らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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第4章 旋律達の祭り巡り編
旋律達の祭り巡り〜序章〜


旋律の2人、柊姉妹の誕生日の次の日俺は、柊姉妹を除く全員に当日の誕生日会に来れなかった事を散々に責められたのだが、かがみとつかさが昨晩の事をみんなに伝えると、途端に今度は2人を除く全員にからかわれるはめになった。

 

そんな騒ぎもあってそろそろ夏休みも近づいてきた頃、みんなで教室にて雑談を交わしているとこなたがみんなを見回しながら

 

「夏休みも近いけどさ、その前にみんなで遊びに行きたいねー。」

 

と言い出したのを聞いて、俺はある事を思い出して

 

「遊びに、か。それなら丁度いいイベントがあるぞ?」

 

と、こなたにそう言うと、こなたは俺のその言葉に途端に目を輝かせて

 

「え?なになに?そのイベントなんなの?」

 

そう聞いてきたので俺は頷いて

 

「今月の中旬頃にさ、今俺が住んでる地元で祭りがあるんだ。楽しむにはもってこいだと思うぞ?」

 

そう答えるとこなた達も口々に

 

「祭り?いいねー!みんなでいこうよ?」

「慶一くんの地元のっていうと意外と有名なやつよね?確かに面白そうね。」

「わたしも行きたいな~。ねえ、おねえちゃんわたし達も行こうよ。」

「中々興味深いですね。私も見に行きたいです。」

「どうせだからみんなで行かない?その方が楽しいわよ。」

「私そういうの大好きだゼ!私も一緒にいくぞー。」

 

そう言って皆乗り気なようだった。

 

俺は皆の言葉に頷きつつ

 

「ならみんなで行くか。いざとなれば家を休憩所代わりに使うのもいいし、集合場所にしてもいいんだしな。」

 

そう言うと、こなたは俺の言葉にうんうんと頷きながら

 

「いいね。じゃあそうしようか。集合は慶一君の家って事で。」

 

こなたがみんなにそう言うと、皆も同じように頷き、イベントへの参戦が確定した。

 

その後、どこから聞きつけてきたのか、こうとやまとも今回のイベントへの参加を表明するのだった。

 

祭りの当日・・・・・・

 

皆が来るのを待ちながら軽く部屋の掃除等をしつつ暇を潰していると”ピンポーン”と呼び鈴の鳴る音が聞こえたので玄関に出迎えに行くと、まず到着したのは

 

「先輩、きましたよー。」

「私達が先についたみたいね。」

 

こうとやまとの2人だった。

 

俺は2人に

 

「お?今回はお前らが先だったか。まだ他のメンバーが来てないし、先に上がってくつろいでろよ。今麦茶を用意するから。」

 

そう声をかけると、2人も俺に

 

「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらいますね?先輩。」

「暑いし喉も乾いたから、先輩のその気遣いがありがたいわ。皆が集合するまでの間、くつろがせてもらうわね。」

 

そう言って、家へと上がって来るのだった。

 

俺は2人をリビングに通して他のメンバーが揃うまでの間、くつろいでいてもらうことにした。

 

俺はキッチンへと行き、2人に麦茶茶菓子を用意して部屋に戻って

 

「ほら、麦茶。みんなが来るまではゆっくりしてろよ。」

 

そう言い、2人に麦茶と軽い茶菓子等を出した。

 

この暑さに更にこのもてなしに喜んだ2人は嬉しそうな顔で

 

「先輩、いただきますね。」

「いただくわ、先輩。」

 

そう言うと、お茶を飲み、お茶菓子を食べながらのんびりする2人。

 

そのうちに残りのメンバーもやってきた。

 

「慶一君、来たよー。」

 

と、皆を代表してこなたが挨拶をする。

 

「みんな、いらっしゃい。とりあえず上がってくれ。」

 

俺はみんなを家にあげてリビングに通すと

 

「こんばんは。先輩方、先に来てまってましたよ。」

「こんばんは。こちらもいつでも出れるわよ?」

 

と、2人がみんなに挨拶しつつ声をかけると、皆もそんな2人に

 

「お?八坂さん、永森さん早いねー。」

「あのな・・・遅れたのはあんたのせいでもあるんだから少しは反省しろ!」

「2人とも今日はお互いに楽しもうね~。」

「私もかなり楽しみにしてたんですよ?今日はいい思い出の一つにしたいですね。」

「八坂さんたちも浴衣できたのね?なかなか似合ってるわ。」

「私は私服でもいいって言ったんだけどさー、あやのがこんな時ぐらいは着ろっていうから着てきたけどなんかやっぱし柄じゃない。」

 

そう挨拶を返した後、皆して話し始めたのを見ながら、俺は皆の分の麦茶も出すのだった。

 

お茶をだしながら俺はみんなの浴衣姿を見て、心に思った素直な感想を口にした。

 

