らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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旋律の不幸~新年一発目の風邪、凶の効果発動~

色々あった初詣。

 

まさかの龍兄の来訪、そして田舎に帰らなかったみゆきもまた鷹宮神社を訪れた。

 

そんな意外な仲間と出会い、おみくじを引いたり、願い事をしたり、最後にはかがみと今年のクラス分けの事で賭けをして、その日の俺達の初顔合わせも済んだ。

 

時間も時間だったので俺は龍兄とこう、やまと、みゆきを自宅に泊まらせる事にした。

 

その帰り道にみゆきを自転車の後ろに乗せて走りながら、俺はかがみとの賭けの事をみゆきと話した。

 

俺達2人しか知らない事情をお互いに胸に秘める事を改めて確認しつつ、俺はみゆきを自宅へと連れて行く。

 

みゆきから聞いた話だが、みゆきの両親は今、2人とも田舎へ帰ってしまっているらしく、家に戻ってもみゆき1人きりなのだそうだ。

 

なので両親の戻ってくる3日まで家に泊めてほしいという事だった。

 

そんな話を聞いてから家に辿り着いた頃には、午前3時を軽く回っていたのだった。

 

「ただいまー。」

 

俺はおそらくもう休んでしまってるであろう3人を起こさないように小声でそう言いながら家に上がる。

 

その後ろからみゆきも小声で「失礼しますね。」と言って上がってきた。

 

「みゆき。もう時間も大分遅い。けど、お前も晴れ着姿だし寝にくそうだよな?それ、どうするんだ?」

 

と一応訪ねるとみゆきはにっこり笑って

 

「大丈夫ですよ。着物は脱いでちゃんとパジャマ着て寝ますから。慶一さんもそろそろ休んでください。」

 

と言うみゆきの言葉に驚きつつ俺は

 

「え?でも、他に荷物なんて見なかったぞ?」

 

そう訪ねると、みゆきは何時の間にか気付かないうちに置いてあったバックを手にとり

 

「初詣に行く前にすでに慶一さんの家に寄らせてもらってこれを置いておきましたから大丈夫です。」

 

と言うみゆきに俺は感心しつつも

 

「まったく気付かなかった・・・そっか、俺が家を出発する頃にみゆき達は家に来て初詣の準備してからやって来たって訳か。」

 

俺が一人納得しながら頷いていると、みゆきは微笑みつつも首を振って

 

「いえ、違います。実はこれは文化祭の準備で慶一さんの家に泊まらせていただいた後にこっそりと持ち込んだ非常用の着替えセットなんですよ。今日みたいな時等に慶一さんの事ですから家に泊まっていけ、とおっしゃると思いましたから、それを見越してあらかじめ用意させていただいたんです。」

 

俺はその言葉に呆れつつも苦笑しながら

 

「はー・・・流石と言うかなんというか。用意周到ってやつだな。あ、それじゃひょっとしてこうや、やまとも・・・」

 

俺の言葉にみゆきは頷いて

 

「はい。お二方も同じように準備してあったようです。私がそうすると言ったらお2人も、なら私たちもそうしておいたほうがいいね、とおっしゃって、それで、私と一緒に密かに持込をしました。」

 

その周到っぷりに感心しつつも、俺の言うとおりに家を使ってくれてる事を心の中で喜びながら

 

「だったら、後でこうとやまとにも言うけどさ、貸した部屋にタンスあったろ?あれにお前らの衣類をしまい込んでおけばいいさ。置いてあるだけで中には何も入ってないタンスだからな。使ってくれれば嬉しい。」

 

自分のした事を咎められるかもと思っていたのだろう、俺の言葉にみゆきは驚いて目を丸くしながら

 

「え?でも、よろしいのですか?そこまでさせてもらうのはかえって悪い気もしますが・・・」

 

その言葉に俺は頷きながら

 

「いいさ。自由に使ってくれ。俺はそう言ったからな。だから気にすることはない。」

 

そう言うと、みゆきはほっとしたような表情になりつつも笑顔で「ありがとうございます。」と俺に言ったのだった。

 

俺もそれに頷いた後

 

「それじゃ俺も部屋で休むわ。みゆきも普段なら寝てる時間なんだし、ゆっくり休めよ?」

 

そう言うとみゆきもにっこり笑って

 

