らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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第14章 旋律達の年末年始のドタバタ編
行く年の旋律~今年最後の聖戦、地獄の慶一の羞恥プレイ~


地獄のクリスマスパーティにおいて俺は、自分の命すら危うくしたが、みゆきの適切な処置によってあの時、意識を失っていた時見えた両親の元に行かなくてよかったと心から安堵していたが、その際におきたこうとのアクシデントで俺は、その責任を取るべくこうの願いを一つ聞く事を承諾した。

 

そして、こうが俺にお願いした事は、この日の3日後から開催される、夏にも行ったあの地獄への誘いだった。

 

俺はこうとの約束を守るべく、前途に多大な不安を抱えながら今回も参加をする事になったのだった。

 

そして俺の、こうによる3日間の羞恥プレイが始まるのだった・・・・・・

 

「・・・・・・というわけで、初日と2日目はお願いしますね?」

 

俺はこうから2日間のやるべき事を聞いて重いため息をついていた。

 

「・・・なあ、こう・・・せめてBL物の同人誌だけは勘弁してくれないかな・・・」

 

そう懇願してみたがこうはにやりと笑うと

 

「残念ですが先輩、そのお願いだけは聞けません。何しろ私達だけじゃ回りきれないんですから頑張ってもらわないと困りますよ?それとも、男に2言あり、ですか?」

 

という言葉に俺はぐうの音も出せなくなり、しかたなくこうから言われた部署を回る事となった。

 

「・・・あ、あの・・・これ、3冊お願いします・・・」

 

そう言いながらこうから頼まれた目的の本を買うのだが、売り子のお手伝いさんや周りの客達のひそひそと小声で話しながら俺を奇異な目で見る視線がとても痛くて、俺は精神的にかなりきつかった・・・。

 

その後も同じように回り、そして同じように見られ、俺は胃を痛くしながらこの2日間を回りきったのだった。

 

そして3日目がいよいよメインだった。

 

3日目はこうのサークルで売り子の手伝いをしつつ、チャンスがあれば3日目の同人誌探しにまわる、というものだったのだが、売り子をするといってもただするのではなく、俺はル○ーシュのコスプレをさせられてこうたちの側に配置され、さらし者となったのだった。

 

さらに最悪な事に、3日目には何故かやまとがこうの本の販売を手伝いにきており、俺はやまとからも冷めた目で見られていた。

 

「・・・・・・先輩も、物好きよね?こうに付き合ってこんな事してて。」

 

冷たい目で俺を見つめながらさらに冷たい言葉で俺を射抜くやまと。

 

「・・・そう言うなよ、やまと・・・それよりもお前こそどうしてここにいるんだ?お前はこういう事手伝わされるのをあんなに嫌がってたじゃないか。」

 

そう切り返すと、途端に赤くなりながら慌て出すやまと。

 

「べ、別にどうだっていいじゃない。今回はたまたまこうの誘いに乗ってやろうって思っただけよ。決してこうと先輩の事が気になったとかそういう事じゃ・・・な、なんでもないわ!!」

 

ぶんぶんと手を振りながら必死に否定するやまとだったが、俺は最後の方の言葉をよく聞き取れていなかったので、頭にハテナマークを飛ばして慌てるやまとを見ていたのだった。

 

俺達のやり取りを見ていたこうが少し呆れた声で

 

「何してるんですか?先輩、やまと。お客さんが変な目で見てますから真面目にやってくださいよ。」

 

その声に我に帰ったやまとは

 

「あ・・・ごめん。つい慌てちゃったわ。とりあえず、売り子再開ね。」

 

そう言いながらも売り子を続けるやまとを、俺も軽いため息をつきながら見ていたのだった。

 

そしてその頃・・・・・・

 

こなたside

 

「さあ、みんな。準備はいいかな?」

 

作戦を説明し終えたこなたが皆を見回しながら言う。

 

「とりあえず、理解はしたわ。ところで慶一くんにはちゃんと伝えてあるのよね?それにトランシーバーも。」

 

そう言うかがみに私は頷きながら

 

