らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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さらに混沌の旋律~こなたの参戦、旋律の大集合~

突然の、こなたを除く全員の俺のアルバイト先への参戦があり、また、その日のバイトはカオスの様相を呈したが、俺だけが盛大に疲れる事になったが、何とか無事に皆の初日を終えることができた事に俺はほっとしていた。

 

そして、その日の帰りに皆でこなたのバイト先へこなたを迎えに行った時、こなたは予想だにしなかった俺達の登場にかなり驚いてもいたのだった。

 

その後、この状況になった事をこなたに説明した時、こなたは何事かを考え込んでいるようだったのだが、結局その日は何事もなく終わり、俺は安心してその日は眠りについたのだった。

 

そして、期末も近づきつつある12月の初旬も終わりに近づく頃、俺達は図書室に集まってみんなで試験勉強にせいを出していたのだった。

 

「そろそろ今年最後の試験も近いな。みんなの勉強の進行状況はどうだ?」

 

みんなを見回して俺はそう聞いてみると

 

「私は慶一君に教わったやり方でやってみてるけど、おそらく一夜漬けもありうるかもしれないねー。」

 

と、ゆるゆるな表情で言うこなたにかがみが

 

「まったく、そんなんじゃダメじゃないの!あんたは!!」

 

そう突っ込んだ後に

 

「私はいつもどおり、ある程度計画を立ててやってるから今回もそんなに慌ててないわね。」

 

と説明してくれた。

 

つかさは苦笑いしつつ

 

「わたしもけいちゃんに教わったやり方でやってみてるけど、ここ最近はちょっと上手く行ってないかな・・・」

 

そう自分の状況を説明すると、かがみもやれやれと軽くため息をついていたのだが、その様子を見ていたみゆきも

 

「つかささんらしいといいますか・・・私は、自分のペースでいつもどおりにやっていますから今の所は大丈夫ですね。」

 

自分の状況には問題ないと言っていた。

 

「私は今はあやのと一緒に帰ってからもやってんだよなー。前よりは勉強はかどってる感じだ。」

 

みさおの説明にあやのも頷きながら

 

「そうね。ここの所みさちゃん調子いいから私も少し安心かな。」

 

柔らかく微笑みながらそう言うあやのにみさおも満面の笑顔で応えていた。

 

「私とやまとも問題ないですよ?私達も一緒にやってますからね。」

「こうも普段の生活はだらしないけど勉強に関しては私もあまり心配はしてないのよね。」

「やまとー・・・一言余計だよー・・・」

「事実でしょ?今更違うなんて言わせないわよ?」

 

最後にそうツッコミを入れるやまとにこうは軽く涙目になっていた。

 

そんな皆の状況を確認して俺は

 

「みんな。今回はバイトの事もあるから勉強会として集まれないけど、その分こうやって図書室である程度苦手分野の克服をしていこう。」

 

皆を見回しながらそう伝えると、皆も頷いて「「「「「「「「賛成ー」」」」」」」」と答えるのだった。

 

俺は、皆の答えを聞いて、これからテストまではそんな日々を送ろうと心に決めた。

 

その日の昼休み、俺達はいつものように皆で集まりお弁当を食べていたのだが、こなたを除く俺達は今日の仕事内容等について色々話していたのだけど、こなただけはその話の輪に入れず、ひとりぽつんと俺達の相談の様子を複雑な表情で見ていた。

 

その視線に何となく気付いた俺は、ある程度の打ち合わせ的な話し合いを終えてこなたに向き直り

 

「悪い、こなた。今日の仕事の事でみんなと話しちゃっててつまんなかったんじゃないか?こっちの話は終わりだから今度はみんなで話すか。」

 

そう言うと、こなたは少し寂しげな表情を見せたがすぐに笑顔になって

 

「いいよいいよ。大事な事なんだし、仕方ないもんね。でも話済んだんでしょ?それじゃ今度は私の話にもつきあってもらうよ?」

 

その言葉に俺を始めとしたみんなも頷いて

 

「おう。仕事の事は一旦忘れて話そう。どんな話だ?こなた。」

 

それをきっかけに、いつものように楽しく談笑を始める俺達だった。

 

そして、午後の授業を終えて俺達はこなたを伴い、いつものように秋葉へと向かおうとしたのだが、今日に限って何故かこなたは

 

