らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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第6章 旋律達の夏休み編その1
旋律達の夏休み1〜海へ、序章〜


旋律達に俺の過去を知られてから、その翌日に学校でかがみから話を聞いたのだろう、みさおとあやのは俺の所にやってきて

 

「柊から話聞いたゼ?大変だったんだな、慶一。でも私らもこれからもお前の友達だかんな?」

 

と、すごくいい笑顔を俺に向けてそう言ってくれるみさお。

 

あやのも俺に微笑みかけながら

 

「慶ちゃん、私もそうよ?過去はどうであれ今の慶ちゃんは私の知ってる大切なお友達だしね。」

 

と言ってくれる2人の言葉に俺は、またしても目頭が熱くなる思いをするのだった。

 

その後はみんなと共にいつもの日常を過ごしていき、1学期の最後の日になり成績表を受け取り、終了式を終えて俺達は夏休みを迎える事となった。

 

とりあえず序盤である程度宿題を進めようという事になり、以前の勉強合宿の時のように俺の家に集まって宿題をやっていた。

 

ちなみに今回は初日からこうとやまともやってきていて、いつも以上に賑やかな勉強会になっていた。

 

今回は別段泊り込みではやっていないが、そんな折、休憩中にこなたが大きく伸びをしながら

 

「うーん、今年の夏はどこかに行きたいねー。」

 

と、皆を見回しながら言うと、かがみはこなたに

 

「どこかって、どこよ?どこかあてでもあるの?」

 

そう聞き返すと、こなたは腕を組んで考え込みながら「うーん・・・」と唸っていた。

 

そんな2人のやり取りを見ながら俺も、こなたのどこかへ行きたいという言葉に考えを巡らせていたが、ふいに思いついた事がありとりあえずみんなに予定を聞いてみることにした。

 

「なあ、みんなは7月の25日から8月1日までの間なんか予定とかあるか?」

 

俺のその質問に、さっきまで考え込んでいたこなたが急に顔を上げて俺のほうを見て

 

「慶一君、なにかあるの?その一週間。」

 

と聞いてきたので、俺は頷きながらこなたの質問に答える。

 

「ああ。実はな、うちの道場で使っている合宿所があってな。親父に頼めばそこを一週間貸してもらえるかもしれないんだ。」

 

俺がそう言うと、かがみもさらに質問をしてきた。

 

「合宿所って、そんな所行って体鍛えるとかやるつもりなの?」

 

そんなかがみの言葉に苦笑しながら

 

「あはは。確かに合宿所ってなるとそんなイメージもあるかもな。けどこの場合はその施設を宿泊施設として使うって事だな。」

 

そう答えると、みゆきも俺の言葉に興味を持ったのか

 

「宿泊施設って事は、一週間そこで寝泊りをするって事ですよね?避暑目的で、でしょうか?」

 

と言うみゆきの言葉に俺は頷きつつ

 

「ああ、そういう事だな。それに近くに海もあるし、遊びに行くにはもってこいの場所だろ?」

 

そう言うと、俺の言葉を聞いていたつかさは、ぱあっと笑顔になりながら

 

「海があるんだ〜、いいね〜。おねえちゃんその合宿所にいこうよ〜?」

 

と、かがみにそう言っていた。

 

みさおも満面の笑顔を浮かべつつ

 

「いいなー、海かー、面白そうだゼ。あやのー私達も行こうぜー?」

 

と言うみさおの提案にあやのもにこにことしながら

 

「そうね。みんなが一緒なら楽しいかもしれないわね。ねえ、慶ちゃん。私たちも一緒に行ってもいいのかな?」

 

そう言ってくるあやのに俺も頷きながら

 

「ああ。そのくらいの人数を収容する分には事足りる広さはあるから大丈夫だ。」

 

2人にそう答えていると、おずおずとこうが俺に

 

「あのー先輩。私達も行きたいです。行ってもいいですかね?」

 

