両投げ両打ち!!   作:kwhr2069

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また一週間ほど、空いてしまいました。
練習試合の後の話です。

こんなに薄っぺらな内容なら、さっさと書けよ!
 というツッコミをしようと思われるかもしれませんが、できるだけお控えください。


誰よりも一番、この話に意味を見いだせていないのは作者だと思いますので。

その上で、読んでくださると、ホントに、ありがたいです。


Episode.9

セバンゴウ

 

 試合後。

 

「なあなあ!」

 

 俺に声をかけてきたのは、遠沖野学院の四番打者、東さん。

 

「あっ、ありがとうございました!」

 

「いやいや、そんなんよりも。君、何で両投げしとるん?」

 

 何で?と来たか...。困ったな。

 

 両投げが格好いいから。たまたまできたから。

 人に話せるような話ではないように思う。

 また、なんだかんだで、特に理由があるわけではない。

 

「んじゃあ、なんであのタイミングで左に?」

 

 俺が少し黙っていると、質問を変えてきた。

 

「相手が左打ちの時に、毎回左投げをやろうとは思わんと?」

 

「それは、ほら、グローブの問題がありますから...。」

 

「まあ、言われてみたらそうやね。」

「じゃあ、なんであのタイミングで左投げにスイッチしようと思ったん?」

 

「それは...右では抑えられないと思ったからです。」

 

「ふ~ん。左には自信があるん?」

 

 う~ん。それはまたなんとも...。

 

 

 俺は、力強いボールで相手を抑えるピッチングの方が好きだ。

そういう点で、俺は右投げをしているときが楽しい。

 

 

 でも、今日のゲームで、左の成績が良かったのもまた事実。

これで、左投げに自信がないとはあまり言いにくい。

 

 

 左投げが今のフォームに落ち着いたのは、打者を抑えるため。

プレートの一塁側を踏んで、打者に背中を見せるようなフォームで投げる。

 

 ストレートに力が出ない分、仕方なく制球力を重視。

 

 俺にとっては、今日の結果は当然とみることもできるわけで。

 

 

 正直、どちらがいいのかはわからなくなってきている。

 

 

「・・公式戦では、どっちか片方だけで?それともどっちも使うん?」

 

 また黙ってしまった俺を見て、東さんは違う質問をする。

 

「そうですね。・・今は、各試合で、使う方を決めようかな、と。」

 

「なるほどな。」

 

 

「あの、」

「東さんは、どっちがいいと思いますか?」

 

「え?そりゃもちろん、左や。」

 

「・・どうしてですか。」

 

「完璧に抑えられた。久々にな。」

 

 !!

 

「あそこまでの制球力があれば、そうそう打たれんよ。」

 

「・・そうですか。」

 

「まあ、ウチと試合するときは、右にしてくれなコッチが打てないから困るけどな。」

「てことで、そろそろ帰らしてもらうかな。」

 

「あっ、今日は、ありがとうございました!」

 

「それは、こちらこそや。今度は、公式戦で、な。」

 

「はい!」

 

「じゃあな、フウちゃん!」

 

「気をつけて。さようなら。」

 

 

 ・・フウちゃん?

 

 

 

 

 GWも終わり、練習試合も全部で4試合を消化。

 

 結果は、2勝2分け。

負けなしで、まあ、理想的だといってよいだろう。

 

 

 練習試合3試合目は、支良州(しらす)水産高校。

 同じ県にある高校。打力が全体的に高いチームだ。

 

 先発投手は、朔良。7回を投げて、被安打9、奪三振3、失点3。

ランナーを背負うことが多く、失点もしたが、要所を併殺などに抑えて、最少失点でしのいだ。

 

 その後、玄山先輩が2イニング投げた。被安打2、奪三振2、失点0。

危なげないピッチングで、締めた。

 

 試合自体は、6-3で勝利。俺の出番は、無かった。

 

 

 練習試合最終試合は、県外から来た、三船北高校。

 監督同士が知り合いとかで、試合をすることになった。

 

 先発は、後藤六先輩。6回を投げて、被安打6、奪三振6、失点2。

味方のエラーも絡んでの失点で、投球内容自体は、別に悪くなかった、ように思った。

 

 その後は、俺。左で2イニング。被安打0、奪三振3、失点0。

良いピッチングができた。

 

 最後のイニングは、玄山先輩。被安打2、奪三振1、失点1。

制球があまり定まらず、少し打ち込まれる展開になった。

 

 試合自体は、3-3の引き分け。

 鈴木キャプテンが、全3打点を叩き出す大活躍だった。

 

 

全4投手の成績は、以下の通りです。

 

     投球回 被安打 奪三振 失点

・後藤六  14  10  14  4

・玄山大也  4   4   4  1

・梨田朔良  7   9   3  3

・双葉諒(右)6   2   6  1

    (左)5   0   8  0

 

 

 

 これで、とりあえず夏まで、練習試合はもうすることはないだろう。

 

 これからは、各チーム、夏の大会に向けて最後の頑張りの時期となる。

 

 

 その前に、ほしうら学院のメンバーは、監督から背番号を渡される。

 夏の大会を戦う、3年生にとっては最後となる背番号を。

 

背番号1、後藤六   3年

   2、小野原理玖 2年

   3、佐藤夏三  3年

   4、土屋冬二  3年

   5、松宮琉果  2年

   6、杉山一春  3年

   7、鈴木四季  3年

   8、高橋秋五  3年

   9、玄山大也  2年

  10、双葉諒   1年

  11、梨田朔良  1年

  12、歌間道隆  1年

  13、渡洋介   1年

 

 

「このメンバーでいくぞ。」

 

 

 梅雨の時期を経れば、すぐそこには、夏大だ。

 

 とにかく、練習、練習、練習。

 

 地道な積み重ねが、結果につながると信じて。

 

 これから、とにかく頑張っていくんだ!!

 




・・背番号って、こんなに早く貰うのかなあ?

ま、この学校は、こういう感じで背番号を渡すのが定番ということです。


次回は、ほしうら学院の選手の、能力紹介になります。
よろしくお願いします。

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