「はい。慶一さんも4日前から動きづめなのですし、ご無理をせずにしっかりとお体を休めてくださいね。」

 

と言うみゆきの心配の言葉に手を振って俺は、部屋へと戻って着替えを済ますと、布団に入ってそのまま眠気に任せて眠りについたのだった。

 

次の日の朝に、凶の効果が早速発揮される事に気付かずに・・・・・・

 

結論から言えば、俺は1月1日の初日の出を見る事が出来なかった。

 

元旦から天気が悪かったというのも原因の一つだったが、もう一つ大きな原因があったのだ。

 

それは、朝俺が目覚めた時の事だった。

 

「う・・・ん・・・あ・・・こ・・・声・・・が・・・でな・・・」

 

体の最悪なだるさと喉の痛み、そしてその影響で上手く声が出せなくなり、更にはどうやら熱まで出ているようだった。

 

俺は寒気のする体を縮こませて布団に包まる、だが、この寒気はいつもの風邪以上にきつく感じた。

 

そうこうしてるうちに俺の部屋の入り口をノックする音が聞こえた。

 

「先輩。朝よ?お正月だからっていつまでも寝てるのはだらしないわよ?」

 

そう言いながら俺の部屋に入ってきたのはやまとだった。

 

俺はやまとを見ながら

 

「う・・・や、やま・・・と、すま・・・ん・・・か・・・風邪・・・引いた・・・・・・みたい・・・」

 

何とか言葉を搾り出してやまとに訴えると、やまとは顔色を変えて俺の側に来て

 

「ちょ、ちょっと先輩、大丈夫?」

 

心配しながら俺の額に触れるやまとはその熱さに驚いたのか

 

「あ!凄い熱・・・ちょっと待ってて、先輩。今高良先輩を呼んでくるから。」

 

そう言って慌てて部屋を飛び出してみゆきを呼びにいったのだった。

 

やまとside

 

昨晩の事もあり、いつもよりは遅い起床だった私だったが、お正月だからといっていつまでも寝てる訳にはいかなかったので先輩もついでに起こす為に部屋にいったのだが、先輩は突然風邪を引いてしまっていた。

 

先輩の顔色を伺い、額に手を当てて見た私は、かなり高熱が出てる事を確認して驚いたのだった。

 

そして先輩に、高良先輩を呼びに行くと言って部屋を後にした。

 

高良先輩の部屋に着いた私は部屋をノックする。

 

「おはよう、高良先輩。もう起きてる?」

 

そう声をかけてみると中から

 

「おはようございます、永森さん。ええ、もう着替えも済ませてありますよ?少し慌てている声ですが、どうかなさいましたか?」

 

という返事が聞こえてきたので私は

 

「よかった。とりあえず部屋に入るわね?先輩。」

 

そう言って部屋に入り、先ほどの先輩の事を高良先輩に伝える。

 

「高良先輩。慶一先輩が大変なの。急に風邪ひいてしまったらしくて今先輩の額に触れてみたんだけど凄い熱だったわ。普通の風邪ならいいんだけど、私じゃよく分からないから先輩、慶一先輩の容態を見てもらえるかしら。」

 

事情を説明すると高良先輩は驚きの表情になり

 

「慶一さんが風邪、ですか?わかりました。すぐに慶一さんの部屋へ行きます。永森さんはタオルと氷嚢を用意してください。」

 

高良先輩の指示に頷いて

 

「わかったわ。後、風邪薬も必要かしら?」

 

と聞くと、高良先輩は少し考えこんでいたがやがて

 

「永森さん、お粥は作れますか?もし作れるのでしたら、それと一緒に風邪薬も持ってきてください。空腹のままでは薬を飲ませられませんからね。」

 

その答えに私も頷きながら

 

「わかったわ。お粥と風邪薬も任せて。高良先輩は慶一先輩の所へ急いで。」

 

そう言うと高良先輩も頷いて

 

「分かりました。それじゃそちらはよろしくお願いしますね。」

 

そう言ってすぐに慶一先輩の部屋へと向かったのを確認すると、私はお粥と風邪薬と氷嚢の準備をするためにキッチンへと向かったのだった。

 

その途中で寝ぼけ眼で起きてきたこうに出会った。

 

「ふあ~・・・おはよ、やまと。何か慌ててるみたいだけどなんかあったの?」

 

