らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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思い出を紡ぐ旋律、第3話~こうのはた迷惑な企み~

文化祭の準備も始まり、その日々の中でみゆきやこう、やまとの都内組の体への負担を考えた俺は、より学校に近い場所にある俺の家に文化祭の間までは泊まるように言う。

 

先にその事を伝えておいたみゆきは、こう達より1日早く家に訪れて文化祭までの間の生活を始めた。

 

そして、その翌日の準備の時にかがみが過労で倒れるというハプニングがあり、その一件を落ち着かせた俺はアニ研の部室へと2人を迎えに行くのだった。

 

部室の前に着き、俺はドアをノックして「入るぞー」と声をかけて部室内へと入っていく。

 

「あ、先輩、お疲れ様です。今終わった所ですよ。」

「後は戸締りしておしまいってとこね。先輩、わざわざ迎えに来てもらって悪いわね。」

 

やまとの言葉に俺は

 

「ああ、俺が行くって言ったんだから構わないさ。それじゃ支度が済んだら行くぞ?」

 

そう答えると2人とも頷いて

 

「わかりました。それじゃやまと、戸締りやっちゃおう。」

「そうね、先輩、もう少し待っててくれるかしら。」

 

そう言う2人に俺は頷いて

 

「別に焦らなくてもいいぞ?その代わり不備は残さないようにな。」

 

そう答えた俺だった。

 

2人は戸締りを済ませて最後に部室から出て俺に

 

「先輩、鍵返しにいくのに付き合ってもらっていいですか?」

「何言ってるのよこう、それくらい1人で言ってきなさいよ。私と先輩は昇降口で待ってるから。」

 

そう言ってきたのだが、やまとがこうを突き放す一言を言ったので、こうは涙目になりつつ

 

「ちょ、やまと。それは友達としてあんまりなんじゃ・・・」

 

一応抗議を試みてみたが無駄とわかり、諦めて肩を落として職員室へとぼとぼと歩いていくのを、俺は苦笑しながら見送ったのだった。

 

「やまとも手厳しいなあ、そのくらい付き合ってやってもよかったんじゃないか?」

 

一応やまとにそう言ってみるがやまとは

 

「その位のことは一人でやってもらわないと困るわよ。子供じゃないんだから自分の役目はきっちり果たしてもらわないとね。」

 

腕組みしてやまとは不機嫌そうにそう答えるのを見て、俺は軽いため息を一つつくのだった。

 

昇降口まで移動してこうを待っている間、俺はやまとと軽いやり取りをしていた。

 

「そういえば先輩、かがみ先輩が倒れたって事聞いたけど大丈夫なの?」

「ん?情報はそっちにも行ってたか。まあ、天原先生の言う事には過労が原因らしいけどな。」

「かがみ先輩、学級委員長と先輩のクラスの作業チームのリーダーやっているのよね?倒れるほどじゃかなり疲労が貯まってたって事なのね。」

「それもあるんだろうけど、あいつ頑固なとこあるからな。自分が辛くても弱い所を見せたくないっていう妙な意地を張るんだよ。だから結局無理がたたった、って結果になったけどな。」

「先輩の性格考えると納得できるわね。でも、そういう先輩も自分の事より相手の事を考える方が多いわよね?先輩も無理、しないでよ?」

「その忠告はかがみからされたよ。それに今日の事もあってはなおさら注意しなきゃって自覚したからな。ともあれ、お前らも無理しすぎるなよ?その為に俺の家に呼んだんだから。」

「わかってるわ。先輩、ありがとう。おかげで助かるわ。」

「はは、何にしても帰ったらゆっくり休む時間をとってくれな。」

 

そうしてお互い笑いあった頃、こうが用事を済ませて戻ってきた。

 

「お待たせー、先輩、やまと。それじゃ行きましょう。」

 

俺達は頷いて学校を後にした。

 

帰りの電車に揺られながら俺達は少しやり取りをした。

 

「先輩と一緒に同じ方へ帰るのも中学時代以来ですね。」

「そうかもしれないな。前に実家に戻った時はそうだったけどあれもその時のみだったからな。」

「何だかあの頃を思い出すわね。あの頃も私達3人揃ってるだけで楽しかった。」

「・・・悪いな2人とも・・・」

「急にどうしたんですか?先輩。」

「悪い、って何が悪いのよ?」

「俺がお前らの側にいたせいでお前らから離れていった友人もいただろうしな。もっと俺以外の友達ともそうやって楽しく帰ったりできたろうに、俺はそんなお前らから友人を奪ってしまったんじゃないか、って思う時があるからな。」

