らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

135 / 157
大集合の旋律~大人数の勉強会初日~

ゴールデンウィークもスタートする今日から俺達は、宿題の片付けと共に勉強会もして、ゴールデンウィークの後半にはみさお達との約束も果たす為に頑張る事となった。

 

前日にやっぱりというかなんというか、こなたがやってきたのだが、それだけでは済まず、かがみ達もまた、俺の家へとやってきた。

 

以前以上に騒がしい勉強会前日ではあったけれど、俺はそんな出来事さえも楽しいと思えるようになっている事に、(俺も慣れてきたものだよな・・・。)と心の中で思いつつ苦笑していた。

 

そして、次の日の朝、いつも通りに目を覚ました俺は、着替えを済ませ、顔を洗うと、キッチンへと顔を出しに行く。

 

キッチンを覗き込むと、3人の楽しそうな話し声が聞こえた。

 

「・・・よしっと・・・それじゃみゆきさん、そっちお願い。」

「・・・ました。それではこちらはやっておきますね。」

「・・・なた、こっちは私がやっていいのよね?」

 

と、なにやら朝食の準備らしい事をやっている3人に俺は、挨拶も兼ねて声をかけていた。

 

「おはよう。こなた、かがみ、みゆき。3人共朝食の準備してくれているのか?」

 

そう声をかけると、俺の声に気付いたこなたが俺の方に顔を向けると

 

「あ、おはよー。慶一君。うん、皆で話し合ってここにいる間は当番制でやろう、って事になってさ。初日は私達3人がやる事になったんだよね。」

 

笑いながら説明するこなたに俺は

 

「なるほどな。よし、なら、今回は俺も一緒にやらせてもらっていいか?毎回家に来てくれる度に皆に頼らせてもらっていたしな、たまには俺もやらないと、って思ってたんだ。」

 

そう言うと、こなたとかがみは

 

「え?いいよ、いいよ。私達でやるって決めたんだしさ。」

「そうよ。ここは私達に任せて?」

 

そう断ろうとした2人だったが、みゆきだけは

 

「そうですか?ならお手伝いしていただいて構いませんか?」

 

そう切り替えしてきたので、俺はその言葉に頷いて

 

「ああ。それじゃ、何をすればいいのか教えてくれ。」

 

そう言うと、かがみとこなたは少し慌てながら

 

「み、みゆきさん?いいの?」

「そ、そうよ。今回の事だって私達でやるって決めたのよ?」

 

そう言う2人にみゆきは、いつもの微笑みを2人に向けながら

 

「いいんです。それが私達が慶一さんの家でお世話になるための条件なんですから。それが本人の意思であるならば、その意思を尊重する、っていう私達の、なんですよ。常に自然体でいる事、それが慶一さんのおっしゃられた事なのですから。」

 

その言葉に戸惑う2人に俺は、笑いながら補足する。

 

「ま、そういう事さ。今回の俺の手伝おうという意思も気遣いからじゃなく、俺がやりたいから、っていう俺の意思だって事だよ。」

 

その説明に2人はまだ少し納得していないようなそんな感じだったけど、それでも俺の方を向くと

 

「そういう事なら、私もその慶一君の意思って奴を尊重するしかないねー。」

「まあ、あんたがそれでいいって言うなら、それ以上は言っても仕方なさそうね。わかったわ、一緒にやりましょ?」

 

そう言ってくれたので、俺もその言葉に満足気に頷くと、早速、3人と一緒に朝食の準備を始めたのだった。

 

俺は、いつも自分が使っているエプロンを取り出して身につけ、まな板を用意すると、こなた達に頼まれた野菜の下ごしらえを始めた。

 

野菜サラダ用の野菜を切っている時、自分達の仕込を終えた3人は俺の方を見ていたのだが、俺がその視線に気付いて3人に

 

「ん?どうしたんだ?3人共。俺の手順に何かおかしな所、あったか?」

 

そう尋ねると、こなたはニヤニヤしながら

 

「いやー。慶一君のエプロン姿ってのもなかなか萌えるなあ、って思ってさー。それに、慶一君の料理してる所って初めて見るけどさ、結構上手いな、って思ってねー。」

 

