らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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第15章 旋律達の新学期と日常編
新たな始まりの旋律~新学期のスタートとこなたとのハプニング~


正月一発目から風邪を引き、皆に迷惑をかけてしまうという情けない事をしてしまったものの、なんとか風邪も回復し、こなた達にも冬休みの宿題を見せたりなどをやって、無事に冬休みを終えた。

 

そして今日、2年生最後の学期の始まりとなり、俺はいつもの時間に起きて学校へ向かう準備をする。

 

キッチンで朝食を作り、のんびりしてる所に、最近は猫の世話でよく来てくれるようになったあやのがやってきた。

 

「おはよう慶ちゃん。お正月は散々だったわね。もう体の具合はいいの?」

 

猫の餌の準備などをしつつ、俺にそう聞いてくるあやのに俺は頷きながら

 

「ああ。もうすっかりな。あれからみゆきにも言われたけど、疲労も大分貯まってたって事だから、ゆっくり休ませてもらったよ。」

 

笑いながら言う俺にあやのも笑顔で

 

「そっか。なら、安心ね。慶ちゃん、こっちは終わったわ。まだ時間ある?」

 

そう聞いてくるあやのに頷いて

 

「ああ、まだ余裕あるよ。今お茶入れたから、少しのんびりするといい。それはそうと、今日はみさおの奴は一緒じゃないのか?」

 

そう訪ねるとあやのは俺に頷きながら

 

「ええ。今日は部活の朝練もあるからって早めに出て行ったわ。だから今日は私1人ってわけ。」

 

その言葉に納得して俺は頷いて

 

「そっか、なら一緒に行くとするか。折角だしな。」

 

と言う俺の言葉にあやのは微笑みながら頷いて

 

「ふふ。そうね。慶ちゃんの準備はもういいのかしら?」

 

と言うあやのに俺も自分の鞄を持ち上げつつ

 

「ああ、この通りいつでも行けるぞ?それじゃ、お茶が済んだら行くとしよう。」

 

そう俺が言うと、あやのも頷きで応えるのだった。

 

程なくして学校へ行く支度を整えた俺達は、2人揃って家を出る。

 

そして、バスを使って駅へ向かい、電車へと乗り込む俺たちだった。

 

電車内では、いつものようにかがみとつかさが俺の乗る時間に合わせて来てくれている。

 

ここ最近は、こういうのもいつもの光景になりつつあった。

 

そして俺は、この光景を自然な物として受け止めるようになっていたわけだけど。

 

「おはよう、かがみ、つかさ。」

「おはよう、柊ちゃん、妹ちゃん。」

 

俺たち2人がかがみ達に挨拶をすると、2人も俺達に

 

「おはよう、慶一くん、峰岸。一緒に来たって事は、猫の世話してきたのね?」

「おはよう、けいちゃん、峰岸さん。猫ちゃん元気だった?」

 

そう挨拶して来た2人にあやのは頷いて

 

「ええ。最近はよく面倒みさせてもらってるわ。慶ちゃんの所の猫ちゃんは病気とかしないものね。」

 

あやのの答えにかがみはにひひと笑いながら

 

「誰かさんみたいに風邪とか引かないって事ね。うんうん、健康なのはいい事よね。」

 

という言葉に俺は苦笑しながら

 

「おいおい、かがみ、勘弁してくれよ。俺だって人間なんだし、時にはそういう事もあるさ。それに、文化祭の時のお前の事、忘れたわけじゃないだろ?」

 

そう返すと、かがみは”しまった!”という顔になって

 

「ふう、うっかりやぶへびだったわね。まあ、これからもお互いに気をつけましょ?」

 

と言うかがみの言葉に俺も頷いて

 

「そうだな。ああいう事になって初めて健康の大切さってやつがわかるようだよ。」

 

その言葉にかがみだけだけでなく、あやのやつかさもうんうんと頷いていたのだった。

 

そうこうしてるうちにこなたとも合流し、俺達は学校へとむかった。

 

