らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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旋律達の祭り巡り〜迷子捜索こなたとみゆき編〜

皆で祭りに行こうという事になり、俺の家へと集合してそこから祭りの会場へと向かった俺たち。

 

最初こそ順調に祭り見物が続いていたのだが、まさかの迷子発覚と言う事態になった。

 

そこで俺たちは集合場所を決め、それぞれの場所にいるであろう迷子の下へ向かう為捜索部隊の編成をするのだった。

 

「まずはみゆきの所へ向かう。こなた、一緒に来てくれ。他の人はここで待機を。何かあれば連絡入れるから。集合場所の確保は頼んだよ。」

 

そう言う俺の呼びかけにこなたは頷いて

 

「了解。慶一君、それじゃ第一部隊出発としますか。みんな、後はよろしくねー。」

 

そう答え、皆もそれぞれに

 

「わかったわ。こっちは任せて。」

「とりあえずこの場所は確保するわね?安心して行ってきてね。」

「こちらも何かあれば連絡いれるわ。先輩、早く戻ってね。」

 

そう言いい、俺はその言葉に頷いて「ああ、すぐ見つけてくる。」と言い残してこなたとともに出発した。

 

俺はこの人ごみを見ながら念のため

 

「こなた、はぐれるとまずいから俺の服の裾でも掴んでろ。」

 

と、移動しながら俺はこなたにそう声をかけるとこなたは

 

「どうせ掴むんならこっちの方がいいでしょ?」

 

と言うと、おもむろに俺の手を握ってきた。

 

俺はそんなこなたの行動に驚きつつこなたの顔をちらりと覗き見る。

 

すると、こなたは少しだけ頬を赤くしてるようだった。

 

そんなこなたの行動に俺は、照れとともに少し顔を赤らめつつ、突然の事にどぎまぎとしつつも2次遭難を避けるためにそのままこなたと手をつなぎながらみゆきの元へと向かうのだった。

 

こなたは移動しながら周りを見つつ

 

「凄い人だねー。確かにこれは迷子になったらきびしいね。でも、お店とかも一杯で楽しそうだねー。」

 

人の多さに驚きつつも緊張感のない事を言うこなたに俺は、やれやれと思いつつも

 

「毎年こうだからな。あのイベントには及ばないとしてもそれに近いものがあるだろ?この人の密集率は。」

 

俺はこなたに笑いながらそう言うと、こなたもうんうんと頷きながら

 

「そうだねー。こんなに人集まるイベントなんてあれ以外そんなに知らないし、何か新鮮だねー。」

 

などと、こなたとそんなたわいのない話をしながら歩いていると、ようやくみゆきが待っているであろう場所へと辿り着いた。

 

俺たちは2人して周りを見渡してみゆきを探すと、俺たちの所に慌てながら走ってくるみゆきを発見した。

 

「す、すいません。慶一さん、泉さん。私がうっかりしてて迷子になってしまい、ご迷惑をおかけしました。」

 

と、申し訳なさそうに言うみゆきに俺は笑いかけながら

 

「いいさ。無事見つかってなによりだ。それにこの人ごみだ、初めてこの祭り見にきたみゆきが迷子になるのは仕方がない。」

 

そう言うと、こなたも心なしかほっとした感じで

 

「まあ、慶一君の言う通りだね。でも、無事見つかってよかったよ、みゆきさん。けど、私はこれよりも凄い人ごみの中を潜り抜けてきてるけどね。と、あるイベントでさ。」

 

そう言って、ない胸を張って自慢げに話すこなた。

 

そんなこなたの言葉に驚いたのかみゆきは

 

「これよりも凄いのがあるのですか?想像できませんね・・・。」

 

と、苦笑交じりで答えるのだった。

 

俺はそろそろ戻らないとまずいな、と思い

 

「ともあれ、集合場所まで戻らないとな。他につかさやみさお、こうも見つけてこなきゃならないからな。それじゃ行くぞ?みゆき、こなた。」

 

2人に声をかけるとこなたはそれに同意しつつも

 

「うん、それじゃ戻ろうかー。ねえ、慶一君、帰り際少し出店寄ってかない?ただ戻るのもなんだしさー。」

 

