らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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穏やかな旋律~文化祭に向けて、そして大打撃の慶一~

あの一件を終えた翌日、俺たちは学校で再び織部由美子と再会をした。

 

だが、俺達の懸念とは裏腹に、織部さんは俺達に今までの事に対するお詫びを伝えたのだった。

 

そして、俺自身も織部さんに自分の心境を伝え、今回の問題に完全に決着がついた事を安堵している自分がいた。

 

そうしてなんのしがらみもなしに俺はその日1日の学校生活を楽しんだ。

 

俺は、今まで皆と過ごしてきたこのあたりまえの日常を、改めて大事に思ったのだった。

 

そんな中で自分が皆とうっかりやっちゃった約束を、今日から少しずつ果たしていく事になるのを俺は、自分のサイフとにらめっこしながら大きなため息をついて悩んでいたのだった。

 

とりあえず今月にはみゆきの誕生日もある。

 

だからこそ、そのための資金を稼がないといけないと思ったので、俺は再びバイトするべきだろうな、と考えていた。

 

そんな風に考え込んでいたその日の放課後。

 

「さて、今日も文化祭の出し物決まらなかったな・・・」

 

そう言って俺は1人軽いため息をつきつつ呟く。

 

今日も文化祭の出し物に関して俺達のクラスは大いにもめた。

 

しかし、それでも意見が一つにならず、結局この日も文化祭の出し物は決まらなかった。

 

ちなみに、こなたたちのクラスはメイド喫茶をやるらしいという情報が入っていた。

 

(一体どうやって許可とったんだろうな・・・)

 

そう心の中で突っ込みを入れながら俺は、今日はどうしようかと考えながら教室の前でただずんでいると、ふいにつかさが俺に声をかけてきた。

 

「あ、けいちゃん。今帰るとこなの?」

 

その声に俺も振り向きながら

 

「あ、つかさ。帰るとこは帰るとこなんだがこの後どうしようかと思っててな。そういえばこなたやみゆきは一緒じゃないのか?」

 

つかさに訪ねるとつかさはいつものような笑顔で

 

「こなちゃんはアニメの録画忘れたから先に帰るって言って帰っちゃったよ?ゆきちゃんは委員会と文化祭の件での打ち合わせだって。けいちゃん、おねえちゃん達ははどうしたの?」

 

2人の事情を話してくれた後、俺にそう聞いてくるつかさに

 

「かがみも委員会だそうだよ。あやのとみさおは今日は用事があるからと言って先に帰った。」

 

そう説明すると、つかさはそう答える俺を見て少し考え事をしているようだったが、考えがまとまったのか俺を見て

 

「ねえ、けいちゃん。それじゃ今日は一緒に帰ろうよ。」

 

そのつかさの提案に俺も断る理由もなかったので

 

「そうだな、それじゃ一緒に帰るか。」

 

そう言うと、つかさもにっこり笑って頷いたのだった。

 

そして帰り道の途中、つかさはある場所で足を止めて俺に

 

「ねえ、けいちゃん。覚えてる?この場所。」

 

そう言ってつかさが指し示した場所は俺も忘れはしない、俺とつかさが友達になるきっかけになった場所だった。

 

「覚えてるよ。確かここで転んで涙目になっていたつかさに声をかけたんだっけな。」

 

その答えにつかさは笑顔になって

 

「よかった、覚えててくれて。忘れられちゃったかと思ったよ~。」

 

そのつかさの頭をかるくぽんと叩いて

 

「忘れようったって忘れられないさ。ここでの事がきっかけでつかさと今こうして話していられるんだからな。」

 

俺がそう言うとつかさは嬉しそうな顔になって

 

「うれしいな。けいちゃん、わたしね?初めてここでけいちゃんに話し掛けられたときとってもびっくりして、そしてとっても怖かったんだよ。だって、わたし同じ学年の男の子と話したりするのってけいちゃんが初めてだったんだもん。だから最初はけいちゃんがわたしの怪我の手当てしてくれるって言ってくれた時かなりとまどってたんだ~」

 

その頃の事を目を細めて思い出しながらつかさはさらに言葉を続けた。

 

「でも、話してみたらとっても優しくてわたしにも気を使ってくれて、凄く嬉しかったの。あの時にけいちゃんの前で3回も転んじゃってすごく恥ずかしかったんだけど、でもけいちゃんはわたしを助けてくれた。だからわたし、あの時からけいちゃんとお友達になりたいな、って思ったんだよ?」