学校へ着くと、俺達はそれぞれの教室に入っていく。

 

そして、軽く雑談を交わしながら先生の来るのを待っていた。

 

「おはよ、みさお。今日も結構寒いけど、朝練がんばってるな。」

 

そう声をかけるとみさおは満面の笑みで

 

「まあ、私が好きでやってる事だかんなー。そういや慶一は部活やってねえよな?お前に好きなスポーツとかあるんか?」

 

その質問に俺は少し考える仕草をして

 

「うーん、俺はそういう事をやってきているようなもんだしな。それに、部活と武術の2足の草鞋は履けなかったからなあ・・・」

 

その言葉にあやのが

 

「そういえばそうよね?慶ちゃんは龍神流の武術家なんだものね?」

 

そう言うと、かがみがまたもにひひと笑いながら

 

「もっとも、今はあまり鍛錬してなさそうだけどねー?いいの?慶一くん、仮にも龍神流の息子なのにさ。」

 

と言うかがみに俺は困ったような顔で

 

「なあ、かがみ。今日はやけに絡んでくるよな?俺、お前になんかしたか?」

 

そう言うと、かがみはしてやったりの表情で

 

「べっつにー?今の現状を指摘してあげただけよ?」

 

そう言うかがみに俺は苦笑するしかなかった。

 

そして、そんな話をしてるうちに先生もやってきて、今日の朝のHRが始まった。

 

「あけましておめでとう。今日から新学期が始まる訳だが、みんな何事もなく過ごせたか?ともあれ、これから始業式が始まるから全員体育館へ集合するように。」

 

と言う先生の言葉で俺達は一斉に体育館へと向かう。

 

そして、校長のつまらない話を聞かされつつ、始業式を無事に終えると再び教室に戻ってLHRが始まった。

 

それらの用事も済ませて、今日の初日の終了と相成ったのだった。

 

今日は半ドンなので午後はみんな下校をする者、とりあえず昼食を取ってから帰る者がいたのだが、俺達は後者だった。

 

例の如く、アニ研部室へ集まり昼食を取る俺たち。

 

「年も明けて新たな学期が始まったけど、後3ヶ月程でおれ達も3年生か。長いようで短い気がするな。」

 

と感慨深げに俺が言うと、こなたは笑いながら

 

「それだけ楽しい時間が多かったんじゃない?楽しい時間は過ぎるのが早いっていうしね。」

 

そう言うとかがみもこなたの言葉に同意しつつ

 

「そうね。なんだかんだで慶一くんと出会って今まで楽しかったものね。」

 

そう言うかがみの言葉につかさも頷きながら

 

「うん。わたしの学校生活も大分変わったよ。けいちゃんに会えてよかったな~。」

 

そう言い、その言葉にみゆきもいつもの柔らかい微笑みを見せながら

 

「慶一さんとの出会いは私にとっても私の世界を変えてくれる程の物でしたからね。そのおかげでみなさんとも繋がれました。」

 

そう言うと、みさおも腕組みしながら感慨深げに

 

「慶一が取り持ってくれたから私らもみんなと仲間になれたもんな。お前と出会えなかったらずっとこの状況にすらなれなかったかもなあ・・・」

 

そう言い、あやのもその言葉に頷きながら

 

「そうね。私たちにはクラスという隔たりもあって、今のような関係になるなんて思ってもみなかったわ。でも、慶ちゃんの存在がそんな隔たりすらなくしてくれた。まさに、新しい世界を見せてくれたものね。」

 

そんな話を聞きながらこうは少しだけ自慢気に

 

「私は中学の頃から先輩がそういう人、新しい可能性を見せてくれる人だって思ってましたからね。ここでもきっと何かやってくれるって思ってましたから。」

 

こうの言葉にやまとも頷いて

 

「そうね。先輩と出会ったあの時から私の進む道が変わっていったわ。あの時から私はフィオリナを目標にしていたはずだったのに、気付いたら私も先輩の後に付いていってた。今ここでこうして陵桜の制服を着ていることだって、あの時からじゃ想像もつかなかったものね。」

