初日の夜、俺は少しの間、昼間に蓄積させていた体のダメージを心配してくれたこなたの気遣いを受けて少しの間、部屋で休んでいた。
そして、皆はそんな俺を起こさないようにしつつ、夜の予定でもあったゲームセンターへと繰り出していた。
その事に気付かない俺は、結局予定時間以上に休む事となり、しばらくして目を覚ました時、俺の部屋にはゆたかとみなみが俺の様子を見るのと、少し体調を崩したゆたかの様子を見るために部屋に来てくれていたのだった。
そして、俺を気遣い、残ってくれていたのはこの2人だけではなく、こうといずみもまた、俺が起きた時に皆のいる所へと案内をしてくれる為に戻って来てくれた。
俺は、ゆたか達がこの部屋に居た理由を聞き、こう達と合流してから、こなた達の向かった場所へとこうの案内で向かった。
目的地についた俺達は、その日の最後を目一杯楽しんで初日を終える。
そして、次の日の朝、俺はあやの達よりも先に起き出し、素早く服を着替えると、ルームキーをあやのの枕元にメモ書きと共に残して部屋を出た。
まだ太陽の登りきっていない時間帯、俺は、ホテルの案内にあった最上階の展望ラウンジへ朝日を拝みに向かう事にしたのだった。
エレベーターの扉の前でぼーっとエレベーターがやってくるのを待っていた俺だったが、ふいに背後から俺は声をかけられた。
「あ、おはよー慶一君。相変わらず早いねー。」
「おはよう、慶一くん。あんたもどこかへ行くつもりなの?」
「おはよ~けいちゃん。今日はわたしも早めに起きちゃったんだ~。」
「おはようございます、慶一さん。今日もいい1日になりそうですね。そういえば少し気になりますね。よろしければ目的地等を教えていただけたらと思いますが。」
と言う4人の声に俺は振り向くと、4人に挨拶を返しつつ
「お?おはよう、こなた。まあ、俺の早起きはいつものことさ。それと、つかさ、よく起きれたな。かがみ、みゆき。これからちょっと最上階の展望ラウンジに上がって朝日でも見てみようかと思ってな。皆もよかったらどうだ?」
そう言って、挨拶を返しつつ、かがみとみゆきに目的地を伝えると、こなたは俺に
「おお!慶一君もそこへ行こうとしてたんだ。奇遇だねー。実は私達もそこへ行くつもりだったんだよね。みゆきさんが皆で一緒に行ってみないか?って私達に声をかけたんだよ。」
そう説明してくれるこなたに俺は頷きつつ
「なるほどな。んじゃ、折角だし、皆で行ってみるか。」
そう言うと、皆も笑顔で頷きつつ
「うんうん。それじゃ早速だね。エレベーターももう少しで来るし、行ってみようかー。」
「どんなのか少し楽しみかな?」
「わたしも~。八坂さん達は昨日の夜に様子見も兼ねて見に来てみたらしいよ~?その時は夜景がかなり綺麗だったって言ってたのを聞いてるしね~。」
「私もそちらが見られなかった事が残念に思いましたので、せめて朝日が登る所だけでも見たい、と思いましたから。今の時間なら、丁度日の出に間に合うかと思いますよ?あ、エレベーターが来ました。それじゃ早速行きましょうか。」
と、最後にそう言うみゆきの言葉に頷きつつ、俺達はエレベーターに乗り込んで最上階へと向かった。
そして、最上階の展望ラウンジへとやってきた俺達は、大きな窓際へと行くとそこから眼下を見渡して見る。
「へえ?これは凄いな。ここからほぼ園内を一望出来るみたいだ。確かに夜はライトアップされたりするだろうから、これは夜に見れなかったのは惜しい事をしたかもだな。」
そう言う俺にこなたが頷きつつ、ニヤニヤとした顔を俺に向けながら
「ふーん?だったらさ、また来ればいいんだよ。今度は2人だけで、ってのもいいよねー?」
と、そう爆弾発言をすると、途端にラウンジの空気が冷えたような気配を感じつつ
「・・・あー・・・えっと・・・一応聞いておくけど、本気、か?」
戸惑いつつもそう返す俺に、こなたはニヤニヤとしたまま
「んー?私は別に冗談を言ったつもりはないけどねー。」
