らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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誓い合う旋律~体育祭前の出来事~

みゆきとみなみへの誕生日プレゼントを選ぶ為地元に戻っていた俺は、はからずも自らの過去に邂逅する事となった。

 

過去に残した俺の罪は憎しみを引き寄せる事になるかもしれないと心のどこかで思いつつ、運命の警告というものを改めて肝に銘じながら俺はその日はみゆきと別れた。

 

そして一夜が明けて翌日・・・・・・

 

「ふあーあ・・・久々の実家での朝か、たまには悪くないもんだ・・・」

 

俺はいつものように目を覚まし、窓から外の風景を見ながら軽く伸びをしてさっそく制服に着替えはじめる。

 

着替えを済ませたあと、下からお袋が「慶一ー、朝御飯できてるわよー?降りてらっしゃいー」と呼ぶ声が聞こえたので俺は「わかった、すぐいくよー。」と返事をして1階のキッチンへと降りていった。

 

キッチンに入ると久々のお袋の手料理が並べられていて、それを見た俺は少しだけ懐かしい気分になったのだった。

 

年寄りの朝は早い、という言葉があるように親父もすでに起きていて朝御飯の席に着いていた。

 

「慶一、今何か失礼な事を考えなかったか?」

 

妙な所で勘が鋭い親父の突っ込みに俺は特に気にせず

 

「気のせいだろ?それとも幻聴が聞こえる程にボケが始まったか?」

 

とさり気なく言い返すと、その言葉に切れた親父が

 

「ふざけるな!まだボケたりなんぞしとらんわ!」

 

と俺に怒鳴りつけてきたので俺は適当に「はいはい」と言いながら親父の怒りを受け流していた。

 

親父はなおも俺に文句を色々並べ立てていたが、お袋にいいタイミングで制されて結局黙り込んだのだった。

 

「「「それじゃ、いただきます。」」」

 

3人はそう言うと朝御飯を食べ始めた。

 

やがて朝食を終えて俺はそろそろみゆきとの待ち合わせ時間だなと思い、2人に

 

「それじゃ俺は学校に行くと同時にまた向こうの家に戻るから。長い休みの前とかにまた帰ってくるよ。それじゃ行って来ます。」

 

出かける挨拶をすると2人は

 

「いってらっしゃい。またこっちにも顔出してね。」

「ふん、当分帰ってこなくても構わんぞ?」

 

それぞれの反応で俺を送り出してくれた。

 

家の門の前へと歩いていくとそこに俺を待つみゆきの姿が・・・・・・(あれ?何か人数が多い気がするんだが気のせいかな?)と考えつつみゆきの側まで来てこの2日間とはまた違ったサプライズに見舞われたのだった。

 

俺の姿に気付いたみゆきが俺に挨拶をしてきた。

 

「おはようございます、慶一さん。時間どおりですね。」

 

その言葉に俺はみゆきに挨拶を返す。

 

「おはよう、みゆき。お前も時間には正確で助かるよ。」

 

というやり取りをしていると、それ以外にいた2人も俺に挨拶をしてきた。

 

「おはようございます、先輩。まさかこっちに戻ってるとは思いませんでしたよ。」

「おはよう、先輩。戻ってるのなら連絡の一つ位は入れてくれてもよかったんじゃない?」

 

そんな2人の姿を見て、俺は軽いめまいを覚えつつ

 

「おはよう、こう、やまと。連絡し忘れたのは俺が悪かった。だが一つ聞きたい。何故お前達がこの時間を知っていたんだ?」

 

俺が尋ねると2人はいたずらっぽく笑って

 

「実は昨日の夜に慶一先輩のお母さんから連絡がありまして。」

「高良先輩とも待ち合わせをしてるとの事だったから私達も、なら久しぶりに一緒に学校へ行きたいって思って押しかけさせてもらったのよ。」

 

2人の説明をため息混じりに聞きながら俺は

 

「はあ・・・まったく実家に来た時はお袋には隠し事も出来ないよな・・・。ええい、仕方がない。もうどうにでもなれだ。3人とも一緒に学校へ行くぞ?時間も押して来てるから急ごう。」

 

そう3人に促すと3人とも頷きながら

 

「そうですね。行きましょうか。」

「先輩、急ぎましょうよ?」

「電車に間に合うようにしないとね。」

 

という3人の言葉に俺も頷きで応え、駅へと向かうのだった。

 

その時のみゆきは笑顔ではあったものの、少し浮かない表情をしていた事に俺は気付かずにいた。

 

電車の中で談笑する俺達。

 

