らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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こうとやまとと慶一と〜3つの旋律が生まれた日~前編~

高良みゆきとの出会いのすぐ後、俺は埼玉にある自宅へと戻ってきていた。

 

道場での練習の疲れを癒すためにのんびりと過ごしていたが、ふいに一本のメールが俺の携帯に入ってきた。

 

内容を確認すると・・・・・・

 

FROM:八坂 こう

先輩、元気にやってますか?こうです。私とやまとの高校受験も済んで2人とも無事に自分の目標の高校に合格する事ができました。ついては、私たちの合格祝いに先輩にも来て欲しいなと思ったのでメールしました。もし先輩の都合が良かったらこちらに連絡してください、待ってますね。

 

PS:やまとも先輩に会いたがっていたようですよ?できればやまとをがっかりさせないようにお願いしますねー(笑)

 

メールを確認した後ふう、と一つため息をついて

 

「会いたがってる、か。こうの奴、やまとをまた困らせてるんじゃないだろうな?」

 

独り言をつぶやいて苦笑し、とりあえずメールの返事の為にこうの携帯に電話をかけた。

 

数回のコールの後

 

「もしもし?」

 

と、こうが電話にでたので俺はこうに合格に対する祝いの言葉をかけつつメールの返事もする事にした。

 

「”こう”か?メール見たよ、合格おめでとさん。合格祝いに俺を招待したいって事だが俺が行ってもいいのか?」

 

俺がそう尋ねると

 

「あ、先輩。お祝いの言葉ありがとうございます。久しぶりですねー。」

 

と、あの頃と変わらないこうの声を久々に耳にして俺があの頃の思い出に少しひたっていると

 

「はい。その為にやまととも相談したんですよー?というか先輩だからこそ呼びたいなあと思ったんで。」

 

俺はその言葉を聞いてあれからのこうとやまとの友人関係を思い出しながら

 

「でもお前らもあれから仲良くなった友人達がいたんじゃないのか?わざわざ俺でなくてもその友人達とお祝いすればよかったんじゃないか?」

 

俺はこうに疑問をぶつけてみた。

 

するとこうは軽いため息を1つついてから

 

「それも良かったんですが、今回は先輩とやまとと3人でやりたいなって思ったんですよ。だって私たち同じ中学出身の親友じゃないですか。それに、やまともまだ先輩の事は親友だと思ってるようですよ?」

 

何故か電話口でニヤついてるこうの姿が頭に浮かんだ気がしたが

 

「そういうこうはどうなんだよ?まだやまとに親友って思ってもらえているのか?」

 

と、さりげない反撃をしてみた。

 

するとこうは不満そうな声で

 

「先輩それはひどいですよー。卒業前のあの時もそうでしたけどー・・・。」

 

思いがけない反撃に慌てて返事を返してくるこう。

 

それに満足した俺はその日の予定を思い出してみたが特に何も入っていなかった事を思い出したので

 

「ははは、すまんすまん。とりあえずは俺もその日には予定はないから合格祝いに行かせてもらうよ。ところで、待ち合わせ時間だけど・・・・・・」

 

俺はその日に予定がないから大丈夫だという事をこうに伝えて、こうと約束の時間の打ち合わせをした。

 

一通りの話が済むと

 

「それじゃその日にな。久しぶりに会えるのを楽しみにしてるよ。」

 

俺はこうにそう伝えるとこうも嬉しそうな声で

 

「私も楽しみにしてますよ?先輩、当日は思い切り遊びましょーね。それじゃ電話切りますねー。」

 

そう言ってくるこうに

「ああ、またなんかあったら連絡してくれ。」

 

そう軽く返すと、こうも心持ち上機嫌そうな声で

 

「はい、それじゃー。」

 

そう言って電話を切ったのだった。

 

そんな訳で思いがけず、こうとやまとの合格祝いに付き合う事になったのだが、実の所、俺もこの再会を楽しみにしていたのだった。

 