そう言い、その後、不安そうな顔へと表情を変化させたこなたは俺に上目使いで
「・・・それとも、私とじゃ嫌かな?」
そう言ってくるこなたに俺はあたふたしつつ
「い、いや、誰もそんな事は言ってはいないけどさ。でも、いいのか?その相手が俺でさ?」
そう答える俺に、こなたは再び笑顔になりつつ
「まあねー。だからこそ意味があるんだしさ。」
と、少し意味深な事を言うこなたに俺は戸惑いつつもその”意味”について考えを巡らせていたが、その背後にて3者3様に考えを巡らせる3人の心の内に俺は気づかずにいた。
かがみ、つかさ、みゆきside
私達は慶一くんとエレベーターの所で出会い、目的地が同じと知って、私達は皆で展望ラウンジへと出向いた。
そして、そこで思わずこなたが落とした爆弾に、私達もまた、こなた達に対して黒オーラを発しつつも心の中で考えを巡らせていた。
(こなたの奴めー・・・ちゃっかりとアピールする作戦に出るなんて、こっちはすっかり油断してたわ・・・。それに慶一くんも慶一くんよ・・・ちゃっかりこなたの策に引っかかって・・・でも、その作戦は私も捨てがたいし、私も思いきってアピールしてみるべきかしらね・・・。)
(わあ~・・・こなちゃん、大胆発言だね~・・・でも、わたしも少しうらやましいな~・・・わたしはこなちゃん程積極的になれるわけじゃないしね~・・・でも、思い切ってお願いしてみたら、けいちゃん、応えてくれるかな~・・・?)
(泉さんの積極的な行動は毎回驚かされますが、今回もまた、でしたね・・・。本当に泉さんには見習うべき所がたくさんある事にも気付かされます・・・。でも、私もこのまま引く訳には行きません。私も思い切って慶一さんに声をかけてみるべきでしょうか・・・。それにしても、慶一さん、乗せられすぎだと思いますよ?もう少ししっかりして欲しい所でもありますね・・・はあ・・・。)
と、私達はそれぞれにそう考えつつ、今後の慶一くんへのアピールをいかにすべきか、と悩んでいたのだった。
慶一side
こなたの言葉に動揺しつつ、他の3人の思惑にも気付かない俺は、とりあえず景色を見ようと思い直して窓際へと視線を移したのだが、その時に慌ててこの場所へとやってくる騒がしい声に俺は思わず振り返っていた。
そして、視線の先にいたのは・・・・・・
「はあ、はあ・・・な、何とか間にあったー・・・。」
「まったく・・・こうが言い出しっぺじゃないの!間にあったからいいけど、間に合えなかったとしても私は知らないわよ?まったく・・・。」
「あ、あはは・・・ごめん、やまと。」
「はあ、はあ・・・つ、疲れた・・・・・・。」
「みく、お疲れー。あれ?先輩達だ。」
と、言い合いをしつつ、最後に俺に気付いたたまきが、俺を指差しながらそう言って声をかける。
それに気付いた3人も俺に声をかけてきた。
「あ、おはようございます、先輩達。先輩達も朝日を眺めに?」
「おはよう。先輩達もここに来てたのね?騒がしくしてしまってごめんなさい。」
「おはようございます。どうやら先輩達も同じ考えでここへやってきたみたいですね?」
と言う3人に俺達は頷きつつ
「まあな。昨日ホテルの案内図を見ていて気になっててな。昨日は夜景も見れなかったからせめて朝日でも拝もうかと思ってな。」
「私達も同じだよ?とは言っても、私達はエレベーターを待っている慶一君に偶然会ったんだけどね。」
「まあ、私達は私達で話し合ってここへ向かおうっていう事になっただけだしね。」
「ゆきちゃんから話を聞いてたからね~。起きるのは辛かったけどさ、えへへ。」
「体験は今日までですし、一度見ておきたいと思っていました。八坂さん達もそう見たいですね?その様子ですと・・・。」
そう応えると、こうが頷いて
「なるほど、そういう事ですか。高良先輩の言う通りですよ。夜景見に来れなかったですし、せめて朝日の昇る所でも見ようと思いましたので。結果的にやまと達にも付き合ってもらいましたが。」
その言葉に、やまと達と俺達は苦笑していたが、そこに更に1年生組もやってきた。