そう聞いてきたので、私は先輩の事をこうに伝えると、こうは途端にしゃっきりと目を覚まして

 

「ねえ、やまと。先輩、大丈夫なの?」

 

そう聞いてきたので私は

 

「今高良先輩が診てくれてるわ。ただの風邪だとは思うけど、こうも心配なら先輩の部屋へ行ってみたら?」

 

そう伝えるとこうは頷いて

 

「わ、わかった。じゃあ、私は先に先輩の部屋に行ってるからね。やまとも準備すませたら早く来なよー?」

 

という言葉に私も頷いて

 

「わかってるわ。用意する物が用意できたらすぐに向かうわよ。それまでは高良先輩と共に慶一先輩の事、頼むわよ?」

 

そう言うとこうも頷いてすぐに慶一先輩の部屋へと向かっていった。

 

それを見届けた私は改めて準備すべき物を集めに行くのだった。

 

慶一side

 

熱で意識も朦朧としつつも、寒気もあったので俺は布団に包まって暖を取っていたのだが、そこにみゆきがやってきた。

 

「失礼します。慶一さん、どんな感じですか?」

 

そう訪ねてくるみゆきに俺は痛む喉を使いつつ

 

「さ・・・さむいし・・・頭いたい・・・喉も・・・それに体の節々も・・・痛んでる・・・頭も・・・ぼーっとして・・・る」

 

そう伝えると、みゆきは俺の額に手を当てて熱を測りながら

 

「インフルエンザではなさそうです。熱は少し高いですが、症状はそれとは違うようですから・・・慶一さん。とにかくあったかくしてゆっくり休んでください。今、風邪薬等が届きますから。」

 

その言葉に俺も頷きで答えるのだった。

 

そして、改めて布団に横になった時に俺の部屋のドアが開いて、慌てた様子のこうが入ってきた。

 

「せ、先輩。いきなりの風邪との事ですが、大丈夫なんですか?」

 

そう俺に聞いてきたのだが、喉のしんどい俺に変わってみゆきがこうに答えてくれた。

 

「熱も大分高いですが、インフルエンザではないようです、ですが、喉をやられていますのであまり喋らせるも慶一さんの負担になります。喉の方が落ち着くまでは余り慶一さんに喋らせないようにお気遣いをお願いしますね。」

 

そう俺の状況を代弁してくれるみゆきにこうも頷きつつ

 

「わ、わかりました。先輩、今日は私達も側にいますから、ゆっくりしててくださいね。」

 

そう言ってくれるこうの言葉に頷く俺だった。

 

そして、少し遅れてやまとがお粥と風邪薬を持って部屋に入ってきたのだった。

 

「お待たせ、先輩。お粥作ってきたわ。食べ終わったら風邪薬も飲んでしっかりと休んでね?」

 

そう言いながらお粥を俺の側の机に乗せると、やまとは俺に無理をさせないようにと思ったのだろう、部屋を出て行こうとしたのだが、こうが変な事を口走った。

 

「先輩、ちゃんと1人で食べれます?なんなら私が先輩に食べさせてあげましょうか?」

 

という言葉で部屋の空気が一転した。

 

「・・・慶一さんの看病をするのは医者を目指す私の努めでもあります。ですから、この事も私がやらせていただきます。」

 

何故か妙な使命感に燃えるみゆきのその言葉にやまとが

 

「それは納得できないわね。先輩に迷惑をかけてしまったのは私も同じ。ならばそのお詫びに私が先輩の面倒を見るのは当然の事だわ。高良先輩ばかりに負担をかけるわけにはいかないしね。」

 

そう答えると、みゆきとやまとの間になにやら不穏な空気が渦巻き始めるのを感じ、俺は風邪以外の寒気を覚えるのだった。

 

そして、いいだしっぺのこうはこの雰囲気を見てニヤついているのが見て取れ、俺は大きなため息をついたのだった。

 

しばらく2人の睨み合いにも状況が続いたが、俺はこのままじゃ埒があかないと思ったので

 

「・・・2人の・・・気持はあり・・・がたい・・・だから・・・せめて仲良く・・・どちらかが・・じゃなくて・・・2人で面倒・・・見てくれればいいから・・・」

 

そう2人に辛い喉を振り絞って言うと、2人ははっとして

 

