らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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第13章 旋律達のクリスマス編
悩む旋律達~プレゼント選びの苦労、そして2学期の終わり~


龍兄のくれた運命を知り、そして、受験に悩むひよりのケアをして俺は、もうすぐやってくるクリスマスの為にプレゼント選びも兼ねてデパートへと赴いた。

 

皆に送るプレゼントは何がいいだろうか、と思いながらアクセサリーや小物等を見回っていたのだが、なかなか”これ!”といった決定的な物が見つけられず、とりあえず気分転換の為に本屋へと新刊のチェックをしに行ったのだった。

 

しばらく色々な本をチェックしながらうろついていたのだが、ふいに俺に声をかけてくる者がいた。

 

「あれ?慶一くん、何やってるの?こんな所で。」

 

と言う声に振り向いてみると、そこにはラノべを片手に、少し驚きの表情をして俺を見ているかがみがいた。

 

「誰かと思ったらかがみか。お前こそ何してるんだ?新刊のチェックとか?」

 

俺も予想外の相手と会った事でいささか驚きつつ、かがみに訊ねると、かがみは少し困ったような顔をしながら

 

「あー・・・まあ、それもついででって事なんだけどさ。クリスマスのプレゼントの事もあってね。家族に渡す物もあるけどさ、他に渡したい人もいるわけだしさ・・・悩んでたのよね。」

 

そう言うかがみの言葉に俺も苦笑しながら

 

「かがみも、か。実は俺もだったりするんだよな・・・中々決められなくて気晴らしにここに来たんだ。」

 

と、自分がここに居る経緯を話すと、俺の言葉にかがみも苦笑しながら

 

「あはは。考える事は同じなのね。でも、悩んじゃうわよね・・・」

 

大きくため息をついて考え込むかがみ。

 

「そうだよなあ・・・なあ、かがみ。今日はお前1人なのか?」

 

プレゼントの事に悩みつつも、とりあえずかがみに他に一緒に来てる人間がいるのかどうかを聞こうと思い、そう訊ねるとかがみは頷いて

 

「一応つかさと一緒に来てるわ。つかさも色々見てまわってるみたいなのよね。」

 

その答えに俺は少し悩んだ末に

 

「なら、一緒にプレゼント探ししてみないか?結局1人じゃ決めれないかもって思ったからな。」

 

俺の提案にかがみは少し俯いて考え込んでいたが、考えが纏まったらしく、顔を上げて俺を見ると

 

「私も結局1人じゃ決めれそうにないし、つかさとだけじゃ分からない事もあるからいいわよ?一緒に回りましょ。」

 

その答えに俺も頷いて

 

「なら、とりあえず新刊買ってからまわるか。」

 

そうかがみに伝えるとかがみも自分の手持ちの新刊を見て

 

「そうね。それじゃ私、これを買うから。慶一くん、後で慶一くんの買ったやつ貸してよね。私も今買ったやつ読み終えたら貸すから。」

 

俺もその言葉に頷きながら

 

「ああ。それじゃ会計済ませて行くとしよう。」

 

俺の言葉にかがみも頷いて一緒にレジまで本を持っていき、本の会計を済ませると、俺達は連れ立ってクリスマスプレゼントを選ぶ為にデパート内を回り始めたのだった。

 

「そういや、つかさはどの辺まわってるんだ?待ち合わせとかしてるのか?」

 

歩きながらかがみに訊ねるとかがみは”はっ”としたような表情になって

 

「しまった・・・つかさにその事伝えてない・・・ちょ、ちょっと待っててね?慶一くん。今つかさに連絡取るからさ。」

 

慌てながら携帯を取り出してつかさに電話を入れるかがみを見ながら俺は

 

(しっかりしてるようで時折抜けてる時あるよな、かがみも・・・)

 

そう心の中で考えていたが、電話を終えたかがみが俺の方を向いて

 

