らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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旋律達の勉強会〜泊りがけ合宿編1〜

四重奏の一人、泉こなたの突然の来訪から一夜が明け、今日から本格的な勉強会が始まる訳なのだが、俺はこの状況をいかにすべきかと頭を悩ませながら何時も通りの時間に起きて朝食を作る為にキッチンへと降りていった。

 

キッチンへやってくると、2匹の子猫達が餌をせがんできたのでまずは猫達に朝ご飯をあげて、俺はこなたと2人分の朝食の準備に取り掛かった。

 

一応昨日こなたとの買い物の際に皆の分の食事の事も考えねばならなかったので食材は多めに買って来ていた。

 

俺はその中から卵と食パン、ウインナーソーセージを取り出して食パンはトーストに、卵はスクランブルエッグに、ウインナーも焼いてスクランブルエッグと同じ皿に盛り付けてある程度の準備を終えた後こなたを起こす為にこなたのいる部屋へとむかった。

 

こなたの部屋の前に着き俺はとりあえずドアをノックしてみる。

 

が、予想通り返事は返ってこない。

 

仕方がないので一応こなたに部屋に入る旨を告げた上で部屋の中に入るとだらしのない格好で夢の中を彷徨っているこなたの姿を見た。

 

俺はやれやれと額に手をあてながらとりあえずこなたを起こす為にこなたの体を揺すって声をかけた。

 

「おい!こなた、起きろ、朝だぞ!?」

 

そう言いながら起きるように促しつつ声をかけるとこなたは

 

「う〜ん・・・後5分だけー・・・。」

 

と起こされるのが煩わしいとでも言うかのようにそう言いながら寝返りをうつ。

 

俺はなおもこなたを起こそうと体を揺すり、声をかけてみたが一向に起きる気配がないので仕方なく強行手段に出る事にした。

 

俺がこなたの額に照準を合わせていつもよりちょっと強めにデコピンを食らわせると、こなたは

 

「わきゃっ!?」

 

と言う妙な悲鳴と共に額をさすりながら目を醒まして少しぼーっとした顔でこっちを見ると、額の痛みに気付いたのか俺に

 

「おはよう、慶一君。はいいんだけどさ・・・もうちょっと優しく起こせないものかなあ?」

 

額を押さえて涙目になりながら俺にそう訴えるこなたに

 

「いつまでも起きないお前が悪い。これでも優しい起こし方な方なんだから文句を言うな。」

 

そんな風に冷たく言い放つ俺にこなたはなおも不満気に

 

「でもさー?普通女の子を起こすのにデコピンなんてしないでしょー?」

 

と食い下がって来るこなたに俺も負けじと

 

「だったらされる前に起きろ。とりあえずうちに泊まっている以上はこっちの生活習慣に合わせてもらうからな?」

 

そう言い返すとこなたは渋々ながらも

 

「うう、わかったよ・・・慶一君の意地悪・・・。」

 

と、一応の納得はしてくれたようなので俺はそんなこなたを見て軽く溜息を1つつくと

 

「わかればよろしい。とりあえず朝ご飯できてるから、さっさと着替えてキッチンに来いよ?」

 

そうこなたに伝えるとこなたもおなかがすいたのか、おなかをさすりながら

 

「お腹空いたね・・・。わかったよ、すぐ着替えてキッチンへいくよー。」

 

こなたは俺にそう答えたのだった。

 

俺はそれを確認すると、再びキッチンへと戻っていった。

 

それから程なくして着替えを終えたこなたがキッチンにやって来て

 

「お待たせー。おお、中々シンプルだけど朝ご飯って感じだね、洋風だけど。これ慶一君が作ったんだ?」

 

並べられたおかずとトーストを見ながら言うこなた俺はこなたに

 

「まあ、一応一人暮らしだし簡単な物は作れないと、だからな。とりあえず席につけ。それと、飲み物は何にする?コーヒーか?牛乳か?」

 

そう言って俺は、こなたにどちらがいいのかと聞いてみると、こなたは少し悩んでいるようだったが、どちらにするかを決めたようで

 

「じゃあ、コーヒーをお願いー。」

 

と言って来たので、俺は頷いてこなたのコーヒーの準備をして、ミルクと砂糖をこなたに渡すと

 

「はいよ。ミルクと砂糖は好きな分量いれればいい。」

 

そうこなたに促すと、こなたも頷いて

 

「オッケー。それじゃ食べちゃおうか?」

 

と言うこなたに頷いて、コーヒーを入れてやり、俺自身もコーヒーを作って食事を始めた。

 

程なくして朝食も終わり、皆がやってくる時間までに勉強する為の部屋の準備や皆が寝る部屋のチェック等を済ませる為にこなたにも手伝ってもらって準備を終わらせた。

 

準備を終えた頃俺の携帯にかがみからの着信があったので、軽くかがみとの電話のやり取りをするのだった。

 

「もしもし、慶一くん?私達これから出るから。30分くらいでそっちにつくと思うからよろしくね?後、こなたから何か聞いてない?」

 

