らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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旋律達の祭り巡り〜迷子捜索あやのとみさお編〜

旋律達と共に祭りに来た俺達だったが、祭り巡りの最中に迷子が発覚し、みゆきとつかさを保護した。

 

まだ後2人の迷子が残っているので俺は、捜索部隊の第3陣を編成して3人目の捜索へと向かうのだった。

 

「とりあえずみゆきさんとつかさは戻ってきたね。」

 

ここにいるメンバーを見ながらこなたがそう言うとつかさとみゆきは申し訳なさそうに

 

「ごめんね~、迷惑かけちゃって。」

「すみません。予想以上の人ごみでした。」

 

と俺たちに謝っていた。

 

「まあ、無事に保護できただけでもいいさ。とりあえず次の捜索へ行かないとな。」

 

俺がみんなにそう言うとかがみが心配そうに

 

「探さないといけないのは分かるけど慶一くん大丈夫?私たちは交互に動いてるからまだいいけど、慶一くん動きっぱなしでしょ?」

 

そう言って俺の体を気遣ってくれた。

 

俺は、そんなかがみに笑いかけながら

 

「なあに、この程度でへばるほどやわじゃないさ。道場でのしごきに比べたらなんてことないない。」

 

そう答えるとかがみは呆れたような顔で

 

「誕生日の時にも聞いたけどあんたの所のしごきってどんだけよ・・・。」

 

そう突っ込んでくるかがみ。

 

そんなやり取りをみてみんなも苦笑していた。

 

苦笑しながらもあやのは俺に

 

「慶ちゃん、それじゃ悪いんだけどみさちゃんのお迎え一緒に来てくれるかな?」

 

そう声をかけてきたので俺も頷いて

 

「よし、それじゃ行って来るか。じゃあみんなここで待っていてくれ。行こう、あやの。」

 

そう答えるとあやのも俺に

 

「ええ、いきましょ?それじゃみんな、ちょっと行ってくるわね?」

 

そう返事を返しつつ、皆にもそう言うのだった。

 

そして、捜索部隊、第3陣のスタートとなったのだが、俺はあやのにはぐれないようにその事前対策であやのに伝える事を伝えようとしたが

 

「あやの、はぐれないように俺の・・・ってあやの?」

 

と、俺が言うより早く、あやのは俺の手を握ってきた。

 

あやのは俺がいきなり焦った事に頭にハテナマークを浮かべて

 

「あら?慶ちゃんどうしたの?はぐれないようにするためには手をつないでいた方がいいと思ったんだけど、何かおかしかったかな?」

 

あくまでも普通なあやのの態度に困惑しつつも少し顔を赤くしながら俺もあやのに

 

「い、いや、それは構わない。ただ、少し驚いただけだからさ・・・。」

 

そう答えるとあやのは俺に笑顔を向けながら

 

「なら問題なしね。それじゃいきましょ?たぶんみさちゃん一人で楽しんでるかもしれないけどね。」

 

少し楽しそうに言うあやのにこれが彼氏のいる子の余裕なのかな?と心の中で思いつつ

 

「まあ、もし楽しんでいたらみんなの心配する心をこの人差し指に込めておしおきするだけだ。」

 

ちょっといたずらっぽく笑う俺にあやのはクスリと笑いながら

 

「できるだけお手柔らかにしてあげてね?慶ちゃん。」

 

そう言ってくるあやのに俺も

 

「まあ、みさお次第かな。ともあれ善処はするよ。」

 

そう返事をして、みさおが待っている場所へと向かうのだった。

 

その途中にたこ焼き屋の屋台を見つけた俺はあやのに

 

「なあ、あやの。少しお腹空いてないか?」

 

と聞くと、あやのはお腹のあたりをさするような仕草をした後

 

「うーん・・・みんなを待ってる間何も食べなかったから少し空いたかな?」

 

というあやの言葉に俺は笑いながら

 

「なら、そこのたこ焼き買ってくるから食べなよ。かがみたちも散々食べたりしてるんだし、構わないからさ。」

 

そう言うと、あやのは少し考える仕草をした後

 

「ならお願いしようかな。慶ちゃんよろしくね。」

 

と言うあやのの言葉に頷いて、俺はたこ焼きを買いに屋台に行った。

 

たこ焼きを買って来てあやのに渡すと、あやのは

 