 

そんな皆の言葉に俺も照れながら

 

「そんな風に言われると照れるな。俺は取り立てて何かした訳じゃないんだけどなあ・・・でも、もしそうなったのだとしたらそれは・・・皆がそうしたいと選んだからだと俺は思う。俺達の出会いにしても、みんなと今こうなってる事も、俺達はそれぞれに選択を重ねてきたはずだ。だからこそ今こんな結果がでてる。そして、その結果が満足いくものになってるんだとしたなら、それはお前らにとってもいい選択だったと言う事だよ。」

 

俺の言葉にかがみが

 

「選択、か・・・意外と色んな所で私たちって選択を繰り返してきたのね。そういうのもゲームの中だけだと思ってたけど・・・意外と馬鹿にはできない物なのかもね。」

 

しみじみとかがみがそう言うと、こなたもうんうんと頷いて

 

「そうだよ?かがみ。これからはたかがゲームとか、ゲームの中の事だとか馬鹿にはできないね。現にこんな風に形に表れてる以上はねー。」

 

と、いつものような細い目をしながらかがみに言うと

 

「確かにそうかもしれないけど、全部が全部そうだとも言えないでしょ?あんたこそゲームとか言ってないでもう少し現実をみなさいよね!」

 

と言うかがみのツッコミをさらりと受け流すこなただった。

 

そして、こなたは気を取り直しつつ

 

「まあ、それでもさ。これからもみんなと一緒にやっていきたいね。」

 

そう、しみじみ言うこなたに皆も口々に

 

「そうね・・・こんなに楽しい毎日だもの。出来る事ならこれからも、一緒に・・・」

「わたしも、みんなと一緒がいいな。」

「叶わない夢かもしれませんが、でも、私もそう思います。」

「高校を出たって私は、みんなと係わりたいぞ?だって私も仲間だもんな。」

「私も出来る事なら、そうしたいわ。」

「だったら先輩に期待しましょうよ。今度もきっと何かやってくれますって。」

「ふふ。そうね。何しろ私達を引き合わせてくれた先輩だものね。」

 

そう言い、最後のやまとの言葉に俺は困惑顔で

 

「おいおい、いくらなんでもそうそう上手くはいかないって。俺は神様でも何でもない、ただの高校生だぞ?」

 

そう言うとこなたが人差し指をびしっと立てながら

 

「だめだよー?慶一君。君がそんな弱気な事いっちゃあさ。君が言ってくれた事、忘れたのかなー?」

 

と言うこなたの言葉に俺は”はっ”となったが

 

「そういや、そうだっけか。そうしたいと思うなら強く望む事、だっけな・・・。けど、俺だけじゃ無理かもな。みんなも望んでくれなきゃな。」

 

と言う俺の言葉に皆はにっこりと笑って

 

「慶一君に言われるまでもないよ?」

「私も、ね。望んでる、強く。」

「わたしも~。一緒にいたいから。」

「そう強く思う事がきっと私達の絆を強くするはずです。」

「慶一にあん時言われた頃からずっと望んでるゼ?」

「私も。みんなと気持は一緒だから。」

「私もですよ。これからだって、ずっと。」

「私も。それが私の願いでもあるから・・・」

 

その言葉に俺も力強く頷くのだった。

 

お互いの気持を確かめ合い、お昼を終えて俺達は学校を後にするのだが、今回はこなた以外の皆が用事があるとの事で俺はこなたに誘われて秋葉腹へとやってきていた。

 

「珍しく今回は私と2人だけだね。」

 

と言うこなたの言葉に頷きつつ

 

「まあ、今回は他の皆もそれぞれに用事があるらしいからな。けど、こなた。今回俺を誘ったのは何でだ?」

 

そう訪ねるとこなたは俺の顔をじっと見つめると

 

「一緒に来れそうなのが君だけだった、ていうのもあるけどさ。結局君が風邪引いたからお正月遊べなかったじゃん?だから、その埋め合わせしてもらおうかな?っていうのも理由かな。」