かがみが確認するように聞いてくる。

 

「ああ、一応聞いてるよ。泊まりがけって事なんだよな?俺は一人暮らしだし部屋も余ってるから構わないが、かがみの所の親は何も言わないのか?」

 

そう返事を返すと同時に親の許可の事について聞いた。

 

それに対してかがみは

 

「うん、まあ、その事なんだけどさ、私も言ってあるんだけど私達が着いた時に慶一くんからも話をして欲しいのよ。私達は事情知ってるけど、慶一くんもこなたから聞くまではそんな事になってるなんて知らなかったんでしょ?」

 

そう言ってとりあえずの許可を取っている事を俺に伝えてきた。

 

それを聞いて後は俺からも話さないといけないか、と心の中で思いながら昨日のこなたの言葉を思い出して

 

「まあな・・・こなたから聞いたときには自分の耳を疑ったよ・・・。」

 

ふうとため息を一つつきながら返事をする俺のその様子からかがみは何かを察したのか

 

「ごめんね?慶一くん。なんだか色々と勝手に決めちゃってさ・・・慶一くん、一つ聞いてもいいかな?あの時教室でも聞いたけどさ、私達が押しかけても大丈夫?迷惑かな?やっぱり・・・」

 

かがみはそう言って、俺に迷惑をかけるんじゃないだろうか?という事を気にしてるようだったので、俺はかがみの不安を取り除くように明るい声で

 

「最初は驚いたよ。けど、こういうのも初めてだしな。それに、皆で集まれる事は俺も少し楽しみでもあるんだ。だから、かがみは迷惑になるかも、なんて、気にする事はないぞ?」

 

かがみを安心させるようにそう言ってやるとかがみもほっとしたのだろう

 

「そう?そう言ってくれるのなら私も安心かな。実は私もちょっとは楽しみにしてたりしたしね。」

 

そう返事をしてくれた。

 

「そう思っているなら遠慮は無用さ。気兼ねなく勉強会合宿に来ればいいよ。」

 

俺はかがみに気にせずに来いと伝えるとかがみも俺の言葉に少し明るくなった声で

 

「うん、わかった。それじゃ後でね・・・あ、それとさ、こなたから連絡とか来てない?」

 

そう言いながらもこなたの事を聞いてきたので、俺は真実を話すべきか否か心の中で葛藤をしていたが、どの道ばれると思ったので正直にかがみに話すことにした。

 

「あー・・・まあ、連絡うんぬんより本人がもう来てるよ・・・しかも昨晩からな・・・。」

 

俺が言いにくそうにかがみにそう伝えるとかがみは驚いた声で

 

「え?えええ!?どういう事、それ?何でこなたが昨日の晩から・・・そうか、それであいつの携帯に連絡つかなかったのか・・・慶一くん、念のため聞くけど、何も変な事してないでしょうね?」

 

俺に問い詰めるように聞いてきたので俺は慌てながらも

 

「何もしてやしないよ。やましい事は何もない、それだけは誓って言えるから、後はこっちでこなたに問い詰めてくれ。」

 

そう言って俺は潔白だとかがみに告げつつも、なんだか自爆したかもと心の中で思いながら俺はかがみにそう言うと

 

「・・・わかったわ・・・とりあえずそっち行くから話はその時にね。それじゃ後でね?」

 

かがみはそう言って電話を切った。

 

俺はため息を一つつきながら

 

「何か俺、やっちゃった?」

 

一人空しい呟きが部屋へと木霊していくのだった。

 

そうやって一人黄昏ていると他の部屋の準備を終えたこなたが俺を呼びにきた。

 

「慶一君、こっちはオッケーだよ。あれ?どしたの?ずいぶん凹んでるねえ?」

 

心なしか落ち込んでる俺をみてこなたが首をかしげながら声をかける。

 

俺はつとめて平静を装いながら

 

「・・・なんでもないよ。それより覚悟しとけよ?後でかがみから尋問あると思うからな。」

 

そう言うと、俺の言葉にこなたは頭にハテナマークを飛ばして

 

「え?どういう事?かがみから尋問って?」

 

こなたがそう聞いてきたので、俺は先程のかがみとの電話の事をこなたに話すとこなたは慌てて

 

「ええ!?慶一君、私がすでに来てる事言っちゃったの?むう・・・まずいなあ・・・かがみから電話来てたのは気付いたんだけど流石に時間遅くなってからだったからかけ直せななかったし・・・。」

 

おろおろしながら俺にこの事を知った時のかがみがどんな態度だったのかを聞いてきたので、俺は会話した時のそのままを伝えると

 

「うー・・・どうしよう、どうしようー」

 

そう言って慌てながら頭を抱えて悩みはじめる。

 

その姿に俺は苦笑を浮かべていたが、そうこうしてるうちに玄関の呼び鈴が鳴り、来客を告げる。

 

その音を聞いてこなたはかなりびっくりして怯えていたが、俺はとりあえず客人の出迎えの為にこなたを一人部屋に残して玄関へと赴いた。

 