「ありがとう。それじゃ食べちゃうわね。」

 

と言って、たこ焼きを食べ始めた。

 

あやのが食べ終わるのを待っている間、俺は近くにあった輪投げの屋台で暇潰しにチャレンジをしてみるのだった。

 

「狙いはアクセサリー関連かな?よし・・・。」

 

俺は一つ狙いを定めると、そこに輪を投げ込んだ。

 

投げた輪は狙いどおり青いカチューシャに飛び込み、もう一つは猫のキーホルダーに入った。

 

後の3回は外してしまったが、一応の結果に満足した俺は、屋台のおじさんから景品をもらっていると、そこにたこ焼きを食べ終えたあやのがやってきた。

 

「輪投げで遊んでたんだ?結果はどうだったの?」

 

そう声をかけてくるあやのに俺は、さっき取った景品の一つをあやのに差出して

 

「あやの、いい物が取れたよ。気に入ってくれるかはわからないけど貰ってくれるか?」

 

さっき取った青のカチューシャをあやのに渡した。

 

あやのはカチューシャを受け取ると、にっこりと笑って俺が取ったカチューシャをつけて見せてくれた。

 

「ありがとう、嬉しいな。どうかな?似合ってる?」

 

カチューシャをつけたあやのを見て俺は素直な感想をもらす。

 

「うん。よく似合ってる。あやのの髪の色にも合ってると思うよ。」

 

俺がそう言うと、あやのは嬉しそうな顔で「ありがとう」と言ってくれた。

 

そんな軽いやりとりの後、気を取り直して俺達はみさおの元へと移動を再開したのだった。

 

「慶ちゃん、待ち合わせ場所はもう少し?」

 

あやのの質問に俺は頷きながら

 

「ああ。後少しで着くよ。あいつちゃんと待ってるかな?」

 

そうあやのに返事をしつつ、みさおの事にも意識を向ける。

 

そうこうしながら歩いていると、ようやく待ち合わせ場所に到着した俺達だったが、待ち合わせ場所にみさおの姿がなかったので俺達はとりあえず周りを見渡してみる事にした。

 

「うーん・・・いないわね・・・。」

「あいつどこ行ったんだか・・・まったく・・・。」

 

2人して苦笑しながら話しているとそろそろと背後から近づく影があった。

 

この暗がりと周りの喧騒のせいもあってか俺もその影には気付けなかった。

 

そして・・・・・・

 

「わっ!!」

 

という声を背後から浴びせられ俺達は

 

「きゃあ!」

「うぉわっ!」

 

2人して思い切り驚いたのだった。

 

俺たち2人を脅かした影はみさおだった。

 

俺はみさおの姿を確認すると無言でみさおに近寄りデコピン(強)の刑をかます。

 

デコピンを食らったみさおは涙目になりながら

 

「うおお・・・痛いよ慶一ー・・・。いきなりそれはひどいゼ・・・。」

 

そう抗議してきたが俺はそんな事はおかまいなしに

 

「散々人を心配させた挙句にそんな事をするお前が悪い。この一発はみんなの心配する心の集大成だと知れ!」

 

若干俺の脅かされた事に対するうらみも篭っているがとりあえずみさおにそう言うと

 

「うう、ごめん、心配かけて。つい珍しい物とか面白そうな物とかに目がいっちゃったもんだか・・・ら?」

 

みさおが最後の言葉のあたりでなにやら言いよどむ感じになったの見て俺は一瞬頭にハテナマークを飛ばしていたが、すぐにその理由に気付いた。

 

みさおが顔を引きつらせながらあやのの方を見ていたからだ。

 

「あ、あやの?」

 

みさおがおそるおそるあやのに声をかけると、あやのはみさおに笑顔を向けていたのだが、なんだかあやのの背後にどす黒いオーラを感じ、俺も背筋が寒くなるのを感じたのだった。

 

あやのは笑顔を絶やさないままにみさおに静かに声をかける。

 

「みさちゃん?心配かけた上に私たちを驚かす真似までして本当にいたずらっ子ねえ・・・ねえ、みさちゃん?少し・・・頭冷やそうか・・・?」

 

ゆっくりと、しかし確実にみさおに黒い笑顔を向けながら近寄るあやの。

 