 

つかさはもう一つ思い出している事があったようで俺に

 

「何かきっかけがないかな?と思ってたとき、こなちゃんがわたし達をけいちゃんに紹介してくれて、それでわたし達お友達になれたんだよね。だからあの時、始業式の日にけいちゃんと会えた事がとても嬉しかったんだ~。そしてお友達になってみたらやっぱりけいちゃんは優しくて頼りになる人で、わたしにとってもおねえちゃん達同様、側にいてほしい人なんだよ?」

 

そのつかさの気持を聞いた俺は、嬉しさと照れで少し顔を赤くしながら

 

「つかさにそう思ってもらえてるなら嬉しいかな。あの時つかさを助けた甲斐もあったってもんだ。それに、忘れるなよ?俺もつかさには色々感謝してる事があるんだって事をさ。」

 

俺の答えにつかさもにっこりと笑い、俺もつかさに笑い返して俺達はその場所を後にした。

 

そして駅前に来た時俺はあの約束を実行しようと思い、つかさに声をかけた。

 

「つかさ。ちょっと寄り道していかないか?」

 

その俺の言葉につかさも驚いた顔で

 

「ふぇ!?よ、寄り道?でも、どこいくの?」

 

そう聞いてくるつかさに俺は近くの喫茶店を指差して

 

「あそこさ。前に俺が言った事、その約束を果たそうと思ってな。あそこのティーセットは結構美味いんだ。」

 

俺の答えにつかさは不思議そうな顔で

 

「約束?そんな約束あったかな?」

 

そのつかさの答えに脱力しながら

 

「俺が言っただろ?あの一件で迷惑かけたからお詫びに何か奢るってさ。」

 

そう言うとつかさもようやく理解したようで

 

「あ、そういえばけいちゃんそんな事いってたね~。ん~・・・それじゃ、せっかくだからごちそうになっちゃおうかな~。」

 

ニコニコしながらそう言うつかさに俺も頷いて、つかさを伴って喫茶店に入る。

 

「ここでいいな。それじゃつかさ、このティーセットでいいか?ケーキが欲しければ追加してもいいぞ?」

 

席についてメニューに見入っているつかさに俺はそう声をかけると、つかさは顔を上げて

 

「え?いいの?それじゃティーセットとこのショートケーキお願いしちゃおうかな?」

 

そう言うつかさの指差したメニューを確認すると、俺は店員を呼んでティーセットとケーキを注文する。

 

そして、しばらくしてティーセットとケーキが届くと、俺達は談笑しながらお茶を楽しんでいた。

 

「ふう・・・やっぱりここのティーセットはいいな。つかさ、味の方はどうだ?」

 

幸せそうな顔でケーキを食べるつかさに聞くと

 

「うん。とっても美味しいよ?ケーキも良いし、お茶もいいね~。」

 

どうやらつかさにも中々好評だったようだ。

 

「喜んでくれたなら奢った甲斐があるな。そういえば、つかさは将来の進路とか決まってるのか?」

 

そろそろ進路に関しても考えなければいけない時期に来ていた事もあり、俺は何気につかさに聞いてみた。

 

「うーん・・・まだわたしもはっきりと決まってないんだよね・・・」

 

ちょっと考える仕草をしながらそう答えるつかさ。

 

「そっか、つかさもなのか。実は俺もまだ明確に決まってないんだよなあ・・・」

 

俺は自分の進路、つかさの進路に関して考えを巡らせていたが、1つ思う所があり、つかさに

 

「つかさ。つかさはさ、お菓子を作ったり料理したりとかが結構好きだっていってたよな?」

 

そう問い掛けると、ふいの俺の質問につかさも驚きつつも頷いて

 

「うん、そうだよ?わたしの作ったお料理で喜んでくれる顔を見るのがうれしいんだ~。」

 

そう言って、その状況を想像するつかさのなんとなく嬉しそうな顔を見ながら

 

「ならさ、まあ、俺がつかさの進路に口出しするのもなんだけど、そういう道を目標にしてみたらいいんじゃないか?俺はつかさなら出来そうな気がするよ。」

 

俺の言葉をつかさは考える仕草をしながら反芻しているようだった。

 

そして、俺の方を向いて笑みを浮かべると

 

「・・・うん、ありがとうけいちゃん。進路の参考にさせてもらうね?」

 