「はいはい。今開けるよ。ちょっと待ってて?」

 

俺がそう言いながら玄関を開けると、そこには息を切らせながらやってきたかがみとそれに必死で食らいついてきたらしいつかさ以下数名がいた。

 

かがみは乱れた息を整えると俺に笑顔を向けつつ

 

「はあ、はあ・・・ふう・・・来たわよ?慶一くん。今日から3日間迷惑かけるかもしれないけどよろしくね。ところでこなたはどこかしら?」

 

そう、俺に挨拶をしてくるかがみ。

 

最初に俺に向けていた笑顔はどこへやら、急に鬼のような形相になったかがみに圧倒されながら、逆らうのも怖いので素直にこなたのいる部屋を教えると、かがみは猪の如くその部屋へ向かって突進していった。

 

その姿に他のみんなも苦笑しながら

 

「おねえちゃん・・・とりあえずこなちゃん生かしておいてあげてね~・・・?」

「泉さんの行動には毎度おどろかされてしまいますね。その行動力はうらやましいですよ。」

「泉ちゃんも結構大胆なのね。」

「ちびっこ、積極的だよなあ。私も見習うべきかな?」

 

と、それぞれがそれぞれに思った事を言っていた。

 

その後こなたのいる部屋からこなたの断末魔の悲鳴が聞こえてきたのを聞いて俺達は心の中でそっと手を合わせるのだった。

 

一騒動あった後、俺はつかさたちに

 

「つかさ、みゆき、あやの、みさお、よく来たな。とりあえず上がってくれ。」

 

俺がそう促すとみんなも「「「「お邪魔しまーす。」」」」と言って家に上がって来た。

 

そんな皆の前を歩きながら俺は皆に

 

「とりあえずは先に寝泊りする部屋に案内するから、そこに荷物を置いてくれ。その後はリビングへ向かおう。」

 

そう言って、俺はとりあえずみんなを連れてみんなが寝泊りする部屋へと案内した後リビングに集まってもらっていた。

 

かがみ達を待つ間にみんなが俺にお世話になる事への挨拶をしてきた。

 

「けいちゃん、今日から3日間迷惑かけちゃうかもだけど、よろしくね~?」

「慶一さん、今日から3日間お世話になりますね。その際に私達に出来る事があれば何でも言ってください。出来る限り協力しますから。」

「慶ちゃん、しばらくはお世話になるわね?家事関連の事は私もある程度できるから協力するわ。」

「慶一、宿題とかよろしくなー?勉強だけでなく楽しい事もしたいけどなー。」

 

それぞれにそう言って来る。

 

そんな皆に俺も笑顔を向けながら

 

「ああ、まあ、こんな家だけど使ってやってくれ。それと、こいつらとも遊んでやってくれると嬉しいがな。」

 

そう言うと、俺の側にやってきたモモとミィを抱き上げて皆に見せながら言う。

 

皆はそれを見て

 

「モモちゃんとミィちゃん、またあったね~。わたしが遊び相手になってあげるね?」

「元気そうで何よりですね。やっぱり可愛いです。」

「この猫、慶ちゃんが飼ってるのね?可愛いわね、私も遊び相手になろうかな?」

「へー?結構かわいいなー。慶一こいつら拾ったのか?」

 

俺は猫達の遊び相手になりたいというつかさとあやのに遊びの世話を任せ、みさおには猫を拾った経緯を説明した。

 

そんな事をやっていると、涙目のこなたを引き連れたかがみがリビングに戻ってきた。

 

かがみはこなたを睨みつけながら

 

「まったく!一人で勝手な事してるんじゃないわよ!?それと慶一くん、さっきの電話の件以外でもちょっと話しあるから後で付き合ってよね?逃げたら、とりあえず命の保証はしないから。」

 

凄く怖い笑顔で俺にそう言ってくるかがみに俺は怯えながらも頷くのだった。

 

こなたも流石に今回の事は堪えているのか

 

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・。」

 

と震えながら繰り返していた。

 

言うべき事を言って満足したのか、かがみも俺に改めて挨拶をしてきた。

 

「あー・・・えっと、慶一くん、挨拶が遅れちゃったけど、今日から3日間お世話になるわね?日下部やつかさのフォローがもっぱらになりそうだけど、サポートはがんばるから。」

 

そんなかがみの言葉にさり気に自分の名前が入ってない事に気付いたこなたはかがみに泣きついて

 

「かがみんー、私はー?どうして私の名前だけないのー?」

 

そう言ってくるこなたにかがみは重いため息を一つつきながら

 

「その中に入れて欲しかったら、自分のした事ちゃんと反省しなさいよ?それと、かがみんいうな!!」

 

かがみがそう言うとこなたは慌てながら

 

「反省するー!するから見捨てないでー!?かがみ様ー!!」

 

そう言って、かがみを様付けで呼ぶこなた。

 

かがみはその言葉に顔を赤くして慌てて

 