みさおは涙目になりながら俺に助けを求める。

 

「慶一ー!お願い、助けてー!あやのー私が悪かったってヴァ。だから許してー!」

 

助けを求めると同時にあやのにも詫びていたが、俺にはどうする事も出来ずにただみさおの無事を祈るのみだった。

 

「すまん、みさお。今の俺には出来ることはないようだ。せめて無事を祈る。」

 

そして「ヴァーーー!!」というみさおの断末魔が響き渡ったのを聞いて、俺は心の中でみさおに手を合わせるのだった。

 

一騒動終えて落ち着きを取り戻したあやのと涙目のみさおの2人をみて苦笑しながら

 

「やっと落ち着いたみたいだな。みさお、あやの」

 

そう声をかけると2人は

 

「ごめんね?ちょっと取り乱しちゃったみたいで。」

「うう、慶一ー見捨てるなんてひどいゼー。すっごく怖かったってヴァ・・・。」

 

そう言っていた。

 

俺は苦笑しつつもみさおに詫びつつ

 

「すまんすまんみさお、これ、詫びがわりといってはなんだがここに来る前に輪投げの景品で取ったやつなんだ。貰ってくれるか?」

 

俺はさっき輪投げで取った猫のキーホルダーをみさおに渡した。

 

「へえ?猫かー。デザイン的には気に入ったな。ありがとな慶一。」

 

そう言ってキーホルダーを受け取ってくれたみさおは少し嬉しそうな顔をしているように見えた。

 

あやのもそんなみさおの様子をみて

 

「よかったねみさちゃん。大事にしないとね。」

 

と言うと、みさおもその言葉に頷いて

 

「そうだな。これ大事にするよ。サンキューな、慶一。」

 

と、お礼を言って来たので俺はみさおに

 

「いいって事さ。そんなもんで悪いけどさ、喜んでくれたなら嬉しいよ。」

 

みさおに笑いかけながら言うとみさおは少し頬を赤くしながら

 

「そんな事ないって。慶一が私の事も少しは気にかけてくれたんならその気持ちが嬉しいしな。」

 

と、言うみさおの言葉に俺は照れていたのだった。

 

色々と落ち着いてきたようなので俺は2人に

 

「そろそろ戻りながら出店でも回っていくか。みんなも待ってるしな」

 

そう声をかけると2人も

 

「そうね。そろそろ戻りましょ?」

「そうだなー。迎えが来るまでの間少し楽しんでたけど、そろそろ戻らないとみんなにも心配かけるよな。」

 

俺とあやのは心の中で(やっぱり楽しんでたのか(たのね))と思いながらもみんなの待つ集合場所へと移動を開始するのだった。

 

「んじゃ行こう・・・ってまたか・・・まあ、いいけどさ・・・。」

 

俺が2人に行動を促すと同時にまたしても手を繋いで来るあやのだったが、今回はみさおもはぐれないようにと俺と手を繋いで来たのだった。

 

俺は流石に慣れてきたのか、この状況にはあまり驚かなくなってきていたが、そんな俺の心の葛藤などお構いなしで2人は上機嫌で俺と手をつなぎながら歩いていくのだった。

 

しばらく行くと水風船のヨーヨー釣りの屋台が見えてきた。

 

それを見たみさおは目を輝かせながら俺を見て

 

「なあなあ慶一ー、あれやっていこうゼー?」

 

そう訴えかけて来る。

 

あやのも苦笑しつつ呆れながら

 

「みさちゃん。みんなも待ってるんだし程ほどにしなきゃだめよ?」

 

と注意を促していた。

 

俺はそんなあやのの言葉にに苦笑しつつも

 

「まあ、1.2箇所くらいならいいだろ。かがみやこなた達も寄ったんだしな。それに、俺にはお前らだけダメなんて言える資格はないからなあ・・・」

 

と、俺がそう言うと、みさおは大喜びで

 

「やったー。慶一話が分かるぜー。なら早速やっていこうゼ?」

 

と、言うみさおに苦笑しながら、俺とあやのはみさおに付き合うのだった。

 

「よーし。どれねらってみっかなー?」

 

みさおは色とりどりの水風船を見ながらどれを取ろうか選んでいたがやがて

 

「よーし、あれいくかー。よっと・・・。」

 

狙いをつけた水風船に引っ掛けようと苦闘するみさお。そして

 

