らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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見破られる旋律~秘密のばれた2人~

龍兄の訪れ、そして、実家からの呼び出し、ゆかりさんと久々に再会し、クリスマスの時のみゆきとの約束を果たす為に俺は高良家を訪れた。

 

そして、その後家に帰り、かがみとのやりとりがあったのだが、その際に俺はまたしても事故によるキスをかがみとする事になった。

 

俺はその晩はほとんど寝付けないままに、かがみとまつりさんを預かる最後の日の朝を迎えたのだった。

 

寝不足の目をこすりながら俺はとりあえずベットからでると、朝食の準備をするために着替え始める。

 

着替えを済ませてキッチンへ向かうと、そこには俺よりも早く起きて味噌汁を作っているかがみがいたのだった。

 

俺はどうすべきか悩んだのだが、とりあえずかがみに朝の挨拶をしないと、と思い、声をかけるのだった。

 

「お、おはよう、かがみ。えと・・・きょ、今日は早いんだな。まさか俺より先に起きているとは思わなかったよ・・・」

 

と声をかけると、味噌汁を作りながら俺に背を向けていたかがみが見た目でもわかるほどに”びくん”と震え、おそるおそるこっちを振り向いた。

 

「あ・・・えと・・・その・・・おはよう・・・なんかその・・・よく眠れなくて気付いたら朝だったからさ・・あはは・・・」

 

顔を赤くしつつ俺にそう言うかがみに、俺もなるべく意識しないようにと頑張っていたのだが、かがみの赤い顔を見たら俺もまた顔を赤くしつつ

 

「あー・・・まあ、俺もそんな感じだ・・・えーと、だな・・・と、とりあえずメインのおかず作りは俺がやるからさ、かがみは漬物とかの用意頼むよ。今朝は浅漬けでいいだろうからな・・・」

 

極力朝御飯の支度に集中し、この顔の熱を取ろうとしてかがみにも指示を出す俺。

 

かがみはそれに頷きつつ

 

「わ、わかったわ。それじゃ、お皿とかも用意するね?慶一くん、お漬物は冷蔵庫かな?」

 

そう聞いてくるかがみに俺は

 

「あ、ああ。昨日のうちに用意した奴が冷やしてあると思うからよろしく頼む。」

 

そう言いながら今朝はだし撒き卵を作りつつ、漬物のある場所をかがみに伝えると、出来上がっただし撒き卵を皿に盛り付けてテーブルへと運んで行く。

 

そして、その入れ替わりでかがみが味噌汁の鍋を取りに、コンロへと向かった。

 

「ふあーあ・・・おはよう慶一。今日も美味そうだな。」

 

眠そうな目をこすりつつ、龍兄がキッチンにやってきたので俺も

 

「おはよう、龍兄。丁度支度できたところだ。さあ、食べちゃうか。」

 

という俺の言葉の後にキッチンの入り口から

 

「ふあー・・・おはよう、龍也さん、森村君、かがみ。何だか私も今日は早めに目が覚めたよ・・・」

 

といいながらラフな格好のまつりさんがやってきてテーブルについた。

 

「おはようございます、まつり姉さん。いいタイミングですよ。丁度朝御飯出来たところです。」

 

俺の言葉にテーブルに並んだ朝食を見ながらまつりさんは満面の笑みで

 

「おー!これは美味しそうだねー。森村君、料理もできるんじゃ中々頼りになるよね。」

 

と言うまつりさんに俺も後頭部をかきつつ照れていた。

 

そうしていると、味噌汁の鍋を持ってやってきたかがみが

 

「はいはい、味噌汁の鍋ここ置くわよ?好きな量盛って飲んでね?それじゃ私も席につこうっと。」

 

鍋をテーブルの中央に置きつつ席に着いて御飯を盛り始めるかがみを見つつ、俺達もそれぞれに御飯を盛って、「「「「いただきまーす」」」」と言う声と共に朝御飯が始まった。