「とりあえず待ち合わせ場所は指定したわ。それと慶一くん、さっき何か失礼な事考えてなかった?」

 

と言うかがみの鋭い指摘に内心焦りつつ

 

「いや、別に何も考えてないぞ?」

 

とぼけるようにそう答える俺に、かがみは疑いの眼差しを向けていた。

 

その視線に耐え切れなくなり、俺はさり気なく話題転換をする事にした。

 

「それはさておき、つかさとは色々回った後で合流するのか?それとも先に合流してから回るのか?」

 

そうかがみに訊ねると、まだ納得いかない感じで俺を見ていたが

 

「・・・3階の洋服売り場で待ち合わせてるわ。つかさも待ってると思うからとりあえず行きましょ?」

 

そう言ってまたも無意識に俺の手を引いて歩くかがみに俺は照れながら

 

「あ、ああ。それはいいんだが、ここの所そうやってかがみから手を引くようになったよな、無意識なのかもしれないけどさ。」

 

そう指摘するとかがみははっとなって俺の手を離して

 

「う、嘘、よね?今回たまたまよね?私前にもやった事あったの?」

 

顔を真っ赤にしながら確認してくるかがみに俺は

 

「お前が覚えてるかどうかはわからないけど文化祭の準備の日の帰りにもな。」

 

そう答えると、かがみは赤い顔のまま何事か考え込み始めたが、やはり思い当たる節がないらしく

 

「覚えてない・・・ねえ、慶一くん、私をからかってるとかしてないわよね?」

 

俺を睨みつけながらそう言うかがみに

 

「そんな事しないよ。とはいえ、覚えがないんじゃよっぽど無意識だったんだろうな。」

 

苦笑しながらそう言うと、再びかがみは顔を真っ赤にして

 

「そ・・・そんな恥ずかしい事やっちゃってるんならすぐ言いなさいよ!は、恥ずかしいじゃない・・・」

 

そう言うかがみに俺は複雑な顔で

 

「それを伝えたらかがみ、もっと恥ずかしがってパニックになりそうだったからな、それを収拾するためにさらに恥ずかしい思いするかも、とか考えたら言えなかったよ。」

 

その言葉にかがみも「あう・・・」と言いながら更に真っ赤になって俯いていたが、やがて気を取り直すと

 

「も、もうこの話題はおしまい!ほら、慶一くん。つかさが待ってるんだからちゃっちゃと行くわよ?」

 

そう言いながらまたしても無意識に俺の手を引っ張ってるかがみに俺は苦笑しながら、なすがままにつかさとの待ち合わせ場所へと向かった。

 

待ち合わせ場所の洋服売り場につくと、俺達に気付いたつかさが寄ってきて

 

「おねえちゃん、けいちゃん、待ってたよ?でもけいちゃんもここに来てたんだね~。」

 

つかさがにこにこしながらそう言うとかがみもつかさに

 

「私たちと一緒よ。中々決めれなくていたらしいわ。この際だから一緒に選びましょ?ってことでね、慶一くん連れて来たのよ。」

 

そう説明するかがみの手元にふっと視線を移したつかさは

 

「そうだったんだ~。それでおねえちゃんけいちゃんの手を引っ張ってきたんだね?」

 

と言うつかさの発言にかがみはまたも顔を真っ赤にしながら手元に目をやると「あ、ああっ!」と言いながら慌てて俺の手を離すかがみ。

 

「こ、これは違うのよ?やりたくてやったんじゃなくて、気付いたら、その・・・と、とにかく!つなぎたくてつないだんじゃないんだからねっ!?あくまでも事故よ、事故!わかった?つかさ。」

 

もの凄く自爆的言い訳をするかがみをつかさはいつものぽやぽやとした笑顔で見ていて、俺はその状況に軽いため息をつきながら苦笑していたのだった。

 

こうしていても埒があかないと思っていた俺はとりあえずかがみに

 

「あー・・・とりあえずかがみ。いつまでもこうしていてもしょうがないからプレゼント選びしちゃおうぜ?でなきゃいつまでたっても決まらないしな。」

 