「ありゃ、失敗だ・・・。」

 

結果は失敗に終わった。

 

俺とあやのは取り損ねてがっかりしてるみさおに

 

「惜しかったなみさお。」

「もうちょっとだったわね。みさちゃん。」

 

そう声をかけると、みさおは悔しそうな顔で

 

「うー・・・悔しいなー。そうだ!慶一、私の仇をうってくれよ。」

 

と、俺にリベンジをして欲しいとせがむ。

 

俺はそんなみさおの言葉ににやれやれと思いながらも

 

「仕方ないな。でも失敗しても恨まないでくれな?」

 

とみさおに一応の断りを入れて水風船ヨーヨー釣りをやるのだった。

 

「よーし、いくぞ?よっと・・・。」

 

上手く狙いを定めて引っ掛けると何とか狙いどおりの物を取ることができた。

 

「よし、もう一個・・・。」

 

俺はさらにもう一個狙ってみた。

 

1個目でコツを掴んだ俺は2個めはあっさりと取ることができた。

 

俺はまずみさおにみさおが狙ってた水風船を渡した。

 

「ほら、みさお。これでいいか?」

 

と言う俺の言葉にみさおは喜色を満面にたたえつつ

 

「おお!サンキューな慶一ー!」

 

と言って喜ぶみさおを見て、俺も笑顔を返す。

 

そして、俺はあやのにも水風船を渡すのだった。

 

「あやの。これはついでに取ってみた奴だけどいるか?」

 

俺のその言葉にあやのは少し驚いたような顔をしていたが、すぐに笑顔になって

 

「いいの?貰っちゃっても?なら、せっかくだし貰うね。ありがとう慶ちゃん。」

 

と言って喜んでくれたようだった。

 

その後はお腹をすかせたみさおにイカ焼き等を奢ったりして歩いているうちに集合場所へと近づいてきた。

 

集合場所の手前であやのは

 

「慶ちゃん、カチューシャと水風船ありがとう。祭りに来れた事も楽しい思い出になったわ。またみんなで来たいね。」

 

そう言って俺に礼を言ってくる。

 

みさおも俺のほうを見ながら笑顔で

 

「迷子になるっていうハプニングあったけど結構楽しめたぞ?キーホルダーとか水風船ありがとな。みんなで来たいっていうあやのの意見には賛成だゼー!」

 

2人の言葉に俺は少し考えながら

 

「そうだな。俺からも提案なんだけどさ。今度はみんなの住んでる地域ごとの祭りにも行くってのはどうだろうか?今回はたまたま俺の地元の祭りだったけどさ。」

 

と、俺が提案を持ちかけると2人とも

 

「いいね。いろいろ見れるから楽しめそう。」

「騒ぐの大好きだし私も賛成だー。」

 

と行って頷いてくれた。

 

俺はそんな2人の言葉に頷きつつ

 

「じゃあ、この件は後でみんなと話し合うと言う事で」

 

と言う言葉で締めると、丁度集合場所へと俺達は辿り着いたのだった。

 

みんなが「「「「「「おかえりー。」」」」」」と言って出迎えてくれたがこなたとかがみが

 

「ほほう?そちらは水風船のヨーヨーとかですか。それなりに楽しんできたようだねー?」

「まあ、あんたらも立ち寄ってくるかもとは思ってたけど私たちも楽しんできたしね。」

 

俺たちの持ち物を見てそう言っていた。

 

俺は苦笑しながら

 

「まあ、今更だろ?言うだけ野暮ってもんだよ。」

 

と、少し開き直り気味に俺が言うと2人とも自分らも楽しんでる手前、何も言えないようだった。

 

そんな俺たちの様子を見ながらみゆきが

 

「とりあえず後一人ですね。みんなが揃ったら最後にみんなで回ってみましょう。」

 

みゆきの言葉に一同は頷きで答えた。

 

「とりあえず後一人。やまと、とりあえず行って見るか。」

 

やまとに声をかけるとやまとも頷きながら

 

「そうね。こうに関してはあまり心配はしてないけどとりあえずほおっておくのもなんだしね・・・。」

 

と答えるのだった。

 

迷子捜索最後の一人を連れに俺とやまとはこうとの合流場所へ向かう準備をするのだった。

 

 


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