そう言ってくるつかさに俺も笑顔で返して

 

「はは。でも最後にはつかさが自分で決めるんだぞ?俺のはあくまでも意見だって事忘れずにな。」

 

そう俺が言うと、つかさもにっこり笑って頷いた。

 

そして、会計を済ませた後、俺はつかさを家まで送っていったのだが、そこでまたしてもまつりさんに捕まり、結局この日も夕食を柊家でご馳走になり、俺はひたすら恐縮していたのだった。

 

そして、かがみにつかさにティーセットを奢った事を感づかれ、明日は私にも奢るようにと釘を刺されて柊家を後にした。

 

そして次の日、俺達のクラスの文化祭の出し物は昨日行った喫茶店のティーセットの事が決めてとなり、ケーキと紅茶メインの喫茶店をやろうということになったのだった。

 

次の日の放課後、俺はかがみとみさお、あやのの3人と一緒にかがみの買い物に付き合った後、3人に奢りの約束を果たす為、俺も秋葉までついていった。

 

「かがみ、今回も新刊でてるのか?」

 

かがみがラノベを選んでいるのを見ながら俺が声をかけてみると、かがみはラノベから目を離さないまま

 

「うん。それで今日は何冊か選びに来てみたのよ。まあ、後もう一つ目的あるんだけどね。」

 

そのかがみの言葉に別の方で同じようにラノべを見ていたあやのとみさおが

 

「目的?他に寄る所でもあるの?柊ちゃん。」

「うーん・・・私にはこういうの読めそうにないなあ・・・ん?他にどっかいくんか?」

 

そうかがみに話を振ったのでかがみは笑いながら

 

「ちょっとゲームセンターにね。UFOキャッチャーの景品でちょっと気になるものを前に見かけたからさ。」

 

UFOキャッチャーという言葉に俺は、みさおとこなたの誕生日会の時の事を思い出して

 

「かがみ、やるのはいいけどあまり使いすぎるなよ?前も苦戦してたんだからな。」

 

俺の指摘にかがみは苦笑しながら

 

「あはは・・・まあ、今回は熱くならないように気をつけるわよ。」

 

そう言っていたが、俺はその言葉がどうにも信用できなかった。

 

何にしても、何があっても大丈夫なように用意はしておくべきかもしれないと思い、近くのコンビニでとりあえず多めにお金をおろしておく俺だった。

 

本屋での用事を済ませて、俺達はかがみのもう一つの目的のゲームセンターに来ていた。

 

そして、かがみは気になってる景品を見つけると、さっそくそれを取る為に奮闘を開始した。

 

「柊はああいうのも興味あんのか?・・・あ、これいいな。」

「柊ちゃん、がんばってるわね。あら、これも可愛いわね。」

 

かがみの奮闘っぷりを見ながらみさお達もそれぞれに気になる景品を見つけたようだ。

 

そして、2人はかがみのやり方のみようみまねでUFOキャッチャーをはじめた。

 

「あ、失敗・・・結構難しいなー」

「中々上手いタイミングつかめないわね・・・結構あっさり取ってる人もいるのに・・・」

 

やはり初心者ゆえの手探りなだけにかなり苦戦をしている2人だった。

 

それを見ていた俺は軽いため息を一つついて2人の所に行って

 

「狙ってんのはどれだ?俺がやってみるよ。」

 

そう声をかけると2人は俺の方を振り向いて

 

「お?慶一、やれんのか?お前も。なら頼むぜ?」

「慶ちゃん、お願いしてもいい?」

 

と言う2人に俺も頷いて

 

「ああ、まあ、あまり期待はしないでくれよな。とにかくやってみるよ。」

 

そう言って俺は2人の狙う景品を見定めてお金を投入、クレーンを動かして狙い始める。

 

だが、この日に限って俺の調子はいまいちでいつも以上に失敗しまくっていた。

 

それでもなんとか2人の合計6000円を使ったところで景品をゲット。

 

後から考えたらなんでこんなに熱くなったのかわからなかったのだが、俺自身相当悔しかったらしいというのだけはわかった。

 

「サ、サンキューな慶一・・・大丈夫か?結構使ったみたいだけどさ?」

「慶ちゃん、あまり無理しなくてもよかったのに・・・でも大切にさせてもらうわね?」

 

苦笑しながらも嬉しそうな2人を見て一応ほっとした俺は、とりあえずかがみの方に何気なく視線をやるとそこにはorzの姿勢で盛大に凹んでいるかがみがいたのだった。

 

