らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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思い出を紡ぐ旋律、第5話~桜藤祭1日目~

文化祭の準備による泊り込み、そして、その時にやった、こなたの提案による季節はずれの肝試しの最中に俺が、校内に進入していた不審者を撃退する一幕がありながらも、何とか文化祭の準備を開催日までに間に合わせる事ができた。

 

そして、いよいよ文化祭当日、俺達2-Dの生徒は開会式の前に作業チームリーダーのかがみの激励によって気合を入れ直していた。

 

「みんな、今日まで大変なスケジュールの中での準備ご苦労様。これから3日間桜藤祭の開催となるけど、最後まではりきっていきましょ!」

 

その号令とともに「おーっ!!」と言う掛け声と共に気合を入れて、俺達は体育館へと開会式へ向かうのだった。

 

つまならない校長の挨拶や文化祭開催の前座を終えて、俺達は自分達の教室に戻り、さっそく俺達の出し物、ケーキと紅茶の喫茶店の開店となった。

 

午前中は俺達は店の手伝いをせねばならなかったので、皆と共にウエィターをやったり掃除係をやったりと大忙しで動いていた。

 

以外にも店の状況は好調でお客の入りもなかなかのものだった。

 

そして、俺達のクラスの出し物に俺達の見知った顔がやってきたのだった。

 

「ほほー・・・慶一君達のクラスもなかなかの客の入りだね。これはライバル店として負けられないねー。」

 

腕組みをして店内を見回しつつ感心したように言うこなた。

 

「意外とお客さんはいってるね~。すごいな~。」

 

意外な盛況っぷりに驚くつかさ。

 

「シンプルですが、癒しの空間という感じですね。」

 

店内を見回して分析をするみゆき。

 

俺はそんな3人の姿を見つけ、側に来て

 

「いらっしゃいませ。3名様ですか?」

 

とウェイターとしての挨拶をすると、俺の姿を見たこなた達が

 

「おー、慶一君なかなか似合うじゃん。」

「かっこいいよ?けいちゃん。」

「すごくお似合いですよ?慶一さん。」

 

3者3様に誉めてくれるのを俺は照れつつ

 

「はは、ありがとう。とりあえずこっちだ。お前らも俺たちのクラスの偵察だけをしに来たわけじゃないんだろう?」

 

そういいつつ3人を案内すると、こなたは俺に

 

「まあねー、どんなケーキが食べれるのかってのも楽しみだからね。って慶一君。だめだよー?いくら知り合いが来たからって言ってもウェイターの言葉使いを崩したらさー。ちゃんとプロとしての自覚持たなくっちゃね。」

 

人差し指を立ててそう言ってくるこなたに俺は苦笑しつつも

 

「はは。まさかこなたに説教されるとは思わなかったな。よし、それではお客様、ご注文がお決まりになりましたらお呼びください。それではごゆっくり。」

 

言葉使いを直して俺はメニューをこなた達の机の上に置くと、先に注文を受けていたお客の対応の為に席を離れた。

 

厨房スペースの所で材料の下ごしらえとかをしているかがみやあやの、みさお達の側に行き、先に受けていたお客の注文を伝えていたが、その時にかがみたちはこなた達が来てる事に気付いて

 

「慶一くん、お疲れ様。こなた達来てるのね。うちのクラスの偵察かしら?」

「ちびっ子達もお客として来てくれたんなら売上に貢献してくれんじゃねえか?」

「楽しんでもらえるといいわね。はいこれ、5番テーブルのお客さんの注文、あがったわ。」

 

俺はそう言ってくる3人に

 

「偵察うんぬんもあるだろうけど、俺たちのクラスに遊びにきてくれたんならちゃんとしたお客さんだからな。まあ、売上の足しにはなってくれるだろうさ。」

 

そう言ってあやのから注文の品を受け取ってその場を離れる俺だった。

 

「よしっと。サンキューなあやの。これは2番テーブルのお客さんの注文だ。よろしくな。」

 

そして2番テーブルに注文の品を届けに行って

 

「お待たせしました。ティーセットと特製ショートケーキになります。」

 

品物を置いて次のテーブルへと向かったのだった。

 

こなたside

 

私達は午後からの出番となるので、午前中は自由時間があった私達は、慶一君のクラスと八坂さん達のアニ研を見にいっておこうと思い、まずは慶一君のクラスにお邪魔した。

 

慶一君のクラスはなかなかお客の入りも好調のようで、私達も感心しながら店内を見ていると、私達に気付いた慶一君が私達の所に来て席に案内してくれるという事なので、私達はそれに従って席へと向かった。