「先輩、どうして突然地元に戻ってきてたんですか?」

「私もそれが知りたいわね。どうしてなの?」

「昨日お前らにも言わなかったか?みなみの誕生日プレゼントの事をさ。みゆきに探すの手伝って貰うのもあってみゆきが地元の方が探しやすいと思う、って言ってたからじゃあこっちで探そうって事になったんだよ。」

「あ、そういえばそんな事を言ってましたね。それでプレゼントは見つかったんですか?」

「ああ、みゆきのおかげでばっちりさ。後は当日にみゆきに受け渡しを頼む所だな。」

「ふふ。その際には任せてください。ちゃんとみなみちゃんにお届けしますから。」

「ああ、その時にはよろしく頼むな?みゆき。」

「高良先輩、私も先輩にお願いしてもいいかしら?」

「ええ、構いませんよ?その時には一声かけてくださいね。」

「わかったわ。その時には声をかけさせてもらうわね。」

「あ、私もお願いしますね。ちゃんと選んできますんで。」

「ありがとうございます。みなみちゃんも喜んでくれると思います。」

「そういう事も遅れる事がないようにな?みゆきに迷惑かけるなよ?こう。」

「わ、わかってますよ。先輩最近また酷くないですか?」

「お前が心配だから言ってるんだ。言われたくなければ普段からちゃんとやっとけ。」

「そうよ?あなたが普段からちゃんとやってれば言われずに済む事よ。」

「やまとまで・・・酷いよ(涙目)」

「「「あははは」」」

 

そんな会話をしながら電車に揺られ、俺達は学校の最寄駅へと到着し、バスに乗り込んで学校へと向かう。

 

昇降口で3人と別れて俺は自分の教室へと向かったのだった。

 

「おはよーっす。」

 

そう言いながら教室に入ると、かがみとあやのとみさおが俺の声に気付いて俺の方へとやってきて朝の挨拶をしてくれた。

 

「おはよう、慶一くん。久々の親子水入らずはどうだった?」

「おはよう、慶ちゃん。猫ちゃんはちゃんと様子見といたから大丈夫よ?」

「おはよ、慶一。みなみへの誕生日プレゼント選んできたぜ?」

 

という3人に俺も挨拶を返しつつ

 

「おはよう、かがみ、あやの、みさお。親父とは相変わらずだったけどな。それとあやの、猫の事面倒見てくれてありがとな。みさお、プレゼントは当日前までにはみゆきに渡しておいてくれよ?」

 

そんな風に話しながらHRの時間まで俺達は談笑をしていた。

 

みゆきside

 

昨日の事が一晩明けてもまだ心に引っかかっていたせいか、皆さんと話しつつも、どこか楽しめていない自分に気付きつつも、どうにもできないままで私は学校へと辿り着きました。

 

教室に入り「おはようございます。」と声をかけると泉さんとつかささんが私に気付いて私の側に来て

 

「おはようみゆきさん。ん?」

「ゆきちゃんおはよ~。」

 

つかささんは気付かなかったみたいですが、泉さんは私に挨拶を返しつつも私のどこか浮かない顔に気付いたみたいで

 

「ねえ、みゆきさん。何かあったの?なんだか少し元気ないね?」

 

そう言って私を心配して聞いてくる泉さんに私はどうするべきか悩みましたが、思い切って昨日あった事を泉さんに話してみる事にしました。

 

「泉さん、実はちょっと相談したい事がありまして。お話を聞いていただいても構いませんか?」

 

と言う私の言葉に泉さんは少し驚いているようでしたが、それでも私の言う相談したい事の内容が気になったのか私に

 

「いいけど、私が聞いても力になれることなのかな?」

 

そう答えてくれ、なんだかよく分からないけど好奇心の眼差しを向けてくるつかささんも

 

「わたしも話を聞いてもいいかな?」

 

そう訪ねてきたので、私は皆にも知ってもらった方がいいのかもしれないと思い

 

「構いませんよ?それと泉さん。私もどうしたらいいのか答えに苦しんでいる所ですので、できることなら泉さんのご意見もお聞かせ願いたいのです。」

 

私の真剣な言葉に泉さんも頷いてくれ

 

「わかったよ。とりあえず聞かせてくれる?」

 

泉さんに促され、私は昨日あった事を泉さんに説明しました。

 

「実は昨日・・・・・・と言う事があったんです。私はこの先慶一さんの身に何かよくないことが起きるのでは?と思ってしまっていて、どうにも気が気でなくて・・・」

 

ある程度の説明を終えると、つかささんがおずおずと私に

 