 

今回もかがみの味噌汁は好評だったので、かがみは味噌汁に関しては何の問題もなさそうだ、と納得する俺がいた。

 

朝食を済ませた俺達は、それぞれに思い思いに過ごす事になったのだが、連休中の宿題があった為、俺とかがみはその宿題を片付ける為にリビングにて一緒にやる事となった。

 

ちなみにまつりさんと龍兄は、またしてもまつりさんに押し切られてデートへと出かける事となった。

 

いつか本当にまつりさんに押し切られるままに結婚までいっちゃったりしないだろうな?と心の中で思いつつ、龍兄が無事に戻れる事を祈って宿題を始めた。

 

始めたのだが・・・・・・

 

「うーん・・・これは・・・どうやったっけな・・・」

「えーっと・・・この公式は・・・あれ?」

「ここの意味は・・・っと・・・辞書、辞書」

「ええと・・・ここの所はこうで・・・」

 

何気に2人きりになり、俺とかがみはお互いに集中できない状態が続いていた。

 

慶一side

 

かがみと2人きりの状況、そして今だに昨日の事を引きずっている俺。

 

その状況が、かがみを意識するまいと思うほどに逆に作用している状況に俺はどうしたらいいだろう?という思考を巡らせまくっていた。

 

その所為もあり勉強に集中しきれず、俺は簡単なミスを繰り返していた。

 

(うう・・・気まずい・・・くそ、この空気、そしてこの状況、どうにかならないかな・・・かがみとまともに顔合わせられないぞ・・・あー・・・・・・。)

 

と心の中で頭を抱える俺だった。

 

かがみside

 

思いがけず今日はまつり姉さんや龍也さんが居てくれるから慶一くんの事意識しなくて済みそうかな?と思っていたのだけど、結局姉さんは龍也さんをデートに引っ張っていてしまい、再び慶一くんと2人きりの状況を余儀なくされてしまった。

 

その所為で私は、2人きりの状況で慶一くんを意識してしまい、まともに宿題が出来ない状況になってしまっていた。

 

時折慶一くんの方を見てみると、彼もなんだかやりにくそうにしているのが見て取れた。

 

そんな感じで私もケアレスミスを繰り返す結果となってしまっていたのだった。

 

(うう・・・どうしてこんな事になったんだろう・・・事故とはいえあんな事になって、それを意識しないように頑張っているけど、どうしてもだめね・・・いっその事嫌だったら、こんな風に意識しなくてもいいんだろうけど・・・嫌じゃ・・・なかったもんね・・・って何考えてるのよ!私はっ!!・・・あああ、誰かこの空気、何とかして・・・)

 

私は無駄かもしれないと思いつつ、この空気を変えてくれる何かきっかけがないだろうかと思いながら心の中で考えていたのだった。

 

慶一side

 

俺はかがみを見ながら、かがみも同じように悩んでるっぽいな・・・と思いつつ、この状況を如何にするかと頭を悩ませていたが、その時玄関の呼び鈴が鳴る音が聞こえて俺とかがみは2人して”ビクッ”となって驚きつつ

俺はかがみに

 

「びっくりした・・・どうやらお客さんみたいだな、俺ちょっと行って来るよ。かがみはそのまま宿題続けていてくれ。」

 

そう言ってかがみの前から逃げる口実を作ると、俺は部屋を出て行こうとする。

 

その俺にかがみが遠慮がちに

 

「う、うん。私は勉強続けてるから行って来て?」

 

そう言ってくれたので、俺は部屋を出ると部屋の外で大きく深呼吸して、赤くなってるであろう顔を鎮めると、早速玄関にお客を迎えに行くのだった。

 

玄関に着いた俺はお客を出迎える為に声をかけつつドアを開く。

 

「はーい、どちら様ですか?」

 

声をかけながらドアを開けるとそこには、こなたとみさおの2人が立っていたのだった。

 