その言葉に俺は照れて顔を赤らめつつ

 

「も、萌えるとか言うな!まったく・・・。そういやこなたの前で料理してる所見せるのは初めてだっけな。でも、お前に褒めてもらえるのなら、少しは自信になるな。何しろ、家事の経験ではお前の方が圧倒的に上なんだしな。」

 

そう言うと、こなたも少しだけ顔を赤くしつつ

 

「あはは。ま、まあ、そう言われると照れちゃうね。でも、私から見ても慶一君、中々の腕だと思うよ?冗談抜きにさ。」

 

その言葉に俺は内心、嬉しさを感じつつ「はは。ありがとう、こなた。」と礼を返していたが、そんな俺達のやり取りを見ていたかがみが

 

「うーん・・・。私は慶一くんの料理してる所を見るのは2度目だけど、あの時に比べて更に腕が上がってるような気がするわよ?私から見てもさ。」

 

その言葉に俺は更に照れつつ

 

「そ、そうかな?何にしても少しでも成果が出てるのなら嬉しい物だけどな。とはいえ、レベルがあがってるんだとしたら、それは家にいるグルメな同居人のおかげかも知れないけどな。」

 

そう返すと、かがみは俺の最後の方の言葉に

 

「グルメな同居人、ってひょっとしてパトリシアさんの事?」

 

そう聞いて来たので、俺はその言葉に頷くと

 

「ああ。あいつの舌を満足させるために、みゆき達が来るまでの間はパティのかけるプレッシャーを跳ね除けるために前以上に努力するようになったからなあ・・・。」

 

そう説明する俺に、かがみとこなたは驚きの表情を見せつつ

 

「なるほどね。慶一君にとってのいい練習台が出来たって事か。それなら納得だね。」

「うーん・・・慶一くんが更に料理の経験積んでしまったら私達の立場がなくなりそうかも、それはちょっと悔しいかなあ・・・。」

 

と、それぞれに感想を述べる2人に俺も苦笑していた。

 

そんな俺達のやり取りを見ていたみゆきが

 

「私も慶一さんのお料理をしている所を見るのは初めてですが、私も見習いたい程ですね。まだまだ私も練習不足を痛感してますから・・・。」

 

と、そう言いつつも、自分の今の料理のレベルを思い出しつつ、少しだけ落ち込む表情を見せるみゆき。

 

俺はそんなみゆきに

 

「そんな事はないぞ?俺を元気付けてくれたあの時に作ってくれたハンバーグだって美味かったからな。みゆきも大分レベルがあがってると俺は思うし、そこは自信持っていいと俺は思うけどな。」

 

そう言うと、みゆきも俺の言葉に少しだけ元気を取り戻してくれたようで

 

「そ、そうですか?そう言っていただけるのでしたら、私にとっても、励みになります。あの、慶一さん。また機会がありましたら、私の練習の成果を見ていただいても構いませんか?」

 

と、おずおずと俺にそう言ってくるみゆきに俺は戸惑いながら

 

「そ、それは構わないけど、いいのか?お前の練習の成果を見るのが俺で。」

 

そう尋ねると、みゆきはにっこりと笑って頷きながら

 

「もちろんです。是非お願いしたい所です。」

 

そう言うみゆきに俺も照れくさくなって苦笑していた。

 

そんな俺達のやり取りを見ていたこなたとかがみも慌てるように

 

「そ、それなら私も新作の料理とか作った時には試食してもらってもいい?」

「わ、私も新しく何か作れるようになったらお願いしてもいいかな?」

 

という2人の勢いに押されつつ、俺はこくこくと頷いて

 

「わ、わかった、わかった。お前ら2人の方も俺でよければ協力させてもらうから、とりあえず落ち着いてくれ。」

 

そうなだめるように言うと、2人は落ち着きつつそれでいて少し嬉しそうな顔で、心なしかほっとしているようにも見えた俺だった。

 

そんなやり取りをしつつ、朝食の準備を済ませる頃、他の皆も徐々に起き出してキッチンへと顔を出しに来た。

 

「おはようございます。先輩達、今日は朝食の当番、ご苦労様です。って、あれ?先輩のその格好、まさか一緒に準備をしてたんですか?」

「おはよう、先輩達。今朝はお世話になるわ。あら?そういえば珍しい姿ね、先輩。」

 