 

少しだけ寂しげな表情を見せるこなたに俺は

 

「あ、そういえばそうだったっけな・・・すまん、こなた。俺もまさか風邪引いてしまうとは思ってなくてさ。けど、そうなってしまった以上は言い訳もできないもんな。」

 

そう言うとこなたは首を左右に振りつつ

 

「いいよ。あの後みゆきさんにも聞いたけどさ。慶一君、大分疲労が貯まってたらしいじゃん?そうさせてしまったのも私達にも原因があったんだからさ。だから、君だけのせいじゃないし、まあ、責任半分って事で。」

 

そう言うのだった。

 

俺は、少しその事を気にしてるらしいこなたの頭を軽くなでながら

 

「いいさ。したくてやった苦労だからな。そんなに責任感じる事はないよ。いまいち加減がわからなかったのも原因かもしれないし、まあ、お前の言う埋め合わせで今日はお前につきあうよ。」

 

そう言うとこなたは笑顔になって

 

「よーし、そうこなくっちゃね。それじゃまずはゲ○ズからいってみようかー。」

 

そう言いながら俺の手を引いて走り出すこなたに俺は(やれやれ)と心の中で思いつつ、こなたに引かれるままについて行くのだった。

 

そしてゲ○ズ店内・・・・・・

 

「それじゃ慶一君。買い物ポイントまたよろしくねー。支払いする時になったら教えてよ?」

 

と言うこなたに俺は苦笑しながら

 

「はいはい、わかったよ。で?集合場所はここでいいのか?」

 

今いる場所を指し示しながら俺はこなたにそう問い掛けると、こなたは周りを見渡してから頷いて

 

「うん、ここで集合で良いね。レジも近いし理想的だよ。それじゃ私は漫画とかの方行くけど、慶一君が先に選ぶの済ませてまだ私が戻らなかったら、私を迎えに来てくれてもいいよ?」

 

と言うこなたに俺は顎に手を添えつつ

 

「うーん、でも、お前の居場所分かるかどうかが不安だぞ?」

 

そうこなたに言うと、こなたはニヤリと笑って

 

「大丈夫だよ、今回はちゃんと携帯持って来てるからさ。」

 

こなたは自分の鞄に下げてある携帯を俺に見せてそう言うと、俺は、今回は連絡手段がちゃんとある、という事を確認し、ほっとして

 

「それなら安心か。逆にお前の方が早かったら呼んでくれてもいいぞ?」

 

そう俺が言うとこなたは頷いて

 

「わかったよー。それじゃ慶一君、後でねー。」

 

俺に手を振りながら目的の場所へと向かうこなた。

 

それを見送って俺は、とりあえずラノベのコーナーへと向かったのだった。

 

こなたside

 

慶一君とひとまず別れて私は自分の目的である漫画コーナーへとやってきた。

 

漫画を物色しながら私は

 

(そういえば、慶一君も漫画にも興味はあるんだ、って言ってたよね・・・もし慶一君の方が早めに終わるようならこっちに呼んでお勧めの漫画を慶一君に教えようかな?いつもかがみの方ばかりに付き合うのを見てたけど、少しだけ寂しいなって思ってたんだよね・・・って!私何を考えて・・・で、でも、たまにはこっちも付き合ってもらおうっと。)

 

途中に浮かんだ奇妙な感情に頭を振って、私は心の中でそう考えていた。

 

とりあえず、その事はひとまず置いといて漫画の物色を進める私だった。

 

慶一side

 

こなたとひとまず別れて俺はラノべを見に、それらの集まるコーナーにやってきた。

 

そしていくつかのラノベを手にとりながら

 

(うーん、これ、かがみ持ってたかな?俺はこっちのは持っていたけど、ちょっと自信ないな。後でかがみに聞いてみるか・・・それ以外では俺はこんなもんか・・・こなたはまだみたいだな、連絡来てないし。とりあえずこなたに連絡入れてみるか。)

 