「や、やふー、慶一君。突然やってきてごめんね?実はさ・・・」

「慶一ー、頼むよー!宿題写させてくれってヴァ!あやのはデートでいないし、柊も家いったらいないしもうお前しか頼れる奴いねえんだよー!」

 

なんか以前にも聞いたことのあるような台詞を耳にして俺は呆れつつ

 

「なあ、2人とも。お前ら去年の夏休みの時もそんな事言ってたよな?ったく、懲りてないなあ・・・」

 

じろりと2人を睨みつけつつそう言うと2人は縮こまりながら

 

「あ、あはは・・・わかっちゃいるんだけど、ついね。お願い慶一君、助けてー。」

「慶一、頼むー!」

 

必死に頼み込んでくる2人を見て俺は、軽いため息を一つつきつつも、今の俺の状況を緩和するには2人にもいてもらったほうがいいだろうと思い、俺はその申し出を了解する事にしたのだった。

 

「はあ・・・。わかったよ。面倒見てやるからとりあえず上がれ。」

 

そう言うと2人とも物凄く喜んで

 

「ほんと!?ありがとー、慶一君。」

「マジでか!?助かるゼ、慶一ー。」

 

そう言いながら上がってくる2人に

 

「とりあえずリビングへ行っててくれ、俺は飲み物用意してから向かうから。」

 

かがみのいる部屋へ行って貰うように指示した後、俺は飲み物を用意しにキッチンへと向かったのだった。

 

かがみside

 

慶一くんが突然の来訪客の対応に行っている間、私は何度か深呼吸をして気持を落ち着かせていた。

 

少しすると、リビングに人が来る気配を感じて私は様子を伺っていると、そこに現れたのはこなたと日下部だった。

 

「こ、こなた?それに日下部、あんたたちだったの?お客って。」

 

そう声をかけると2人とも私に気付いて

 

「あ、かがみ、家にいないと思ったらここにいたんだ?でもどうして慶一君の家にいるの?」

「そういやそうだよな?なんでなんだ?」

 

という2人に私は事情を説明すると2人は

 

「ふーん?結局あぶれちゃうあたり、かがみもくじ運はあまりよくないみたいだねえ?」

 

そう言いながらニヤニヤと嫌な笑いを向けるこなた。

 

「柊はそんなに運が悪いようには見えねえけどなー。あれ?なら、この家にはまつりさんもいる筈だよな?まつりさんは部屋でのんびりしてるんか?」

 

そう聞いてくる日下部に私は複雑な表情で

 

「あー・・・実は姉さんは今ね・・・」

 

と事情を説明すると2人とも瞳を輝かせて

 

「おおー!?まさかまつりさん、龍也さん狙うつもりなのかな?うーん、これは先が楽しみだねー。」

「まつりさんもついに春が来るのか!?意外と龍也さんとお似合いな気がするよなー。」

 

という2人に私は苦笑しながら

 

「そう言うけど、いのり姉さんも龍也さん狙ってるし、そう簡単にはいかないんじゃない?それに龍也さんの気持もあるだろうしさ。」

 

その言葉にさらに瞳を輝かせる2人は

 

「おおー!?じゃあ、じゃあ、まつりさんといのりさん、龍也さんの三角関係勃発!?うーん、これは面白そうだねー。」

「修羅場か?修羅場見れるんか?泥沼化するのかー?すげーな、三角関係。」

 

という2人に私は呆れたように「あんたらは・・・」と突っ込みを入れつつ改めて2人がここに来た理由を聞いてみることにした。

 

「それはいいけど、結局あんたらは何の為にここに来たの?」

 

そう質問すると2人は”ビクッ”と震えつつ物凄くばつの悪そうな顔になって

 

「いや、そのー・・・実はね?ええっと・・・」

「あー、まあ、なんだな、そのー・・・」

 

そんな風に言いよどんでいる2人にハテナマークを飛ばしつつ答えを待っていると、そこに飲み物を持ってやってきた慶一くんが

 