そう言って、まずやってきたのはこうとやまとの2人だった。

 

「おはよう、八坂さん永森さん。明日はよろしくね?」

「おはよう2人とも。慶一くん、自分からやらせてくれって言ってきたから、協力してもらったのよ。」

「おはようございます。かがみさんの言うとおりなんですよ。私達はそんな慶一さんの意思を尊重した、という訳なんです。」

 

という、かがみとみゆきの説明に俺も頷いて

 

「まあ、そういう事さ。こう、やまと。他の皆はどうしてる?」

 

こうとやまとの2人に返事を返してからそう尋ねてみると、2人は

 

「成る程、そういう事ですか。さっきちらっと洗面所の方を見て来ましたが、小早川さんと岩崎さん、そして、峰岸先輩の姿は見かけましたよ?つかさ先輩、みさお先輩、ひよりんとパティの姿はまだない感じででしたけど。」

「こうの言うとおりね。つかさ先輩達はまだ寝てるんじゃないかしら。」

 

という2人の言葉に俺は、軽いため息をついていたが、そこに遅れてあやの達がやってきた。

 

「おはよう、慶ちゃん、皆。みさちゃん達を起こしていたら少し遅れちゃったわ。」

 

という言葉の後にみさおとつかさが眠そうな顔でやってきて

 

「ふあー・・・おはよー慶一、皆ー・・・ああー・・・眠い・・・。」

「むにゃ・・・おはよう~・・・。なんだかまだ眠いよ~・・・。」

 

と、そう眠そうな顔で言う2人に俺は苦笑しながら

 

「あー・・・おはよう、2人とも。眠そうなのは分かるが、とりあえず席についてくれ。後は、ゆたか達が来れば揃いかな?」

 

そう言う俺だったが、その言葉の直後にゆたか達もキッチンへとやってきたのだった。

 

「おはようございます。パティちゃんとひよりちゃんを起こして来ましたよ?」

「・・・おはようございます・・・。これで全員揃いましたね・・・?」

「ふああ・・・おはようございます。お?中々いい匂いっスね?」

「グッモーニン!ミナサン!!オウ!キョウのブレックファーストはケイイチもテツダったんデスね?」

 

という4人に俺は頷きつつ

 

「おはよう。ゆたか、みなみ、ひより。まあ、そういう事だな、パティ。とりあえず全員そろったなら朝食にするとしよう。」

 

俺の言葉に全員が席に着くと、「「「「「「「「「「「「「いただきまーす」」」」」」」」」」」」」という全員の掛け声と共に朝食が始まった。

 

今日の予定やこれからの事を話題にしつつ、朝食を済ませた俺達は、さっそく勉強会の為に昨日の晩に掃除を行ったあの大部屋へと勉強道具を持ち込んで準備を済ませた。

 

その頃には時計を確認すると、丁度9時を示してたのだが、いずみ達が来るのは10時頃と言う事だったので、俺は冷蔵庫をチェックして、食材の買い置きの状態を調べてみた。

 

とりあえず、お昼はこれじゃ足りなそうだと判断した俺は、いずみ達が来る前に買い物をしてしまおうと思い、部屋に財布を取りに行こうと踵を返した時、俺はこうとひよりに声をかけられた。

 

「あれ?先輩。どうしたんですか?何だか冷蔵庫覗いていたみたいですけど?」

「お昼のメニューでも考えていたっスか?」

 

と言う2人に俺は頷きつつ

 

「ん。ちょっと食材の在庫状態を見てたんだ。お昼は更に大人数になりそうだしな。今チェックした感じじゃ足りなそうだと思ってな。今のうちに買い物しとこうと思ってたんだが、丁度いい。お前らも買い物に付き合ってくれないか?」

 

そう事情を説明した後に2人に買い物に付き合って欲しいと声をかけると、2人は驚きつつ

 

「え?そ、それは構いませんが、私達でいいんですか?」

「そ、そりゃ、お役に立てると言う事でしたらいいっスけど。」

 

と言う2人に俺は頷くと

 