「みんなの浴衣姿似合ってるよ。」

 

そう言うと、みんなは顔を赤らめて少し嬉しそうにしながら「ありがとう。」と言っていた。

 

お茶を飲んで落ち着いた後、俺は皆に

 

「とりあえず必要最低限の物だけ持っていけばいい。残りは家に置いて準備しよう。」

 

そう言うと、皆も頷いてそれぞれに準備を始めた。

 

しばらくすると準備も済んだので、俺は皆に

 

「さて、準備も出来たようだし、そろそろ出発といくか。」

 

そう促すとみんなも「「「「「「「「「おー!!」」」」」」」」」と掛け声をかけて祭りへと向かうのだった。

 

祭りのスタート地点として駅前を設定していたのでみんなを連れてそこまで移動する。

 

「とりあえず駅前まで行こう。後はそこからだ。」

 

俺がそう促すと、皆も俺について来てくれた。

 

駅へと向かう道すがら、周りの人の数や活気あふれる出店の様子を横目で見つつ、皆はそれぞれ

 

「へえ?結構人いるんだねー。これはかなり期待できそう。」

「うちの地元もそれなりだと思うけど、これはそれ以上かもしれないわね。」

「うう、迷子になったりしないかな~?ちょっと心配だよ~。」

「噂には聞いていましたが、なかなか素晴らしいお祭りのようですね。」

「駅前だけでもこれだけの人が集まるのね、かなり凄いかも・・・。」

「なんだかわくわくするよなー。こういう雰囲気はやっぱいいゼ!」

「これだけの人を見ると某イベントを思い出しますねえ・・・。」

「それは貴方だけじゃない?こう。まったくあんなとこは2度とごめんよ・・・。」

 

そんな風に口々に言う皆の言葉を聞いている俺だったが、最後のやまとの言葉を聞いて俺は苦笑しながらやまとに

 

「やまと、お前も付き合わされた口か?」

 

そう尋ねると、やまとも俺の方を向いて少し呆れ口調で

 

「お前も、って事は先輩もなの?」

 

と、俺を同士でも見るような目で言ってきた。

 

そんなやまとに俺は頷きつつ

 

「まあな。確かにあれは凄かった。」

 

重苦しい溜息をつきつつそう言うと、やまともまた、その時の事を思い出したらしく、同じように大きな溜息をついて

 

「そうよね、普通の人が行く物じゃないわ・・・。」

 

と、そう言っていたのだった。

 

俺達は2人して顔を見合わせて、疲れたような口調でそう言っていたが、そんな俺達2人の会話を聞いて、こうは抗議の声を上げた。

 

「えー?それはないですよ先輩、やまと。あれだって私の生きがいなんですからー!」

 

と、不満顔でぶーたれるこうの言葉とその前の俺とやまとの会話を聞いていたこなたが

 

「八坂さんはともかく、慶一君と永森さんもあのイベント行った事あったの?知らなかったよー。」

 

と、なんだか嬉しそうな声で俺たちに言ってくる。

 

俺はそんなこなたの言葉に苦笑しながら

 

「行った、と言うよりは行かされたって感じだがな・・・。」

 

そう言うと、やまとも俺に同意するように

 

「そうね。私も売り子をさせられるために行かされたようなものね・・・。」

 

と、どこか呆れ気味にそう言って、そんな俺達に、こうは慌てながら

 

「行かされたって・・・やまとも先輩も手伝ってくれるって言ってくれてたじゃないですかー?」

 

と言うこうの更なる抗議に俺達ははやれやれといった感じで

 

「まさかそういう事だとは思ってもなかったよ、俺は。」

「そうね、私も知らないで協力する事になったものね・・・。」

 

その俺達の言葉にこうは少しばつが悪そうな顔になり

 

「そ、それは悪かったけどさー・・・。わかったよ。今度はちゃんと言うからいいでしょ?」

 

結局あまり懲りてなさそうなこうに俺とやまとの2人は同時に「「よくない!」」と突っ込みを入れるとこうはしゅんとなって「ごめんなさい・・・。」と俺たちに謝っていた。

 

その会話の最中、やまとの”売り子”と言う言葉に激しく反応を示すこなた。

 

「ほほう?売り子とはなかなかいい感じだね。私も今度は売り子の手伝いでサークル入場させてもらっちゃおうかなー?」

 

と言うこなたの言葉にキラーンと目を光らせるこう。

 

「本当ですか?泉先輩。なら今度売り子でうちのサークル入場します?先輩なら私としてもおっけーですよ?ひよりんもいるし。」

 

と言うこうの言葉にさらに瞳を輝かせるこなたは

 

「ほんと?サークルに知り合いができるのは嬉しいねー。ひよりんの描いた作品も私はチェックしてるしね。それじゃ八坂さんよろしくね?」

 