そう考えて、とりあえず買う物を手に取りつつ、かがみに自分がラノベ以外で、気になってるラノべをかがみが持っていないかどうかを確かめる為、かがみにメールを飛ばした。

 

程なくしてかがみから返ってきたメールを見て、俺は確認したい物の確認ができたので、次にこなたへ連絡するために電話をかける。

 

数回のコールの後、こなたが電話に出て

 

「もしもし、慶一君?そっちは済んだの?」

「ああ。思ったよりは時間かからなかったよ。こなたの方はまだ?」

「うん、もう少しかかるよ。ねえ、慶一君。悪いんだけど私のいる所まで来てもらってもいいかな?」

「ん?別に構わないぞ?それで?どう向かうといい?」

「えっとね・・・と言う感じで回れば私のいる所に辿り着けるよ?それじゃ待ってるからねー。」

「ああ、すぐ行くからな。」

 

そう言って電話を終えた俺は、こなたの待つ、漫画のコーナーへと足を向けたのだった。

 

そして、こなたに教わったルートを通って俺はこなたがいる漫画コーナーへと辿り着いた。

 

漫画を物色してるこなたを見つけて声をかける。

 

「こなた、とりあえず来たぞ?まだかかりそうなのか?」

 

俺がそう訊ねるとこなたは俺を見て

 

「もう少しかな。ねえ、慶一君。君に薦めたい漫画があるんだけど、どうかな?」

 

そう聞いてきたので俺は

 

「漫画?とりあえず、どんなのか見せてくれるか?」

 

そう答えるとこなたは途端に嬉しそうな笑顔で

 

「うん。それじゃちょっとこれ見てー?後は、これとか、これも・・・」

 

とても嬉しそうに俺に漫画を薦めるこなたに俺もつられて笑顔になりながら

 

「ん?こいつはコードギアスか・・・こっちは・・・ひぐらしのなく頃にか、これも中々面白いよな。」

 

俺の言葉にこなたはうんうんと頷きながら

 

「うみねことかも面白いよね。後はさあ・・・」

 

とひとしきり漫画を見ていくつか買うのを決めて、俺はこなたと共にレジへと向かった。

 

「すいません、ポイント全部、このカードにお願いします。」

 

そう言って俺は、こなたのポイントカードに俺の分のポイントも追加してもらった。

 

そして、カードをこなたに返すとこなたはほくほく顔で

 

「ありがとー慶一君。また一歩野望に近づいたよー。」

 

と言って喜ぶこなたを見て俺は、軽いため息をつきつつも微笑んでいたのだった。

 

そして、ゲ○ズを出て俺たちはゲーセンへと向かう。

 

ゲーセンにつくとこなたは

 

「ねえ、慶一君はまだ私と格ゲーの勝負した事なかったよね?一回やってみない?」

 

と言うこなたの誘いに俺は少し考えると

 

「まあ、一度くらいはいいか。思えばまだ一回もやった事なかったもんな。」

 

そう言うとこなたは親指をびしっと立てて

 

「さすが慶一君。そうこなくっちゃね。それじゃいこー。」

 

そう言って俺の手を引っ張って筐体の所へ連れて行くこなただった。

 

そして、結局一回だけのつもりが気付けば10回以上もこなたと対戦をやっていたのだった。

 

「むう、また負けた・・・って、もうこんなにやってるのか。俺も結構熱くなるタイプみたいだな。」

 

そして反対の筐体からこなたが顔を覗かせて

 

「中々いい線行ってるけど、まだまだ甘いねー。とはいえ、2回私に勝ったのはお見事だったよ。慶一君がコツ掴んだら中々怖い対戦相手になりそうだねー。」

 

と言う言葉に俺も苦笑しながら

 

「はは、後少しで何か掴めそうな気はするけど、それがいまいちわからないからな・・・とりあえず、今日は完敗だな。それじゃこなた、俺は一旦休憩するよ。対戦終わったら奥の休憩所でな。」

 

そうこなたに言うとこなたも

 

「わかったよー。それじゃ私はもう少し修行してくとするよ。後でねー慶一君。」

 