「うん。そっちも抜かりないよ。ちゃんと後で会場内で合流する事になってるから心配ないって。」

 

親指をびしっと立てながらそう言う私につかさが

 

「そ、それならよかったけど・・・やっぱりこの人の数・・・こわいなあ・・・」

 

とおどおどしながら言うと、みゆきも

 

「泉さんが以前お祭りのときにおっしゃられていた事も本当でしたね・・・これは確かに凄いです。」

 

そう周りを見ながらおどおどして言うと、みさおは不安そうな顔で

 

「どうでもいいけどよ、こんな人数の中で本当に慶一達さがせるんか?」

 

そう言うとあやのも同じように

 

「そうよね・・・これだけの人いると人1人見つけるのも困難だと思うわ。」

 

その2人の不安を吹き飛ばすように私は笑いながら

 

「大丈夫だよ。慶一君の居場所はちゃんと皆に手渡したエリアマップに示してあるからさ。私達は記しのつけてある所へ行けばいいんだから。」

 

そう伝えると、みんなはほっとしたような顔になっていた。

 

そしてまもなく会場入りが始まるので私は皆に再度

 

「そろそろ入場が始まるからみんな、改めて気合いれてねー。」

 

と伝えると、みんなも「「「「「お、おー!」」」」」と応えたのだった。

 

そう、今回は私とかがみ以外に、つかさ、みゆきさん、みさきち、峰岸さんまでもが参戦するという事になったのだった。

 

かがみは、前の時と同じ、ラノベの絵師さんの作品を求めてやってきた。

 

つかさは、興味本位で、みゆきさんも今回は田舎へ戻らずにこちらで過ごす事になったらしく、私達が行くならと、ついてきた。

 

峰岸さんは企業ブースのリラッタヌ展に興味があったらしいがゆえに私達についてきた。

 

そして様々な思惑が絡まるコ○ケ最終日が幕を開けたのだった。

 

そして・・・・・・

 

「ただいまより!第○○会、コ○○クマ○ケ○トの開催です!!」

 

というスタッフの声と共に私達は移動する列について行くのだった。

 

「さて、私はいつもどおり行こうかね。みんな、他はよろしく。後で場所決めて集合しようー。」

 

みんなにそう言って私は自分の目的の元へと移動して行く。

 

みんなも作戦どおりに会場内へと散っていった。

 

かがみ、つかさside

 

今回はつかさが心配だったからつかさと一緒に回っているけど、前回、こなたに頼まれた物を買った事があったとはいえ、それでもまだ慣れない私はやっぱり本を買う時には顔を赤くしていたのだった。

 

「おねえちゃん、大丈夫?顔赤いよ?」

 

そう聞いてくるつかさに私はつとめて冷静に

 

「だ、大丈夫よ。私はあんたと違って以前にも来た事あるからね。あんたよりはましってもんよ。」

 

そう言いながらも少しだけ心は動揺していたのだけど。

 

「さ。それじゃ次行くわよ。」

 

つかさの手を引きながらそう言って次へと移動を始める私達。

 

「ありがとうございましたー。」

 

そして、こなたから頼まれた最後の本の買い物を終えて、私は自分の本来の目的へと向かう事となった。

 

目的の絵師さんの所で、買い物をしている時、ふいに人の流れがこっちに来たのだが、その時

 

「はううう~お、おねえちゃああああん~!」

 

という叫び声と共にその人波につかさがさらわれたのを一瞬唖然として見ていたが、手早く用事を済ますと

 

「つ、つかさ、待ちなさいー!」

 

と言って慌ててつかさを追って流された方へ急ぐ私だった。

 

みゆきside

 

初めて来る場所、そして、その会場の大きさ、人数の多さに私はただただ驚いているばかりでしたが、泉さんから頼まれた本を買うために必死に移動をして行く私でした。

 

「はあ、はあ、ふう・・・あ、あの、こちらの新刊をお願いしたいのですが・・・」

 

そう声をかけると売り子さんは

 

「はい、合計で3000円になります。」

 