「様付けはやめい!普通に呼びなさいよ、まったく・・・わかったわよ、あんたの面倒も見てあげるから。」

 

そう言って、かがみはどうやらこなたを許したようだ。

 

かがみに許しをもらえた事にこなたは喜びながら

 

「ありがとう、かがみー。やっぱりかがみは私の嫁ー♪」

 

と、こなたが言うと、こなたの言葉にかがみは顔を赤くして

 

「な、何いってんのよ!まったく・・・私はあんたの嫁になんかなった覚えはない!」

 

そう反論するかがみにこなたはニヤニヤとしながら

 

「ふふ、照れるかがみ萌えー♪」

 

そのようにすかさず返すこなた。

 

そして、かがみがまたそんなこなたに突っ込むというスパイラルが出来そうになっていたので、俺は軽くため息を1つつくとこなた達を止める為に

 

「2人ともそろそろそれ位にしてくれ。とりあえずかがみ、さっきの電話の件やってしまおう。電話の取次ぎ頼むよ。」

 

そう言ってかがみに促すと、かがみははっと我に返って

 

「あ、そ、そうね。わかったわ、今電話繋げるからまっててね?」

 

その言葉に俺も頷いて

 

「ああ、頼むよ。」

 

と、俺がかがみにそう返事すると、さっそく自宅へと電話をかけるかがみ。

 

やがてかがみのお父さんが出て今回の事についての話と娘達の事をよろしく、というお父さんの許可を正式に貰って電話を終えた。

 

「これでオーケーかな?」

 

俺はそう言ってかがみに確認を取ると、とかがみも頷いて

 

「うん、ありがとう。改めてよろしくね?慶一くん。」

 

そう言って改めて挨拶を交わす俺達だった。

 

そして電話を終える頃には丁度お昼になっていたので俺は皆に

 

「そろそろお昼にするか。」

 

そう言うと皆は口々に「「「「「「賛成ー。」」」」」」と返事をしてきたので、俺はとりあえず昼食にスパゲティーを作る事にした。

 

俺がキッチンに向かうとこなたやつかさ、あやのも食事の準備を手伝いたいと申し出てきた。

 

「私も手伝うよ。人数多いしね。」

「わたしもやるよ~。料理はまかせてね?」

「私も協力するわね。慶ちゃん、指示をお願いね?」

 

俺はそう言ってくれる3人に

 

「そうか?ならよろしく頼む。俺はみゆき達と食器等の準備をしておくから。」

 

 

そう言うと、3人とも「「「こっちは任せて。」」」と言ってくれたので俺も頷いてみゆき達に

 

「かがみ、みゆき、みさお。俺達はこっちの準備をしてしまおう。」

 

そう3人に声をかけると3人とも頷いてくれたので、俺は3人に指示を出しながらテーブルや食器の準備を3人と共にするのだった。

 

しばらくすると、昼食が完成したみたいで「「「お待たせー!」」」と言いながら3人が昼食を運んできてくれた。

 

俺は3人に

 

「ご苦労さん。こっちは準備できてるから出来た物を順番に並べていってくれ。」

 

そう指示をして、食事を並べてもらい、準備も整ったので俺達は「「「「「「「いただきまーす。」」」」」」」と言ってお昼を食べ始めたのだった。

 

お昼を食べながらこなたはこの光景を見て

 

「そういえばさー、こうして皆でテーブル囲んでご飯食べるのって学校でやってるけど、これも学校じゃないけど似たようなもんだよね?」

 

と、こなたが今の状況を見ながら言うと、かがみもそれに頷きながら

 

「そうね。形は家で皆でテーブル囲んで、だけれどやってる事は同じかもね。」

 

そう言うと、つかさは周りを見渡しながら

 

「でも、今回は日下部さんと峰岸さんもいるからいつもとはちょっと違うよ~?」

 

と、そう言い、そんなつかさに同意するようにみゆきも

 

「そうですね。お2人が加わる事でさらに楽しくなった気がします。」

 

と、いつもの柔らかな笑顔で言う。

 

そんな4人の言葉を聞いてみさおとあやのは

 

「いつも柊ちゃんは泉ちゃん達と食べてるものね。それを考えたらこの状況ってすごいのかも。」

 

にこにこと笑いながら言うあやのだったが、みさおは今までかがみを隣のクラスに取られていた鬱憤もあったのだろう、こなたにびしっと指を差しながら

 

「へへん。普段は柊を取られてるけど、この3日は一緒だかんな!ちびっこの好きにはさせないゼ!?」

 

そう言って挑発してくるみさおにこなたもふふん、と、得意げになりながら

 

「かがみはうちのだから。みさきちがかがみといられるのも今だけだよー?」

 

と言うこなたの反論にみさおも乗ってしまい、こなたを睨みつけて

 

「柊はうちんだ!ちびっこには渡さねえ!!」

 

そう叫んでいるのを見て俺を始めとしたこなた以外の皆も苦笑していた。

 