そう俺に提案してくるこうにやまとも慌てつつ

 

「ちょっと、こう!無茶いったらだめよ。先輩の迷惑になるわ。」

 

そんな2人のやり取りを見つめつつも俺は2人に

 

「ああ。かまわないぞ?こう。それにやまとも予定がないのなら来るといい。」

 

というとこうは満面の笑みを浮かべて

 

「やったー。さすが先輩、話が分かりますねー。」

 

そう言うと、やまともそんなこうを見て一つため息をつきながら

 

「まったく、あなたはいつも先輩を困らせて・・・ごめんなさい先輩、いつも我侭につきあわせて・・・。」

 

と言うやまとの申し訳なさそうな言葉に俺は笑いながら

 

「今に始まったことじゃないだろ?やまとも気にするな。それより、行くのなら楽しんでくれよ?」

 

そんな俺たちのやり取りを横目で見ていたかがみと、少し考え込んでいたみゆきは俺の方を見て

 

「みんなが行くのなら私も参加しようかな?慶一くん、いい?」

「私もご一緒したいです。構いませんか?慶一さん。」

 

そう言って来たが、そこにすかさずこなたも激しく意思表明を入れてくるのだった。

 

「はいはいー!私も行くー!もちろん置いてったりはしないよね?慶一君。」

 

上目使いに俺を見てくるこなたに俺も笑いながら

 

「そんな事はしないよ。それとだ。合宿所を使うから宿泊費はかからないんだが、その代わり生活する為の事は俺たちでやる事になるけど構わないかな?」

 

皆を見渡して言う俺にこなたは

 

「つまり、炊事洗濯掃除は私たちでやるって事だよね?宿泊費無料ならそのくらいはやるよー。もっともそういうの苦手な人もいるみたいだけどねー。」

 

そう言って、かがみの方を見ながら口元に手を当ててぷぷぷと嫌な笑いをみせるこなたにかがみが

 

「うっさい!苦手だけどぜんぜんできないってわけじゃないわよ!」

 

そう言ってこなたに食って掛かる。

 

そんなかがみをこなたはさらに挑発するように

 

「ほほう?それなら今回の食事当番はかがみにやってもらっちゃおうかなー?」

 

と、ニヤニヤしながらかがみに話を振ると、かがみは明らかにうろたえた表情を見せつつ

 

「な、なんでそうなるのよ。こういうのは分担でしょ?分担。そうよね?慶一くん。」

 

そう言ってくるかがみに突如話を振られた俺は困惑しながら

 

「え?あー、まあそういう事は話し合いで決めてくれればそれで・・・。」

 

と言う俺の言葉にかがみはほっとしたような様子で

 

「ということだから、食事当番はローテーションか何人か一組でやるって感じでやりましょ?それでいいわね?こなた。」

 

そのかがみの言葉にこなたは不満げな顔をしながら

 

「むう、思わぬところからの助け舟が・・・ぶー、つまんないー・・・。」

 

そんなこなたの言葉にかがみはこなたをギロリと睨みつけながら

 

「なにかいったか?こなた。」

 

と言う凄みのあるかがみの言葉にこなたは慌てて「何でもありません。」と言って口をつぐむのだった。

 

そんなやり取りを一通り見た後俺はみんなに後の連絡事項を伝えて意見を聞こうと思い

 

「後は、当日親父も車を出してくれるとの事と、他に引率を黒井先生あたりにお願いしようかなと思ってるけど、どうだろう?」

 

俺がそう言うと、こなたはこの場にいる人数を数えながら

 

「これだけの人数いるんだし、その2台だと足りなくないかな?もしよければ後一人心当たりあるけど頼んでみる?」

 

と言って来たので、俺はこなたに

 

「なら頼めるかな?連絡はすぐにつきそうか?」

 

そう聞くとこなたは

 

「すぐには無理かもしれないけど連絡つき次第慶一君の所に折り返し電話するよー。」

 