「ねえ、ゆきちゃん。ゆきちゃんのお話だと、けいちゃんはその成神って人にいずれはなにかされちゃうかもしれないってこと?」

 

つかささんの指摘に私は考えるような仕草をしてから

 

「はっきりと言える訳ではありませんが、その可能性がないともいいきれません。それに、慶一さんに係わりのある私達にも何らかの影響が出ないとも言い切れませんし・・・」

 

私の言葉に泉さんは腕組みをしながら

 

「つまり、慶一君に向けられている悪意が、慶一君をさらに苦しめる為に私達の方にも向く可能性もあるって事だね?」

 

泉さんの言葉に私は困惑しながら

 

「その可能性も否定はできないかもしれませんね・・・」

 

そう私が答えを返すと泉さんは何事か考え込んでいるようでした。

 

その様子を見てとりあえず私は泉さんからの言葉を待つ事にしました。

 

こなたside

 

朝からみゆきさんの浮かない顔を見て私は、これは何かあるかもと思い、みゆきさんに事情を訪ねてみると、それは私が危惧していた事なのだという事が分かり、私はみゆきさんに今後どうすべきかの対応を相談され、私はどう答えるべきかを考え込んでいた。

 

実の所、みゆきさんが話してくれた事はみゆきさんが知る以前に私達が牧村君と会ったあの日に、私一人が牧村君から聞かされていた事だった。

 

慶一君の過去に係わった慶一君に恨みを持つ人の名前、逆にその強さに惚れ込まれ友となった人の事、そして牧村君は慶一君のために慶一君に恨みを持つ成神という人が特に危険だと感じ、独自にその動向を調べさせている事も教えてもらった。

 

そのために私だけがその情報を掴みやすいように牧村君の連絡先を教えてもらっていた。

 

そして、今回みゆきさんから出た成神の名前を聞いて私は来るべき時が近づいているのかもしれないと思った。

 

みゆきさんは私の言葉を待っている。

 

私はとりあえず自分の考えをある程度まとめてからみゆきさんに答えた。

 

「話は分かったよ、みゆきさん。何にしてもその情報があるだけでもありがたいしね。それで私も色々考えたんだけどさ、これからの私達が取るべき行動についてなんだけど・・・・・・」

 

私は一旦言葉を切って一呼吸置き、また言葉を続ける。

 

「実の所、みゆきさんが知った事は私はみゆきさんが知る以前から知っていたんだよね。以前慶一君の実家にお邪魔した時に会った牧村君って覚えてるよね?」

 

みゆきさんに尋ねるとコクリと頷いて

 

「はい。慶一さんの親友とおっしゃられていた方ですよね?」

 

みゆきさんの答えに私も頷いて

 

「そう。その牧村君も私がその事を知る以前からその人の事についてはマークしてくれていたらしいんだよ。大分巧妙に隠れ、逃げ回ってるらしいけど牧村君もその人の事を追ってくれているらしいんだよね。慶一君の事もそうだけど、私達にもその人の悪意が向かないように牧村さんのとこと慶一君の実家の所と連携して目を光らせていてくれてるみたいなんだ。」

 

その言葉にみゆきさんの表情が驚きに変わるのが見て取れた。

 

「あの日に牧村さんとの間にそんなやりとりがあったなんて知りませんでした。しかし、何故泉さんはその事を私達に教えてはくれなかったのですか?」

 

私に事情を説明しなかった事の理由を尋ねるみゆきさんに私は

 

「それなんだけど、あの時にはまだ情報そのものも曖昧だったというのと、牧村君の指示だったっていうのもあるかな。不確か過ぎる情報を下手に私以外の人にも伝えることで無用に混乱させるような事をしたくなかったんだと思う。それに・・・・・・」

 

そう言って、複雑な表情をしながら一旦言葉を切ると軽く一度深呼吸をして

 

「あの場に慶一君もいたから、私達がその事を知った時、私達のためにも慶一君が気を使ってしまうだろうって思ったんだよね。だからはっきりとした情報が出てくるまでは私の胸の中にしまっておいたんだよ。けど、みゆきさんの口からその人の情報がでてきたのなら、こちらもそろそろ情報を公開して皆にも知ってもらって対策を立てるのがいいのかもしれないね。もちろん慶一君には知られずに、私達だけでね。」

 

私の言葉にみゆきさんは不安げな表情で

 

「おおむね理解はしました。ですが、私達は何をしたら・・・」

 

そんな風に私に不安をぶつけてくるみゆきさんに続いてつかさも

 

「なんとなく大変なんだって事は理解できたけど、けいちゃんの為にわたし達はなにができるかな?」

 