そう言われたので、私は泉さんから預かったお金を支払い、本を受け取り、その表紙をふっと目にした時途端に私は顔を真っ赤にして

 

「え、ええっ!?こ、これは・・・お、女の人の・・・は、はだ・・・」

 

ひたすらにパニックになっている私でしたが、慌てて本を持っていた紙袋の中に突っ込むとパニックのままその場を後にしながら

 

(こ、これって、いいんでしょうか?私こういうものだなんて知りませんでした・・・泉さん、こんなの恥ずかしすぎますよ・・・ひょ、ひょっとして他にもこんなものが・・・)

 

混乱した頭でそう考えながら、とりあえず次の場所へと移動していった私でした。

 

あやの、みさおside

 

私達の割り当ては少なかったのでとりあえずそこを先に済ませたのだけど・・・

 

「いやー、ちびっ子もすげえ事知ってるよな。本買う時はめっちゃ恥ずかしかったゼ・・・」

 

そのみさちゃんの言葉に私も頷きながら

 

「そうね・・・私もまさかそんな本を売ってるイベントだと思わなかったから本当に戸惑っちゃったわ。それにすごく恥ずかしかったし・・・」

 

先ほどの買い物の事を思い出しながらそう言う私にみさちゃんも

 

「まさに、私らの知らない世界だよなー」

 

そう言うみさちゃんに頷きながら

 

「そうね。私達の知らない事ってほんと色々あるのね・・・」

 

少し疲れたようにそう私が言うとみさちゃんは

 

「ま、何にしても後はあやのの目的の所だな。早く行っとかねえと待ち合わせにも間に合わなくなっからすぐ行こうぜー。」

 

みさちゃんの言葉に頷いて

 

「そうね、行きましょう。早く行かないとなくなっちゃうかもしれないものね。」

 

私達は頷きあうと、2人で企業ブースのある方へと向かっていったのだった。

 

???side

 

お兄ちゃんと一緒にここに来て2人で割り当てを決めて回り、ある程度落ち着いた頃お兄ちゃんから私への連絡があった。

 

『あ、お兄ちゃんお疲れ、もうノルマの分は終わったよー?』

『そっか、お疲れさん。後は自由でいいよー。』

『うん、そうするねー。』

 

そう言って電話を切った後、何気にカタログを再チェック始める私だったが、ふいに一つサークルカットで良さそうな所を見つけたので、私はそっちにいってみるついでに企業ブースに寄ってみることにしたのだった。

 

そしてやってきたのはリラッタヌ展。

 

私はそこに欲しいグッズがあったのでここにやってきたのだが、来るタイミングが遅れていたので欲しいグッズが残っているかが心配になったが、そこまで慌てて向かってみると、一個だけグッズが残っているようだったので

 

(よかった、間に合った。最後の一個だけ残ってたわ。)

 

そう思いながらグッズに手を伸ばすと、もう1人グッズに向けて手を伸ばしてくる人に気付いて、私はグッズを取る事をためらったのだが、その人もまた、私がグッズに手を伸ばしかけていたので遠慮したのか手を止めた。

 

2人して気まずい思いをしているとそこに更に「一個だけ残ってた、よかったー。」と言ってもう1人の子がそのグッズを持ち去ってしまい、その場に残された2人は(何だか納得できない物が胸に残った・・・)と落ち込みながら考えていたのだった。

 

「なんだよ、あやの。欲しかったんなら戸惑わずに持っていっちゃえばよかったじゃんか。」

「でも、あの人も欲しがってたみたいだから、悪いなって思って・・・」

「まったく、あやのはそういう所遠慮しがちだよなー。もっと積極的に行ってもいいと思うぜー?」

「ふふ、そうかもね。でも仕方ないわ。」

 

と言う2人の女の人の会話を聞きながら(私もそうすればよかったな・・・)と後悔だけを胸に残して落ち込んだのだが、とりあえず行かなきゃならないサークルもあったので、気持を切り替えてそっちに行く事にしたのだった。

 

こなたside

 