 

その際に慶一君のウエィター姿を見て、その格好になかなか似合ってるなあと思いつつ、その姿をニヤニヤとしながら見ていたのだった。

 

そして、私達が注文した物が届き、ケーキのセットを食べながら私達は軽いやり取りをしていたのだった。

 

「うーん、中々美味しいねえ。このケーキも手作りみたいだよ?」

「あの時けいちゃんに奢ってもらったティーセットを思い出したよ~。」

「つかささん、つかささんは慶一さんにティーセットを奢ってもらったんですか?」

「うん、そうだよ~。けいちゃんが見つけたお勧めの店だったんだよ。けいちゃん、そのお店を参考にしたんじゃないかな~?」

「なるほどねー、あの時つかさがいなかったのはすでに奢ってもらっていたからだったか・・・」

「こなちゃん達は奢ってもらったの?」

「はい、私達はケーキバイキングに行ったんですよ?」

「あの時も一杯食べまくっちゃったねー。結局食べきれなくて慶一君に負担かける事になっちゃったけどね。」

「う~ん、今度わたしもみんなと一緒にいってみたいな~。」

「なら、今度何かの折にでもいこうよ。ねえ、みゆきさん。」

「そうですね。その時にはまたご一緒します。」

 

そんな風にまた今度ケーキバイキングに行く事を約束しつつ、ケーキセットを楽しんだ私達だった。

 

そして、慶一君のクラスを後にした私達は、アニ研へと顔をだしに向かった。

 

アニ研の前に行くと、それ系の人達がアニ研の展示物等を興味深そうに見ている姿を横目で見つつ、私達は八坂さん達の所に行った。

 

「やふー。八坂さん、来たよー。」

「こんにちは~。こなちゃん達と遊びにきたよ。」

「お邪魔しにきました。八坂さん、永森さん。」

 

私達がそう声をかけると、2人も私達に気付いたようで

 

「泉先輩、つかさ先輩、高良先輩、いらっしゃいー。とりあえず見ていってください。」

「いらっしゃい、先輩。こんな所だけど来てくれてありがとう。」

「ちょっ、やまと、こんな所ってないんじゃないの?」

「私は事実を言ったまでよ?まあ、この部に在籍してる以上はつきあうけどね。」

 

私達に声をかけつつ、2人して軽い漫才をしているのを私達は苦笑しながら見ていたが

 

「おお、泉に柊、高良。よく来たな。うちの展示物も見ていってくれ。」

 

そこに部の責任者でもある桜庭先生が声をかけてきたのだった。

 

「あ、桜庭先生、お邪魔してます。」

 

私が代表で挨拶をすると、先生はニヤリと笑いながら私に

 

『なあ、泉、いい物があるんだが見ていくか?』

 

小声でそう言ってくる桜庭先生に私は興味を引かれたので

 

『いいもの?それは興味がありますねー。』

 

と、聞き返すと、桜庭先生は私を引っ張って展示の奥へと連れて行くと、まさに隠れ展示品とよべる限定物グッズの山がそこにあった。

 

私は目を輝かせながら

 

「こ、これはすごいですね。これ先生が集めたんですか?」

 

そう聞くと先生は得意げに

 

「ああ。結構大変だったぞ?これとかこれはあの時になー・・・・・・」

 

その説明を聞きながら私は限定グッズ談義に華を咲かせていたのだが、つかさとみゆきさんがおいてきぼりになってるのをすっかり忘れていて

 

「こなちゃん、楽しそうだね~。でもわたし達忘れられてるような・・・」

「つかささん、それは言わない約束です・・・」

 

そう呟きながらただただ私が戻るのを待っていてくれたのだった。

 

そして、みんなと合流した後、適当に興味を持った場所に入ったりしながら午前中の私達の自由時間を終えて、自分達のクラスに戻って準備をするのだった。

 

慶一side

 

午前中の俺達の仕事が一段落して交代の生徒と入れ替わった後、俺達はとりあえず昼飯を食べる為に他のクラスの食べ物屋を巡るべくかがみ、みさお、あやのの3人と共に校内を見回って歩く事になった。

 

こなたのクラスは最後に巡る予定で俺達は校内をうろつく。

 

色々な食べ物主体で出しているクラスを見ながらみさおは

 

「あ、あそこがいいんじゃねえか?」

 

みさおの指差した方を見てみるとそこはカレー専門店と書かれていた。

 

「へえ?カレーか。珍しいな。」

 

俺が関心しながら店を見てるとかがみたちも

 

「いい匂いしてるわね。ねえ、慶一くん、峰岸、ここに決めない?」

「そうね、お昼御飯としてはボリュームもあるしいいかも。」

 