「ああ、構わないさ。それじゃ、出かけられる準備したら玄関に集合な?皆もやってくるからあまり時間をかけるわけにもいかないし、とっとと行ってとっとと帰ってくるぞ?」

 

そう言うと、2人は

 

「わ、分かりました。すぐ用意してきますね?」

「こうしちゃいられないっス!!急ぎましょう、こうちゃん先輩!」

 

そう言って、大慌てで自分らの部屋へと走って行くのを見届けた俺は、自分の部屋へ財布を取りに行きつつ、他の皆に買い物に出る旨を伝えると、玄関で2人が来るのを待っていた。

 

そして、しばらくすると、準備を終えた2人が玄関へとやってきて

 

「お、お待たせしました。それじゃ早速行きましょう。」

「ふーっ・・・何とか間に合ったっス。」

 

と言う2人に俺も頷きつつ

 

「ちょっと急かしすぎたかな?ともあれ、早速行くとしよう。」

 

と言う俺の言葉に2人も頷くと、俺達は揃って買い物の為に家を出たのだった。

 

その頃、勉強会で使う予定の大部屋では・・・・・・

 

ゆたかside

 

「ふう。とりあえずこれで準備は出来たね。みなみちゃん、パティちゃん。」

 

そう言いながら、私は部屋の簡単な掃除を手伝ってくれた2人に声をかける。

 

「・・・そうだね。後は、皆が集まるのを待つだけだし、少し休憩しよう?ゆたか、パティ・・・。」

 

みなみちゃんが、そう、パティちゃんに言うと、パティちゃんも頷いて

 

「そうですネ。アトはミンナがソロウまでのんびりしていまショウ。そういえば、サッキからケイイチとコウとヒヨリのスガタがミえませんネ?」

 

と、ふと3人の姿が見えない事にパティちゃんも気付いたようだった。

 

「そ、そういえばそうだね?みなみちゃんは気付いた?」

 

そう尋ねてみると、みなみちゃんも首をフルフルと振っていた。

 

みなみちゃんに尋ねつつも、私もその事は少し気になったのだけど、そこに永森先輩と高良先輩がやって来て

 

「小早川さん、岩崎さん、パトリシアさん。先輩はこう達と一緒に買い物へと行ったわ。」

「なんでも、お昼の食材が不足しているから買ってくる、との事ですが。」

 

そんなお2人の言葉を聞いて、先輩達の行方もわかり、ほっとしてたけれど、そこに更に峰岸先輩とつかさ先輩がやって来て

 

「慶ちゃん達がいないみたいだったからどうしたのかな?と思ってたけど、そういう事なのね?なら、妹ちゃん。私達はこれから来る皆の為にお茶の準備をしておかない?」

 

と、峰岸先輩がつかさ先輩にそう言うと、つかさ先輩もにっこりと笑って頷きながら

 

「そうだね~。それじゃ私達でお茶受けのクッキーでも焼いておこうよ。いこ?峰岸さん。」

 

お茶受けを一緒に作ろう、と、つかさ先輩は峰岸先輩に声をかけ、その言葉に峰岸先輩も「そうね。いきましょうか。」と言って頷くと、つかさ先輩と一緒に部屋を出て行ったのだった。

 

2人の先輩を見送った私達は、永森先輩達と、中断していた勉強の準備を再開させたのだった。

 

その後に、こなたおねーちゃんとかがみ先輩も部屋へとやって来て、皆と一緒に下準備を済ませたのだった。

 

慶一side

 

こうとひよりを連れて買物に来た俺は、2人にも買い物リストを分けて、手分けして食材を集める事にしたのだった。

 

「食パンは入れたし、ハムもオーケーだな。野菜を任せたこうと、缶詰を任せたひよりはそろそろ戻る頃かな?」

 

と呟いた時、丁度頼んでいた食材を集めてきたこうとひよりが戻って来た。

 

「先輩。頼まれていた食材確保してきましたよ。これでいいですかね?」

「私もバッチリっス。先輩、確認してみてください。」

 

そう言って、カゴを差し出す2人の集めて来た物をチェックし、全て揃っている事を確認した俺は、2人に

 