あれから私達もなんだかんだで目的を果たしてかがみ達と合流したのだが、峰岸さんとみさきちは先に慶一君達のいるサークルへ向かうと言う事だったので、私達もそろそろ出発しようと考えていた。

 

「峰岸さん達は先に慶一君達のいるサークルへ行ったみたいだよ?私達もそろそろ行こうか。」

 

そう私が話を振ると、かがみとつかさは

 

「それはいいけど・・・つかさを保護するのに手間取って疲れたわ・・・もう少し休んでいかない?」

「あはは・・・ごめんね?おねえちゃん・・・」

 

かなり疲れた表情でそう言っていた。

 

そしてみゆきさんも

 

「ここまで体力を使う事になるイベントだとは思いもしませんでした・・・それに、泉さん・・・その・・・こういう本を買うのはいかがな物かと思うのですが・・・」

 

顔を赤らめつつ私に戦果を手渡すみゆきさんに私は

 

「あー、また説明し忘れていたね、ごめんごめん。私が読むわけじゃないから大丈夫だよー。」

 

と親指をびしっと立ててそう言う私にかがみが

 

「だから!そういうのを娘に買わせる父親もどうなのよ!?まったく!」

 

と突っ込んできたので私は

 

「あはは、とりあえず気にしなーい。」

 

と返すとさらに

 

「気にしろ!少しは気にしろよ!おまえは!」

 

とさらに激しく突っ込むかがみに私はそのツッコミをさらりとうけ流しつつ

 

「まあ、とりあえず、そろそろ合流しないと厳しくなるからみんなもう少しがんばってねー。」

 

そう声をかけると3人とも

 

「・・・はあ・・・とりあえず行くしかないみたいね。」

「うう、またあの人ごみを移動するの~?」

「分かりました。泉さん、案内をよろしくお願いします。」

 

最後のみゆきさんの言葉に私も頷いて

 

「まかせたまへー。さあ、みんな行くよ?」

 

と言う言葉に皆も頷いて

 

「わかったわ。いくわよ?つかさ、みゆき。」

「お、おねえちゃんまって~。」

「分かりました。参りましょう。」

 

そう言いながら私達は慶一君の居るサークルに向かって移動を始めたのだった。

 

慶一side

 

BL本を買わされ、そして今こうしてコスプレによるさらし者の羞恥プレイをさせらてる最中、こなた達が用事を済ませたのでこちらに向かうという連絡を受け取って俺はこの姿をみんなに見られてしまう事に恥ずかしさを感じていた。

 

そうしているうちに、こうの売り出す本も大分はけてきて完売までもう少しとなってきたが、そこに

 

「お待たせ、慶ちゃん。八坂さん、永森さん。用事を済ませてようやく辿り着いたわ。」

「待たせちまったなー。やっと着いたぜ、って慶一すげえかっこしてるなー。」

 

案の定俺を見て笑い出すみさおに、あやのはあやので少し複雑そうな表情で

 

「なんだか凄い衣装ね。慶ちゃんそう言う趣味が?」

 

と言うあやのの発言に俺は思い切り首をふりながら

 

「いや!ないから!俺にはそんな趣味ないから!これはこうの頼みでだな!!」

 

必死に説明する俺にこうは

 

「まあ、そういう事ですよ。峰岸先輩。あの時のお詫びをしたいという先輩の気持を汲んだわけです。」

 

涼しい顔で言い放つこうに俺は

 

「・・・ぐ・・・反論できなん・・・事実なだけに・・・それに、俺は・・・はあ・・・」

 

あの時の事を思い出して落ち込む俺だったが、そんな俺にやまとは俺を冷たい目で睨みながら

 

「そうね。先輩が隙だらけだったから起きた事よね。しっかりしてなかった先輩が悪いんだから自業自得よね。」

 

と不機嫌そうに俺に言い放っていた。

 

俺はますます凹んでいたのだがそこに

 

「あの、この本見せてもらってもいいですか?」

 

と1人のお客がやってきたのでこうは

 

「はいはい、どうぞー。よろしければ買っていってくださいな。」

 

