らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

45 / 157
旋律達の夏休み5~夏休み最後の大勉強会~

あの誕生日から一週間程の時間が経ったある日の事、大体真面目にやるべき事を済ませた学生であるならば夏休みの宿題はすでにこの頃までには終わらせて9月の始業式まではのんびりしている者がほとんどであると言うところだろう。

 

だが、俺の周りには何人かの勉強が苦手な奴がいるわけで、なんとなくな嫌な予感を感じていた俺だったが、その予想は計らずとも当たる事となった。

 

それは8月28日の昼間、とりあえず部屋の掃除をしつつのんびりとしていた時の事。

 

俺の携帯が突如の着信を告げたので携帯を手に取りディスプレイをチェックすると、電話の主はみさおだった。

 

「もしもし、みさおか?今日は何の用での電話かな?」

「あ、慶一。助けてくれってヴァ。宿題終わりきってなくて柊にも手伝って欲しいって頼んだんだけど断られちゃってさー・・・」

 

みさおの返答に呆れつつ

 

「おいおい、まさかぎりぎりまで宿題済まさずに遊んでたのか?」

「う、実はそうだったり・・・慶一、後はお前しか頼れる奴がいないんだよ。だから頼む、宿題手伝ってくれってヴァ」

 

俺はしばらく無言で考え込んでいたのだが、誕生日会の事もあったので

 

「わかったよ。引き受けるから来い。出来る限り手を貸してやるから。」

「ほんとか?慶一。わかった。すぐ行くから頼むぜー」

「ああ。それじゃ後でな。」

「すまない慶一、恩に着るぜー。」

 

という言葉の後電話が切れた。

 

俺は電話の内容に呆れてはいたものの、誕生日会での恩を返せるしいいかな?と思いながらもみさおの来訪を待つ事にしたのだった。

 

みさおからの電話の後少しして玄関の呼び鈴が鳴った。

 

みさおからの電話の後そんなに時間が経っていないはずなのにもう来ているとかあるのだろうか?と不思議に思いながらもとりあえず玄関に行って確かめてみようと思い扉を開けると、そこに立っていたのはこなたとつかさの2人だった。

 

「や、やふー慶一君。元気かな?」

「け、けいちゃん。いてくれてよかったよ~」

 

かなり気まずそうな顔をしてやって来た2人に俺はため息を一つついて

 

「この通り俺は元気だがお前らが来たということになんとなくだが予想できる展開があるな」

 

一呼吸置いて俺は2人をじろりと睨みつけて

 

「2人とも宿題だろ?」

 

核心を突いた言葉に2人は「あうっ!」「はうう!」とうめいて二の句が告げずにいたが俺はみさおを見るのもこの2人を見るのも一緒だと思い2人に

 

「はあ・・・とりあえず上がれよ。面倒見てやるから」

 

というこなた達が予想していた答えとは違う答えが来た事に2人は驚きつつ

 

「え?いいの?慶一君」

「ほんとに?嘘じゃないよね?」

 

そう聞いてくる2人に俺は苦笑しながら

 

「今更増えたところであまり変わらないからな。やるならまとめてやってしまうまでだ。」

 

俺の増えるという言葉を聞いてこなたはピンときたらしく俺に確認してきた。

 

「増えるのってひょっとしてみさきちの事?」

 

俺はその言葉に頷きながらこなたに

 

「そのとおりさ。結局似通っちゃうところはお前ららしいと言えばらしいがな。」

 

そう答えるとこなたはあまり釈然としない表情をしていたが、とりあえず問題を先に片付ける事を優先させたようで

 

「何かあまり納得行かない部分あるけどまあいっか。それじゃ上がらせてもらうよ?慶一君。」

「おじゃましまーす」

 

つかさもそう言いながら上がって来たので、俺は2人をリビングに連れて行くと、2人に麦茶を振舞うためにキッチンへと行こうとしたらこなたが

 

「あ、慶一君は宿題の準備しておいて?お世話になるから飲み物とかの方は私がやらせてもらうからさー」

 

そう言いながら俺を制してキッチンへと向かうこなたに

 

「わかった、じゃあ、そっちは頼むな。ちょっと準備してくる」

 

そう言って俺は自分の部屋に宿題を取りに行きリビングに戻ってきた。

 

「さて始めるか、とは言っても俺のやつを写すのみなんだろうけどな。」

 

そんな俺の言葉に2人とも苦笑しながら

 