「あ、おはようございます、先輩達。皆さんここに集まっていたんですね?」
「・・・おはようございます。考えていた事は同じ、という事みたいですね・・・。」
「おはようございます、先輩達。私もゆーちゃん達に付き合って来てみましたっス。」
「グッモーニン!やはりカンガえるコトはミナオナジみたいですネ!こういうトコロでもツナガリをカンじられるのはとてもうれしいデス!!」
そう言う4人に俺は笑顔を返しつつ
「おはよう、皆。そうだな、でもこれであやの達も来たら完璧かもしれないけどな。」
そう言う俺にこなたはニヤリと不気味な笑みを浮かべつつ
「慶一君、それってフラグだよー?まあ、私も何となく全員集合しそうな気はしてるけどねー。」
とこなたが言った矢先に、俺達の後ろから声がかかる。
「あ、いた。おはよう慶ちゃん達。書置きを見て慌ててみさちゃんを起こして駆けつけたの。まだ日の出に間にあってる?」
「ヴァー・・・眠いゼー・・・おはよー皆ー・・・ふああ・・・。」
「あはは・・・日下部先輩、しっかり。おはようございます皆さん。私達、間に合ってますか?」
と声をかけてきたあやの、みさお、いずみの3人に俺は軽く笑いつつ頷きながら
「ああ。まだ間に合ってるから大丈夫だぞ?なるほど、こなたの言ったフラグね・・・確かに立ってたな・・・。」
そう言う俺に何人かはサムズアップし、また何人かはため息をつき、そして何人かは意味がわからず苦笑していた。
そうこうしているうちに日が差し始めたので、俺は皆に
「お?どうやら日が昇り始めたぞ?それじゃ早速景色を拝ませてもらいますかね。」
そう言うと、皆も顔を見合わせて頷きあい、景色のよく見える窓際へと歩みを進める。
そして、徐々に眼下のランドへと太陽の光が差し込まれる様を見ながら、俺達はそれぞれに思ったことを呟いていた。
「・・・中々見事なものだな・・・上から見るランドも中々綺麗だ。」
「うーん・・・いい眺めだねー・・・写真取っておこうっと・・・。」
「・・・夜の方もやっぱり気になるわね・・・思い切って私も慶一くん誘ってみようかしら・・・。」
「わあ~・・・なんだか感動するな~・・・みんなで見れたのはよかったかも~。」
「素晴らしい眺めですね。これは本当に夜の方も確認しておきたかったですね・・・。」
「わあ・・・これは見れてよかったかもね・・・今度はあの人と2人で来て見たいかな?」
「おおー!こりゃすげえな。私もちょっと感動だゼ!!」
と俺達3年生組がそう呟くと、2年生組もまた景色を見ながら
「確かにこれは一見の価値あり、でしたね。私も写真はとっておこう。」
「綺麗な朝日・・・夜の方も見てみたかったわね・・・ちょっと惜しい事したかしら・・・。」
「いい眺め・・・今日もいい天気になりそう。この眺めも心には焼き付けるけど、今日の思いでも、かな?」
「うんうん。やっぱり噂どおりいい感じ。これで今日1日も楽しめそう。」
と、思い思いに呟く2年生組。
そして、1年生組もその景色を見て感動したようで、思わず今の気持を口に出していた。
「わあー・・・綺麗だね、みなみちゃん。」
「・・・そうだね、ゆたか。本当に先輩達は私達を素晴らしい所へと連れて行ってくれる。凄くありがたいね・・・。」
「ネタも集めやすくて私としてもとても充実してるっスね。先輩にはいつも感謝かな。」
「まったくデス。ワタシも二ポンにキてからはケイイチにはおセワになってばかりデスね。いつかこのナンブンのイチでもいいからオンガエシをしたいデス!」
「パーさんも結構義理堅いんだね?でも、その意見には賛成かな?」
それぞれに自分達の思いを口にする中で、最後の方でパティの言った事に俺は、少しだけ照れつつ
「はは。気持だけ受け取っておくよ、パティ。さて、もう少し景色を眺めていたいけど、もう少ししたら朝食だな。とりあえず一度部屋に戻って遊びに行く準備をしてから朝食にするか。それじゃ、皆、行こうぜ?」