そう言うとお客はこうの本が気にいったのか

 

「すみません、これ一冊下さい・・・あれ?あなたは?」

 

そのお客が俺の事に気付いたみたいで俺に

 

「あの、失礼ですが、文化祭の時に私の学生証を拾って下さった森村さんじゃないですか?」

 

そう聞いてくるお客に俺がそちらに顔を向けると、その子は確かに見覚えがあった。

 

「えっと、確か・・・若瀬・・・いずみさん・・・だっけか?」

 

そう答えるといずみさんはにっこりとしながら

 

「はい。覚えていていただけて光栄です。」

 

そう言って来たので俺は

 

「君こそ、俺の事覚えててくれたとは思わなかったよ。あれ?でもどうしてここに?」

 

そう言うと、途端にいずみさんは慌てだして

 

「え?あ、いや、その、こ、これはですね。私のお兄ちゃんに付き合ってここに来たのであって、決して私はそのような趣味があると言うわけじゃ・・・」

 

ぶんぶんと手を振りながら必死に否定するその子にこうが

 

「ふうん?その割には手に持ってる本は結構な大手系みたいだけどね?素人だったら、そんな事わからないはずだけどねえ?」

 

と、にやにやしながらいずみさんに言うといずみさんは”しまった!!”と言う顔をして焦っていた。

 

「ねえ、先輩。その子先輩の知り合いなの?よかったら私達にも紹介して欲しいんだけど?」

 

と、更に不機嫌になったやまとが俺に言ってきた。

 

だが、その時、いずみさんに気付いたあやのが

 

「あっ!あなた、あの時の。」

 

と言う言葉に反射的に振り向くいずみさんは、あやのの顔を確認すると

 

「え?あ!さっきのリラッタヌグッズの時に会った人!」

 

と言って驚いていたのだが、そこに更に

 

「やふー、おまたせー。私達も到着だよーって、何か賑やかだね。」

「ふう、やっと辿り着いたわね。つかさ、大丈夫?」

「うう、きつかったよ~・・・」

「流石に体力を使いました・・・」

 

と言いながらこなた達も到着したのだった。

 

俺は4人に

 

「お疲れ、こなた、かがみ、つかさ、みゆき。いや、ちょっと知り合いにあったんでな。その子の事をみんなに話そうとしてた所さ。」

 

そう言うとこなた達はいずみさんの方を見て

 

「ん?この子がそうなの?」

「慶一くん、女の子の知り合い多すぎるんじゃない?」

「いったい誰なんだろう?」

「私達の周りでは見ない顔、ですよね?」

 

とそれぞれ言っていたが、このままじゃ埒があかないと思った俺は

 

「まあいいや、とにかく紹介するよ。この子は若瀬いずみさん。前に俺達の文化祭で学生証を落として困ってたんだが、俺がそれを偶然拾ってな。それで知り合った、というわけだ。」

 

そう紹介すると、いずみさんもなんだかよくわからないという感じではあったが、とりあえず

 

「えっと、皆さんはじめまして。若瀬いずみです。森村さんには文化祭の時にお世話になりました。ところでみなさんも森村さんのお知りあいの方なんですか?」

 

自己紹介をし、最後の方の質問に皆も口々に自己紹介を始めた。

 

「知り合いというよりは仲間、だよね。硬い絆で結ばれた、さ。ともかく私は泉こなた。よろしくね、若瀬さん。」

「柊かがみ。よろしくね。」

「柊つかさだよ。私はおねえちゃんと双子なの。」

「高良みゆきです。お見知り置きを」

「日下部みさおだ、よろしくなー。」

「峰岸あやの。さっきは同じ所であったわね。」

「私は後輩の八坂こうだよ。よろしくね。」

「私も後輩の永森やまと、みんなと同じ陵桜の生徒よ。」

 

最後のやまとの言葉にいずみさんは驚きながら

 

「え?という事はみなさん陵桜の人なんですか?実は私も陵桜を受けようと思ってるんです。」

 

という言葉にかがみが驚きながら

 