「あはは・・・お見通しだね・・・」

「うう、ごめんね?けいちゃん」

 

そんな2人に頭を軽くぽんと叩きながら

 

「気にするな、とりあえず始めちゃえよ。時間なくなるぞ?写す物は交互にずらしてやっていけばいいさ。そうすれば満遍なく終わらせられるだろうからな。」

 

俺がそう言うと2人は頷きあいながら早速宿題を始めたようだった。

 

それから30分程が経過しただろうか?玄関の呼び鈴を鳴らす音が聞こえたので俺は2人に

 

「みさおが来たっぽいな。俺は迎えに出てくるからそのままやってろよ?」

 

そう言い残して玄関に行き、玄関を開けると満面の笑みを浮かべたみさおが立っていた。

 

「いらっしゃい、みさお。」

「慶一ー、きたぜー。ってあれ?ほかに誰かきてんのか?」

 

こなた達の靴に気付いたみさおに俺は

 

「ああ、こなたとつかさが来てるよ。お前と同じ理由だ。とりあえず上がれよ。」

 

そう促すとみさおは「お邪魔しまーす」と言って上がって来た。

 

リビングに向かう途中みさおは俺に

 

「ちびっ子達もやっぱし同じこと考えてたって事か」

 

そう聞いてくるみさおに頷きを返しつつ

 

「そういう事だな。とりあえずリビングついたらこなた達が手をつけてない宿題から始めてればいい」

 

そう俺が言うとみさおも「わかったぜー」と返事をして俺についてきたのだった。

 

リビングに到着してみさおを席につかせるとこなたとつかさがみさおに挨拶をしていた。

 

「みさきち、いらっしゃーい。」

「日下部さんいらっしゃい。がんばってやっちゃおうよ。」

 

と言う2人にみさおも笑いながら

 

「ああ。よろしくなー、2人とも」

 

そう返した後、宿題を鞄から取り出して早速始めたので、俺は皆の分の飲み物を用意するべく、皆の邪魔をしないようにそっとリビングを出てキッチンへと赴いた。

 

キッチンへ向かう途中俺の携帯が着信を告げたので確認してみると、かがみからの電話だったので俺は電話に出る。

 

「もしもし、かがみか?何か用事か?」

「あ、慶一くん。そっちにつかさ行ってない?宿題をこなたと一緒にやるって言って家を出て行ったんだけどさ、こなたの家に電話したら一緒にどこかへ出かけたっていうからさ。」

「あー・・・それなら今俺の家に2人ともいるよ。まあ、みさおも来てるから3人だけどな。」

「え!?日下部までそっちにいるの?まったくしょうがないわね、あいつらは・・・」

「俺と会う前はかがみも大分苦労してたんだな。」

「・・・はあ、分かってくれた?私の苦労ってやつを」

「ああ、存分にな。それでどうするんだ?つかさを迎えにでも来るのか?」

「そうね、3人も面倒見るんじゃ慶一くん一人じゃ大変そうだし、私も手伝いに行くわよ。」

「いいのか?かがみ。お前も何か忙しかったんじゃないのか?」

「特に忙しいって用事はないわ。だから心配しなくても平気よ。とにかくそっちに行くからね。それじゃまた後でね?」

「ああ。気をつけて来いよ?」

「うん、それじゃー。」

 

という感じでかがみとの電話のやり取りを終えた俺は、飲み物を持ってリビングに戻って行った。

 

「ほら、少し休憩しろよ。飲み物持ってきたぞ。」

 

そう言いながら俺は3人の前に飲み物を置く。

 

「ありがとー。」

「つかれたねー。」

「私はちびっ子達より遅くに始めたんだし、もう少しがんばらねーとな」

 

3者3様の会話を交わしつつ飲み物を飲みながら休憩に入る3人を見ていたがふいに玄関の呼び鈴が鳴るのが聞こえたので俺は3人に

 

「あれ?またお客さんかな?ちょっといってくるよ。」

 

そう3人に告げて部屋を出て行く際に「「「いってらっしゃーい」」」といって見送ってくれるのだった。

 

玄関へ向かいながら俺は(かがみが来るまではまだ時間かかるはずだよなあ?)と心の中で考えつつ玄関の前に行って扉を開くと、そこにはみゆきを始めとしてゆたか、みなみ、ひよりの3人が立っていたのだった。

 

「こんにちは慶一さん。」

「先輩、こんにちは。」

「・・・こんにちは・・・」

「こんにちはっス」

 