そんな2人に呆れながら突っ込みを入れるかがみ。

 

「うるさいだまれ!!私はどっちのものでもないっての!!」

 

かがみがぴしゃりとそう言うと2人は涙目になりながら

 

「「ええー?そんなあ・・・。」」

 

と2人揃って凹みながら言うのだった。

 

そのやりとりに思わず楽しげに笑う俺達なのだった。

 

そんな一幕もありつつもお昼が終わり、少しの休憩を取った後勉強会がいよいよ始まった。

 

まずは宿題から手をつけるという事でかがみとみゆきとあやのがこなた、つかさ、みさおの面倒を見ていたのだが・・・・・・

 

「ううー疲れたよー・・・ちょっと休憩にしない?」

「もうだめ~・・・限界~・・・。」

「これ以上はきついってヴァ・・・。」

 

と、3人が揃って30分程でダウンしてしまった。

 

そんな3人にかがみは呆れながら

 

「何言ってるの!?まだ30分しかたってないわよ!?もっとがんばんなさい!!」

 

と突っ込みをいれるが

 

「頑張りたいけど無理ー・・・。」

「ごめん、おねえちゃん。わたしもきつい・・・。」

「頭が破裂しそうだってヴァ・・・。」

 

そう言いながらも3人ともなかなか立ち直れそうになさそうなのを見て俺は、軽いため息を1つつくと

 

「仕方ないな。それじゃ10分ほど休憩いれるか。」

 

と、みんなにそう言うと、かがみは俺の判断に抗議の声を上げた。

 

「だめよ慶一くん。甘やかしちゃこいつらの為にならないわ。」

 

と言って来たので俺はかがみに

 

「いや、甘やかすとかじゃないよ。俺も良く使う勉強方法なんだ。」

 

俺がそう答えるとかがみは俺の顔を見て訳が分からないという感じで

 

「どういう事なのか、説明が欲しいわね。」

 

そう言ってきた。

 

みゆきは何かに気付いたようで俺の言葉を黙って聞いていた。

 

俺はかがみの言葉に頷いて今回の事に対する説明を始めた。

 

「ああ。人間の集中力ってのはな、どんな人間でも30分が限界だと言われてるんだ。それを超えると一見集中してるように見えるけどその実無意識に集中力が切れていて、集中してるようでも結局惰性になってしまってるんだよ。」

 

そこまで言って俺は一旦言葉を切った後、再び説明を再会する。

 

「脳の防衛本能ってやつかな。30分は全開で脳を使うと脳が体に30分以上を超えたときに来る負担を減らそうとする為にリミッターをかけるのさ。車のエンジンを例に取ればわかりやすいかな?どんなに頑丈に作ってあるエンジンでも常に全開にしつづければそんなに長い時間を待たずに壊れてしまう。けど、一定の時間でリミッターをかけて負担をなくせばエンジンを壊さずに使いつづける事ができるだろ?それと同じ理屈ってわけさ。」

 

俺はもう一度言葉を切り、最後の締めの言葉をつなげる

 

「つまり、30分集中してやった後10分の休憩をいれて一度脳をリフレッシュさせてまた30分やってまた休憩を繰り返す事で、効率のいい勉強が出来るって事だよ。」

 

かがみは俺の説明を聞いて何やら感心しながら

 

「へえ?そういう事なのね。今度私も試してみようかしら?」

 

そう言うかがみ。

 

俺がその事を知っていた事にみゆきも驚いたようで

 

「慶一さんもご存じだったんですね?私もよくその方法は試しますね。その方法だと結構集中力続きますからね。」

 

そう言うと、そんな俺達の会話を聞いて少し考え込んでいたあやのも

 

「私も参考にしようかしら?」

 

そう言って、俺の言った方法を試してみようと思ったらしい。

 

そしてこなた達3人も

 

「いい事聞いたね。私も試してみようっと。」

「けいちゃん以外と物知りなんだね~。わたしも挑戦してみようかな~?」

「へー?いい事教わったなー。慶一はやっぱり頼りになるやつだゼ。」

 

そう言って、俺の示した方法が気に入ったらしく、その後10分休憩後、30分勉強、10分休憩のサイクルで宿題を当初の目標よりも多目に終わらせる事ができた。

 

予想以上の成果にみんなも満足そうで、とりあえず今日の分の勉強会は終わりになった。

 

そして夕食をみんなでわいわい騒ぎながら食べて、その後交代交代でのお風呂となった。

 

俺は自分の部屋でみんなが風呂から上がるのを待ちながらのんびりしていたが、そこにドアをノックする音がしたので俺は

 

「誰?とりあえず入ってきなよ。」

 

そう促すとドアを開けて入ってきたのはかがみだった。

 

かがみは俺に

 

「さっき後で話があると言ってたわよね?その事について話しましょうか。」

 

物凄くいい笑顔だけど物凄く怖いオーラを纏ってかがみが俺に尋問を開始した。

 

俺はそんなかがみに恐怖を覚えつつもこくこくと頷くのだった。

 