「かがみ、2人は宿題を写させて欲しいという事らしいぞ?」

 

慶一くんの言葉を聞いて私は

 

「あんたら・・・またぎりぎりまで遊んでたわね?だめじゃない!その位の事きっちりやらなきゃ!まったく、毎回毎回呆れるわよ!」

 

という私の言葉に2人とも縮こまってしまっていた。

 

「とはいえ・・・まあ、今回は大目に見てあげるわ。やるならさっさと用意しなさいよ。」

 

私は2人にそう言うと、2人は驚いたような表情で私を見て

 

「・・・かがみ、何か企んでる?」

「柊があっさり折れるなんて珍しいぞ?」

 

と言う2人に私は慌てながら

 

「う、うるさいわね!変な勘ぐりするんじゃないわよ!そんな風に言うなら宿題見せないわよ?」

 

と言う私の言葉に慌てた2人は私に謝り倒しながら

 

「ご、ごめん。このとおりだから宿題見せてください。」

「ひ、柊、悪かったってヴァ。だから機嫌直してくれよな?」

 

私は何となく納得行かない感じだったのだが、これ以上はやぶへびになりそうだと思ったので

 

「分かればいいわよ。ほらちゃっちゃと座って準備する!」

 

そう言うと、2人は慌てて宿題の準備をするのだった。

 

慶一side

 

こなた達を迎え入れ、飲み物を用意してリビングに戻ってみると、いつもの調子でかがみをからかう2人とそんな2人に突っ込みをいれてるかがみのやり取りがあったのだが、俺はそれを苦笑しつつ見守っていた。

 

そして、ようやく宿題をする準備が整ったので、俺達はこなた達の側について宿題をやる事となった。

 

何にしても全部見せるのはこなた達の為にもならないだろう、と思ったのである程度は見せつつ、ある程度は教えつつで宿題をやろうという事にした。

 

そして、かがみの横にこなた、その隣にみさお、そして俺が陣取る形になり、早速宿題を始めるのだった。

 

「さて、とりあえず、写す部分は先に写しちゃえよ。その後は俺がやり方教えるからそのとおりに解いて行く事、わかったな?みさお。」

 

その言葉にみさおは少しいやそうな顔をしつつも頷いて

 

「うー・・・分かったってヴァ。それじゃ写す部分見せてくれー。」

 

と言ってきたので俺は頷いて写させる部分を開いてやる。

 

それを確認したみさおはさっそく宿題の写しを始めるのだった。

 

その間の俺は少しだけ手持ち無沙汰だったのでこなたの様子も見にいった。

 

こなたもまた、早速写し始めていたのを見て俺はこなたの進行具合を確認する。

 

「こなた、丸写ししつつも少し考えてやってみろ。そうすればただ丸写しよりは少しは覚えられると思うから。」

 

そうアドバイスするとこなたも頷きながら

 

「わかったよー。やれるだけやってみるよ。」

 

と言うこなたに頷いて俺は再びみさおの方へ戻る。

 

そういう事を1時間程やって、その後は残りの分を問題を考えさせつつ、解かせて勉強させた。

 

そしてさらに2時間が過ぎ、俺達の宿題はようやく片付ける事が出来たのだった。

 

「っはー!終わったー・・・ありがとう、慶一君、かがみ。おかげで宿題御終わらせれたよ。」

 

そう言いながら大きく伸びをするこなた。

 

「はー・・・頭使ったのはきつかったゼ。でも2人ともサンキューなー。」

 

肩こりをほぐすように肩を回しつつそう言うみさお。

 

「お疲れさん。今回は見てやれたけど、いつもこうだとは思うなよ?お前らが本当に覚える気にならなきゃ身にはつかないんだからな。」

 

2人に軽いため息をつきながらそう忠告する俺。

 

「わかってるよー。ともあれ、時間に余裕もできたし、遊ぼうよ。いいもの持ってきてるんだー。」

 