「そ、そうですね。すみません、慶一さん。何だか妙な使命感が湧き上がっていましたので、つい。」

「私もつい、むきになっていたわ・・・先輩の過去の事思い出したせいかもね。あの時は本当に危なかったし。」

 

そして2人はお互いに

 

「永森さん。私の至らない部分もあるかと思います。その部分のフォローをお願いできますか?」

 

そう言うみゆきにやまとも頷いて

 

「分かったわ。私にも何か出来ることがあれば言って?高良先輩。お互いに助け合いましょ?」

 

その言葉に頷くみゆきを見て、俺はほっとしていたのだった。

 

そして何時の間にか蚊帳の外になっていたこうは

 

「私も、一応いるんだけどなあ・・・3人とも私の事忘れてない?」

 

と言って何時の間にかはぶられていた事にかなり落ち込んでいるこうだった。

 

その後はお粥は自力で食べ、薬を飲んで俺は休ませてもらう事になった。

 

何かあれば携帯を鳴らすようにする事にして、3人とも一旦俺の部屋を後にする。

 

みゆきside

 

慶一さんにお粥を食べさせて薬を飲ませ、一旦落ち着いたので、私たちはリビングでのんびりとした時間を過ごしていましたが、ふいに玄関の呼び鈴がなったので、私は誰かが来たのかな?と思い、玄関へと出向いていったのでした。

 

「はい、どちら様でしょうか?」

 

そう声をかけて玄関を開けると、そこには驚きの表情で立っているかがみさんとつかささんがいたのでした。

 

「み、みゆき?どうしてあんた、慶一くんの家にいるの?」

「わたしもびっくりだよ。でもどうして?」

 

そう訪ねてこられたので私は昨日の事情をお2人に説明すると

 

「そういう事だったのね・・・まあ、あの時間からじゃ仕方ないわね・・・それで?慶一くんは?あんたがここにいるのなら慶一くんも家にいるんでしょ?」

「わたし達今日は暇をもらったから遊びに来てみたんだよ~。」

 

その2人の言葉に私は困ったような顔をして

 

「実は、申し上げ難い事なのですが、あの後、慶一さんは急に風邪を引かれてしまっていまして、少し前に風邪薬を飲んで休まれた所なのですよ。」

 

その事を伝えるとお2人は

 

「え?あいつが風邪?珍しい事もあるものね・・・それで?容態はどうなの?」

「けいちゃんが風邪?大丈夫なの?」

 

そう訪ねてくるお2人に私は

 

「熱は若干高いようでしたが、今はお食事も済ませて風邪薬を飲んで休まれています。インフルエンザではないようでしたので、2.3日で回復するでしょう。」

 

私の言葉に2人ともほっとしたような顔をしつつも

 

「そっか・・・それなら大丈夫か・・・ねえ、みゆき。私達も慶一くんの顔見ていっても大丈夫かな?」

「わたしも様子見ていきたいな。ゆきちゃん。大丈夫かな?」

 

お2人の願いに頷きながら

 

「大丈夫ですよ。ただ、今はお休みされてると思いますのでお静かに。」

 

私の言葉に2人も頷いて

 

「わかってるわ。とりあえずお邪魔するわね?」

「大丈夫だよ。おじゃましま~す。」

 

という2人を伴い私は慶一さんのお部屋へと連れて行きました。

 

「では、私はリビングの方に戻っていますので、何かありましたら呼びに来てくださいね。」

 

という私の言葉にお2人も頷きで応えて部屋の中に入っていくのを見送った私は再びリビングへと戻っていくのだった。

 

かがみside

 

とりあえず、今日は暇がもらえたので、私とつかさは暇潰しも兼ねて慶一くんの所に遊びにきてみたのだが、そこにはみゆきが居たのだった。

 

みゆきがここに居る事を不思議に思った私は、みゆきに事情を尋ねると、昨晩からの事を説明してくれた。

 

しかし、同時に、慶一くんが突然の風邪で寝込んでいる事も聞かされて、私たちはとても驚いていた。

 

せめて慶一くんのお見舞いだけでもするべきかな?と思った私たちはみゆきにお願いして慶一くんの様子を見ていくことになった。

 

そして、みゆきに案内されて私たち2人は慶一くんの部屋へと足を踏み入れたのだった。

 