「あ、慶一君、みんな。今日は一緒に来なくてもいいから大丈夫だよ?だからみんなは私の事は気にしないで仕事に向かってよ。」

 

そう言ってくるこなたに俺達は首を傾げつつも、とりあえずはバイト先へと向かう事になったのだった。

 

電車の中で俺達は今日のこなたの事について話していた。

 

「今日はこなた、変だったな。俺はそうじろうさんからあいつのボディガード頼まれてるのもあるからあんな風に断られると困るんだがなあ・・・」

「昼休みに話してたときもちょっと寂しそうだったかしらね?あいつの事無視したりしたわけじゃないけど・・・」

「お仕事の事だから仕方ないよね・・・こなちゃんはこなちゃんでしてるお仕事あるんだし。」

「それでも、その後お話してる時にはいつもの泉さんに見えましたが・・・」

「私もちびっこはあまりいつもと変わっては見えなかったゼ?」

「私も、かな?ひょっとしたらたまたま今日は一緒に行かなくてもいい日なんじゃない?慶ちゃん、今日のパターンてどういう感じなの?」

「それなんだが、今日は俺達が迎えに行く日なんだよな。だから行きも俺達と一緒に行ってもいいはずだったんだが・・・」

「泉先輩にも今日はちょっとした用事があったんじゃないですかね?先輩にもそういう時もあるでしょ?」

「そうね。私もそんな風に見えたわ。先輩の考えすぎじゃない?」

「うーん・・・やっぱりそうかなあ?まあ、考えていても仕方ないか。帰りにいつものように迎えに行こう。」

 

最後のやまとの言葉に首を捻りつつも俺は、とりあえずこなたをいつもの通り迎えに行けばいい、と心で決めてみんなと共に仕事場に向かった。

 

そして今日も忙しい日々が始まる。

 

「こちらの商品は向こうの・・・・・・」

「こちらですね?少々お待ちください。」

「申し訳ありません。この商品はただいま入荷待ちでして・・・」

「ご予約ですね、ではレジ前で承っておりますのでそちらへどうぞ。」

「お客様のお探しの品は・・・・・・ですね?少々お待ちください。今、確認してまいります。」

「・・・・・・円となります、1万円からお預かりいたします。・・・・・・円のお返しです。ありがとうございました。」

 

接客、レジの俺達はいつもどおりにこなしていく。

 

かがみもみゆきもこうもあやのも大分慣れてきたらしく、そつなくこなしていた。

 

そして商品補充の方でも

 

「日下部さん、そっちをお願い。うん、いいわよ?最初に比べてミスなくなったわね。」

「ありがとうございます。それじゃ次はあれですよね?場所の指示、お願いします。」

「わかったわ。こっちよ?」

「先輩、これは向こうでいいんですよね?」

「ええ。それとこれの陳列もお願いするわ、永森さん。」

「わかりました。それじゃ行って来ます。」

「先輩~。補充用の商品です~。こちらに置きますね?」

「ええ、助かるわ柊さん。あなたも大分出来るようになってきたじゃない。」

「えへへ。ありがとうございます。」

 

みさおの最初の頃のミスは大きい物だったのだが、あれからきちんと出来るようになっていた。

 

そして、やまとはそつなくこなせていたので問題なかったが、つかさの成長はかなり目を見張る物があったのだ。

 

あの時、俺がしたアドバイスを生かして失敗したら一度立ち止まり、落ち着いて周りや自分を見るようになった。

 

パニックを起こしやすかった最初の頃のつかさを見ていた俺は、その事を喜びつつ、それでもさり気なく様子を伺って、何かあればフォローできるように俺も準備はしていたのだった。

 

接客しながらかがみが

 

「それにしても、最初つかさがこういうところでの仕事できるかな?って物凄く心配だったんだけど・・・最初の頃にもドジしてたしね・・・でも、慶一くんがあの子にしてくれたアドバイスのおかげで上手くやれるようになったわね。姉として慶一くんに感謝かな。」

 

そんなかがみのお礼の言葉を聞きながら俺は

 