そう言ってくる2人に私は現時点で出来ること、私達がすべき事を伝えるのだった。

 

「私達以外のみんなにこの事を伝える前に私達ができる事を言うよ。問題が解決するまでは大変かもしれないけど、今私達ができる事はこの情報を心の中に持ちながら慶一君に気を使わせない事、だね。そのために私達はこの事については何も見なかった、何も聞かなかったを貫く事かな。」

 

その私の言葉にみゆきさんは不思議そうな顔で

 

「それはどういう事ですか?私達はその事を知りながらもその事から目を背けて見て見ぬふりをする、という事なのですか?」

 

みゆきさんの言葉に私は慌てて

 

「ごめん、言葉が足りなかったね。見て見ぬふりをするんじゃなくて、知っていても慶一君の前では私達はいつものように振舞うって事だよ。変にその事を意識すれば慶一君の事だからきっと私達に気を使うだろうしさ。だからそうさせない為にも私達は普段どうりでいる。ともすれば大変な事だけどさ、2人に聞くよ?この事を知ってなお普段どおりにできる?慶一君の為に普通にしているっていう覚悟あるかな?」

 

私の言葉にみゆきさんとつかさは考え込んでいたが、やがて意を決したらしく

 

「そうする事が慶一さんの為になるのであるのなら私はがんばります。」

「わたしもちょっと自信ないけどけいちゃんの為にそうするのがいいのならがんばってみるよ。」

 

2人の言葉に私も満足げに頷いて

 

「わかった。それじゃつかさ、かがみにメール送ってさり気なくみさきちと峰岸さんも呼び出すようにかがみに頼んでくれるかな。みゆきさんは八坂さん達の方をお願い。それと牧村君とのやりとりはこっちにまかせて。」

「わかったよ、こなちゃん。すぐおねえちゃんにメールしとくね?」

「こちらもお任せください。泉さん、そちらの方はお任せしますね?」

「うん、任せてよー。」

 

そんなやり取りを終えて私は牧村君にメールを送り、つかさとみゆきさんもそれぞれにメールを送って休み時間を終えたのだった。

 

そして、その次の休み時間で慶一君に気付かれぬようにみんなを集めて私達が話していた事をみんなに伝えると、みんなそれぞれに不安な顔になりつつも私が言ったように慶一君の前では普段どおりにするという事を約束してくれた。

 

みんなと共通の秘密を持ち、それぞれの胸の中にこの事をしまいこんでこの話は一旦おしまいにする事にしたのだった。

 

慶一side

 

こなた達の間でそんな事が話し合われていた事など露知らず、俺はかがみたちが教室に戻ってきた時の顔が何かの決意に満ちた物である事に気付かずにいた。

 

そしてその事情すら知らぬままその後、午後のLHR(ロングホームルーム)が始まり、俺達は今月にある体育祭に向けてそれぞれの競技の出場者を決める事になった。

 

そしてその結果。

 

慶一:200メートル走、チーム対抗リレーのアンカー。

 

かがみ:パン食い競争と走り幅跳び。

 

あやの:走り幅跳び、障害物競走。

 

みさお:100メートル走、玉入れ

 

という事に相成った。

 

「俺は走るのばかりだな。」

 

自分の競技を確認しながら言うと、かがみは

 

「私も変わった競技になったわね。けど、片方はあまりこなたに知られたくない競技かも・・・。」

 

自分の競技を確認しながら少し落ち込むかがみだったが、あやのも自分の競技を確認しながら

 

「柊ちゃんと一緒の競技あるわね。お互いにがんばりましょ?」

 

そうかがみに言うと、かがみは「そうね。よろしく、峰岸。」と言いながらあやのとがっちりと握手を交わしていたのだった。

 

「私は走るのと、玉入れか。走るのは好きだけど玉入れは難しいなー」

 

そんな風に呟くみさおに俺は

 

「そういやみさおは陸上部だったっけな。けど、投げたりは苦手か?」

 

という俺の言葉にみさおも頷きながら

 

「あまり得意じゃねえな・・・けどその分走る方で頑張っかなー?」

 

と言うみさおに俺は一つ思いついた事があったので

 

「みさお。お前を陸上部と見込んで頼みがあるんだが、体育祭の時までの自主トレにちょいと付き合ってくれないか?走り方くらいなら教われそうだしな。」

 

そんな俺の提案にみさおは不敵な笑みを浮かべながら

 

「いいけど、私は結構スパルタだぜー?それでもよければ自主トレにつきあうぞ?」

 

そんなみさおに俺も不敵に笑い返しながら

 

「望む所だ。一つよろしく頼むぜ?」

 