俺の言葉に”はっ”と正気を取り戻したかがみは

 

「そ、そうね・・・私ったら何を・・・とにかく、いきましょ?慶一くん、つかさ。」

 

その言葉に俺もつかさも頷いて

 

「そうだな。それじゃいくか。」

 

「うん。あ、そうだ、おねえちゃん。ここの売り場で見つけた物なんだけさ、ちょっとおねえちゃんにも見て欲しいなって思って。いいかな?おねえちゃん。」

 

そのつかさの言葉にかがみは

 

「つかさの見つけた物ねえ・・・いいわ、ちょっと見せてくれる?」

 

そう言ってかがみは頷いて先に進むつかさについていった。

 

俺もその後を追っていく。

 

そこには帽子が売っているコーナーがあった。

 

かがみとつかさは洋服や帽子を見ながら談笑している。

 

俺はそんな2人を見ながらも、かがみとつかさの手をじっと見ていた。

 

そして、近くにあった毛糸の手袋のいくつかを見繕い、2人の手の大きさをイメージしながら選んでいく。

 

「うーん・・・このあたりかな?後、色は、っと・・・」

 

そう呟きながら選んでいると、2人から声をかけられたのだった。

 

「お待たせ、慶一くん。あれ?何見てるの?」

「お待たせ~。あ、毛糸の手袋?」

 

その声に振り向いて俺は

 

「ん?お前らの方も終わったのか?俺はもう少しって所だけどさ。あ、そうだ。かがみ、つかさ。この手袋はめて見せてくれないか?」

 

そう言って俺は、いくつか見繕った手袋を2人に渡してはめてみてもらう事にしたのだった。

 

手袋を受け取った2人はとりあえずその手袋をはめて俺に見せてくれた。

 

「どうかな?」「似合ってる~?」

 

という2人に俺は頷きながら

 

「うん。いい感じだな。サイズはどうだ?」

 

そう聞くと、2人は手袋のサイズを確認するように手を開いたり握ったりしたりして感触を確かめていた。

 

「大丈夫みたいね。」「わたしも丁度いいみたい。」

 

そう言いながら手袋を外しつつ渡してくる2人に俺は

 

「そっか、それじゃ後は、っと・・・」

 

そう呟きながら俺は2人に送るプレゼントをこれに決めようと思っていた。

 

もちろん、手袋だけじゃなく、マフラーや毛糸の帽子も選ぶつもりだった。

 

他に何かないだろうか、と考え事をしている俺の後ろからそろりそろりと近づいて来たつかさが「え~い!」と言いながら俺にジャケットをかぶせてきたので俺は慌てながら

 

「うおっ!あー、びっくりした。ん?つかさ、これは?」

 

俺はつかさにこのジャケットの事を尋ねると、つかさは満面の笑みで

 

「けいちゃんに似合いそうだなって思って持ってきてみたの~。ちゃんと着てみてくれる~?」

 

そう言ってくるつかさの言葉に頷いて、俺はジャケットを着直してつかさにその姿を見せると

 

「わあ~。似合ってるよ、けいちゃん。こっちはどうかなあ?」

 

そう言って差し出してきたもう一つのジャケットを受け取り、こっちに着替え直してみるとつかさはさっきの俺の姿と今の俺の姿を見比べていたようだった。

 

「う~ん・・・やっぱりさっきの方がいいかも~・・・ありがとね?けいちゃん。そっちも返してくるから~。」

 

そう言って俺からジャケットを受け取り、元の場所へと戻しに行くつかさを見送っていると、かがみが

 

「あの子、ジャケット探してたのね・・・。ねえ、慶一くん。慶一くんの足のサイズって何センチ?」

 

そう言って俺の足のサイズを聞いてきたかがみに俺は

 

「俺は26センチだ。」

 

そう答えると、かがみはいくつか見繕ってきたらしい靴を俺に見せて

 