そう言うこなたはそのまま戻りたくはないようだ。

 

そんなこなたの言葉にみゆきも苦笑しながらも

 

「そうですね。とりあえず皆さん心配されていると思いますし、戻りましょうか。泉さん、慶一さん、今回はご迷惑をおかけしてますし、その代わりというのもなんですが、出店に寄るという事でしたら私もお付き合いしますよ?」

 

と、そう言っていた。

 

そんなみゆきの言葉にサムズアップするこなたを見て苦笑する俺。

 

そんな2人の言葉に俺も、そのまま戻るのも面白くないかな?と思い

 

「なら、少しだけな。けど、あまり長居はできないぞ?他に迎え待ってる奴もいるんだし。」

 

と、俺がそう言うと2人とも

 

「分かってるよー。あまり食べてなかったからお腹すいちゃったんだよね。」

「私もそういえば・・・なら食べ物のお店に寄りませんか?」

 

そう言って来たので俺もそれに同意して

 

「ならそうするか。何か食べたい物あるか?2人とも。」

 

と、2人にそう聞くと、2人は少し考えながら

 

「そうだね・・・私はお好み焼きがいいかな?」

「私はやきそばが食べたいですね。」

 

と、そう言っていた。

 

それぞれに食べたい物が決まったようなので、俺は2人に移動を促しながら

 

「よしわかった。とりあえず移動しよう。それとお好み焼きとやきそばは俺が奢るよ。」

 

そう言うと2人は

 

「ほんと?やたー♪ありがとー慶一くん。」

「奢っていただけるのは嬉しいのですが、で、でも、よろしいんですか?あまりご無理をなさらなくても・・・。」

 

と、それぞれそう言って来たので俺は2人の言葉に笑いながら

 

「はは。いいんだよ。かがみたちの誕生日会に駆けつけれなかった俺だしな。あの時の償い代わりさ。それに、そうしなきゃ俺の気がすまないからな。」

 

そう言うと2人ともにっこりと笑顔になって

 

「そっか。その事に責任感じている辺り、慶一君らしいねー。慶一君のせっかくの好意に水を差すのもなんだし、それじゃごちそうになるよー。」

「少し悪いような気もしますが、慶一さんのご好意を無駄にもできませんね。今日はお言葉に甘えさせてもらいますね?」

 

そう言ってくれたので俺は「ああ、まかせてくれ」といいながら移動を開始するのだった。

 

移動の際にまたもはぐれたら困るからとこなたが手を握ってきた。

 

さらには不安もあるのかみゆきも俺の手を握ってきて結局3人で手をつなぐ形になったのだった。

 

俺は2人のその行為に顔を赤くしてどきどきとしながらも、とりあえず2人の食べたい物の置いてある屋台へと向かった。

 

そしてお好み焼きとやきそばを買った2人は俺に礼を言い、とりあえず落ち着ける場所でそれらを平らげた。

 

その後、再び移動しつつ、ある屋台へと俺たちは立ち寄ったのだった。

 

「ねえ、これで運試ししてみない?」

 

そう言ってこなたが指差したのは、ひもくじの屋台だった。

 

みゆきもこなたの指差した屋台を見て

 

「ひもくじ、ですね?たくさんのひもの先に景品がついてるという物ですよね?確かに運の要素はありそうですね。」

 

屋台をみながらそう言うみゆきに俺も顎に手を添えて考え込みつつ

 

「結構難しそうだな。俺には運があるだろうかね・・・」

 

屋台の景品を見ながらそう呟くのだった。

 

そんな俺達をよそに、こなたは大分やる気のようで

 

「よーし、それじゃやってみようかー。まずは私から行くよ?」

 

と、気合を入れつつ屋台のおじさんにお金を払って引くひもを慎重に選ぶこなた。そしておもむろに一本のひもを引いた。

 

「これでどうだっ!」

 

気合とともにひもを引くと、こなたが引いたひもにはアニメフィギュアが付いていた。

 

「よーし、取れたよー。ってこれパチモン・・・。」

 

いわゆるパチモンと呼ばれる偽者フィギュアをゲットしたこなただった。

 