と言うこなたに頷いて俺は休憩所に向かったのだが、その途中にあるUFOキャッチャーを見てこなたが欲しがってた景品があったのを見た俺は、よせばいいのにそれに挑戦する事にしたのだった。

 

「ん・・・お?今回は調子いいみたいだな。まさかの一発取りだ。」

 

今回は狙った物が一発で取れたので、俺はその結果に満足しつつ、飲み物を買って休憩所でこなたを待つことにしたのだった。

 

しばらくのんびりしながら待つこと30分、ようやく対戦を終えてこなたがこちらへと戻ってきた。

 

「お疲れ、こなた。ほら、ジュース。」

 

そう言いながら俺は、こなたが戻ってくるのが見えた時すぐに買ったジュースをこなたに手渡すと

 

「あ、ありがとうー。丁度喉渇いてたんだよね。んぐんぐ・・・んーっ、生き返ったー。」

 

ジュースを半分ぐらい一気に飲み干した後、そう言うこなたの台詞に俺は笑いながら

 

「おいおい、それは大げさじゃないのか?」

 

と言うと、こなたはいつものように目を細めつつ人差し指を立てながら

 

「結構対戦で集中してたからねー。意外と疲れるものなのだよ。」

 

こなたのその言葉に苦笑しながらも俺は

 

「こなた。これ、さっきUFOキャッチャーで取ったんだ。お前欲しがってたもんな、これ。」

 

そう言いながらさっき取った景品をこなたに渡すと、こなたは驚きの表情をしてすぐに笑顔になり

 

「ありがとうー。これ欲しかったんだー。さすが慶一君、抜け目がないねー。欲しがってる物よく見てるんだもんね。」

 

その言葉に俺は照れつつ

 

「よ、よせよ。たまたまそういうのが見えただけだって、特に意識をしていたわけじゃないさ。」

 

そう言うとこなたはいつもの調子で

 

「照れる慶一君、萌えー。」

 

と言ったので俺は慌てつつ、こなたに

 

「萌え、とか言うな!恥ずかしいだろうが・・・」

 

顔を赤くしつつそう言うと、こなたはニヤニヤとしながら俺を見ていたのだった。

 

そして、一通りの遊びを終えてそろそろ帰る頃になったが、最後にこなたがコスプレ衣装の売ってる店を見ていきたいとの事だったので、俺はそれに付き合って衣装を見に行った。

 

「ねえ、これはどうかな?」

 

そう言いながらいくつかの衣装を試着して俺に見せるこなた。

 

俺はまさに着せ替え人形の如くなこなたの姿を見て

 

「なんだか、似合ってるんだけど不思議な感じだな。」

 

その言葉にこなたは少し困惑する表情をしていたが、それでも似合ってると言う言葉が嬉しかったのか

 

「何か微妙な感想だけどまあいいかな。似合ってる、とは言ってくれたしね。とりあえず一着買っておこう、っと」

 

そう言って選んだ物の会計を済ませようと喜々としてそれを持っていくこなたを見ながら

 

「ほんとああいうのが好きなんだな・・・でも、こなたらしいか・・・」

 

そう呟きながら俺は、改めてこなたらしさと言うものを見たような気分だった。

 

そして、会計を済ませて店の階段を下りている時、俺の後ろを歩いていたこなたがふいに「わっ!」と声をあげたのを聞いて俺は振り向いたのだが、そこには階段で躓いて俺の方へ落下してくるこなたの姿があったのだった。

 

俺は慌ててそれを受け止めようと両腕を広げて体制を作ろうとしたのだが、それよりも一瞬早くこなたが落ちてきたために間に合わずに俺ごと階段を落ちる事となった。

 

しかし、幸いにも低い所でこなたをキャッチしていたために大怪我はせずに済んだのだが・・・俺は一瞬とはいえこなたと・・・唇同士を触れ合わせてしまっていたのだった。

 

「あ、あいたたた・・・ごめん、慶一君、怪我はない?」

 