挨拶する4人に俺は挨拶を返しながら来訪の理由を聞くのだった。

 

「おう。はいいが、一体どうしたんだ?4人揃ってさ。」

 

俺の質問にみゆきが代表で答えてくれた。

 

「実は、みなみさんの家に小早川さん達が受験勉強と夏休みの課題を終わらせる為に集まっていたらしいのですが、そのサポートをして欲しいと私が頼まれたのですが、流石に3人を見るのは大変だと思いましたので、かがみさんと慶一さんにも手助けをお願いしたいなと思ったんです。とりあえず連絡を入れたのですがどちらも電話をするたび話中でしたし、かがみさんに至っては電話がつながった折に出かけた所だと言う事でしたので仕方ないと思い、慶一さんの方に直接訪ねさせていただきました。」

 

俺はみゆきが凄く絶妙なタイミングで電話してたらしい事を想像していた。

 

おそらく、こなたやかがみが電話してきたタイミングでかけたのだろうと言う事、そしてかがみにつながった頃にはかがみはすでに俺の家に向けて出発した後だったのだろうと。

 

「事情は分かった。とりあえず上がってろよ。他に来てるやつもいるから賑やかだけどな。」

 

みゆきにそう言うとみゆきは驚いた表情で

 

「他にどなたかいらっしゃっているのですか?」

 

と言うみゆきの質問に俺は笑いながら

 

「ああ。こなた達が来てるよ。もっとも、それと今日の日付を見れば何しに来てるかはみゆきにも一目瞭然じゃないかとは思うけどな。」

 

そう答える俺にみゆきは苦笑していたが、こなたの名前を聞いたゆたかがそれに反応して

 

「え?こなたおねーちゃんが来てるんですか?こなたおねーちゃん遊びに来てるのかな?」

 

ゆたかの言葉に俺は苦笑しつつ

 

「一応、勉強と言えば勉強だが・・・くれぐれもいっておくがゆたか、こなたを見習っちゃだめだぞ?特に今日のは悪い所だしな・・・」

 

俺の言葉にゆたかは頭にたくさんのハテナマークを飛ばしていたが俺はみんなに

 

「まあ、それはともかく皆上がれよ。ゆたか達は俺とみゆきとかがみで面倒見るからさ。」

 

家に上がるように促すと4人とも「「「「お邪魔しまーす」」」」と言って上がって来てリビングに向かう途中みゆきが

 

「かがみさんもこちらに来られるのですか?それじゃさっきのかがみさんの電話で聞いた事は・・・」

 

そのみゆきの言葉に頷きながら

 

「ああ。まさに家に向かう途中だったと言う事だ。結局みんな家に集まる事になった訳だがな。」

 

そう言うとみゆきはにっこりと笑いながら

 

「それなら丁度よかったです。それにかがみさんも居てくれればさらにやりやすくなるでしょうし。」

 

俺はそれに頷きつつ3人に

 

「まあ、そういうわけだから受験勉強は心配しなくていいぞ?俺たちで面倒みるからな。」

 

そう言うと3人とも

 

「ありがとうございます。とても助かります。」

「・・・お世話になります・・・」

「お手柔らかにお願いするっス」

 

改めて挨拶を返す3人だった。

 

とりあえずリビングに連れて行くとゆたか達にきづいたこなたが

 

「あ、ゆーちゃんどうしたの?急に現れたからびっくりしたよ。それにみゆきさん達も」

 

4人に声をかけると4人もそれぞれこなたに

 

「泉さんこんにちは。今日はみなみちゃん達の受験勉強のサポートのために慶一さんにお手伝いをお願いしたくて来たんです。」

「こなたおねーちゃん。高良先輩に受験勉強のお手伝いをお願いしたんだよ。」

「・・・慶一先輩にもお願いする為に来ました・・・」

「私達絶対陵桜に受かりたいっスから頑張ろうかと思いまして。」

 

そう答えると、こなたも納得したようで

 

「そっかー。みゆきさん達に見てもらえば大丈夫だね。ゆーちゃん、みなみちゃん、ひよりん、頑張りなよー?」

 

こなたがそう声をかけると3人とも大きく頷いて「「「はい!がんばります」」」と気合を入れて答えていた。

 

俺は別にテーブルを用意した方がいいかもしれないなと思いゆたか達に

 