その2人の言葉に俺も頷いて

 

「ならここにしよう。みんな行こうぜ?」

 

と言う俺の言葉に皆も頷いて後についてきたのだった。

 

カレーを食べながら俺達は軽く雑談を交わしていた。

 

「それにしても、去年とはまた違った雰囲気があるな。今年の桜藤祭はさ。」

「どうして?」

「1年の頃はこんな風に仲のいい友人達と協力しあって何かをするって事もなかったからな。協力はしたけど、結局ノルマこなすだけ、って感じだったからな。」

「慶一は去年はつまんなかったか?」

「正直言って今思えばそう感じていたなあ・・・でも今年はお前らという友人が出来て、その友人と共にこういう事をやっている、その事に楽しさや嬉しさを感じてる。それが去年とは違うなって思うよ。」

「慶ちゃんが私達のお友達じゃなかった頃、私達も柊ちゃん達と一緒に文化祭の準備はしてたけど今年みたいに楽しいとは感じてなかった気がするわね。」

「・・・まあ、それに関しては私も一緒かな?どことなく味気なかったというか・・・なんだろう、あんたって色がないあの頃ってなんか心から楽しめてなかった気がするわ。」

「そう言う意味じゃ慶一の存在って色々な事を変えてくれたきがするぜ。」

「そうかな?そう言われると少し照れるが、俺としては特に大した事をしたつもりはないんだけどな。」

「ふふ。十分してくれたわ。慶ちゃんは私達にとっての日常を変えてくれた人よ?」

「そうだぜー?お前がいなかったら私らもずっと女同士だけでやってたかもしれねえしさらにはちびっ子達とも友達になれてたかも怪しかったからな。」

「そうね。慶一くんはこなた達と私達をつないでくれただけじゃなくて八坂さんや小早川さん達も私達の前に連れてきてくれた。無色だった私の日常に色々な色がついたって思ったら、凄く楽しくなったわよ。」

「こう達の事はともかく、ゆたか達は俺にとっても意外な出会いではあったな。」

「でも、こうやって出会ったから今の私らがあるんだし、やっぱ出会いってやつは重要なんだろうなー。」

「そうね。私もそう思うわ。だから今私はあの頃よりもずっと今が楽しいわ。」

「それは同感。慶ちゃん。私達のお友達になってくれてありがとうね。」

「・・・それを言うなら俺だってそうだ。それまで灰色だった俺の世界に色をつけてくれたお前らにありがとう、だよ。」

 

お互いにそう言いあうと俺達は笑顔を交わしていた。

 

そして、食事を終えた俺達はこう達のいるアニ研に顔を出しに行く事にした。

 

アニ研の部室前へ来て見ると、それ系の濃い人達が大分集まっていて、かがみたちもその光景に苦笑を浮かべていたが、とりあえずこう達に挨拶をしに行く為、奥へと入っていった。

 

そして、奥の受け付けっぽいテーブルに座って客の相手をしてるこうを見つけると、俺達はこうに挨拶をしにいった。

 

「よう、こう。それなりに盛況みたいだな。」

「こんにちは八坂さん。結構賑やかね。」

「様子見に来たぜ?八坂ー。なんだかここだけ別世界みてえだなー。」

「八坂さんみんなと一緒に見に来たわ。それとあそこにあるリラッタヌのカップって売ってるの?」

 

俺達がそう声をかけるとこうとやまとは

 

「あ、先輩。かがみ先輩と日下部先輩、それに峰岸先輩もわざわざすいません。それと、峰岸先輩。それは売り物として用意していますが、お気に入りなんですか?」

「こんにちは先輩達。わざわざここに来てくれてありがとう。」

 

そう挨拶を返すと、俺たちも笑顔で頷き、あやのは嬉しそうにリラッタヌのカップを買い込んでいた。

 

俺は部室内を見回しながら

 

「へえ?色々な展示物もあるけど、おまえらの作った一般向けの同人誌もおいてあるんだな?」

 

そう呟くとかがみも少し呆れながら

 

「まったく、こなたの好きそうな物とか多いわね・・・って・・・あれはっ!!」

 

かがみが突然何かを見つけてそこに向かって突進していく。

 

何事かと思って様子を見ると、どうやらかがみがファンであるラノべの絵師さんが書いたイラストが売られていたようだ。

 

俺とみさおは喜々としてそれを買い込むかがみを苦笑しながら見守っていた。

 

「柊、ああいうのが好きなんか?」

 

と言うみさおの疑問に俺は笑いながら

 