そう聞いてくるこなたに俺は顔を真っ赤にしながら

 

「い、いや、怪我は大丈夫だ。こなたこそ大丈夫か?」

 

そう言うと、こなたは顔を赤くしてる俺を見て自分が俺にしてしまった事を思い出したのか、途端に顔を真っ赤にしつつ

 

「わ、私は大丈夫だよ・・・その、慶一君が庇ってくれたからね・・・え、えっと・・・と、とりあえず2人とも怪我はないみたいだし、い、いこっか?」

 

と言うこなたの言葉に俺もまだ赤い顔のまま頷いて

 

「そ、そうだな・・・ごめん、こなた、その・・・」

 

俺がこなたに事故とはいえしでかした事を謝ろうとすると、こなたは慌てて両手をぶんぶんと振りながら

 

「い、いいよ。事故だったんだし、気にしないで。それに・・・嫌じゃなかったし・・・」

 

最後の方は俺にも聞き取れない程の小さい声で言うこなただったが、俺はまだ気が動転してたらしく、最後のこなたの言葉を聞き取る事ができなかった。

 

こなたの言いかけていた言葉を聞いてみようか、とも思ったのだが、なんだか改めて聞くのも気恥ずかしい感じだったので、結局そのまま俺達は動揺しっぱなしのまま秋葉を後にしたのだった。

 

「そ、それじゃ慶一君。今日は楽しかったよ?また暇な時はつきあってよね。」

 

少し照れながら言うこなたに俺も

 

「あ、ああ。俺なんかでよければな。ま、まあ、とりあえず、気をつけてな。」

 

そう言うとこなたも手を振りながら

 

「うん、慶一君もあんまり体に無理はさせないようにねー、それじゃー。」

 

そう言って去って行くこなたを見送って俺も家へと帰るのだった。

 

こなたside

 

今日は思いがけず慶一君と学校の終わった放課後に、2人きりで秋葉巡りをする事となった。

 

慶一君に漫画も薦められたし、ゲーセンでも遊べたし、私が欲しがっていた景品ももらえたから今日は凄く充実した日になった。

 

そして最後に立ち寄った所で、事故とはいえ慶一君と・・・キスしてしまった事に私は自分の胸のあたりがむずむずとしているのを感じていた。

 

(何か思いがけずデートみたいになっちゃったね、今日は。でも慶一君も楽しんでくれたみたいだし、結果オーライかな?とはいえ最後のあれは・・・恥ずかしかったけど、なんか、嫌じゃなくて・・・むしろ、嬉しかったかも・・・やっぱりこれって・・・そういう気持なのかな?もっともっと慶一君と色々やっていけば分かるのかも・・・。)

 

そう心の中で考えながら私は、自分の中の気持に少しづつ気付き始めていたのだった。

 

慶一side

 

学校も終わり、こなたと2人でまわった秋葉腹、色々あったけど楽しかったと今日を振り返っていた。

 

そして、最後の場所でのトラブルを思い出した俺は再び赤面していたのだった。

 

(こなたに誘われて遊んで回ったのはいいけど、最後にあんなハプニングが起きるなんて・・・クリスマスの時もやっちゃったし、俺って事故に巻き込まれる体質なのだろうか・・・でも・・・今回はシラフだったもんな、俺・・・こなたも・・・怒ってなかったな・・・あー・・・・・・)

 

自分でもよく分からない感情に頭を悩ませる俺だった。

 

去年からのハプニング続きはここでもそれを継続させる事となった訳だけど、ここの所の事もやっぱり”凶”が影響を及ぼしているのだろうか?という風にも考える俺だった。

 

とはいえ、今回の事は不幸、という訳ではなかったのだが、これが悪い方へ作用しない事を願いつつも、まだわずかに消えない、あの時くじを見たときの胸騒ぎが俺を少しだけ不安にさせていたのだった。

 

波乱含みで始まった今年1年、俺はどんな風に過ごして行くのだろうか、新たな1年はまだ始まったばかりだった。

 


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