「ねえ、ちょっとこれはいてみてくれないかな?」

 

そう言ってきたので、俺はかがみの持ってきた靴に足を通してみる。

 

かがみは俺のつま先等を触りながら

 

「どう?つま先の感じとか、きつくない?」

 

そう聞いてきたので俺は首を振って

 

「大丈夫だぞ?きつさは感じない。結構いい靴だな。」

 

その言葉にかがみも満面の笑みで

 

「慶一くんにあいそうな靴探してみたしね。でもよかったわ。私のセンスも捨てたもんじゃないわね。」

 

その言葉に俺は笑いながら

 

「お前のセンスは悪くないと思うぞ?実際俺もお前が選んでくれた靴は結構気に入ったしな。」

 

そう答えるとかがみは顔を赤らめながら

 

「そ、そうかな?そう言ってくれるなら嬉しいな。」

 

照れてそう言うかがみに俺も笑って頷いたのだった。

 

その後もかがみたちと共にみんなにも渡すプレゼントを探してまわった。

 

ある程度の物を探してプレゼントの目星をつけた俺達は、プレゼントを買い込み、デパートを後にした。

 

「そろそろ日も暮れるわね。今日は色々買い物しちゃったなあ・・・」

 

そう言いながらかがみは感慨深げに自分の手荷物に視線を落としていた。

 

「でも、みんなに渡すプレゼントが決まってよかったよ~。」

 

ほっと一安心なつかさを見て俺も笑いながら

 

「まあ、こういうのも1人で決めるってのも限界って物がある事もわかっただけでも収穫だな。」

 

俺の言葉に納得の頷きをするかがみは

 

「そうね。結局私も決めれなかったし、あそこで慶一くんに会えたのはよかったわ。つかさも悩んじゃう方だから慶一くんが決断してくれなかったらあの子も結局決めれなかったと思うしね。」

 

その言葉につかさも苦笑しながら

 

「えへへ。色々あるからつい迷っちゃった。ごめんね?おねえちゃん、けいちゃん。」

 

俺達に謝るつかさだったが俺は

 

「その気持はわかるから気にするな、つかさ。俺だってかがみやつかさがいてくれたから決めれたんだしさ、迷ったのはお互い様だ。」

 

そう言うとかがみも複雑な顔で

 

「あはは・・・その事に関しては私も人の事言えないわね・・・」

 

そう言いながら苦笑するかがみを俺とつかさも苦笑しながら見ていたのだった。

 

そして、その後も色々談笑しながら2人を家に送り届けて、さあ、帰ろう、と思ったら今回もまた、まつりさんに捕まる羽目になった。

 

俺は結局今回もまつりさんに押し切られ、夕食にお呼ばれする事になったのだった。

 

そしてその翌日・・・・・・

 

「おはよーっす。」

 

そう言いながら俺は教室へと入っていくと、俺に気付いたかがみ、みさお、あやのの3人は俺の机の周りにやってきて

 

「おはよ、慶一くん。昨日はお疲れ様、色々助かったわ。」

「おっす慶一。クリスマスの予定そろそろ話し合わないと時間ねえぞ?」

「おはよう慶ちゃん。とは言ってもイブと25日はバイトでつぶれちゃうわね。結局26日にやる事になりそうだけど。」

 

俺は3人にそれぞれ

 

「おはよ。かがみ。昨日の件はこっちも助かったよ。みさお、予定は昼休みに、だな。あやの、結局忙しい時期だから仕方ないよな。来年はバイトいれずにやろうぜ。高校最後のクリスマスだからな。」

 

そう返しつつ最後の一言を言うとみんなも頷いて

 

「そうね。最後は思い出に残るクリスマス過ごしたいしね。」

「私らの付き合いは続きそうだけど高校でやれるのは後2回だもんな。」

「みんなとの思い出は大切だものね。」

 

その言葉に俺も頷いて

 