「・・・先輩、怒りますよ?私達にはちゃんと友人がいました。先輩という友人が。それに、先輩の事を見ようともしない、ただの風評で先輩と付き合ってきた私達を見限った友人なんて友人じゃないですよ。それこそそんな人はこっちから願い下げです。だからそんな風に言わないで下さいよ。私達は後悔なんてしてないんですからね?」

「そうよ?その時に出来た友人もいたけど、結局は上辺だけでしか私達に接してこない人達ばかりだったわ。そんな中でこうと先輩だけは心から付き合えた友人だもの。だからそんな事気にすることないのよ?」

「・・・ははは。馬鹿だな、お前らはさ・・・」

「それを言うなら先輩もですよ?」

「そうね。私達と同じくらい馬鹿よね。」

「あはは。そうだな。馬鹿同士だから付き合って来れたんだな、俺達は。」

「まあ、これからも私達は先輩に付き合っていきますよ?あの時からそう決めてましたからね、あの事件で先輩の味方をした時から。」

「私もよ?これからだって先輩と付き合っていく。私も決めていたから、あの事件からずっとね。」

「そうか・・・ならこれからもよろしくな?2人とも。」

 

そう俺が言うと2人とも笑顔で頷いてくれたのだった。

 

そんなやり取りをしているうちに最寄駅についたので、俺達は電車を降りて家に向かう。

 

そして玄関前に着くと2人は俺に

 

「先輩、今日からしばらくお世話になりますね?」

「よろしく、先輩。」

「ああ、少しでも長く、体を休めるようにな。それじゃ入るか」

 

そう促すと2人も頷いて俺についてきた。

 

玄関を開けて俺は「ただいまー。」と声をかけるとキッチンの方からみゆきが出てきて

 

「お帰りなさい、慶一さん。それにいらっしゃい、八坂さん、永森さん。」

 

そう言ってくるみゆきに2人も

 

「今日から私達もお世話になります。文化祭終了までよろしくお願いしますね?高良先輩。」

「しばらくの間、よろしく、先輩。」

 

そう言うとみゆきもにっこりと笑いながら

 

「こちらこそです。お互いに文化祭の最後までがんばりましょう。」

 

そう答えるみゆきを見て俺は

 

「とりあえず、挨拶はその辺にして上がれよ、2人とも。部屋に案内するから。」

 

2人に促すと「「おじゃましまーす」」と言って上がってきたので俺は2人を部屋に案内した。

 

「とりあえずここ使ってくれ。落ち着いたら着替えてみゆきの用意してくれた夕食を食べよう。準備できたらキッチンへ来るといい。」

 

2人は俺の言葉に頷いて早速荷物の整理を始めたようなので、俺は自分の部屋に戻って着替えをしてくる事にした。

 

着替えを済ませた後、風呂の準備をしようと思い風呂場へ向かってみたが、みゆきがこれもやってくれていたようだったので、俺はそのままキッチンへと向かうのだった。

 

「みゆき、風呂の準備までしてくれてありがとな。程なくして2人も来ると思うから2人がきたら食べよう。」

 

そう言うとみゆきもいつもの微笑みを浮かべながら頷いて

 

「はい。それでは私達は席についていましょう。」

 

みゆきに促され俺も頷いて席について2人を待った。

 

程なくして2人がキッチンにやってきて

 

「お待たせしました。おお、これは美味しそうですねー。これ高良先輩が作ったんですか?」

「お待たせ。高良先輩も頑張ってるのね。私も役に立てればいいのだけど。」

 

そう言いながら席につく2人だった。

 

「それじゃ、揃った事だし食べようか。いただきまーす。」

「「「いただきます」」」

 

みんなで食事の挨拶をして食べ始めた。

 

「でも、こうやってこっちの先輩の家に泊まりに来るのは初めてですね。なんか新鮮ですね。」

「勉強会の時は教えてもらえなかったものね。ねえ?先輩?」

 

そうやって俺を責めてくるやまとに俺は慌てながら

 

「いや、そうはいっても泊り込みになるなんて俺も知らなかったし、仕方ないじゃないか。」

 