俺達は呆れたようなため息をつきながらかがみの元に行って

 

「どうした?かがみ、取れなかったのか?」

「柊、大分凹んでんなー?ひょっとしてつかいこんじまったか?」

「柊ちゃん、さっきの慶ちゃんもそうだけど、あまり熱くなり過ぎないようにしないと・・・」

 

俺はあやのの言葉に苦笑しつつ、かがみはその俺達の言葉にただただ悔しそうに涙を流して

 

「・・・わかってはいたんだけど・・・つい・・・悔しい・・・」

 

そう無念さを訴えてくるかがみを見ていられなくなった俺は、やれやれというジェスチャーをした後

 

「かがみ、どれだ?俺がやってみるよ。」

 

そう言うと、かがみは途端に顔を上げて狙ってる景品を指差して

 

「あ、あれなんだけど・・・慶一くん、取れる?」

 

かがみが指差す方を見ると、微妙な所まで引っ張られている景品が目に入ったので俺は

 

「あれだな?よし・・・やってみるか・・・」

 

そしてお金を投入し、再びチャレンジするとまたしても上手く取れない事に俺自身が熱くなり、またしても6000円使ってしまう結果になったのだった。

 

とりあえず取れた景品をかがみに渡す俺

 

「・・・ほら、かがみ、これ・・・」

 

景品を受け取り嬉しそうな顔をした反面、俺にかなりお金を使わせた事を悪いと思ってか、その表情を少し曇らせていたのだが

 

「ありがとう、でも大分使っちゃったよね?いいのかな?もらっちゃっても・・・」

 

かがみのその言葉に俺は、精一杯の強がりで

 

「構わないさ、その為に取ったんだからな。さあてこれで後はお前らの希望のケーキバイキングだけだな?こなた達とも待ち合わせてるし、急ごうか。」

 

俺のその言葉に皆も苦笑しながら頷いていたが、とりあえず、皆の待ち合わせ場所へと向かう事にした。

 

その途中でもう一度サイフに現金を補充しつつ、自分の貯金残高とこれからの事を考えて少しだけ憂鬱になっていた俺だった。

 

とりあえず、その感情を表に出さないように気をつけながら、俺達は待ち合わせのケーキバイキングの店に行くと、そこには俺たちを待ってこなたとみゆきが来ていたのだった。

 

「よっ、2人ともお待たせ。」

「ごめんね、途中いろいろあって遅れちゃったわ。」

「待たせちまったなー。とりあえず店に入ろうゼ?」

「高良ちゃん、泉ちゃん、遅くなってごめんね?」

 

そんな俺達に2人も

 

「いいよー。私達もそんなに待ってなかったしさ、その分慶一君に頑張ってもらえばいいわけだしね。」

 

ニヤニヤと俺に含みを持たせた視線をむけてくるこなた。

 

「あの、慶一さん、本当によろしいんでしょうか?ご馳走になってしまって・・・」

 

こちらはなんとなく悪いと思っているのか複雑そうな表情のみゆき。

 

「いいんだよ、俺が言い出したことだ。それに本当に皆には世話になったからな。とりあえず店に入ろうぜ?」

 

そうみゆきに言い、他の皆にも店に入るように促して俺達は店へと足を踏み入れる。

 

そして、俺達全員が座れる場所を確保してさっそくバイキングの開始となった。

 

俺はとりあえず紅茶を頼んで様子を見つつ、ケーキを取ってくることにしたのだがこなた達は

 

「あんた、そんなに取って食べきれるの?」

「そういうかがみんだって人の事いえない量だよ?」

「私も甘い物は好きなのですが、さすがにいっぺんは厳しいですね・・・」

「まあ、これくれー普通じゃん?なあ、あやの。」

「うーん、それでも少し量が多い気がするわよ?みさちゃん。」

 

それぞれにそう言いながらケーキを取り皿にとって持ち帰ってきたのを見て俺は驚きつつ

 

「すごいな、そんなに食べれるのか?女の子の甘い物好きってのも凄いもんだ・・・」

 

俺の言葉にこなたは

 

「このくらい普通だよー?そう言う慶一君はあんまり持って来てないよね?もしかして甘い物って苦手?」

 

こなたの言葉に俺は首を振って

 

「いや、どっちかというと好きな方だが量をそんなに食べる方じゃないってとこだな。」

 