「そうだよな。それを過ぎればもう高校時代のクリスマスなんて2度と出来ない。クリスマスは来るだろうけどそれはもう違うクリスマスだからな。」

 

俺の言葉にみんなも感慨深げに色々と考えているようだった。

 

そんな思いを持ちながらその日の昼休み、いつものようにみんなで集まってクリスマスの予定を聞いていたのだが・・・・・・

 

「みんなのクリスマスの予定はどうなんだ?って言っても今年はバイトで潰れちまいそうだから日をずらすしかないけどな・・・」

 

そう切り出すとこなたは

 

「25日までは店長も離してくれなさそうだしねー。」

 

そう言いながらやれやれとジェスチャーをしていた。

 

「まあ、それでもみんなといれるからいいけどね。みんなバイト先に行くんだしさ。」

 

そう言って自分を納得させているかがみ。

 

「そうだね~。落ち着いてとはいかないけどそれでも一緒に過ごせるもんね。」

 

つかさもかがみの意見に頷いていた。

 

「働くクリスマス、ですか。普通じゃできないクリスマスですよね。それもいいかもですね。」

 

一風変わったクリスマスに思いを馳せるみゆき。

 

「考え様によっちゃ、料理とかはねえけどクリスマスソングとか何もしないでも聞けるなら雰囲気だけでも味わえそうじゃん?」

 

チャームポイントの八重歯を見せながらケラケラと笑うみさおを見ながらあやのは

 

「それに気をとられて仕事おろそかにしちゃダメよ?みさちゃん。」

 

そう言って、とりあえずみさおに釘を刺すのだった。

 

「クリスマスプレゼントにお給料貰うって言うのはめったに体験できる物じゃないんじゃないですかね?」

 

人差し指を立てつつみんなにそう言うこうに、やまとは呆れ顔で

 

「夢のないクリスマスね、まあ、仕方がないけど・・・」

 

半ば諦め気味にそう呟くのだった。

 

「ま、何にしてもちゃんとしたクリスマスパーティ兼バイトの打ち上げは26日にやろうぜ?みんな、それでいいかな?」

 

みんなを見回してそう確認を取ると皆も「「「「「「「「賛成ー」」」」」」」」と声を上げるのだった。

 

そんな事があってから3日後、2学期の終了式になり、俺達は先生から嫌なクリスマスプレゼントを貰う事となったのだった。

 

慶一side

 

終了式も終わり、2学期最後のHRで俺達は貰いたくないクリスマスプレゼントを貰う事となった。

 

「これより成績表を渡すから名前を呼ばれた順に取りに来い。」

 

という先生の声と共に机に突っ伏して心から嫌そうな声をあげるみさおだった。

 

「ヴァー・・・成績表なんて見たくねー・・・」

 

そんなみさおにかがみは

 

「しっかりしなさいよ。以前よりは慶一くん達とも勉強会やったりして結果出してきたんだから自信持ちなって。」

 

そうはっぱをかけていてさらにあやのも

 

「そうよ。前よりはかなり成績あがってるんだし堂々と受け取ればいいわ。」

 

そう言ってみさおに励ましの言葉をかけていた。

 

俺もみさおに

 

「今回の期末の結果だってお前順位100位も上げれたんだから問題なんてないだろ?」

 

そう言うとみさおはついに決意したようで

 

「うー・・・そうだったっけ・・・試験も結果出せたんだよな・・・うっし!こうなったら腹くくるぞー!」

 

そう気合をいれてみさおは成績表を取りにいったのだった。

 

ちなみに今回の期末の結果だが

 

みゆき1位、かがみ5位、慶一7位、あやの36位、こなた110位、みさお125位、つかさ、130位。

 

学年総数365人。

 

1年生では、学年総数330人に対して、こう35位、やまと20位とこちらもかなり上位だった。

 

以前のみさおが230位あたりにいたのだからかなりの躍進だ。つかさやこなたも200位台にいたのだから勉強の成果は確実に出ていると言えた。

 