俺の忠告を軽く流しつつこなたは持ってきた荷物からゲームソフトを数本取り出した。

 

「まったく、そう言う準備だけはぬかりないわね、あんたは。」

 

かがみも少し呆れ気味でそう言うとそれを見ていたみさおも

 

「お?ちびっ子、何やるんだ?面白そうなら私にもやらせてくれよー。」

 

と言いながらこなたの所へ行くみさおを見ながら、かがみはもう一度大きなため息をついて

 

「はあ・・・それにしても、こなたと日下部ってどこか似てるわよね・・・片やゲーム好きなインドア派で、片やスポーツ好きなアウトドア派、共通してる所なんて一見してもなさそうに見えるのにね・・・」

 

かがみの言葉に頷いて俺は

 

「そうだな。けど、勉強苦手な所や手がかかる所はそっくりだな、と思うよ。」

 

俺の言葉にかがみはクスッと笑って

 

「そっか、そういう所が似てるのね、あの2人って。」

 

そう言いながら俺に笑いかけるかがみに俺も笑い返しつつ

 

「でも、2人ともいい奴だよな。俺はそう思う。」

 

その言葉にかがみも頷いて

 

「そうね。それはわかるわ。特に日下部との付き合いは長いからね。でも、こなただって負けないくらい、いい子だと思うわ。まあ、私をからかったりするのさえなければね。」

 

最後の言葉に自分で苦笑するかがみ。

 

そんな俺達の言葉に気付かないこなた達は、俺達がもたついてると思ったらしく、俺達に声をかけてきた。

 

「慶一君、かがみー。何やってるのさ。はやくはやくー。」

 

こなたがそう言うとみさおも

 

「そうだぞー?早くこねえと仲間に入れてやんないぞー?」

 

と言う2人に俺達は顔を見合わせて苦笑しつつ、2人のところへ行くのだった。

 

「お待たせだ。こなた。まず何をやるんだ?」

 

そう訊ねるとこなたは親指をびしっと立てながら

 

「まずは格ゲー大会から行こうかー。慶一君のリベンジも受け付けるよー?」

 

と言うこなたの挑発に俺はあえて乗ってやろうと思い

 

「望む所だ。けど、みさおたちにも順番回してやれよ?」

 

そう言うとこなたはニヤニヤと笑いながら

 

「慶一君が熱くならなければ順番回ると思うよー?」

 

と突っ込まれて俺はこなたとゲーセンで遊んだ時の事を思い出して

 

「う・・・気をつけるようにするよ・・・みさお、かがみ、俺が熱くなりそうになったら止めてくれ。」

 

俺の言葉にかがみとみさおは呆れたような顔で

 

「わかったわよ。私とのぷよぷよ対決でも熱くなってたもんね。まあ、頃合見て止めてあげるわよ。」

「そうしねえと私らに順番回らないんじゃつまんないもんなー。」

 

2人の言葉に頷きつつ格ゲー大会がスタートした。

 

それでも、数回やっていると熱くなり始めていたのだが、それを感じたかがみ達に止められてなんとか暴走だけはしないで済んだ。

 

みさおやかがみもこなたに挑むが、やはりやり込みの差は大きく、結局こなたの1人勝ちとなった。

 

「あーもう、やっぱりこなたには格ゲーでは勝てないわ・・・」

「ちびっ子つええなー。手も足もでなかった。」

 

その言葉にこなたは得意げに

 

「ふっふっふ。3人ともまだまだ修行が足りないね。さあ、次は何で勝負するの?」

 

そのこなたの挑発に乗り、俺たちはぷよぷよ勝負、クイズゲー勝負、ボードゲー勝負などをやったのだった。

 

そして、こなたとみさおの勝負の最中、俺とかがみがその様子を観戦していた時の事、飲み物などが切れたので俺はその補充をするべくキッチンへ行こうとかがみにその事を伝えて立ち上がったのだが、そこにモモとミィの2匹がやってきて俺の足にまとわり着いた。