「はは。感謝してくれるのは嬉しいけど、俺はつかさだってやればできる、って思ってたからな。ただあいつはいっぺんに色々やろうとしてパニックになるそういう要領の悪さがあったんだ。だから失敗するとそれも含めて取り戻そうとするから余計にドジをする事になってた。俺はそれを確実に一つ一つやってみろってつかさに教えただけさ。それを実行に移せたのはやっぱりつかさのやればできる、って部分が出てるんだと思うよ。」

 

笑いながらそう言った後俺はかがみに

 

「だから、かがみはつかさの姉なんだから、ちゃんとつかさの事信じてやらないとだめだぞ?あいつはお前にも信じて欲しいんだと思ってるはずだからな。」

 

そうかがみに言うとかがみは”はっ”としたような顔になって

 

「・・・そうよね。姉の私がつかさを信じてやらなくちゃだめよね・・・それが姉妹ってものなんだし・・・」

 

俺はかがみの言葉に笑って頷いたのだった。

 

「慶一さん、ちょっとわからない事があるのですが・・・」

 

みゆきが俺達の所に来て尋ねる。

 

「ん?わからない事?とりあえず話してくれ。」

 

話を振るとみゆきも頷いて

 

「実はあのお客さんが探している物なんですが・・・・・・と言う訳なんです。」

 

俺はみゆきから聞いたお客の探し物をエリア地図を頭の中に描いて探ってみたが、どうもイメージできる場所がなかったので

 

「分かった。ちょっと中でパソコンで探してみるから、お客様には申し訳ないが少し待ってもらってくれるよう伝えてきてくれ。」

 

そう伝えるとみゆきも頷いて

 

「分かりました。それじゃお願いしますね。私はお客様に伝えにいきますね。」

 

俺はその言葉に頷いたあと

 

「分かったら内線飛ばすから居場所教えてくれな、すぐ行くから。」

 

俺の言葉にみゆきは頷いた後、お客様の元に歩いていったのだった。

 

俺はみゆきから預かったメモを持って在庫管理のパソコンの所へと行こうとしたが、ふっと思い出したのでかがみに

 

「すまん、かがみ。ちょっと調べ物してくる間は接客の方、頼んだぞ?少ししたら戻るから。」

 

俺がそう言うとかがみも頷いて

 

「わかったわ。それじゃこっちは任せて?何かあったらあんたに内線飛ばすから。」

 

俺もかがみのその言葉に頷くと、早速お客の探す商品を見つける為に調べ物をするためパソコンの所へと向かうのだった。

 

そして、今日も業務を終えて控え室に戻り、皆が帰りの支度をして迎えに来るのを待ちながら俺は少しのんびりとしていたのだった。

 

その後、皆が帰り支度を終えて俺を迎えにきたので、俺は皆と共にこなたを迎えに行く為にこなたのバイト先へと向かったのだった。

 

いつもの場所に待機して、普通なら30分で出てくるはずのこなたが今日に限って時間を過ぎても現れなかった。

 

何となくその事を不振に思いつつも俺はとりあえず、皆を先に帰してしばらくこなたを待ってみる事にした。

 

しかし、いつまで経ってもこなたは店から出てくる様子がなく、そのうちに店の営業も終わる時間となり、店の従業員さん達が店から姿を現し始め、そのうちの1人が俺に気付き声をかけてくれた。

 

「あ、あの・・・いつも泉さんを迎えに来てる人ですよね?」

 

その声に俺は振り向いて声の主を見ると、こなたと同じくらいか一つ二つ年上っぽい女の人だった。

 

「ええ。いつもこなたがお世話になってます。あの、今日はこなた、どうしたんですか?いつものように待っているんですが店から出てこないしで、ちょっと困惑してた所なんですよ。」

 

俺がその人にそう尋ねるとその人は少し驚いたような顔で

 

「え?泉さんなら今日でバイトやめる、って店長に言いに来ましたよ?もう3時間近く前の事ですが・・・」

 

俺はその言葉を聞いて、驚いてその人に詰め寄りながら

 

「ええ!?それはどういう事なんですか?俺はそんな話を聞いてません!いったい何があったんです!?」

 

俺の突然の詰め寄りに困惑しつつもその人は

 

「お、落ち着いて下さい。泉さんが特に何かをしたっていうわけではありませんから。ただ、ちょっとした事情があるからなのだと言っていただけですので・・・」

 

その言葉を聞きながら俺は突然の事とはいえ、女性にいきなり詰め寄るという失態をやらかした事に気付いて

 