そして当日・・・・・・

 

俺はこうに指定された待ち合わせ場所に来ていた。

 

時間はというとやまとが来るであろう10分前、こうが来るであろう1時間前だ。

 

俺がこの時間に設定したのは当時あいつらとの待ち合わせの際、必ずといっていいほどにこんな感じにこうが遅れて来てたからだ。

 

やまとは時間に正確だったのだがいつも待ち合わせ10分前には現れる事を知っていたという事もある訳だが。

 

(まあ、こんなもんだろう。)

 

そう心の中で思いつつ、俺は待ち合わせ場所に辿り着く。

 

俺は待ち合わせ場所に到着したが、しばらくはやることもなかったので待ち合わせ場所でじっとしていると前方からこちらへと走ってくる人影が見えた。

 

その人影は俺の方へ走り寄ってくると息を少し切らせながら声をかけてきた。

 

「はぁ、はぁ、先輩、久しぶりね、元気だったかしら?」

 

久しぶりに見るやまとに俺は懐かしさを感じながらも返事をする

 

「まあ、見てのとおりだよ。やまとも元気そうだな。それと、高校受験合格おめでとう。」

 

俺がそう言うとやまとはふっと薄く笑いつつも少し嬉しそうな顔をしつつ

 

「あ、ありがとう。まあ、先輩は私なら大丈夫だろうってあの時もいってくれたしね・・・。」

 

そう答えるやまとに、俺はあの時にした卒業前の会話を思い出す。

 

「はは、そうだったな。それにしても時間には正確だな、やまと。」

 

俺がやまとの行動をパターンを思い出しつつそう言うと、やまとは少しむっとしたような顔をして

 

「誰かさんと一緒にしないで欲しいわ・・・。」

 

不機嫌を表情に張り付かせながらやまとは吐き捨てるように言う。

 

俺はその言葉に苦笑しながら

 

「ふう・・・という事は、相変わらず、なのか?」

 

と、俺が呆れたような顔でそう聞くとやまともさらに不機嫌そうに

 

「そう、相変わらずよ?こうは・・・それでも以前よりはマシにはなったかしらね・・・。」

 

なんだか、それでも達観したような表情で言うやまとをみて思わず俺は思わず吹き出してしまった。

 

「な、何よ?何かおかしい事いったかしら・・・?」

 

訝しげな表情で俺に軽く抗議するように言うやまとに俺は少し苦しくなりながら

 

「いや、お前も苦労してるんだなってな。そう思ったらなんかおかしくなってな。」

 

腹を抱えて笑いをこらえつつ俺は言う。

 

そんな俺にまたも不機嫌そうな顔を俺に向けながら

 

「したくてしてる苦労ってわけじゃないわよ・・・でも、先輩もそう言ってる割には、待ち合わせの時間きっちり覚えてたみたいね・・・。」

 

そう言うやまとに俺はふっと表情を戻し、軽く微笑みながらやまとを見て

 

「伊達にお前らと2年間、同じ中学で先輩後輩してた訳じゃないってことさ。」

 

両手を左右に開きやれやれといったジェスチャーをしながらやまとに言う。

 

そんな俺にやまとも”クスリ”と笑いながら

 

「ふふ、そうね。でもあれから中学の頃と合わせて3年もたったのね・・・。」

 

やまとが懐かしそうな顔をしながら言うと、俺はそんなやまとの顔を見ながらあの頃の事を思い出して

 

「ああ、そうだな。なあやまと、覚えてるか?俺たち3人が出会った時の事をさ。」

 

俺はやまとの方を向いて話し掛ける

 

そんな俺の言葉にやまとも頷いて

 

「ええ、よく覚えてるわ。今でも・・・忘れたくても先輩との出会いはかなり衝撃だったから・・・。」

 

やまとの言葉を聞きながら俺はあの頃を思い出していた。

 

「あの時は確か・・・・・・。」

 

次回、3人の過去

 


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