 

「お?モモ、ミィ、どうした?ってあぶ!」

 

その瞬間俺は猫を踏み潰さないように足を動かしたのだが、その所為で体制を崩してかがみの方へ倒れ込む形になった。

 

「うわ、かがみ。危ない!」

 

その俺の声に気付いたかがみは俺の方を見て

 

「わ!ちょっ慶一くん!」

 

そう言うと同時にもんどりうって転び、かがみの膝の上に倒れ込む事となった。

 

「あ、あいたたた・・・大丈夫か?かがみ。」

 

すぐさま身を起こしてかがみに確認を取ると、かがみも尻餅をついたようでお尻をさすりつつ

 

「うう・・・いたた・・・もう!慶一くん、気をつけてよ!まったく・・・。」

 

そう言うかがみに俺は謝りつつも手を出して

 

「ごめんごめん。ほら立てるか?」

 

そう言って手を引いて立ち上がらせてかがみの顔を見た時、俺はふいに昨日の事を思い出してしまい、顔を赤くしたのだった。

 

そんな俺の変化に気付いたかがみも同じように昨日の事を思い出したらしく、顔を赤くしていたのだった。

 

こんな所をこなた達に知られてはまずいと思った俺は即座にかがみに

 

「か、かがみ。俺、キッチン行ってくるから猫達の相手してやってくれるか?」

 

そう言うとかがみもすぐに我に帰って

 

「あ、うん。任せて。そ、それじゃそっちは頼むわね?」

 

そう言って猫の相手をしだしたかがみを確認して、俺はキッチンへと飲み物を取りに行くのだった。

 

しかし、俺は気付いていなかった。

 

さっきの2人の様子をこなたがちらりと見ていた事に。

 

かがみside

 

ゲームで楽しんでいる時、私と慶一くんは日下部とこなたのプレーを観戦していたのだが、飲み物が切れた事に気付いた慶一くんがその補充をするためにキッチンへと行こうとして私に声をかけてくれた。

 

そして、その時にモモちゃんとミィちゃんの2匹の猫がリビングに入ってきて慶一くんの足元に擦り寄るのが見えた瞬間、慶一くんは2匹を踏み潰さないように動こうとしてバランスを崩したのだった。

 

そして、そのまま私の方へ倒れ込んできて私を突き飛ばし、慶一くんは私の膝に倒れ込む事となったのだった。

 

慶一くんは私に謝りながら手を差し伸べてくれたので、その手を取って立ち上がり、お互いの顔を見合った時に昨日の事をうっかり思い出してしまい、2人して軽く赤面していたのだが、すぐに気を取り直した慶一くんは私にキッチンへ行くと言ってすぐに出ていった。

 

それを見送って一息ついていた私だけど、プレーを終えたこなたが私の所にやってきて

 

「ねえ、かがみ。慶一君となんかあった?」

 

などという事を聞いて来たので、私は内心慌てつつも努めて冷静を保ちつつ

 

「・・・別に何もないわよ。ちょっと事故で慶一くんが倒れてきただけだし。」

 

そっぽを向きつつそうこなたに説明する私だったが、こなたはなおも

 

「ほんとに?ほんとに何もなかったの?」

 

としつこく聞いてくるので私は

 

「何もないって言ってるじゃない。どうしたのよ?そんな事聞いてきてさ。」

 

そう私がこなたに聞くと、こなたはポツリポツリと理由を話し始めた。

 

「実はさっきかがみと慶一君が事故で倒れ込んだ所を見てたんだよね・・・それでさ、その後慶一君とかがみが顔を見合わせた時、2人して顔赤くしてたよね?それにいつもの慶一君と違ってなんか慌ててたし・・・かがみの態度もなんかいつもと違ってたのがわかったからさ・・・気になったんだよね・・・」

 

そのこなたの指摘にドキリとしつつ

 

