どんな結末を迎えるかな?
知識不足でダメダメなこんな作者ですが、応援おねがいします。
追伸:今更、Episode.0とEpisode.1の食い違いに気づきました。
訂正はしませんが、許してください...。
サイシアイ
終わった、のか。
一塁側ベンチの片付けをしながら、スコアボードに目をやる。
『7-2』
完敗、だった。
ほしうら学院、玄山先輩、干支高校、犬崎の両先発で始まった試合。
先攻のほしうら学院は、立ち上がり不安定な犬崎を攻めたてる。
一死一、三塁から、鈴木先輩のタイムリーツーベースヒット。
初回に幸先よく2点を先制した。
一方の玄山先輩は、一、二回とランナーを背負いながらも粘りの投球で得点は許さない。
しかし、三回ウラだった。
四球や自身のエラーなどで一死二、三塁のピンチを作ると、犠牲フライと二連打で3点を失う。
また、四回にも一点を与え、さらに、五回には三番卯川にソロホームランを浴びる。
その後、四番丑光に二塁打を打たれたところで、後藤先輩がマウンドへ。
先輩は、ピンチをしっかりと乗り切る。
反撃が必要な打線だったが、初回以降は、なかなか得点圏にランナーが置けない厳しい状況。
七回表。ライトで出場の朔良が、今日二本目のヒットでノーアウトのランナー。
相手のエラーなども絡み、一死満塁のチャンス。
ここで、干支高校のマウンドには、エースの子島が。
一番杉山先輩、二番高橋先輩。
二者連続三振。得点できず。
八回ウラ。
相手の代打二人に二連打を浴びて、二死二、三塁のピンチ。
打席には、八番、子島。
ライトフェンス直撃、二点タイムリーツーベースヒット。
九回表。
二死走者なしで、最後のバッターは、後藤先輩。
空振り三振。ゲームセット。
計 H
ほし 200000000 2 5
干支 00311002× 7 11
試合翌日。
ほしうら学院野球部は、ミーティングという形で集まり、三年生一人一人がこれまでのことを振り返った。
先輩方の目に涙はなく、むしろ晴れ晴れとしているように思った。
悔しさがないわけではないはずだ。
終了後、俺は後藤先輩に呼ばれた。
「短い間でしたけど、先輩と野球ができて楽しかったです。」
本当に、楽しかった。
負けてしまったけれど。
「・・なあ、双葉。お前は、何を目標にしてる?」
いろいろと話して、話題も尽きてきたかというタイミングで、この質問。
目標?それはもちろん...
「全国制覇、です。」
「そうか。」
「俺は、とりあえず甲子園に行ってみたいなっていう感じだったんだ。」
後藤先輩は、さらに続ける。
「でもさ、今になってわかったんだよ。」
「中途半端に目標持っても、それは達成できない、ってな。」
俺は、黙って聞いていた。
「双葉。」
「はい。」
「お前なら、きっとできるよ。全国制覇。」
『俺の中のエースは、後藤先輩でしたから!』か...。
双葉諒。
一年生ながら、その雰囲気というか、オーラというか。
とにかく、何かを感じた。
コイツがいれば...と思わせてくれる、何かがあった。
最後の夏。
双葉は、結局失点しなかった。
双葉が投げ続けていれば、と、たらればを言いたくなる。
最後の試合。
五失点で、敗戦投手になった玄山は、泣いていた。
『俺のせいで先輩の夏を終わらせてしまった』と。
断じて、そんなことはない。
一回目の干支高校の試合で、追いつかせてしまった俺が悪かったのだ。
さらに言えば、最後の試合でも結局、二失点。
いずれにせよ、俺では力不足だった。
双葉が投げていれば、どうなっただろうか。
抑えきっただろうか。勝ちに導いただろうか。
それとも、何失点かしただろうか。
たらればはさておき、これからは野球部も代替わり。
新キャプテンは松宮琉果に決定した。
あいつなら、きっとしっかりとまとめあげていってくれるだろう。
来年の夏に向けて、問題はいくつかある中、これから歩き出していく後輩たち。
当たり前だが応援していきたい。
そして、俺は、大学進学。
これからは、野球からは離れて、志望校入学目指して勉強だ。
夏の戦いは終わったが、冬の戦いが残っている。
次こそは、負けないように。
これから、頑張っていくんだ。
『全国制覇です。』
俺の問いかけに力強く答えた双葉。
ふと、頭に浮かぶ。
双葉なら、きっと。
きっと、やれる気がすると。そんなふうに思う。
ハイ。負けました。
ダイジェストでお送りさせていただきました。
ってことで、これにて第一幕は終幕ということになります。
このタイミングで終わらせようと決めていたので、無事にすんで(?)ホッとしています。
ここまで粘り強く読んでくださった方、本当にありがとうございました!!
代替わりからも、もちろん書いていく気ですので、応援していただけると嬉しいです。
ではまた、次話で。
少し日が開いてしまうかもしれませんが、ご容赦ください。
今話も読んでいただき、ありがとうございました!!