そんな俺の姿をみたかがみは軽いため息を1つつきながらも”昼間の話”を始める。

 

「慶一くんの家に来た時こなたを問い詰めて聞いた事だけどさ、あんた、こなたと一緒にお風呂に入ったらしいじゃない?」

 

俺は怯え動揺しながら

 

「た、確かにかがみに言うとおりだが、俺から誘った訳じゃないぞ?あいつが押しかけてきてだな・・・。」

 

そう言ってかがみにしどろもどろになりながら説明する俺だった。

 

かがみはそんな俺を睨みつけながら

 

「念を押すけども、変な事してないでしょうね?これでも一応慶一くんの事は信頼してるんだし、それを地に落とす事は慎んでもらわないと困るわ。」

 

腕組みをしつつそう言うかがみに俺は神妙な顔で

 

「それだけは断じてないよ。あの時電話口でも言ったけど誓ってもいい。それに俺はみんなに信用してもらいたいと思ってるから・・・。」

 

俺は自分の今の本当の気持ちをかがみにぶつける。

 

そんな俺の言葉を聞いたかがみは普段でもちょっときつめなつり目で俺をじっと睨みつけていたが、ふいに表情を緩めると

 

「まあ、いいわ。今のあんたの態度と言葉を聞いて改めて大丈夫だって思ったから。ごめんね?慶一くんの事試すような事言って。」

 

俺に笑顔を向けながらそう言ってくるかがみに俺は

 

「いいよ。結局こなたの行動に流された俺にも悪いとこあったんだろうからさ。」

 

複雑な顔をしながら後ろ手で後頭部を掻きながら言う俺に、かがみはいたずらっぽく笑いながら

 

「そうよ?もっとしっかりしてもらわくっちゃね。ともあれ、後2日お世話になるけどよろしくね?」

 

そう言うかがみに俺は笑顔を向けて

 

「ああ、こちらこそ。後2日、宿題とテスト対策がんばろうぜ。」

 

と、俺が言うと、かがみもにっこりと笑いながら

 

「うん、頑張りましょ。それじゃ私はこれで部屋に戻るわね?おやすみ、慶一くん。」

 

そう言って部屋を出て行くかがみを見送りながら俺はかがみに

 

「ああ、お休み。かがみ。」

 

そう声をかけてお互いに挨拶を交わしてかがみは自分の部屋へと戻っていった。

 

その後、再び部屋のドアがノックされ、次に部屋にやってきたのはあやのとみさおだった。

 

「慶ちゃん、ちょっといいかしら?」

「慶一、入るぞー?」

 

そう言って部屋に入ってくる2人を俺は出迎える。

 

「ああ、とりあえずくつろいでくれ。」

 

俺がそう言うと2人は俺の部屋を見回しながら

 

「慶ちゃんの部屋って初めて入ったけど、結構物も少なめでシンプルなのね?」

「意外と散らかってないのがおどろきだよなー?」

 

と言うそんな2人の言葉に俺は苦笑しながら

 

「まあ、散らかしてもすぐに掃除しちゃうしな。」

 

そう答えると2人は俺の机の上の写真立てに気付いたらしく

 

「ねえ、慶ちゃん、ここに写ってるのって慶ちゃんのご両親?」

「へー?結構似てるんじゃねーか?」

 

そう2人は俺に聞いて来た。

 

俺は少し暗い顔になりつつ

 

「まあな。尤も今は2人ともこの世にはいないが・・・。」

 

と、俺がそう言うと2人ともばつの悪そうな顔になって

 

「ごめん、聞いちゃいけない事だったかな?」

「悪い、慶一。ちょっと無神経だった・・・。」

 

落ち込んだ表情で言う2人に俺はこの2人には話していなかった自分の事情を説明した。

 

その話を聞いた後で2人は俺を同情するような目で見ながら

 

「一人で寂しくない?」

「大変だったんだな、お前もさ・・・。」

 

そんな風に俺を気遣い、声をかけてくれた。

 

俺はそんな2人の気持を嬉しく思いながらもつとめて明るく2人に

 

「今まではな。けど、今はお前らがいてくれるから・・・寂しくなんかないよ。」

 

2人に優しげな微笑を投げかけながら俺ははっきりと今の自分の気持ちをそう告げる。

 

すると2人は顔を少し赤くして

 

「そう思ってくれるのなら、うれしいかな?」

「よし、決めた!私は、これからもお前の友達でいてやっからな。」

 

優しげな笑みで2人は俺にそう言ってくれた。

 

俺は凄く暖かい気持ちになって2人に心からお礼を伝えた。

 

「ありがとな。2人の気持、とてもありがたいし、嬉しいよ。」

 

その礼に2人はにっこりと笑って答えてくれた。

 

そうこうしているうちに大分時間も経っていたので、2人とも部屋に戻る事にしたようで、俺に

 

「それじゃ慶ちゃん、また明日ね。お休みなさい」

「慶一、また明日な?お休みー。」

 