「な、何言ってるのよ。大体ああいう事って今までもあったじゃない!今更珍しい事じゃないわよ!」

 

つい、こなたへの反論の声が大きくなる。

 

こなたはそんな私に、ごまかしの効かない決定打を言ってきた。

 

「・・・その動揺もそうだけどさ・・・かがみはああいう事になった時って大体慶一君を即座に殴り飛ばしてたはずだよ?そうしないまでも大声で文句言うとかさ・・・でも、今日のかがみはそれをしなかった・・・それにさ、似てるんだよ。」

 

こなたの言葉聞いて私は思わず聞き返す。

 

「似てる、って何がよ?」

 

その言葉にこなたは少しだけ頬を赤くして

 

「前に私が慶一君とキスした、って事はかがみにも教えたよね?」

 

その言葉に頷く私を見て、こなたはさらに言葉を続ける。

 

「今のかがみの態度はさ、あの時事故でキスしちゃった時の私と似てるんだよ。普通、私もあんな事あったら他の男の子とかなら殴っちゃってるかもしれない。けど、慶一君にはそんな態度すら取れなかった。むしろ照れちゃってさ・・・思わず慶一君の顔見た時に顔を赤くしてたんだよ。だからかな?慶一君とかがみに何かあったんじゃないか、って思ったのはさ・・・。」

 

こなたの指摘に私は何かを言って誤魔化そうとするのだが、どうしても、何を言っても不自然になりそうだった。

 

色々考えた末に私はついに観念する事にしたのだった。

 

「・・・こなたの言うとおりよ・・・私昨日、慶一くんと・・・事故だったけど・・・キス・・・しちゃったのよ・・・」

 

私の告白にこなたは目をまるくして驚いていた。

 

「後はこなたの言うとおり・・・その事を意識しちゃってた・・・意識をするまいとして頑張ってたんだけどさ・・・私達の間にいて欲しいまつり姉さん達は出かけちゃうし、再び2人きりになっちゃうしでどうしたものかと思ってたのよ・・・そうしたらタイミングよくあんた達が来てくれたから意識を外すことが出来てたんだけど、あの時にまた意識しちゃったみたいね・・・あんたに気付かれちゃったしね・・・」

 

その言葉にこなたは複雑そうな表情で

 

「・・・そう・・・だったんだ・・・それで?かがみは慶一君としたとき・・・どんな気持だった?」

 

こなたの質問に私は顔を赤くしつつ

 

「びっくりしたけど・・・その・・・嫌だとは・・・思わなかったかな・・・」

 

その答えにこなたは頷きながら

 

「そっか・・・私と一緒だね・・・私もそうだしね・・・あはは・・・なんというか複雑な気分だったねー・・・。」

 

そう言った後こなたは私を見て

 

「まあ、何にしてもさ。私たちは慶一君とキスをした仲間だよね。他に八坂さんやみゆきさんもいるけどさ。」

 

こなたの言葉に私も頷いて「そうね・・・」と短く返事をすると

 

「何々?何の話だってヴァ?」

 

そこに日下部がやってきて私達の話に割り込んできた。

 

「な、なんでもないわよ。あんたには関係のない話よ。」

 

そう言うと、こなたがニヤニヤとしているのが見えて、私は嫌な予感を覚えたのだが、私が口止めしようとするより早く、こなたが

 

「かがみが慶一君とキスしちゃったーって話だよ。」

 

と言うこなたの言葉に私は途端に顔を真っ赤にして慌てながら

 

「こ、こなた、あんた何勝手にばらしてるのよ!」

 

と言うと、こなたはしてやったりの表情で舌を出して笑っていた。

 

「え?マジか!?マジなんか!?柊も慶一とキスしたのか?」

 

こなたを追いまわすより先に日下部に詰め寄られ、あたふたしながら

 

「だ、だからっ!そ、それは事故だったのよ!あんたが考えてるような事じゃないんだからね!?」

 