そう声をかける俺だったが、こなたが俺に
「待ってよ、慶一君。ここで記念に皆で写真撮って行こうよ。それくらいの時間はまだあるでしょ?」
そう言うこなたに俺は自分の携帯を取り出して時間を確認してから
「・・・ふむ。まだそれくらいならいけそうだな。そういや誰かカメラって持ってたっけ?」
と、皆を見渡しながらそう言うと、こなたは待ってましたと言わんばかりに
「はいはーい!私が持ってるよー。お父さんからお古でもらった奴だけどまだ充分に使えるタイプのデジカメだから、問題はないと思うよー?さて、それじゃ・・・っと。すいません、シャッターをお願い出来ますか?」
そう言ってデジカメを取り出し、丁度近くにいたホテルの従業員さんに写真撮影をお願いすると、従業員さんは快く頷いてくれ、それを確認したこなたはカメラを従業員さんに預けて俺達の方へと・・・猛ダッシュで戻って来たのを見て、俺はその行動に慌てつつ
「お、おい!こなた、いきなりダッシュしてどうし・・・うお!?」
そこまで言いかけた時、こなたの行動に何かを察していた数人がすぐさま俺の側へと配置につこうとしているの感じ、俺はその勢いに押されつつもとりあえずこなた、かがみ、つかさ、みゆき、みさお、やまとの6人が俺を取り囲むように動くのを驚きつつも見ていたのだった。
そして、いち早く俺の両サイドへと配置についたのは、こなたとやまとの2人だった。
「ふっ。もらったよ!!」
「反対側を譲れないわね。」
と言う2人に一歩出遅れた残りの4人は悔しそうな表情を見せつつ
「くっ!出遅れたわ・・・でも、まだ慶一くんの斜め後ろは譲らないっ!!」
「はわわっ!みんな早いよ~・・・。」
「なら私は左後ろを・・・ああっ!!」
「残念だったな、高良。こっちは私が抑えたゼ!?」
という感じで、俺の両斜め後ろは、かがみとみさおの2人が配置についた。
ポジションを取れず、がっかりした表情を見せるつかさだったが、少しでも俺に近い方へと配置についたようだった。
そして、そんなみんなの行動に苦笑を向ける他の皆にこなたが
「皆ー!皆もおいでよ!全員で集合写真撮ろうよー!」
と、こなたが声をかけると、皆もお互いに頷きあいつつ俺達の方へとやってきて、それぞれに配置についたのだった。
そして、それを確認したホテルの従業員さんは俺達にカメラを向けて
「準備はよろしいでしょうか?それでは撮りますよー?では、はい、チーズ!」
そう言ってシャッターを切る瞬間、両サイドにいたこなたとやまとは俺の腕に抱きついた。
俺は、その行動に思わず驚いたような顔になるが、その状態で写真は撮られる事となってしまったのだった。
カメラを返してもらって、撮れた写真を確認しながらこなたは
「ふふふ、いい写真が撮れたよ。皆にも後で焼き増しするからねー?」
そう言うこなたに俺は軽いため息をつき、何人かは不機嫌そうな表情を見せ、また何人かは苦笑していたようだった。
「じ、じゃあ、写真も撮った事だし、朝食に行くか。下へと降りようぜ?皆。」
そう言って、この場に充満しつつあった黒い気配に怯えつつも話を強引に変えると、皆にそう言ってエレベータの方へと逃げるように足を向ける俺。
その言葉に一端は黒オーラを収めつつ、皆も俺の方へとやってきたのを見て、ほっと胸を撫で下ろしていた俺だった。
その後、ホテルで用意された食事を済ませて俺達は、一端部屋へと戻って園内のガイドブックを手にして、再び出かける準備を済ませて俺達はロビーへと集合する事になった。
ロビーに来てみると、俺の他はまだ誰も来ていないようだったので、俺はガイドをめくりつつ皆がやってくるのを待っていた。
「お待たせ、慶一くん。皆ももうすぐ来ると思うわ。」
ガイドを見ていた俺にそう声をかけてきたのは、準備を済ませて一番にやって来たかがみだった。
「お?流石に早いな、かがみ。今日はどこを回ってみるとか、もう決めてあるのか?」
そう尋ねる俺に、かがみは”にしし”と笑うと