そう言って出て行く2人を見送ったのだった。

 

2人が出て行ったその後、再び部屋のドアがノックされる。

 

「ん?誰だ?とりあえず入って来なよ。」

 

そう声をかけると、部屋のドアが開かれる。

 

「ご、ごめんね?けいちゃん、まだ起きてた?」

 

と言う言葉とともに部屋にやってきたのはつかさだった。

 

俺はちょっと苦笑いを浮かべているつかさに

 

「ああ。まだ眠くならなかったから本を読んでた所だし、大丈夫さ。ところで俺に何か用?」

 

そう言ってくると、つかさは少し照れながら

 

「あ、う、うん。けいちゃん、改めて勉強会招待してくれてありがとう。きょうもすごく助かったから、改めてお礼言いたかったんだ~。」

 

そう言ってくるつかさに俺も少し照れながら

 

「あー・・・まあ、つかさの為になったのなら、俺はそれでいいと思ってるから、特に気にする必要はないぞ?」

 

と、そう答えると、つかさは嬉しそうな笑顔を俺に向けて

 

「ありがとう、けいちゃん。まだ2日間あるけど、わたしもできるだけ頑張るから、明日以降もよろしくね~?」

 

そう言ってくるつかさに俺も頷いて

 

「わかったよ。ともかく、後2日頑張って、宿題と休み明けのテスト、頑張ろうな。」

 

そう言うと、つかさも頷いて

 

「うん。今回はわたしも頑張って見せるよ?ん・・・ふぁ~・・・なんだか眠くなっちゃった。わたし、そろそろ部屋に戻って寝るね?それじゃけいちゃん、おやすみ~。」

 

そう言って来たが、夜も大分ふけてきて眠くなったらしく、つかさは軽くあくびをすると、俺にお休みの挨拶をして部屋を出て行く。

 

俺はそんなつかさに

 

「ああ。ゆっくり休めよ?お休み、つかさ。」

 

そう声をかけると、つかさも眠そうな顔をこちらへと向けながら軽く手を振ってくれたのだった。

 

つかさを見送ってから数分後、またも部屋のドアがノックされる。

 

俺は先ほどと同じように部屋に入って来るように声をかけると、俺の部屋に今度はみゆきがやってきたのだった。

 

「こんばんは、慶一さん。まだ、お休みではなかったのですね?」

 

と言うみゆきの言葉に俺は頷いて

 

「あー・・・まあね。まだ眠くなってなかった事もあって、少し本を読んで暇を潰していた所さ。」

 

そう言って事情を説明する俺にみゆきはいつもの柔らかい笑みのまま

 

「そうでしたか。あの、慶一さん、ご招待ありがとうございます。今回の勉強会、とても充実した物になりそうですから。」

 

と言うみゆきに俺も笑顔を返しながら

 

「みゆきにとってそうなるのだったら何よりさ。俺も楽しませてもらってるし、勉強にもなってる。だから、お互い様って奴さ。」

 

そう答えると、みゆきは苦笑しつつ

 

「そう思っていただけるのでしたらよかったです。実の所、私もかがみさんと同じで慶一さんのご迷惑になっていないかがちょっとだけ心配でしたから。」

 

と、言うみゆきに俺は左右に首を振って

 

「迷惑だとは思ってないさ。むしろ楽しい、かな?だから、みゆきもそんなに気に病む必要はないから安心してくれ。」

 

と、みゆきの心配を否定してみせると、みゆきはほっとしたような表情を浮かべつつ

 

「ふふ。よかったです。勉強会は後2日ありますけど、みんなで最後まで頑張りましょう。あ・・・少し長居をしすぎましたね。それじゃ、私もそろそろ休みますね。それでは、慶一さん。お休みなさい。」

 

そう言って俺に挨拶をして部屋を出て行くみゆきに俺も

 

「ああ。がんばろうな。お休み、みゆき。」

 

そう声をかけると、みゆきは1度こちらを振り返ってにっこりと微笑むと、ふたたび踵を返して自分の部屋へと戻って行ったのだった。

 

それから少しして眠気が限界に来た俺は布団に潜ったのだった。

 

慌しかったけど楽しい1日だったと思いつつ、今日はいい夢が見れそうだとも思う俺だった。

 

かがみside

 

慶一くんの部屋から戻った私は布団にもぐりこみながら今日の事を振り返っていた。

 

(今日から慶一くんのところで3日間の泊りがけになったけど、初日からいろいろやらかしちゃったから少し恥ずかしいな・・・勉強会は慶一くんに新しい方法を教わったわね。今度自宅でも実戦してみよう・・・こなたがやらかした事を聞いたときはなんだか複雑な気分だったな・・・どうしてそんな風に思ったんだろう・・・?自分が何故焦っていたのかがよくわからないな・・・ええい、あまりごちゃごちゃ考えてても始まらないや、ともかく後2日がんばろう・・・。)

 

いろいろ考えてるうちに私は意識を手放した。

 

あやのside

 