と、こなたがこうにそう言うと、話がまとまったらしく2人して握手を交わしていた。

 

俺とやまととかがみは大きなため息を一つ、それ以外の者達は話がよくわからず苦笑いをしていた。

 

そうこうしてるうちにいくつかある山車の一つを見つけた俺は、皆にそっちの方を指差しながら

 

「みんな、あれがこの祭りの最中にこのあたりの道路を練り歩く山車だよ。昼間は人形を乗せて練り歩いて夜には提灯に換装して動くのさ。もうすぐ夜だからほら、提灯着けてるだろ?」

 

俺がそう説明すると、みんなも山車の方をみながらしきりに感心していた。

 

「へーなかなか派手そうだねー。」

「提灯の灯りはもう少し暗くなると綺麗そうね。」

「あんなのがまだ数台あるんだね~。」

「歴史をも感じさせるあの姿はかなり素晴らしいと思いますね。」

「高良ちゃんはああいうのには結構興味もってるのね。でも迫力ありそうね。」

「私もああいうの引っ張るのやってみてえなー。」

「あれ、燃えたりとかしないんですか?」

「結構高いわよね?あんな所に乗っていて怖くないのかしら・・・。」

 

ふとやまとが口にした言葉に俺はちょっと質問してみる事にした。

 

「なんだ?やまとは高いところ苦手か?」

 

やまとに疑問をぶつけるとやまとは少し考え込むような表情で

 

「特別怖いって訳じゃないわ。とはいえ得意というわけでもないわね。」

 

そう答えた。

 

そうこうと話をしてるうちに山車の提灯換装が終わり、夜の祭りが始まった。

 

「お?始まったな。それじゃみんな。ぼちぼち本格的に回ろうか。」

 

という俺の声かけと共に俺たちの祭り巡りが始まったのだった。

 

陽気に奏でられる太鼓や笛の音、人々の喧騒を聞きながら俺たちは人ごみを移動していたのだが・・・・・・

 

「おーい、みんな。大丈夫か?ちゃんと付いてこれてるかー?」

「何とか大丈夫ー。かがみ、ちゃんと付いて来れてるー?」

「私もなんとかついていけてるわ。つかさーあんたも平気よね?」

 

と、かがみがつかさに声をかけるが、つかさからの返事がない。

 

それに気付いたあやのとやまとが慌てながら俺に

 

「柊ちゃん、妹ちゃんと高良ちゃんとみさちゃんと八坂さんの姿が見えないわ。」

「先輩、こうがはぐれたわ。どうするの?」

 

そう伝えてきたのを受けて、俺はその時になって初めて、つかさ以外にもみゆきとみさお、こうまでもがはぐれてしまっていたのという事に気付いたのだった。

 

俺たちは急遽集まってこれからの対応を相談する事となった。

 

「4人もはぐれたのか、困ったな・・・。」

「ごめん。私も必死で付いていってたから気付けなかったよ。」

「どうしようか?慶一くん・・・私、つかさが心配だわ・・・。」

「みさちゃん大丈夫かな?高良ちゃんも心配ね・・・。」

「まったくこうは迷惑ばっかりなんだから・・・。」

 

そう言いつつやりとりをする俺達。

 

仕方なく、俺はこなた以外の3人に携帯に連絡を入れてみるように指示した。

 

「かがみ、あやの、やまと、それぞれの携帯に電話入れてみてくれ。俺もみゆきに連絡入れてみる。居場所が特定できれば移動しつつ迎えにいこう。」

 

俺がそう言うと3人ともそれぞれの携帯に電話をし始めた。

 

「もしもし?つかさ?あんた今どこにいるのよ?・・・・・・分かったわ。そこに居て動かないで、いいわね?」

「もしもし?みさちゃん?今どこ?・・・分かった。すぐ行くから待っててね。」

「もしもし?こう?あんたなにやってるの?わかったわ。そこにいなさい。行ってあげるから。」

「もしもし?みゆきか?今の居場所を教えてくれ・・・・・・わかった。迎えに行くからその近くにいてくれ。」

 

と居う感じで何とか連絡が取れ、俺達はそれぞれ迷子の居場所を特定できた。

 

俺はとりあえずみんなを分かりやすい場所に連れて来て、これからの指示を出す事にした。

 

「みんな。とりあえずこれから迷子の連中を迎えに行くんだが、それぞればらばらの場所にいるようだ。だからこれから俺は俺ともう一人を連れて2人組みになってそれぞれを迎えにいく。その間残ってる人はここに居て欲しい。そしてここから動かないでいてくれ。頼むぞ?」

 

そう言って今後の方針を皆に伝える。

 

そんな俺の指示に頷く4人。

 

突然のトラブルとなったが、とりあえず迷子を探す為に行動を開始する俺達なのだった。

 


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