「まあね。絶叫マシン系を中心に攻めようかな、と思ってるのよね。もちろん慶一くんにも付き合ってもらうけどね。日下部から聞いてるわよ?前に日下部達と遊びに行った時に慶一くん、ジェットコースターの不意打ちにかなり面白いリアクション見せてたって。」
その言葉に、あの時の不覚を思い出した俺は顔を赤くしつつ
「みさおの奴め、余計な事を・・・あ、で、でも、勘違いはするなよ?不意打ちに驚いただけであって絶叫マシンが怖いって訳じゃないんだからな?一応誤解のないように行っておくけどさ。」
そう言い訳する俺に、かがみは益々嫌な笑みを浮かべながら
「ふーん?まあ、そういう事にしておいてあげようかしらね?何にしても、私達の時も面白いリアクションを期待してるわよ?」
そう言うかがみに俺は、ただただ苦笑するしかなかった。
そうこうしているうちに他の皆もやってきた。
「お待たせー。ゆーちゃん達ももうすぐ来るよ?皆が揃ったら早速出発だね。」
「ねえ、こなちゃん。絶叫マシン系、わたしも付き合わなきゃだめ?わたし怖いの苦手だよ~・・・。」
「ふふふ。やると決めたからには皆で行くよ。でも、心配はいらないって。私達も一緒だしさー。」
「泉さん、お手柔らかにしてあげてくださいね。私は興味がありますし、それ程絶叫マシン系は苦手ではありませんのでいいのですけど。」
「ヘえ?それは以外だね?みゆきさんの事だからてっきりこういうのは苦手なのかと思ったよ。」
「うふふ。実は母と一緒に行った時に母も怖いもの見たさで絶叫マシンには乗るのですけど、私よりも怖がる母を見ていたら、そのうちに私のほうがあまり怖くなくなってしまったんですよね。ある意味母のおかげで絶叫マシンの恐怖を克服できたような感じですけど。」
そう言うみゆきに俺は感心しつつ
「へえ?あのゆかりさんがねえ・・・。なんか、みゆきがしっかり者になったりする理由がわかる気がするな。」
その言葉にみゆきは、顔を赤くして照れながら「きょ、恐縮です・・・。」と言うのを見て、俺達も笑顔を向ける。
そうこうしているうちに他のメンバーも集まって来た。
「お待たせ、慶ちゃん。時間まだ、大丈夫かな?」
「わりい慶一、私がちょっと部屋に忘れ物しちゃって、あやのに付き合ってもらってたゼ。少し遅れちまったけど、何とか間に合ってるよな?」
と言うあやのとみさおの2人に俺は頷きつつ
「ああ。他にまだ来てない人もいるし、充分間に合ってるから大丈夫だぞ?」
そう言う俺に、2人共ほっとしたような表情を見せていた。
そして、そのすぐ後にこう率いる2年生組がやって来た。
「お待たせしました。2年生組到着です。」
「今回は中々早かったわよ?こう。普段からもこうしていてもらえるととても楽なのだけど。」
「相変わらずきついね、やまとさん。」
「まあ、やさこの普段の行いってやつじゃないかなー?」
と俺に一応の到着報告をしたこうだったが、他のやまと、みく、たまきに痛い所を突かれたこうは、涙目になって凹んでいた。
「お待たせしましたー。私達も到着です。皆さん、待ちましたか?」
「・・・とりあえず、間に合ったみたいだね・・・。」
「パティ、ガイドブックはちゃんと持ってきたよね?」
そう指摘するひよりに、パティも手持ちのバックからガイドブックを取り出して
「もちろんデス!このトオリヌカりはありまセン!ハリキってイくですヨ!」
と、相変わらずのテンションのパティにいずみも圧倒されつつ
「あ、あはは・・・いつもながらテンション高いね、パーさん。とりあえず、こちらも準備良しですよ?先輩。」
若干引き気味に笑顔を引きつらせつつも、俺にそう報告してくれるいずみに頷いて
「よし。全員揃ったみたいだし、今日1日楽しんで、俺達の思い出を作って行くとしよう。それじゃ皆、行こうか!」
俺のその言葉に皆もテンション高く「「「「「「「「「「「「「「「おー!!」」」」」」」」」」」」」」」
と声を上げて、幸運の招待状の最後の1日を楽しむ為に、園内に繰り出していく俺達だった。