実は楽しみなんだろ?

 

 

「京都かぁ。確か、五重塔があるんだよね」

「五重塔は奈良やで、小雪ちゃんや」

「うぇ? そうだったんだ」

 

 

 まあ、京都だけじゃなくてその辺りも回ってもよさそうだな。修学旅行生とかのホテルに転がり込んで食い散らかしたい。うーむ、時期的に微妙か?

 

 

「ま、とりあえず今回は子供だけじゃねぇ。大人の引率者が居るんだぜ、特別ゲストだ」

 

 

 大人の引率者ってのが、小雪ちゃんを連れまわす条件として榊原マミーに提示された条件だった。

 仕方ないので、俺は頼りになる大人を探した、それはもう、子供たちの面倒を見るに相応しい、清廉潔白な大人の鏡を。

 

 

「よー、お前らが百代と修二の友達か。釈迦堂刑部だ、よろしく頼むぜぇ」

「というわけで、特別ゲストの釈迦堂くんです、皆、仲良くするよーに」

 

 

 ちなみに大吟醸五本で手を打ってくれました。いやー、話の分かる大人っていいわー。

 

 

「ま、口うるさくはしねぇが、悪いことをしたらちーと厳しいしつけをするから、そこんとこ注意しとけよー」

「……あの、修二さん? この方絶対カタギじゃないですよね。ヤのつく自営業な方ですよね」

「ヤクザより、どっちかつーとチンピラのおっさんじゃね?」

 

 

 準も初対面だからってビビっちゃってまー情けないこと。冬馬は平常運転だぞ?

 

 

「ふふ、賑やかな旅行になりそうですね。僕は葵冬馬といいます、よろしくお願いします、釈迦堂さん」

「準、そんなに怖がることないぞ。釈迦堂さんは川神院の師範代だからな」

「うぇ、まじすか? モモ先輩。あ、俺は井上準です。よろしくお願いします」

「釈迦堂先生、うぇーい!」

 

 

 小雪ちゃんも川神院に通ってるからか、釈迦堂さんと仲いいんよな。リングとかの気を使った技の適性はないらしいけどね、小雪ちゃん。まあ、それでも既にチンピラとかは蹴り殺せるんじゃないかって思う、この子、怖い。

 

 

「あ、ちなみに英雄は英雄でみかどっちに会いに行ってる関係で来れないらしいってよ」

 

 

 あー、実に残念だ。仕方ないから京美人との熱い夜の記録でもお土産に持って帰ってやろうか。

 エクスカリバーが抜けるようになったせいで、正直ムラムラすんねん。

 発散したいってのがこの旅の七割がたの目的だったりする。

 

 残り三割? 旨い京料理と酒だよ。自分で手のひらから出したのより、やっぱ生で食う方が美味いんだよな。

 女の子も、生が美味しいけど、ちゃんと避妊はしないといけない。

 そのあたり俺は紳士なのだ。

 

 

「それじゃあ野郎ども! 行くぞぉ!」

『おー!』

 

 

 いやぁ、楽しみだぁねぇ。京都。何故かはわからないけど、夫が株に手を出して借金をこさえて、それに愛想を尽かして別居中の人妻が居る様な気がするんだよねぇ。

 うん、悲しむ美女は放っておけないな! 紳士として!




ここまで読んでいただき、ありがとうございました。下ネタと勃起不全解決が主な内容ですね。はい、やはり下品な主人公ですいません。
とりあえず、発覚真実として、主人公はコ●ン君じゃなくて、憑依みたいな感じでしたね。ボコられて治るの繰り返しでようやく身体に魂が定着してきました。的な感じです。
まあ、そのあたりはさほど重要ではないので、さらっと流して大丈夫な設定です。
京都楽しみだなーと思っていただければ幸いです。




リアルの方が一段落しましたが、まだ忙しいので私事ながら、更新はまた遅れてしまうでしょう。ご容赦くださいませ。

では、これからもよろしくお願いします。

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