勉強会も初日を終え、慶ちゃんの所で慶ちゃんに関する話を聞いて私はその事を考えながら部屋に戻って布団に入った。

 

そして、今日の事を振り返っていたのだった。

 

(みんなとの泊りがけの勉強会は楽しいわね。相変わらずみさちゃんと泉ちゃんの柊ちゃんの取り合いはあったけど勉強も中々効率よくいきそうよね。とりあえずこの調子で後2日がんばろう。慶ちゃんのご両親の事はちょっとショックだったけど私達はこれからも慶ちゃんのお友達でいてあげたいな。とにかく残りの2日楽しくやりましょう。)

 

そう考えた後私はみさちゃんと軽くやりとりをして、眠りについたのだった。

 

みさおside

 

あやのと一緒に慶一の部屋で慶一の事についてまた1つ話を聞けた。

 

あいつが両親を失っていたのだという事知った私は、あいつの顔を見て少し複雑な気持だったけど、そんな思いと勉強会の楽しさを思って、私は布団に潜りながら今日を振り返っていたのだった。

 

(なんだか修学旅行みたいで楽しいなー。思いがけず柊と一緒に何かできるようになってそこらへんはちびっこにも感謝だな。けど柊は絶対に渡さないかんな・・・勉強のやり方、慶一がいい方法教えてくれたよな。ちょっとさっきも実戦したけど私にもできそうだよな。これからも活用してみよ。慶一の親の事私ら何も知らなかったな。でもあいつはがんばってる。私もあいつの事は応援してやりたいな。よーし、残り2日も楽しくやるぞー!)

 

そんな風に考え事をしている時、ふいに隣で寝ているあやのから声がかかった。

 

「みさちゃん、まだ起きてる?」

 

その言葉に私も

 

「んあ?どうしたあやの?」

 

そう答え、次のあやのの言葉を待つ。

 

「明日からも楽しくやろうね。」

 

そんなあやのの言葉に私も大きく頷いて

 

「ああ、そうだなー。楽しくやろうゼ?」

 

あやのにそう答えると、あやのはそんな私の答えに満足したようで

 

「うん。それじゃ、お休みね?みさちゃん。」

 

そう言うあやのに私も

 

「ああ、おやすみ、あやのー。」

 

そう答え、私達は残り2日間を楽しくやろうと約束をして、ゆっくりと眠りについた。

 

こうして勉強会初日が過ぎて行く。

 

つかさside

 

今日の勉強会が無事に終わり、夕食とお風呂を済ませたわたしは改めてけいちゃんに今回の勉強会の事に対するお礼を言いにけいちゃんの部屋にお邪魔した。

 

けいちゃんの部屋を見回しつつ、けいちゃんと軽くやりとりをしてお礼も言ってわたしは自分の部屋へと戻ったのだった。

 

布団に入ってわたしは今日の事を振り返ろうと思ったけど、何も考えられないまま即座に眠りについてしまったわたしだった。

 

みゆきside

 

今日から始まった勉強会、そして、夕食と入浴を済ませて私は慶一さんに改めて今回の事に対するお礼を言いに慶一さんのお部屋へとお邪魔しました。

 

実の所、慶一さんにご迷惑をかけていないか、という事を少し気にしていた私でしたが、慶一さんはさほど気にしている様子でもなかったようなので、その事にほっと胸を撫で下ろしつつ、明日以降も頑張りましょう、と慶一さんに告げてから慶一さんの部屋を後にしたのでした。

 

部屋に戻り、お布団に潜りながら私は今日の事を振り返っていたのでした。

 

(今日から始まった勉強会、どうなる事かと思いましたが、事のほか順調でほっとしましたね。慶一さんにご迷惑をおかけしたかも、と思っていましたが、あまり気にされていないようでしたので、よかったです。皆さんと一緒に何かをする、という事はとても楽しいものですね。私は一人っ子ですし、やはり寂しかったのでしょうか?ともあれ、後2日間ではありますが、私も慶一さんやかがみさんをサポートしながら乗り切って行きましょう。でも・・・これからも皆さんとこういう事をして行きたいですね・・・これが最後、というのは寂しいですから・・・いけない、そろそろ休みましょう。)

 

友達同士で集まって何かをする、その事に喜びを見出した自分を感じながら、私はゆっくりと意識を手放したのでした。

 

 

慶一side

 

夕食と入浴の後、こなたを除くみんなが俺の部屋へとやって来た。

 

みんなと軽いやりとりをしつつ、俺もまたこの状況を楽しんでいるのだという事に気付く。

 

明日以降も頑張ろうと決意を新たにしつつ今日という日を終えたのだった。

 

 

 

 

最初は一つだった旋律は次々に自分の周りに増え初め、気付いたらたくさんの旋律となっていた。

 

いつしか俺がその旋律の中にいる事があたりまえになっていた。

 

そして、俺もまた旋律の1つなのだと言う事に気付かされる。

 

俺はこの旋律達とこれからも共に音楽を奏でる旋律でありたいと思うのだった。

 

 


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