「司令官!もっと私に頼っていいのよ?」
最近よくダメ提督製造機という言葉を耳にする。
「だーめ。提督さんはうちがお世話するんじゃけぇ。お子様は部屋に戻ってママのおっぱいでもすっときィ」
なんでも提督のお世話が好きな艦娘が提督のお世話を焼いて最終的にその艦娘無しでは何もできなくなってしまうのだとか。
「何言ってるの浦風さん!提督はこの私に頼りたいはずよ!」
少なくとも、うちの鎮守府ではおそらくそれはないだろう。なぜなら……
「何言ってるんや?うちの提督さんがこんなちっこいおっぱいなんかに頼るわけないやん。それに今日の秘書官はうちじゃけぇ。なんで秘書官でもない雷ちゃんが執務室におるんや?」
この二人は俺に狂依存している。この間、本部に呼ばれて3日鎮守府を開けていざ帰ったらこの二人だけ見当たらず、妖精のみんなに探すように言うと工兵で解体用機械に体を半分入れた状態で発見された。話を聞いてみると、俺に捨てられたのかと勘違いしたらしい。
「提督さん!疲れてないかえ?疲れたらうちがいやしてあげるけんのぉ。いつでもいってな?」
私は書類の山を黙々と進めていると、不意に私の膝に雷がのってきた。こちらに背を向けて座るのではなく、私と対面で座ってきた。
「なにしてるのかねェこのクソビッチさっさとうちの提督さんからはなれんか?」
「なによ。うらやましいの?秘書官なんでしょ?だったら仕事しなさいよ」
とこの二人は俺のお世話をしようとすると必ず二人そろう。タイミングが悪いのかそれとも狙ってやってるのか。まぁこの二人の仲の悪さを見るとおそらく本当にたまたまなのだろう。
「秘書官でもないクソウサギが目障りなだけじゃけんのお……あっ、そんなこともわからんお子様にはなにいってもむだだったかの?」
と浦風は私の肩に腕を回して後ろから抱き着く。
「二人とも。やめないか。わたしは二人が心配してくれているのはすごくうれしい。だからこそ二人には仲良くしてほしいのだ」
これもまたいつも通り。この二人は喧嘩して私に仲介されて、、、
「「まあ、提督がそういうなら」」
コレもいつもと同じ。そしてこの後二人は意気投合して私を二倍で甘やかそうとしてくる。
「ほら、提督さん。つかれたやろ?お布団敷いてきたからお昼寝しようや。残った書類はお昼寝した後でもおそくはないんやろ?」
そう言って私の手を引いていつの間にか敷かれている布団に入れられる。
「ほらほら!司令官!枕は私の膝枕よ!」
「掛け布団はうちがなるけん。提督さんはゆっくり眠って」
そう言って雷は私に膝枕を。浦風は私に抱き着いてくる。
「二人ともすまない」
そう言って私は襲い来る睡魔に身をゆだねる。
「司令官!」
私はその一言で飛び起きた。
「どうしたの?泣いてるわよ?怖い夢でも見た?大丈夫、わたしがいるじゃない」
そう言って雷は私の頭を撫でる。
「大丈夫けぇ?ひどくうなされとったよ?」
浦風はポケットからだしたハンカチで私の涙を拭いてくれる。
「……すまない。また、
私の鎮守府には浦風と雷しかいない。前までは確認されている大半の艦娘はいたのだが突然鎮守府が何者かに襲撃されとの時迎撃に向かった艦娘がすべて沈んでしまった。その時のことを思い出してしまうことがよくある。
「大丈夫。大丈夫」
そう言いながら頭を撫でてくる浦風。
「じゃあ!お茶とってくるわね!落ち着くと思うわ!」
そう言って執務室を出ようとする雷の手首をつかんで止める。
「だめだ。いくな……いか……ないで……もう、一人にしないで」
私はまた泣いている。
「大丈夫じゃよ。今悪夢を見ていても、夢の中で一人になっていても、眠りから覚めても、一人じゃない」
そう言って二人は私の両腕を取って隣に座ってくる。
私はそれだけで救われた気がした。すると心が落ち着いたのかまたひどい眠気が襲ってきた。
「司令官まだ寝足りない?いいのよ?もう少し寝ましょ?」
そう言われて私は再び眠りに落ちた。
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「司令官には悪いことをしたと思うけどこうするしかなかったの」
「司令官はいろんな娘からすかれてたけんのお……」
「浦風、私たちが深海棲艦に情報をリークしてたってこと、死んでも司令官に言うんじゃないわよ」
「あたりまえ」
カメさん更新ですいません(´・ω・`)