両投げ両打ち!!   作:kwhr2069

1 / 30
野球モノは初投稿です!よろしくお願いします!


序章
Episode.0


プロローグ

 

「あと一人!!あと一人!!あと一人!!」

 

 甲子園。

 全国高校野球選手権大会の決勝戦。

 甲子園の常連、パワフル学園高校VS一年前まで全くの無名だった、UT-Z高校の戦いは最終回を迎えていた。

 

 UT-Z高校一点リードの九回ウラ。

 ツーアウト二、三塁。

 一打出れば逆転サヨナラという場面。

 

 打席には、四番でキャプテンの東條小次郎。

 今日の成績。ライトフライ、四球、タイムリーツーベース、セカンドライナー。

 当たりは悪くないものの、結果として一安打一打点に抑えられていた。

 

 投手の吉良が、捕手の当奈とサインを交換し、投じた初球。インローへのカーブ。

 東條はそのボールを捉えるも、打球はファールとなる。

 

 二球目。インハイへのストレート。

 東條は悠々と見逃し、ボール。

 

 三球目。アウトローへのストレート。

 完璧に制球されたそのボールは、キャッチャーミットに吸い込まれ、ストライク。

 

 これで、ワンボールツーストライク。

 

 観客のボルテージが上がる。

 甲子園に響く、「あと一球!!」の声。

 

 観客の声援を味方につけ、投手吉良が腕を振る。

 四球目。

 この試合の、吉良の133球目。この大会での、777球目。

 真ん中、少し低めに来たそのボールを、東條は当てにいく。

 

 しかし。

 

 ボールは、バットから逃げるように縦に落ち、キャッチャー当奈のミットに収まった。

 

 その瞬間。

 パワフル学園高校の優勝の夢が消え、UT-Z高校の春夏連覇が決まった。

 

『三振!!最後は得意の縦スライダーで決めました、エースの吉良!!3-2の接戦を制し、UT-Z高校、春夏連覇達成!!』

 

 マウンドに駆け寄るUT-Z高校の選手たち、総勢十六名。

 

 真っ先に飛びついたのは、今日の三点、全ての打点をあげたファーストの安住。

 キャッチャーの当奈も続き、勝利の喜びを分かち合う。

 

 

 三番を打ち、絶対的なエースで、甲子園での全試合を一人で投げ抜いた吉良 翼(きら つばさ)

 

 高校通算39本塁打ながら、ここぞの場面に強い四番ファースト、安住 侑輝(あずみ ゆうき)

 

 豊富な知識、巧みなリード、チームを引っ張る五番キャッチャーの当奈 統英(とうな もとひで)

 

 この三人を中心として、UT-Z高校の創設七年目、野球部創部三年目にしての春夏連覇は成し遂げられた。

 

 

 そして、この旋風は日本各地に広がり――。

 

 

*  *  *  *  *  *  *

 

 S県、浦内ヶ浜。

 AM6:00。

 

 一人の少年が、浜辺を走っている。

 

 この少年の名は、双葉 諒(ふたば りょう)

 今日から、ほしうら学院高校に入学する、新高校一年生。

 日課である早朝ランニングを行っている。

 

 いかにもスポーツをしていると思われる、そのがっしりした身体。

 身長、176cm。体重、67kg。

 

 ランニングを終え、帰宅する彼。

 

 朝食は健康的だ。白米に梅干し、ワカメの味噌汁。

 右手でスマホを操作しながら席に着き、「いただきます。」そのまま左手でご飯を食べ始める。

 

 食べ始めてすぐ、彼はテレビをつけようとリモコンを探す。

 それが彼の左側にあると見つけたとき、彼は右手に持っていたスマホを机に置いた。

 

 そして、リモコンを()()でとった。

 さっきまで左手にあった箸は、右手に持ち替えられている。

 しかも、そのまま食事を続けている。

 

 

 彼は、両利きであった。

 どちらの手でも、ほとんど同じように動かして使える。

 

 

 登校の準備をすませた彼は、登校用のリュックをからい、家を出た。

 

 向かう先はもちろん、ほしうら学院高校。

 彼が今日から入学する、私立高校だ。




名前をうまい具合に変えることに力を注ぎました。笑

これから頑張っていくので、どうか、よろしくお願いします!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。