「もう一つテーブル用意しておいた方がいいと思ったからちょっと取ってくるよ。こなた達、そのテーブルを少し移動させておいてくれ。」

 

テーブルを取りに行く事を伝えた後、こなた達にテーブルの移動を頼むと3人は返事を返しながら

 

「了解ー。こっちはやっておくから大丈夫だよ?」

「わたしはそっちを持つね?」

「じゃあ、私はこっちを持つからせーので運ぼうぜ?」

 

そう言いながらテーブルの移動を始めたのを見て、俺はテーブルを取りに物置へと行くのだった。

 

かがみside

 

慶一くんの家に3人がお邪魔している事を知った私は慶一くんのサポートをしようと思い、慶一くんの家に向かっていた。

 

家の側まで来た時慶一くんの家の前で私は見知った顔を見つけたので声をかけることにした。

 

「峰岸、あんた、こんな所でなにしてるのよ?」

 

私の声に峰岸はこちらに振り向いて私の顔を確認し、困惑した顔になりながら

 

「あ、柊ちゃん。実はみさちゃんを探してここに来てみたの。みさちゃんの家に行ったらお兄さんが何か慌てて出かけていったと言ってたからみさちゃんの行く所を探してみたんだけど柊ちゃんの家以外は後はここくらいしかないかな?と思ったの。」

 

ここに居る理由を説明してくれた峰岸に私は苦笑しながら

 

「あんたの勘は当たってるわよ?あいつもここに来てるって慶一くんが言ってたから。」

 

私の答えに驚いた表情になった峰岸は軽いため息をつきながら

 

「はあ・・・という事は慶ちゃんに迷惑かけちゃってるのね・・・後できつく言っておかなくちゃ・・・」

 

そう呟いたあと峰岸は私が何故ここにいるのかが気になったらしく

 

「そういえば柊ちゃんはどうしてここに?」

 

その理由を聞いてきたので私は峰岸に

 

「つかさがここに来てるからよ。こなたも一緒に来てて慶一くんに宿題手伝ってもらってるって聞いたから3人への説教と慶一くんの手助けも兼ねてここに来たのよ。」

 

説明をした後峰岸は軽いため息をつきながら

 

「柊ちゃんも大変なのね・・・お互い苦労するわね・・・」

 

そう言う峰岸に私もため息をつきつつ

 

「まあね・・・最近は慶一くんにも私の苦労が分散しつつあるから少しは助かってるんだけどね・・・」

 

そう答えると峰岸も苦笑していた。

 

いつまでもここでこうしていても仕方がないので私は峰岸に

 

「峰岸、日下部に会いに来たのなら一緒にいきましょ?どの道目的地は同じなんだから。」

 

そう促すと峰岸も頷きながら

 

「そうね。慶ちゃんにはまた迷惑かけちゃう事になるかもだけど行ってみましょ?」

 

峰岸の言葉に頷いて私は慶一くんの家の呼び鈴を押すのだった。

 

慶一side

 

物置からテーブルを取ってリビングに戻り、ゆたか達のために新しい場所を用意した後しばらくはみゆきにゆたか達の様子を見させつつ俺は、みゆき達への飲み物を用意する為キッチンへと向かっていたのだがふいに呼び鈴が鳴ったので俺はかがみが来たな?と思いながら玄関へと出迎えにいく。

 

「ちょっと待ってて、今あけるから。」

 

そう言いながら俺が玄関を開けるとそこにはかがみだけなくあやのも立っていた。

 

「こんにちは、慶一くん。あんたの手助けに来たわよ?」

「慶ちゃんこんにちは。」

 

挨拶してくる2人に俺は挨拶を返すのとあやのがここに居る理由を聞いてみた。

 

「いらっしゃい、はいいが、かがみはともかくあやのも一緒ってのはどういう事なんだ?」

 

その事を聞くと、あやのが俺に苦笑しながら

 

「実はみさちゃんを探してここに来たのよ。そうしたら玄関前で柊ちゃんとばったり、って訳なの。」

 

そう俺に答えると俺も納得がいった。

 

「そういう事か。けどみさおはお前に行き先言っていかなかったのか?」

 

軽く疑問に思った事を聞いてみるとあやのは

 

「それが、みさちゃん大分慌てていたらしくて行き先を告げずに家をでたらしいのよね。」

 

困惑顔で言うあやのに俺はやれやれとジェスチャーしながら

 