その俺の言葉にかがみは俺の体をじろじろと見て

 

「それでも慶一くんあんまり太ってないよね?なんだか羨ましいわ。」

 

かがみのため息を見て俺は苦笑しつつ

 

「そういやかがみはよくダイエットとかやるって言ってたけどさ、俺から見たらお前も全然太ってなんか見えないけどな?」

 

そう言うと、俺の言葉を肯定するかのようにこなたも

 

「うんうん、そうだよねえ・・・かがみは少し気にしすぎだと思うなー。」

 

こなたのその言葉にかがみはこなたをキッっと睨みつけて

 

「私はともかく、あんたが変わって見えない方が不思議よ!同じように食べているはずなのに・・・」

 

こなたは得意げに笑って

 

「私は代謝がいいのだよ。誰かさんとは違うからねー。」

 

こなたのその言葉にかがみは思わず

 

「納得いかねえ!!」

 

と叫んでいたが、まわりの視線が集中して恥ずかしかったので、とりあえずかがみを落ち着かせたのだった。

 

「・・・まったく、たかが1キロ増えた減ったと一喜一憂して、これだから女ってやつぁー・・・」

 

と言うこなたの言葉にかがみは

 

「あんたも確か女だったはずだよな?」

 

と冷静にツッコミをいれているのを俺たちは苦笑しながら見ていたのだった。

 

「でも、本当、ここのケーキは美味しいですね。」

「ああ、甘さも適度でいい感じだよなー。」

「そういえばうちのクラスはケーキと紅茶の喫茶店をやるんだったわよね?ここのケーキとかも参考にできるかもしれないわね。」

「そういえば発案もあんただったわよね?でもよくみんなやる気になったわよね?」

 

かがみの疑問に俺は腕組みをしながら

 

「作れる奴がいたってのもそうだけど、やっぱり女生徒達にとってもケーキって魅力だったのかもしれないな。」

 

俺の言葉に妙に納得している5人だった。

 

「うちはメイド喫茶やるんだよねー。ねえ?みゆきさん。」

 

こなたの突然の振りに困惑しながら

 

「え、ええ、そうですね。まさか企画が通ると思いませんでしたが・・・」

 

苦笑しながらそう答えるみゆきに俺とかがみは呆れ顔で

 

「みゆきは反対しなかったのか?学校的に見てあまりいいとも言えないと思うんだがな・・・」

「まったくよ。そもそも喜ぶ人だってごく1部なんじゃないの?」

 

俺達のその物言いに頬を膨らませながら

 

「そんな事ないよー!結構流行ってるんだよ?メイド喫茶を馬鹿にしちゃいけないよー?」

 

こなたの抗議に俺とかがみは「「はいはい」」と言って呆れるのだった。

 

その様子を見ていたみさおとあやのも困惑した顔でこっちを見ていたが。

 

「ともかく明日以降から準備を始めていかないといけないよな?」

「そうね。明日からしばらくはそっちにかかりっきりになりそうよね。」

「まあ、こんな事ができんのもとりあえず文化祭が終わってからになりそうだよなー。」

「それでも皆で一つの事を頑張れるいい機会だし、がんばってみようよ。ね?みさちゃん。」

「まあ、がんばってみっか。」

 

そしてこなた達もお互いに

 

「私達も忙しくなりそうだね。アニメ録り溜めしとかないとだめかも」

「教室の飾りつけや設備関連は大変になりそうです。でも、委員長として頑張らせてもらいますから。」

「頼りにしてるよ?みゆきさん。」

「頑張りましょうね、泉さん。」

 

がんばっていく事を決めたようだった。

 

そして結局、序盤の取り過ぎが原因でケーキが入らなくなり、最後の一つをどうしても食べきれなかったかがみたちに代わり、俺が6人分のケーキ代を支払う事となったのだった。

 

結局12000円を支払い、今日の出費に大打撃を受けて今日俺は、自分から言い出したことを改めて後悔する事となったのだった。

 

本日の出費額電車賃等含め26000円なり・・・ああああ・・・・・・

 

あの後かがみたちはみんなして俺に詫びていっていたものの、しばらくはまともな食事ができない事を覚悟した俺だった。

 

そして、俺にはまだ後2人奢っていない奴が残っている事を思い、憂鬱な気分で家に帰ったのだった。

 

いよいよ文化祭の準備も本格化する今日、結構手痛かったけどこういう事も悪くはないなと思った俺だった。

 


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