俺の言葉にみゆきもクスクスと笑いながら

 

「そうですね。慶一さんの知らない所で私達で決めてしまいましたから。でも、大丈夫ですよ、八坂さん、永森さん。もし慶一さんが知っていたのならきっと受け入れてくれたと思いますよ?」

 

みゆきなりにフォローをしてくれたようだった。

 

「まあ、今度の時は私達も行かせて貰いますから拒否とかはなしでお願いしますよ?先輩。」

「私達を差別したりはしないわよね?先輩。」

 

その言葉に俺も苦笑しながら

 

「わかってるよ。ちゃんと声かけるから心配するなって。」

 

そう答えると、2人とも実に嬉しそうな顔で笑っていて、みゆきもまたその様子を見ながらにこにこと笑っていた。

 

その後、夕食を終えてこう達に先に風呂に入らせて俺は部屋でくつろいでいたが、俺の携帯にメールが飛び込んできたので確認してみる。

 

メールの差出人はかがみだった。

 

FROM:かがみ

 

慶一くん、今日は迷惑かけちゃってごめんね?慶一くんに説教しておいて私があんな事になっちゃって今日はずっと反省しきりだったわ。

今は部屋でゆっくりと体を休めながらメール打ってるの。

もちろん遅くならないうちに体休めるから心配しないで。

改めて慶一くんに謝りたかったからメール送ったの。

今度このお礼はさせてもらうつもりだから。

最後に、本当にありがとう。

お休みなさい、慶一くん。

 

俺はかがみからのメールを見て軽いため息を一つつきながら

 

「はは、わざわざ律儀だよな、かがみも。でも、かがみにそう言った以上は俺も気をつけないとな・・・」

 

そう1人呟いた後、俺はかがみに返信のメールを作成して飛ばした後、3人が風呂から上がった事を確認して俺は風呂へと向かったのだった。

 

風呂に入る前にこうがいるという事に何となく嫌な予感を感じていた俺は、水着を一応着用して風呂で湯船につかりながらのんびりしていたのだが、ふいに風呂場のドアが開き、そこに現れた2人の姿に驚いて慌てて声をかけた。

 

「こ、こう、やまと、お前ら何やってるんだ!」

 

俺のその言葉にこうはニヤリと笑い、やまとは顔を赤らめてもじもじと恥ずかしそうにしていた。

 

さかのぼる事30分前

 

こうside

 

私達は先輩のご好意で私達が文化祭の準備においていつも遅くまで居残り、疲れを溜めている事を心配してくれて家に泊まれと言ってくれたことに感謝をしていた。

 

そして、今回の事に対するお礼をしたいな、と思っていた私は何をするのがいいのか部屋で悩んでいたのだが、ここはお約束イベントのあれしかない!と思った私は先輩がお風呂に向かうタイミングを見てからそれを実行に移すべく準備をしようとしていた。

 

そんな事をやろうとしているとき、やまとが私の部屋を訪ねてきたのだった。

 

「こう、ちょっといい?明日の事だけど・・・ってこう、あんた何をしようとしてるの?」

 

風呂場に乗り込む準備をしている時にやまとに見つかった私は

 

「何って、先輩がそろそろお風呂いくから私、先輩の背中を流してあげようかなってね。今回の事でもお世話になるわけだし、お礼はしなくっちゃねー。」

 

笑顔でそんな事を言う私にやまとは顔を赤くして慌てて

 

「な、何を考えてるのよこう!いきなりそんな真似したら先輩にも迷惑じゃない!」

 

やまとの言葉に私はしれっと

 

「えー?別にこういうのって初めてじゃないんだからいいじゃん。海に行ったときだってみんなで温泉浸かったんだしさ。」

 

そう返すとやまとはさらに文句を言ってきた

 

「あの時はみんな水着を着てたから問題なかったけど、今回は違うじゃない!とにかくそんな非常識な事はやめなさい!」

 

そう激昂しながら言ってくるやまとに私は

 

「えー?じゃあ、やまとは先輩に対して何もお礼とかしたくないの?私は私に出来る事でお礼を返したいだけだよ?そして今出来る事をしようとしてるだけかだら。」

 

私の答えにやまとは呆れながら

 

「それは、お礼はしたいと思うわよ!だけどこんな事するだけがお礼じゃないでしょ!?」

 