「どうやらそうらしいな。コ○ケというイベントでもああいうのに釣られてついてきたくらいだしな。」

 

と言う俺の答えにみさおは腕組みをして考え込みながら

 

「私も少しは柊の好きそうな物も知った方がいいんかなー・・・」

 

とか呟くのを聞きながら俺は、軽いため息を一つつきつつ微笑んでいた。

 

やがて、あやのもかがみも満足したのか買う物を買い込んで戻って来て

 

「お待たせ、慶一くん。それじゃそろそろいきましょ?」

「ごめんなさい慶ちゃん。待ったかな?」

 

と言う2人に俺は手を左右に振りながら

 

「いやいや、こっちはそんなに待ってないから大丈夫さ。それじゃそろそろこなた達の所行って見るか。」

 

そう答えると、みさおも頭の後ろで手を組みながら

 

「そうだなー。ちびっ子達、どんな出し物なんだろうなあ・・・メイド喫茶って言ってたけどよくわかんねえんだよなー。」

 

そう言って笑っていた。

 

そして4人で部室を出て行こうとしたときこうたちから

 

「あ、先輩。あとで先輩達のクラスの喫茶店にもお邪魔させてもらいますね。」

「美味しいケーキとお茶のお店らしいわね。楽しみだわ。こうと一緒にいかせてもらうわね。」

 

そう言って来たので俺も笑顔で

 

「ああ。当店を是非ご利用ください。ってやつだな。」

 

そう言ってウェイターよろしくうやうやしく礼をすると2人も笑顔で俺に

 

「あはは、先輩なんですか?それー。」

「くすくす。先輩、結構様になってるわよ?」

 

そう言って来たので、俺は照れ隠しに後頭部を掻きながら

 

「あー、まあ。俺も自分のクラスでウェイターやってたからな。まあ、そんなわけで一つよろしく・・・っと忘れてた。こう、やまとちょっといいか?」

 

俺は2人に確認する事があったので、2人の側に行って小声で

 

『2人とも、例の物は準備してあるか?』

 

そう聞くと2人も小声で

 

『ええ、ばっちりですよ。後で渡しに行ってきます。』

『こちらもぬかりはないけど、でも先輩もやっぱりお人好しよね?』

 

そう答えてきたので俺は苦笑しつつ

 

『まあ、そう言うなよ。ともかく、みゆきとまた会えた時に頼んだぜ?』

 

そう伝えると2人とも頷いて

 

『分かりました、まかせてください。』

『先輩も抜かりなく、ね。言い出しっぺが失敗してたらしゃれにならないわよ?』

 

と言う答えに俺は頷いて

 

『わかってるさ。それじゃ今日はこれでな。2日目には一緒に回れる事があったらいいな。』

 

そう伝えると2人は

 

『そうですね、その時には先輩につきあわせてくださいよ?』

『そうよね、こうと2人だけじゃつまらないものね。どうなるかは分からないけど楽しみにしてるわ。』

 

その言葉に俺は頷きで返した後、入り口で待ってくれてるかがみたちの元に走っていった。

 

かがみたちの元に戻ると3人は俺に

 

「遅いわよ?もう少し遅れたらおいてくとこだったわよ。3人で何話してたのよ?」

「慶一、時間は限られてんだからもたもたすんなよなー?」

「何やらこそこそと話していたみたいよね?大事な事だったの?」

 

そう言ってくる3人に俺は軽く笑いながら頷いて

 

「はは、すまない。それとあいつらと話していたのは例の事さ。」

 

俺の言う”例のこと”と言う単語にピンときたかがみは

 

「ああ、あの事ね。私達もぬかりはないけど慶一くんも大丈夫なんでしょうね?」

 

俺に確認するように聞いてきて、その言葉にみさおも

 

「まあ、慶一の事だから忘れる事はねえと思うけどな。まあ、その事は私らもちゃんと準備してあっから大丈夫だぜ?」

 

得意げな顔でそう言うみさおにあやのも苦笑しつつ

 

「みさちゃんだって私が覚えてなかったら忘れてたかもしれない事自覚してよ?」

 

そうツッコミを入れるとみさおはばつの悪そうな顔で小さくなっていた。

 

最後にあやのが収めてくれて、俺は苦笑しながらも3人を連れてこなた達のクラスへと足を向けた。

 

「さあ、こなた達のクラスへ行くか。」

 

気を取り直してそう言いつつ、歩き出す俺の後ろをかがみたちがついてきたのだった。

 

そして、こなた達のクラスに来た時その派手な看板と、あきらかにそれ系の人達がこなたのクラスに群がってるのを見て若干引き気味に見ながらも、外に立っていたメイド服を着た案内係の子に案内されて教室内へ入ると