ものすごくがっかりしてるこなたを横目で見ながら、俺もとりあえず付きあうべくひもくじに挑戦した。

 

「これでいいかな?それっ!」

 

勢いよく引いたひもの先にはアニメ物の絵柄のジッポライターが付いていた。

 

「ライターか、タバコとか吸うわけじゃないけど、持っていても意味なさそうだなあ・・・。」

 

俺の手にした景品を見、その俺の言葉を聞き逃さずにいたこなたは素早く俺に詰め寄って

 

「ねえ、それいらないんなら頂戴!お願いー。」

 

と、俺に頼み込んできた。

 

俺はそんなこなたの態度に苦笑しながら

 

「こんなのでいいのか?なら、欲しいのならやるよ。ほら。」

 

そう言いつつ、ライターを渡すとこなたは嬉しそうにして

 

「ありがとう慶一君。私のコレクションとして大事にさせてもらうよー♪」

 

と言ってきた。

 

そんな2人のやり取りをみながらみゆきも苦笑しつつ

 

「良かったですね、泉さん。次は私がやりますね?」

 

そう言って、みゆきは屋台のおじさんにお金を払い、ひもくじに挑戦した。

 

「これでいきましょう・・・。それではいきます。それ!」

 

みゆきが勢いよくひもを引くとひもの先には・・・・・・

 

「携帯ゲーム機、ですか?一応当たりなのでしょうか?」

 

首を傾げつつもとりあえずゲットした携帯ゲーム機を渡してもらうみゆき。

 

ゲーム機を取ったみゆきを見てこなたはさもうらやましそうに

 

「えー!?みゆきさんすごい!!いいなー・・・」

 

すごく羨ましいというかのごときこなたの言葉を聞きながら、俺もまさかそんな物を引くと思っていなかったので予想外の成果に感心しながら

 

「すごいなみゆき。そんな物めったにあたらないぞ?」

 

そう言って俺達がみゆきを誉めると、みゆきは謙遜しながら

 

「い、いえ、たまたま運が良かっただけですよ。それと泉さん。これ、いりますか?私はゲームはほとんどしませんので持っていても意味がなさそうですし・・・。」

 

にこにこと微笑みながらみゆきがそう言うと、こなたは途端に大喜びで

 

「えっ?ほんと?みゆきさん。ありがとー。すごくラッキーだよー♪」

 

そう言って喜んでるこなたを見て、俺も釣られて微笑みながら

 

「よかったな、こなた。」

 

と言うと、みゆきも柔らかく微笑みながら

 

「喜んでいただけてよかったです。さあ、それじゃかがみさん達の所へ戻りましょう。」

 

そう言うと、俺とこなたも頷いて

 

「そうだな。そろそろ戻って次探しに行かなきゃだしな。いくぞ?こなた、みゆき。」

「うん。戻ろう。みんな待ってるもんね。みゆきさんこれありがとねー。」

 

そう言うこなたにみゆきも

 

「いえ、大した事はしてませんから。とりあえず行きましょうか。」

 

そう言って移動を開始すると同時に、迷子防止でまたも手を握ってくる2人を連れてかがみたちの元へと戻ったのだった。

 

「ずいぶん遅かったのねー・・・一体何をしてたのかしら?」

 

戻った俺たちへのかがみからのとても不機嫌そうな第一声が飛んできた。

 

他の2人も何やら不信な目で俺達を見ている。

 

「いや、まあ、その・・・いろいろとね・・・。」

「みゆきさん探してそのまま戻るのもつまらないなーって思ったからつい・・・」

「わ、私もせっかく迎えに来て下さった泉さん達のご好意に罪悪感を感じたものですから、その・・・」

 

そう言って、かがみのその言葉に焦りつつも、俺たち3人はかがみ達に事情を説明した。

 

そんな俺達の言い分を聞いて、かがみたちは大分呆れていたようだったが、とりあえずは優先すべき捜索の第2陣を編成して次の迷子の下へ向かう事にした。

 

俺は、2陣目の相方に声をかける。

 

「さあ、かがみ、次のお迎えと行こう。」

 

そう、かがみに声をかけると、かがみも気を取り直して俺を見て頷いたのだった。

 


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