そう言うやまとに私は

 

「ねえ、やまと。今回さ、文化祭の準備による疲労の軽減の目的とはいえ先輩が家に招待してくれたんだよ?私達がこうやってここに来れる機会なんてそうはないと思わない?大体の場合、泉先輩達も一緒にいるしさ。」

 

そう言うと、やまとは私の言葉に

 

「そ、それはそうかもしれないけど・・・」

 

と戸惑うような返事をし、私はさらに言葉を続けて

 

「こういう事ってさ、泉先輩達がいたら出来ない事だし、今回は私達と高良先輩しかいないんだよ?その高良先輩ももう休んじゃってる。今は私とやまとだけなんだよ?だったらさ、これから先できないかもしれない事をやってみたいって思うじゃん?いいチャンスなんだよ?これってさ。」

 

私の言葉にやまとはしばらく考え事をしているようだったが、ふいにため息を一つつくと

 

「結局それを口実にあなたがやりたいってだけでしょ?だったら、私も行くわ。」

 

やまとのその言葉に私は驚いたが、すぐにニヤリとしつつ

 

「へー?結局やまとも行きたいんじゃない。素直じゃないねえ、やまとも。」

 

その言葉にやまとは顔を赤くして慌てながら

 

「か、勘違いするんじゃないわよ!私はあくまでもあなたが変な事をしないように見張る為に行くの!あなた1人にしておいたらどんな暴走するかわからないじゃない!」

 

やまとのその言葉に私はさらににやけながら

 

「はいはい。やまとも素直じゃないねー。まあ、何にしてもそろそろ先輩動くと思うから準備してきなよー?」

 

私がそう言うとやまとは赤い顔のまま

 

「わ、わかってるわよ・・・言っておくけどこう、勝手な真似はするんじゃないわよ?行く時は一緒に行くんだからね?わかってる?」

 

私はやまとのその言葉に頷いて

 

「わかったよ。待ってるから準備してきなよー?」

 

私はやまとを自分のペースに引き込めた事に満足して頷いていたのだった。

 

・・・・・・そして風呂場

 

慶一side

 

俺は風呂場に入って来た2人に

 

「こ、こう、やまとお前ら何をやってるんだ!」

 

と思わず声を荒げていたがこうがにやにやとしながら

 

「先輩には今日からお世話になるわけですし、お背中でも流そうかなと思いまして。」

 

そう言い、やまとは相変わらず真っ赤な顔のまま

 

「わ、私は、こうが暴走しないように・・・見張って、必要なら止めようと思って・・・来たのよ・・・」

 

俺に視線を合わせないようにしてそう言ってきた。

 

俺は困惑して

 

「気持はうれしいけど、まずくないか?この状況。」

 

そう言うとこうは親指をびしっと立てて

 

「大丈夫ですって、変な事をするわけじゃないですし。たかが背中流すくらいじゃないですか。」

 

そう言った後俺の目を覗き込んで涙目<演技>になりつつ

 

「それともご迷惑でしたか?」

 

その仕草に俺は、こうの演技だとわかっている、わかっているのだが、無下に迷惑だと言えなくなり

 

「・・・はあ・・・わかったよ・・・好きにしてくれ・・・」

 

俺が諦めてそう言うと、こうは目を輝かせて

 

「ありがとうございます、ささ、先輩洗い場に座ってください。背中流しますから、やまと。あんたもいっしょに、ほら。」

 

そう言って俺を洗い場に座らせてやまとを呼び、俺の背中を流し始めるこう。

 

やまとも顔を真っ赤にしながらこうと一緒に背中を流してくれたのだった。

 

そして背中を流しながらやまとは俺の左肩に見入っていたのだが、ふいに

 

「・・・先輩、肩の怪我はどう?あの時から大分時間は経ったけど・・・やっぱり先輩の肩を見るたびに思い出すわ・・・」

 

その言葉にこうも俺の左肩を触りながら

 

「そういえば、先輩はここを怪我したんでしたね・・・今は大丈夫なんですか?」

 

俺はそんな2人の言葉を聞いて俺は自分の肩をぽんと叩いて

 

「すっかり何ともないさ。でも、やまと、ごめんな。お前にはいらないトラウマ背負わせる事になっちゃったな。」

 