部屋に入り、ベットの方をみると少し苦しげな寝息を立てて慶一くんが眠っているのが見えた。

 

私たちはベットに近づいて慶一くんを見た。

 

「よく眠ってるみたいね・・・でも、凄い汗・・・つかさ、近くにタオルか何かある?」

 

そうつかさに聞く、とつかさも周りを見ていたが、探してる物がない事を確認すると

 

「部屋にはないみたいだね、私、洗面所に行ってタオルとって来るよ。」

 

と言うつかさに私も頷いて

 

「うん。お願いね、つかさ。それと、キッチンへ行って氷もよろしく。氷嚢の氷がすっかり溶けきってるみたいだからさ。」

 

部屋を出ようとするつかさにそう伝えると、つかさは私の言葉に頷いて

 

「うん、わかったよ~。おねえちゃんはけいちゃんの様子見ててね?」

 

そう言って部屋を出て行った。

 

慶一くんと2人きりの部屋、私は慶一くんの顔を見ながら

 

(まったく、私が心配してた事が現実になったわね・・・でも、たまにはいい休憩だと思って体休めてもらわないとね・・・ほんとこいつって無茶ばっかりするもんね・・・でも、そんな慶一くんだから・・・私は・・・)

 

そこまで考えた時、慶一くんがふいに目を覚ました、そして私の方を見て

 

「ん・・・かが・・み?何で・・・お前が・・・俺の部屋に?」

 

まだ喉が調子悪そうで枯れた声で私にそう言う慶一くんに

 

「無理してしゃべらなくていいわ。今日は家から暇をもらってね。暇潰しにあんたの家に遊びに来たのよ。そしたら家にみゆきがいて、あんたが風邪引いて寝込んでるっていうからさ。お見舞いがてらに、ってわけ。」

 

私が事情を説明すると、慶一くんは喋る代わりにメモを取り出して

 

<そっか。悪いな、折角来てもらったってのにこのザマでさ。家にはみゆき達もいるから暇ならゆっくりしていけよ。>

 

と書いて私に見せると、私は笑いながら頷いて

 

「そうね。そうさせてもらおうかな。それと、風邪ちゃんと治しなさいよ?あんたもいないと何か物足りないからさ。それに、元気なあんたの方がいいしね。」

 

そう慶一くんに言うのだった。

 

その言葉に照れたように顔を赤らめて、慶一くんはすまなそうな顔をしていたがそこに

 

「おねちゃんおまたせ~。あれ?けいちゃん、起きちゃったんだ?」

 

というつかさに、慶一くんはまたもメモに書き込み、つかさに見せてコミニュケーションをとっていた。

 

そして、私達は慶一くんの氷嚢の氷を取り替え、濡れたタオルを手渡して汗を拭かせて、再び布団に横にならせてから、慶一くんが着替えるといったのでみゆき達のいるリビングへと戻っていったのだった。

 

リビングには永森さん達もいて、私達はみんなと談笑したりゲームしたりしながら過ごしていた。

 

慶一side

 

風邪で寝込んでいる俺の元に、暇になったからと言う事でかがみとつかさがやってきた。

 

俺が風邪を引いたと言う事に驚いていたのだが、それでも俺の世話を焼いてくれた事が嬉しかった。

 

声も満足に出せない状態ではあったが、筆談と言う手段を使って何とか2人とコミニュケイトする事ができたので軽くやりとりをしていた俺だった。

 

そして、夕食時にはつかさも俺にお粥を作ってくれたのだった。

 

そんな事もあって、俺は久々に引いた風邪に苦しめられつつも、その日を無事に過ごし終える事ができたのだった。

 

風邪が完治するまで3日かかったが、その間にみさお達やこなたも俺の見舞い<そう称しているが実際は冬休みの宿題を写したかったらしいが・・・>に来てくれた。

 

そして、風邪の治った頃に俺は、3人に例の如く宿題を写させるのだった。

 

それでも、お見舞いしてくれた時は、みさおもこなたも真剣に心配してくれたので、その事は嬉しかった。

 

新年から風邪っぴきで始まった年だけど、もうすぐ3学期が近づいていた。

 

体調管理は気をつけないとダメだなあ、と思いながら俺は新たな学期を迎える心構えをするのだった。

 


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