「あいつもなかなかの慌て者だな。あ、そうだ。かがみ、あやの、ちょっと頼みがあるんだがいいか?」

 

そう言いながらもかがみだけでなくあやのも居るならばと思い、俺は2人に頼みたい事がある事を告げた。

 

2人は首を傾げつつ俺に

 

「なあに?頼みごとって私にできる事?」

「みさちゃんの事では迷惑かけちゃってるから私の出来ることならするわ。」

 

そう言ってくれたので俺は2人に

 

「実はうちにはゆたか達も来ててな。陵桜への受験勉強をやってるんだが、その面倒を見るのを手伝って欲しいんだ。みゆきもフォローしてくれているけど流石に手が足りない状況だからさ。」

 

そう説明するとかがみは頷きながら

 

「いいわよ?ゆたかちゃん達を手伝うのならやりがいありそうだしね。でも、みゆきまで来てたのね。今日は先客万来ね。」

 

苦笑しつつも引き受けてくれた。

 

「いや、みゆき達の事はまったくの想定外でな。かがみ、面倒かけて悪いな。」

 

協力に感謝しつつかがみにお礼を言うとかがみはにっこりと笑いながら

 

「困った時はお互い様よ。私と初めて会った時に慶一くんが私に言ってくれたわよね?」

 

その言葉に俺はかがみと初めて会った時の事を思い出し

 

「あ、そういえば俺はかがみにそんな事を言ったっけな。分かった、よろしく頼むよかがみ。」

 

そう言うとかがみは大きく頷いて

 

「分かったわ、任せて。」

 

と言ってくれた。

 

あやのも頷いてくれて

 

「私も及ばずながら手助けさせてもらうわね?それと慶ちゃんごめんなさい。みさちゃんの事で迷惑かけちゃって。」

 

協力すると言ってくれつつ、みさおの件に関して謝ってきたあやのに俺は

 

「気を使ってくれる所はあやののいい所でもあるが、別に迷惑と思ってるわけじゃないんだからそんな顔しないでくれよ。友達にかけられる迷惑ならこの程度は別に構わないしそれに・・・・・・」

 

一度言葉を切ってさらに言葉を続けて

 

「誕生日の事もあるからな。みんなの事を引き受けたのもこういう形でもみんなに何かお返しができたらと思っての事だからさ。」

 

少し照れながらあやのから視線をはずしつつそう言うとあやのは俺の気持ちを理解してくれたようで柔らかく微笑みながら

 

「ふふふ。慶ちゃんは優しいね。分かったわ。それと、ありがとう。」

 

その言葉に顔を赤くしつつもとりあえず2人を家に上げる事にした。

 

「立ち話もなんだからとりあえず上がってくれ。みんなも待ってるだろうしな。」

 

そう促すと、2人とも「「お邪魔します」」と言って上がって来たので俺は2人を連れてみんなの居るリビングへと連れて行くと、2人に気付いたこなた達が驚きの声をあげた。

 

「おかえりーって、かがみ?峰岸さんも?」

「あ、おねえちゃん・・・」

「あ、あやの、どうして私がここにいるってわかったんだ?」

 

その3人の声に2人は

 

「こ~な~た~?それにつかさも慶一くんに迷惑かけてなにやってんのよ!?」

「みさちゃん?あまり慶ちゃんの迷惑になるような事しちゃだめじゃないの!」

 

そう言う2人に3人は言い訳をするのだった。

 

「い、いやーかがみにも頼れないしどうしたものかと思っていたんだけど慶一君が引き受けてくれたからさー・・・」

 

頬をぽりぽりと掻きながら冷や汗をたらしつつ言いにくそうに話すこなた。

 

「ごめんなさい、おねえちゃん。でもどうにもならかったからこなちゃんと相談して来たの。けいちゃんに断わられたら自分で何とかしようとは思ってたんだよ・・・」

 

ばつが悪そうに言うつかさ。

 

「私も他に慶一しか頼れる人が居なかったんだってヴァ。だけど慶一が引き受けてくれたからつい・・・」

 

こちらも縮こまりつつあやのに言い訳をしていた。

 

その3人に2人からさらなる説教をくらって凹んでいた。

 

俺はそんな様子を見ながら苦笑していたが。

 

「かがみ、あやの。とりあえず宿題終わらなくなるからそのくらいにしておいてゆたか達の面倒を見てやってくれ。こなた達はそのまま続けていてもらえばいいしな。」

 