と言い訳をしていたのだが、結局日下部の質問攻めに疲れ果てる私だった。

 

こなたside

 

慶一君とのからみでかがみの様子がいつもと違うと感じた私は、かがみに問い詰めて真実を聞きだしたのだった。

 

そして、聞いてみると案の定、私や八坂さんと同じように事故によるキスをしてしまっていた事がわかった。

 

かがみの告白を聞きながら私は、胸の中で妙な気持が湧き上がるのを感じていた。

 

だから、みさきちが私達の話題に飛び込んできたとき、私はさり気なくかがみのキスの事をばらしてこの気持をうやむやにしようとしたのだった。

 

(何か様子変だな?と思ったけど、まさかかがみもそんな事になってたなんて知らなかったな・・・その事を聞いた時、胸に嫌な気持が沸くのが分かった時、何か怖くなったよ・・・だからその気持を消す為に、みさきちを利用させてもらっちゃったけどね・・・でも最近分かってきた気がする・・・この気持の正体もさ・・・でもまだ・・・確信持てないから当分は様子見てみようかな・・・)

 

そう心の中で考えていたのだった。

 

慶一side

 

リビングでのかがみとのやりとりで再び昨日の事を思い出して意識してしまった俺だったが、すぐさまにキッチンへ向かって飲み物を持ってリビングに戻ってみると、なにやらこなたとかがみが話をしているのが聞こえてきた。

 

俺は入るに入れず、部屋の外でこなた達の話に聞き耳を立てていたが、そのうちにこなたの方から妙になりかけていた空気をぶち壊したみたいだった。

 

けど、確実にかがみとの事がばれた事を会話の内容から悟る俺だった。

 

そして、俺は一つ覚悟を決めてリビングへと入ってくのだった。

 

「お待たせ、飲み物の追加持ってきたぞ?なにやら賑やかそうだけど何かあったのか?」

 

そう、わざととぼけながら聞いてみると3人とも「「「なんでもないよ」」」と言ってきたので俺はあえてそれ以上追及はしなかった。

 

そして、皆に飲み物を配って再びゲームのプレイをして遊んでいたが、時間が来たのでこなた達は帰っていったのだった。

 

そして、その後にまつりさんと龍兄が戻ってきて、そろそろかがみたちも家に帰る事になったのだった。

 

俺と龍兄は、名残惜しそうにしているまつりさんとかがみを自宅まで送り届ける為に一緒に出かけた。

 

そして柊家に着いた俺と龍兄は

 

「かがみ、まつりさん。今日でとりあえず泊り込みは終わりですが、何かあればまた頼りにしてください。まつりさん達は歓迎ですから。」

「まつりさん、かがみちゃん。こいつの言うとおり、頼りにしてやってね。そうしてやれば喜ぶからさ。」

 

そう言うとかがみとまつりさんも

 

「こちらこそ3日間お世話様。凄く助かったわ。こっちこそ慶一君や龍也さんに何かある時は声かけてよね?」

「龍也さんー、寂しいよー。また遊びに来てよ、絶対だよー?森村君もね。」

 

お互いにそう言いあって俺達は別れたのだった。

 

その後、龍兄はその足で都内の実家まで走って帰った。

 

俺は家に戻り、後片付けをしながらこの3日間の事を振り返っていたのだった。

 

(色々あったけど、やっぱり家に誰かいるのはいいな・・・つくづく俺は寂しがりやなんだなあ・・・でも、仕方ないよな・・・ああ、でも・・・またあんな事もあったし・・・ここのとこ事故ばっかりだよなあ・・・もっと気を引き締めていかないとな・・・さあ、明日から学校だ・・・まだまだ1年これからなんだから、がんばっていくかな・・・)

 

そう改めてこの1年を過ごしていこうと誓う俺だった。

 

もうすぐ2月、俺は何となくだが、また一波乱ありそうだなあと思いつつさらにはこうの誕生日の事にも頭を悩ませるのだった。

 


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