そして成績表を見るなりみさおは歓喜の声を上げたのだった。

 

「うおーやったー!前よりあがってるー!サンキューな、慶一ーあやのー柊ー!」

 

どうやら前よりよくなっていたようでみさおは大喜びだった。

 

そんなみさおを見ながら俺たちもほっと胸をなでおろしていたのだった。

 

こなたside

 

終了式も終わり、最後は成績表を貰って終わりだったのだが1年の頃からあまり良い成績ではなかった私は、成績表を見るのが怖くなっていたのだった。

 

そして先生は私に成績表を渡しながら

 

「これはうちからのクリスマスプレゼントや。成績に応じた数字を入れてあるさかい、よっく噛み締めや。」

 

そう言ってくる先生にすごく嫌な予感を覚えながらも成績表を受け取りながら

 

「先生ー!こんなクリスマスプレゼントはいりませんー!」

 

そう言って半泣きで先生に訴えていたのだが、見事に却下されたのだった。

 

その後、みゆきさんやつかさと成績表の見せあいっこをしていたのだが、私はみゆきさんの成績表を見ながら

 

「うーん、これだけ負けていると何だか悔しいものがあるねー。」

 

そう呟く私につかさが

 

「しょうがないよ、こなちゃん。ゆきちゃんとわたしたちとじゃ勝負にならないよ。」

 

苦笑しながらそう言ってきたのを聞いた私が

 

「いや、成績はともかく胸とか・・・」

 

と言った途端、みゆきさんが顔を真っ赤にして慌てるのを見て私はにやりとしていたのだった。

 

そして、つかさの方を何気なく見るとつかさもさっきの”胸”の一言で何やら落ち込んでいるようだったのでとりあえず慰める私だった。

 

慶一side

 

終了式、HRを終えて俺達は帰りに待ち合わせて一緒に帰る事となった。

 

学校の門の前で待ち合わせる俺達。

 

「お待たせー、慶一君、みんなー。」

「ごめんね~。」

「お待たせしてすいません。」

 

という声と共にやってくる3人に俺は

 

「そんなに待ってないから大丈夫だぞ?こうとやまとはまだかな?」

 

そう言いながら更に少し待ってると

 

「遅れました、先輩達。」

「今日はこうの所為じゃないけどね。」

 

そのやまとの言葉にピンときた俺は

 

「部活の締めだったか。それならしょうがないもんな。」

 

その言葉に2人とも頷きつつ、俺を見ながら軽く溜息をついて

 

「というか、先輩仮部長なんですから挨拶には来て欲しかったですよ。」

「先輩も自分の立場忘れちゃってないわよね?」

 

その言葉に俺は何も言えなくなって冷や汗をたらしながら苦笑していた。

 

その様子を見た2人は大きなため息をついてあきれていたのだった。

 

「その件は後で追及すればいいわよ。それじゃ帰りましょ。」

「ま、色々あったんだからしゃーねーよな。八坂、永森、あんまり慶一を責めてやるなよなー。」

「そうね、その後でしっかりとやってもらえばいいものね。頑張ってよ?慶ちゃん。」

 

その3人の言葉にますます、すまないという気持で一杯になるのだった。

 

「こう、やまと。ごめんな。」

 

一言謝らないときがすまなくなった俺は思わず2人に謝っていたのだが、そんな俺の言葉に2人は苦笑しながらも

 

「今度はちゃんとしてくれればいいですよ。来年はしっかりお願いしますね。」

「くれぐれも役職を忘れないようにね?先輩。」

 

そう言って許してくれたのだった。

 

今日で2学期も終わり、今年も残すところ後数日となった。

 

俺は2年に上がってから今までの事を思い出しながら、来年はどんな年になるのだろうか?と考えながら期待と不安の入り混じった気持を胸に秘めたのだった。

 

そして、今年のクリスマス、俺は24日にある事をしようと考えていたのだった。

 


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