俺がそう2人に言うと2人はとりあえずは気が済んだようで

 

「そうね。それじゃ私達はゆたかちゃん達の勉強を見るわね。こなた、つかさ、日下部、ちゃんと反省しなさいよ?」

「みさちゃん?後で慶ちゃんにはお礼とお詫び、ちゃんと言っておかなきゃだめよ?」

 

そう3人に釘を刺すと、2人はみゆきの所へ行き

 

「みゆき、私達も協力するからがんばりましょ?」

「高良ちゃん。できる限りの事はするからもし間違ったりしたら指摘してね?」

 

その2人の申し出にみゆきもいつもの柔らかい微笑みで頷きながら

 

「お2人ともご協力よろしくお願いしますね?」

 

そう2人に言うと、さっそくゆたか達の勉強を見始めた。

 

俺はさっき飲み物を取りに行く途中だったので、もう一度キッチンへと戻って行った。

 

飲み物を取って帰ってきてみんなに振る舞いながら俺もゆたか達の勉強を見る。

 

しばらくやっているとこなた達がなにやら呟いているのを聞いたのだった。

 

「あ、あれー?おっかしいなあ、ただ宿題を写すだけのはずなのにギャラリーが居ると何かこう、プライドのようなものが・・・」

「あはは・・・わたしも、なんだか・・・」

「なんなんだろうな?この感覚・・・」

 

その呟きを聞いた俺は3人の所へ行って3人に

 

「ほう?一応はそういうものがまだお前らにもあったって事か。あの3人に恥ずかしい所を見せたくないっていうものが少しでもあるなら、あの3人の見本になれるようにがんばってみろよ?特にこなたはゆたかにとっては義妹みたいなものなんだろ?だったらがんばれ、おねーさん。」

 

こなたにはっぱをかけるように言うとこなたは

 

「うーん、おねーさんて大変だね・・・」

 

と、苦笑しながらそう呟いていたのだった。

 

やがて宿題も終わり、ゆたか達の受験勉強にも区切りがついた頃・・・・・・

 

「はあー・・・・・・やっと終わったー・・・」

「なんとか無事に宿題終わったね。」

「慶一、本当に助かったぜ」

 

そう言ってくる3人に俺は苦笑しながら

 

「何にしてもちゃんと計画立ててやっておけば後で慌てる事もないだろうからな。これからはそういうのも心がけてみたらどうだ?」

 

という俺の言葉に3人とも苦笑しながら

 

「いやー、最初はそうするんだけどついつい計画に破綻をきたしちゃってさー」

「最後にはうまくいかないんだよね・・・」

「遊びの計画なら色々立つんだけどな」

 

という言葉にかがみが呆れ顔で「・・・あんたらは・・・」と呟いていた。

 

「慶一先輩、それに高良先輩とかがみ先輩に峰岸先輩。おかげで受験勉強がはかどりました。今日は本当にありがとうございました。」

「・・・みなさんのご協力のおかげでとてもいい勉強ができました・・・ありがとうございます・・・」

「煮詰まってたところもなんとかなりましたっス。皆さんには感謝です。」

 

3人の言葉に俺は照れながら

 

「3人とも中々飲み込みがよかったからな。かがみ達も教えやすそうだったよ。その調子でがんばって来年は陵桜の受験をクリアして3人とも俺たちの前に揃って来てくれる事を祈ってるよ。」

 

そう激励の言葉をかけるとかがみも3人に

 

「大丈夫よ。みんなとても理解が早かったしこのまま落ち着いてやっていけば陵桜合格もいけるわ。」

 

そう激励の言葉をかけるとみゆきも3人に

 

「みなさんならきっと受験にも成功できますよ。今日勉強した事ももう一度しっかりと復習すればさらに皆さんの力となるはずですから。」

 

と激励の言葉をかけ、あやのもそれに続いて

 

「この中の誰一人かけることなく陵桜で会いましょう?みんなならきっとできるわ。」

 

3人に激励の言葉を送ると3人もみんなの言葉に答えるように「「「ありがとうございます」」」とお礼を返していた。

 

みんなを見送って今日の慌しい一日を思い出し、こういうのも悪くないなと思うと同時にゆたか達の受験の成功を祈りながらその日を終える俺だった。

 

こうして波乱と冒険と激動の旋律達の夏休みは終わりを迎える。

 

2学期には何が起こるのだろうか?と再び学校で皆と騒げる事を楽しく思っている俺だった。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。