「あ!ああ、どうもすいません、こなたがバイトやめたと聞いて驚いたのでつい・・・でも、事情ですか?こなたはその事について何か言っていましたか?」

 

女性から身を離しつつ謝罪しながら俺は、その人にこなたのやめると言った事に心当たりがあるかを訊ねてみたが

 

「いえ、詳しい理由は言ってませんでした。でも、突然やめる事に対しては店長にかなり申し訳なさそうに謝っていたみたいですから・・・」

 

俺はその答えを聞いて腕組みしながら

 

「そ、そうですか・・・お手数をおかけしてすいません。後でこなたと連絡を取ってみます。それじゃ今日はこれで帰りますので。それでは。」

 

女性にそう告げて俺はその場を後にした。

 

そして帰りながら携帯を取り出してこなたの所に連絡を入れる。

 

しばらくのコールの後こなたが電話にでた。

 

「もしもし?泉ですが。」

「こなたか?俺だ。さっきお前のバイト先に迎えに行ったんだがお前がいつもの時間になっても出てこなかったからしばらく待っていたが、同じ店の従業員さんがお前がバイトをやめたって言ってたのを聞いたんだよ。どうしたんだ?こなた。突然バイトやめるなんてさ。」

「あー・・・その事聞いたんだ・・・まあ、ちょっと色々とね。でも大丈夫だよ。慶一君が心配するようないい加減な理由じゃないからさ。」

「その理由は俺に話せることなのか?」

「・・・・・・ごめん、今はまだ話せないんだ、でも信じて?バイト嫌になって途中で投げ出したわけじゃないからさ。これだけは本当だから。今言えるのはそのくらい。」

「・・・・・・わかった。俺もお前を信じると言った以上はお前のその言葉信じるよ。でも、何か抱えてる事があったりするんなら俺にも相談くらいはしてくれよ?俺はお前の・・・・・・」

「友人であり、仲間だ、っていうんでしょ?分かってるよ。でも今回の事とかは私自身で答えを出したいんだよ。だから、慶一君は私を見守っていて欲しい。だめかな?」

「わかった。けど、あまり俺やみんなを心配させるような事するなよ?とにかく今回はこなたの意志を尊重するって事でいいな?」

「うん。我侭言ってごめんだけどね。それじゃ私、これから夕飯の支度とかしないとだから。」

「分かった。また明日学校でな。」

「うん、それじゃね。」

 

そう言って電話を終えたのだった。

 

俺は結局、こなたが何をしようとしているのかが分からずじまいだったが、こなたの言うようにこなたの事を信用しようと思うのだった。

 

こなたside

 

秘密裏に事を進めようとは思ったけれど、やっぱりばれる所ではばれちゃうみたいだな、と思いながら私はこれからの事に思いを巡らせていた。

 

「慶一君には黙ってて悪い事しちゃったかな?でも、私を信じてくれてるみたいだしその信頼は裏切らないようにしなくっちゃね・・・・」

 

そう呟きながら私は、私の中に芽生えつつある感情にも戸惑いを見せていた。

 

(慶一君が私のボディガードをやってくれてた時は楽しかったし慶一君の気遣いが嬉しかった、けど、あの時みんなが私を迎えに来てくれてみんなが慶一君のバイト先で一緒に働いている、その事を知った時、私は何だか凄く寂しい気持になった・・・それに、少し胸が痛んだような気がするな・・・なんでだろう?あの時私は慶一君がみんなに取られたような、そんな気持になったよね・・・この感情ってなんなのかな?でも・・・明日からは私も・・・)

 

明日からの事を新たに決意しながら私は、整理のつかない感情と共に今日は眠りについたのだった。

 

慶一side

 

こなたとの電話を終えて俺はとりあえず家へと戻った。

 

ここ何日かのこなたの様子を少し妙に感じていた俺だったが、結局その日もその事に対する答えは出せないままに終わった。

 

そして、次の日の学校で昼休みにこなたの様子を伺ったが、いつもとあまり変わってない様子のこなたを見て俺の取り越し苦労なのかな?と思いつつ、いつものように楽しい雑談で盛り上がり、その日の学校を終えて俺達はまた連れ立ってバイト先へと向かおうとしてたのだが、みゆきとつかさから今日はこなたは俺たちよりも先に教室を出て行ったという報告を受けていたので、その事を不思議に思いつつ道中軽くやり取りをする俺たちだった。