「え?という事はいずみさんてまだ中学生・・・いいの?こんな場所に来てて。」

 

というかがみの指摘に慌て出しながらも

 

「え、えっと、お兄ちゃんも一緒に来てますからとりあえずは・・・」

 

そしてその言葉を聞きながらこなたは

 

「ほほう、お兄さんとな?という事は兄妹揃ってオタクって事なんだねー?」

 

という言葉に更に慌て出すいずみさんは

 

「い、いや、そのっ!私は、ただのつきあいでしてっ!!」

 

その言葉に更にニヤニヤしながらこなたが

 

「ふっふっふ。誤魔化そうとしてもその手に持ってる本を見れば一目瞭然なのだよ。残念だったねえ・・・さあさあ、自分が私達と同じ側の人間である事を認めてしまいなよー?そうすれば楽になれるよー?」

 

というこなたの言葉に、もはや逃げ道がなくなりおろおろとしているいずみさんを見た俺とかがみがこなたの脳天に拳骨を叩き落して

 

「「やめろ(なさいよ)彼女が困ってるだろうが(でしょう!!)」

 

と言うとこなたは涙目で頭を抑えながら

 

「痛いよー・・・2人して殴る事ないじゃん・・・」

 

と抗議してるしてるのを俺達は眼力で黙らせて

 

「ごめんな、いずみさん。こいつの暴走は突然始まるからさ。まあ君がひけらかしたくない趣味だって言うのなら俺達も他に漏らしたりはしないよ。」

 

謝りながらそう言うといずみさんも少しほっとしたような顔で

 

「そ、そう言ってもらえたら助かります・・・」

 

そう言ういずみさんに俺は、少しだけ俺の思っている事をぶつけたのだった

 

「いずみさん。確かにこの趣味は他にひけらかせるような胸をはれる趣味じゃないかもしれない。けど、自分が好きだと思う事を、やりたい事を持っていることは素晴らしい事だ。だから、そういうものを持つ自分を卑下しちゃいけないよ。むしろ自信を持っていい。そして、そういうものを捨てずにこれからも自分の気持ちを偽る事のないようにね。」

 

俺がそう伝えると、いずみさんは驚きの表情で俺を見ていたが、やがてその顔に笑みを浮かべると

 

「・・・ありがとうございます。森村さんの言った言葉、改めて噛み締めさせてもらいます。そして、来年陵桜でお会いできた時はまた声をかけていただけたらうれしいです。」

 

いずみさんはそう言う。

 

俺もその言葉に笑顔で頷いて応えるのだった。

 

「みなさんももし私の事を学校で見かける事があったら、声をかけていただけたら嬉しいです。」

 

こなた達にそう言ういずみさんに

 

「おっけー。みんなに知られたくないなら今度は私達と一緒に来ようよ。」

「こなた!まったくあんたは・・・ここで知り合ったのも何かの縁だものね。私も声かけさせてもらうわ。」

「新しいお友達なら大歓迎だよ~。」

「私も、是非お声をかけさせてくださいね。」

「陵桜にぜってー合格しろよな。私らも応援してるゼー?」

「無事学校で会いましょう。そして一緒にリラッタヌの事でお話しましょうね。」

「私達にとって後輩になるかもしれないんだね。もし陵桜来たらアニ研を訪ねてよ。」

「こう?あまりあなたの仲間を増やすんじゃないわよ?ともあれ、陵桜にきたらよろしくね。」

 

そう声をかけると、いずみさんは嬉しそうな顔で俺達にお辞儀をして帰っていった。

 

俺達はそれを見送った後、今度は俺の格好等についてみんなから更なる羞恥プレイをさせられる事となった。

 

そして、ぐったり疲れきった俺だったが、無事にコ○ケを終えてみんなとも別れ、家についてから今度は初詣の準備をする。

 

また1人加わるかもしれない旋律の可能性を、今日は見た気がした。

 

そして、いよいよ終わる今年を振り返りながら来年に向けて俺は思いを馳せつつ、鷹宮神社へ向けて自転車を走らせるのだった。

 


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