 

「「「お帰りなさいませ、ご主人様」」」

 

俺達に気付いたメイド服に身を包んだこなたとつかさとみゆきが俺達を出迎えてくれた。

 

その出迎え方に驚きつつも俺は

 

「えーと、4人だけど席あるかな?」

 

と、こなたに言うと、こなたは俺達に

 

「かしこまりました。こちらへおいでください、ご主人様方。」

 

うやうやしく優雅に頭を下げながら俺達を席へと案内してくれたのだった。

 

席に案内された俺たちはこなたからメニューを受け取り、注文する物を決めていたのだが、こなた達3人が俺たちのテーブルの所に来て

 

「ねえねえ、慶一君、どうかな?この衣装はさ。」

「似合ってるかなあ・・・」

「初めてこういうのを着ましたが何だか不思議な気分ですね。」

 

そう聞いてきたので俺たちはそれぞれに感想を伝えた。

 

「こなた、中々似合ってるよ。つかさやみゆきも見違えたようだ。」

「なんというか凄い格好ね・・・でも、結構可愛いかも・・・」

「いやー、こんな世界ってあるんだなー。私初めて知ったゼ。」

「泉ちゃん達よく似合ってるわよ?私もちょっと着て見たいかも。」

 

そう言うと、3人とも顔を赤くして照れていた。

 

そして注文の決まった俺達は、こなた達にオーダーすると、こなたは注文を持って奥へと戻っていった。

 

注文の品が来るまでの間、俺達は色々と話していた。

 

「それにしてもこういうのがあるってのはテレビとかでもやってたけど、なんか凄い世界だよなあ・・・。」

「そうよね・・・実際ちょっと引いたわよ・・・お客に濃い系の人も多いしね・・・」

「何だかここが私らの学校って事を忘れそうになるよなあ・・・」

「ふふ。でも泉ちゃん達楽しそうだったわね。」

「まあ、それは認めるけどさ。けど、本当によく許可が下りたよな?」

「私はこんな企画通るわけない、って思ってたわよ。」

「実際通ってるから、今更じゃねえか?」

「そうね。日々文化祭も色々やるようになったわよね。また来年はさらに新しい物がでてくるのかしら。」

「それでも倫理に反しない物が出る事を祈るのみだな。」

「あいつはまた何か企みそうよね・・・今度は私も全力で阻止かしら・・・」

「まあ、私は面白けりゃなんでもいいかんな。」

「だめよ?みさちゃん。一応の常識はわきまえとかなきゃね。」

「何気に酷い一言のようにも思えるぞ?あやの。」

「あら?そうかしら、そんなつもりはなかったんだけど・・・」

「うう、ちょっとだけ凹んだってヴァ・・・」

「お前の場合は自業自得だ!ちょっとは懲りなさいよ!」

 

最後のかがみの突っ込みでひとしきり笑った頃、注文の品が届けられたので、俺達はそれぞれ食べてみたが、意外にもしっかりと作ってあったのには驚かされた俺たちだった。

 

「へえ、こいつはたいしたもんだ。」

「ほんとね。こっちにも力入ってるわ。流石にこなたやつかさがいるクラスってとこかしら。」

「おお、うめーなー。このパフェ最高だゼ」

「このゼリー寄せも美味しいわ。うちも負けてられないわね。」

「なら、俺達は正統派喫茶店として勝負だな。」

「そうね、がんばりましょ?まだ勝負はこれからよ。」

「うちだってケーキと紅茶じゃ負けてねえってとこ教えてやろうぜ?」

「ふふ。こういうのもいいわね。」

 

そう言って、俺達はこなた達のクラスに対抗意識を燃やしつつ、残り2日間ライバル店としてがんばろうと心に誓ったのだった。

 

「ふふ、盛り上がってるとこ悪いけど、私たちだって負けないよー?」

「わたし達っだってがんばるもん。」

「負けませんよ?私の望んだ出し物がなくなり、これになってしまった以上はせめて勝ちます!」

 

3人が俺達に宣戦布告をしてきたのだが、みゆきだけは自分の却下された出し物の提案の事を未だに引きずっているようだったので、俺達はそのみゆきの思いに苦笑するしかなかったのだった。

 

こうしてお互いに火花を散らした売上勝負<いつの間にそうなったんだろう(汗)>の幕は切って落とされたのだった。

 

残り2日、これからどうなるのかは俺たちにも予想は出来なかったが、せめて最後までは楽しもうと密かに心に決めている俺だった。

 


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