 

「昨日あれからしばらく待ったんだけどさ、こなたが店から出てこないと思ったらどうやらあいつバイトをやめたらしいんだよな。」

「え?あいつが?結構好きでやってたっぽいけどね・・・でも妙ね・・・慶一くんはこなたがバイトやめた理由聞いたの?」

「聞いてはみたんだが、悪いけど今は話せないって言われてな。けどいい加減な理由じゃないからそこの所は信じて欲しいって言われたよ。」

「ふーん・・・あいつの考えてる事は時々よくわからないけど、あんたはあいつを信用するって事よね?」

「まあね、俺も自分を信用してもらう以上は、あいつやみんなの事も信用したいからな。」

「それなら、今ここでとやかく言っても仕方ないわね・・・あいつの意思を信じましょ?」

「そうだね。こなちゃんもきっと何か理由があるんだと思うし、そのうちにこなちゃんもわたしたちに話してくれるよ、きっと。」

「私達は、それを待ちましょう。泉さんの友達として、仲間として。」

「そうだな。あいつはいい加減な所はあっけど、私達との事はちゃんと考えるやつだかんな。」

「みさちゃんの言うとおりね。私達だって泉ちゃんを信頼してるんだから、きっとその答えもわかる時がくるわ。」

「そうですよね。それまでは黙って待ちましょう。」

「あれで意外といろいろな事考えてる先輩でもあるしね。とにかく今は今日の仕事の事を考えていきましょ?」

「うっし、それじゃつく前に簡単に打ち合わせするぞ?まずはだな・・・」

 

そう言って俺達は、とにかくこなたの事を信用するという事でおちつき、気持を切り替えて今日の仕事の打ち合わせをするのだった。

 

そして、バイト先についた俺達はそれぞれに準備を済ませて店に出て行くのだが、そこで俺は再び店長である殿鬼さんに呼び止められることになった。

 

「伝説の少年Aよ、今日からまた1人君の後輩に当たる人間が入る事となった。ここでは君の方が先輩なのだからしっかりと指導するようにな。では入りたまえ。」

 

店長に促されて入ってきた人間を見て俺は

 

「・・・こ・・・こな・・・た?」

 

驚きのあまり途切れ途切れに名前を呼んでしまうのだった。

 

「まあ、そういう事なのだよ。今日からよろしくね?慶一君。」

 

俺はとことん混乱しまくっていたのだが、殿鬼さんが

 

「ふふふ、まさに、まさに我々が望んでいた光景がここに!!伝説の少女Aと共に伝説の少年Aが我らの店に降臨した!!これで・・・これで、我が店の売上は安泰も同然だあああああああ!!頼んだぞ!?2人とも!!」

 

その言葉にこなたは親指をびしっと立てて応えていたのだった。

 

だが、驚くべき事はそれだけではなく、殿鬼さんはこなたの前のバイト先の事も知っていたようで、こなたにメイド服姿のままで接客をやらせようと言う事だったのだ。

 

そして、今日の仕事が始まった訳なのだが、そこに現れたこなたの姿を見てかがみたちも物凄く驚いていたのだった。

 

「こ、こなた、あんた何やってんのよ・・・」

「こなちゃん・・・びっくりだよ・・・」

「まさか泉さんまでもが、こちらにいらっしゃるなんて・・・」

「やるなー、ちびっこ。だけどここでは私が先輩だかんな?」

「こんな事になってるなんて思わなかったわ・・・」

「先輩の行動力に脱帽です・・・」

「まさかお店も即採用するとは思わなかったわね・・・」

 

と言うみんなの言葉にこなたも笑いながら

 

「あはは。まあ、そういうわけだからみんな、これからもよろしくねー?」

 

その言葉に俺はただただ苦笑するしかなかった。

 

思いがけず、バイト先に旋律達が大集合した。

 

これからしばらくはみんなで仕事する事になるのだろうけど、この先どうなる事かと頭を悩ませる俺だったが、こうなったら開き直ってこの状況を楽しもう、と心に決める俺だった。

 

そして、後にだが、こなたの参戦によりこの店の売上は過去最高のものにまで伸びる事になるのだが、それは後のお話である。

 


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