俺の言葉にやまとは複雑そうな表情で

 

「・・・怖かったわ・・・本当に。私の身が危険に晒される以上に・・・あの時に思ったもの・・・私達3人の誰もが欠けちゃいけないって・・・3人のうちの誰かが欠ける事が怖いって感じた・・・」

 

こうもあの時の事を思い出したのか少し元気がなくなったようで

 

「そうだね・・・それ以前にも先輩が倒れて危険だったのを目の当たりにしてるから、凄く不安だったな。やまとから話聞いた時は私も怖かったですよ・・・けど・・・」

 

その言葉の後こうは再び明るくなって

 

「今こうして先輩がいてくれるからよかったです。いなくなってたらこんな事も出来ませんでしたしねー。」

 

そんなこうに俺とやまとは

 

「「お前は(あなたは)もっと常識をわきまえろ!(なさい!)」」

 

とダブルでツッコミを入れるとこうは苦笑しながら小さくなっていた。

 

俺の背中を流した後、少し雑談を交わしてこうとやまとを先に上がらせようとしたのだが、ふいにこうが石鹸を踏みつけて転び、体に巻いていたタオルがはだけ、俺は顔を真っ赤にして大慌てで湯船に飛び込んで後ろを向いた。

 

「いたた・・・先輩、見ましたか?」

 

顔を真っ赤にしながらもニヤニヤしながら聞いてくるこうに

 

「見てない、断じて見てない!」

 

と言いながら後ろを向いている俺だったがやまとが慌てて

 

「いいから、早く出なさい!こう。先輩が困ってるわよ!」

 

そう言いながらやまとはこうを引っ張って風呂から出て行ったのだった。

 

いつも以上に疲れた俺は、風呂に入っても結局休めた気がしなかったが、とりあえず明日の為に眠った。

 

結局、それなりに大騒ぎしたのにみゆきが起きてくる事がなかったのを見て、よっぽど疲れていたのかな?と思ったのだった。

 

そして次の日の朝、いつもどおり目を覚まし朝食の準備をしようと思って、学校へ行く準備をしてからキッチンへ行くと

 

「あ、おはようございます、先輩。朝食の支度できてますよ?今日は私とやまとで頑張りました。」

「おはよう、先輩。昨日は色々ごめんなさい。とりあえず席について?」

 

その2人に俺は驚きつつも

 

「おはよう。こう、やまと。何だかんだでも結局早起きなるな、俺たちも、それとやまと昨日の事は気にしてないから。」

 

そう言いながら2人に促されるままに席に着く。

 

「そういえば高良先輩はまだ起きてきませんか?」

「高良先輩も早起きしてるみたいだけど、私達より遅いのも珍しいわね?」

 

そんな疑問を俺に投げかけてきたので俺は

 

「あいつは俺が気を使ってぎりぎりまで寝かせてやってるんだ。あいつは学級委員長と文化祭実行委員長の兼任だし、俺たちよりもずっとハードな仕事してるからな。少しでも長く休ませてやろうって思ったんだ。だから・・・分頃に起こしてやってくれ。

 

そう2人に説明すると2人は不思議そうな顔で

 

「え?先輩が起こしに行くんじゃないんですか?」

「私達にやれ、という事なのかしら?」

 

そう聞いてきたので、俺は昨日あった事を2人に説明したら2人とも納得してくれたのだった。

 

「ふーむ、まさに歩く萌え要素ですねえ・・・」

「何言ってるのよ、こう。高良先輩も結構慌て物なのね・・・」

 

そんな2人の言葉に苦笑しながら

 

「人間誰しもそういう部分があるって事だな。」

 

そう言いいながら俺は時計を確認するといい時間だったので

 

「それじゃ、こうかやまと、みゆきを起こしてきてくれ。朝飯食べちまおう。」

 

俺の言葉にやまとが

 

「私が行ってくるわ。先輩達も飲み物の準備お願いね。」

 

そう言って来たので俺たちは頷いて準備をはじめた。

 

そしてやまとに起こされてみゆきも学校へ行く準備を済ませてキッチンに来て一緒に朝食を摂るのだった。

 

「「「「いただきまーす」」」」

 

朝食をとりながら俺は、これから文化祭の本番までの間までの生活の事を考えて、その事に不安を覚えつつも、今日以降の準備予定に思いを巡らせていたのだった。

 


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