と答えるこなたに俺は「じゃあ、よろしく頼む」と返事をするのだった。

 

「黒井先生のところには俺から電話入れとくから、後は当日までに準備しておいてくれ。まあとりあえずこんなところかな?」

 

そう言って締めた後、残りの宿題を進めて今日はお開きになった。

 

そして、みんなを帰した後俺は黒井先生の所へと連絡を入れるのだった。

 

数回のコールの後黒井先生が電話に出る。

 

「もしもし、黒井やけど誰や?」

「もしもし、黒井先生ですか?D組の森村ですけど実は先生にお願いしたい事がありまして。」

「なんや?森村か。お願いしたい事って一体なんなん?」

「実は7月25日から8月1日までみんなで海に行こうって事になりまして。それで、車も持っている黒井先生に引率をお願いしたいと思いまして。先生のご予定とかは大丈夫でしょうか?」

「ほう?海か。しかも一週間か。ええよ?うちでよければ引率やってやるわ。どうせ出かける予定もないし暇してるところやったしな。それで?詳しい事はどうなってるん?」

「詳細はですね・・・・・・という感じです。引き受けてくださって助かりました。当日はよろしくお願いしますね?」

「おう。まかしときー。それじゃ当日になー。」

「はい。それじゃこれで」

 

という具合に黒井先生の協力も取り付けた俺は、一つ思い出した事がありこなたとみゆきに連絡を入れた。

 

「もしもし?こなたか?俺だ。さっきの件どうなった?」

「あ、慶一君。うん、ばっちりだよ。わざわざ休暇取ってきてくれるってさ。ゆいねーさん張り切ってたよ。」

「え?心当たりってゆいさんだったのか。まあ、なんとかなったんならいいか。それとこなた。今回の旅行にゆたかを連れて来れないか?受験生だってのは分かってるけど少しは気分転換する時間もあってもいいと思うからさ。」

「ん?ゆーちゃん?そうだね。聞いてみるよ。後で連絡する?」

「いや、メールでいいよ。それじゃその件もよろしくな。それと当日は思い切り楽しもうぜ?」

「うん!思い切り楽しんでいい旅行にしようー。楽しみにしてるからねー。それじゃこれで切るよー?」

「ああ、それじゃな。」

 

こなたの件はこれで何とかなったと思った俺は、その後、みゆきにもすぐに連絡を入れた。

 

「もしもし?みゆきか?悪いな急に連絡いれて。」

「いえ、取り込み中ではなかったので問題はないですよ?それでどうかされたんですか?」

「ああ。今回の旅行だけどさ。岩崎さんを連れてくる事はできるかな?」

「みなみちゃんを、ですか?けどみなみちゃんは今受験生ですし、そんな余裕もないかもしれませんが・・・。」

「受験生だってのはわかってるんだ。だけど勉強ばかり煮詰めててもどこかで壁にぶち当たるだろうから、こういう機会に気分転換させてあげたいと思ってな。」

「なるほど・・・わかりました。とりあえずみなみちゃんに聞いてみます。その後はそちらに電話を入れたほうがいいでしょうか?」

「いや、どうなるかわかったらメールを入れてくれるか?後は当日前の簡単な確認の連絡だけでいいだろうから。」

「わかりました。それじゃはっきりしたらメールを送りますね。それじゃ今日はこれで。当日は楽しい旅行にしましょうね。」

「ああ。楽しい思い出になるように、だな。それじゃ切るよ。」

「はい。それではまた。」

 

みゆきの方にも伝えるべき事を伝えて連絡を終えた。

 

その後こなたとみゆきからメールが届き、2人の参加が決定したのだった。

 

旋律達と知り合って初めての夏休み、一体どんな展開がまっているのか。

 

俺は予想のつかないこの旅行にわくわくを覚えつつ、出発の日を楽しみにするのだった。

 

 


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