と返事をするとみさおも笑いながら

 

「わかったぜー。それじゃ詳しい事は後で相談すっか。」

 

そう答えるみさおと俺とのやり取りを見ていたかがみとあやのも

 

「慶一くんが自主トレするのなら私もそれに付き合ってみてもいいかな?」

「私も指導してもらえるかな?みさちゃん。」

 

みさおに2人が頼み込むとみさおも「任せろ。私が面倒みてやるぜ」と言って豪快に笑っていたのだった。

 

こなたside

 

私達のクラスでも今度の体育祭に向けて出場競技の話し合いがなされていた。

 

そんな中でみゆきさんが障害物競走に出たいと希望していたのだが、私の

 

「だめだよみゆきさん。体の凹凸激しいしいろいろくぐるし」

 

という一言でみゆきさんの出場競技はチーム対抗リレーに変更されたのだった。

 

そんな感じで私達のほうの競技は

 

こなた:100メートル走

 

つかさ:100メートルハードル

 

みゆき:チーム対抗リレー

 

白石:5メートル走

 

という形になった。

 

何か最後の5メートル走という競技に首を傾げたのだが、とりあえず私達の出る競技は決定したのだった。

 

慶一side

 

こうとやまともそれぞれに出る競技が決まったようで、俺達にその報告をしてきた。

 

2人はそれぞれ100メートル走と幅跳びに出るようだった。

 

今回は2人とも同じクラスの友人達と共に自主練するつもりらしかったので、俺達とは別々でがんばるつもりらしい。

 

俺は2人に激励の言葉を送って、体育祭の日までがんばろうと伝えるのだった。

 

その日の放課後、俺達は今度の体育祭に出場する競技の事で誰がどの競技に出るということを確認し合い、話をしながら学校を後にする。

 

「へえ?みゆきは俺と同じようにリレーにでるのか。」

 

みゆきにそう話を振ると、みゆきも少し赤くなりながら

 

「はい。色々ありまして、そういう事になりました。」

 

そのいきさつをこなたが話してくれたのだが、話を聞き終わり俺とかがみは「「セクハラ親父かお前は!!」」と突っ込みを入れていた。

 

「ねえ、かがみ。かがみは何に出るの?ひょっとしてパン食い競争とか?」

 

と言うこなたの指摘にかがみはこなたから無言で視線をそらすと

 

「図星?ねえ、図星?」

 

とこなたに突っ込まれ、顔を真っ赤にしながら「こいつむかつく」と言っていた。

 

つかさは100メートルハードルに出るとの事なので俺は

 

「ハードルか、大丈夫か?つかさ。早さもそうだけどハードルを飛び越すタイミングもいる競技だからな。」

 

そう俺が言うとつかさは自信のなさそうな顔で

 

「正直不安だよ~。わたし運動神経あまりよくないし・・・」

 

と言うつかさの答えに俺は軽いため息をつきながら

 

「なら俺達と一緒に練習するか?実はみさおに頼んで自主トレすることにしたんでな。それにみさおは陸上部だからハードルの方も何かしらアドバイスがえられると思うぞ?」

 

つかさにそう言うと

 

「う~ん・・・そうだね。わたし頑張ってみる。日下部さんよろしくね?」

 

そう言いながらみさおに頼み込むと、みさおも満面の笑みで

 

「柊妹もやるっていうのなら私はかまわないぜ?それじゃ時間を決めてがんばっか。」

 

そう答えるみさおにつかさは頷きながら

 

「うん、頑張るよ。」

 

と返事を返すつかさを見ていたこなた達も

 

「私も今回は真面目にやってみようかな?みさきち。私も混ざっていい?」

「みなさんと頑張ってみたいので私もよろしいでしょうか?」

 

そう頼み込んでくる2人にみさおは

 

「ならみんなでやっか。やるだけやってみようぜ?」

 

みさおの言葉に俺も頷いて

 

「よし。それじゃみんなで時間作って自主トレだな。がんばろうぜ?みんな。」

 

みんなにそう促すとみんなも「「「「「「おー」」」」」」と気合を入れて体育祭までの間共に練習をしていく事を誓ったのだった。

 

これから始まっていく体育祭、俺達はどんな結果を残すのだろうか。

 

旋律達の挑戦が始まっていく。

 

そして、俺の過去は今しばらくの間なりを潜める事になり、こなたにも新たな情報が入る事はなかった。

 

それでも俺以外のみんなは今回の事を心にとどめて日々を過ごす事になる。

 

普通の日々をみんなで普通に送る。

 

それが旋律達の誓いにもなったのだった。

 


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