「ご苦労さん。頼んでいた物はちゃんとあるよ。後は会計を済ませて戻るとしようか。」

 

そう言うと、2人とも頷いて一緒にレジまで行くと、順番待ちをしている時に2人が俺に話し掛けてきた。

 

「先輩。集めた食材から予想したんですが、ひょっとしてサンドイッチを作ろうって考えてるんですか?」

「こうちゃん先輩は慶一先輩が作ろうとしているものの予想がついたっスか?それで、先輩、正解なんですか?」

 

という2人に俺は頷いて

 

「こうの言った通りだな。手軽にサンドイッチを作ろうって思ってる。具も色々選べるし、手軽だし、いいだろ?こういうのもさ。」

 

そう言うと、2人とも頷いて

 

「そうですね。私も色々作ってみたいですよ。あ、そうだ。先輩にも試食をお願いしちゃおうかな?」

「私はツナサンドとかが結構好きっスよ?ツナにマヨネーズと後レタスを挟むのもいいっスよねー?」

 

と言う2人に俺は笑いながら

 

「なら、こうの腕前拝見と行こうかな。それと、ひより。それも美味そうだな。俺も今度やってみるか。」

 

そう言う俺の言葉に、2人とも満面の笑みで頷いていた。

 

そして、会計も済ませて家に戻る道すがら、俺誰かに声をかけられた。

 

「あ、先輩、やさこ、ひよりんも。ここで会えるとは思っていませんでしたが、その様子だと買い物帰りみたいですね?」

「ずいぶん大荷物だよね?何が入ってるんですか?」

「私もちょっとだけ気になりますね。」

 

と言う声の主は丁度、俺の家へと向かっていたみくとたまきといずみの3人だった。

 

俺達は3人に

 

「おう。まさかここで会えるとはな。とりあえず今日の昼御飯の食材が足りなそうだったからな。補充しに行って来た所さ。まあ、せっかくだし、一緒に行こうぜ?3人とも。」

「おー。3人共おはよー。先輩の言った通りだよ。一緒に買い物してきたんだー。」

「みく先輩、たまき先輩、委員長。おはようございます。」

 

そう挨拶すると、3人共も頷いて

 

「そうでしたか。そうですね、それじゃ先輩、エスコートお願いします。」

「今日から3日間よろしくお願いしますね?」

「お、お世話になります、先輩。」

 

そう言う3人に俺も頷くと、こうとひよりの外に3人を伴い、家へと帰った。

 

家へと戻ると、俺達を、こなたとかがみが出迎えてくれ、2人は俺達から食材を受け取ると、早速キッチンへと食材をしまいにいってくれた。

 

俺は、こうとひよりに勉強の準備をしておくように伝えて、みく達を伴い、勉強部屋へと案内する。

 

「3人共、こっちだ。この部屋でちょっと待っててくれ。俺も準備してきちゃうから。」

 

3人を部屋に通してから、俺はみく達にそう言うと、3人共頷いて部屋へと入って行くのを見送ってから、俺も勉強の準備をするために自分の部屋へと勉強道具や宿題を取りに行く。

 

そして、勉強の準備を終えて大部屋へ戻ってみると、全員が部屋に揃っていて、勉強会の準備も完了と相成った。

 

「よーし。それじゃ、これから始めて行くぞ?まずは各自、各学年ごとに教えあいながらやって行くんだ。その中でどうしても分からない事があったりする場合は俺達に聞いてくるように。それと、前にも教えた通りの勉強の仕方でやっていくから、そのつもりでな。それじゃ、@1分後にスタートだ。皆、行くぞ?」

 

そう言うと、皆も頷いて、勉強会のスタートを待つ。

 

そして、そこからきっかり1分後、勉強会のスタートとなった。

 

「よし、それじゃ始め!」

 

と言う俺の合図と共に始まる勉強会。

 

皆もそれぞれの学年ごとに固まって勉強と宿題を始める。

 

ゆたか達1年side

 

慶一先輩の合図と共に、私達の勉強会が始まった。

 

私達はまず、宿題から手をつけて勉強を進めて行く。

 

「えーっと・・・ここはこうだから・・・あ、これでいいのか。」

「・・・この訳は・・・こうだね・・・。」

「うーん・・・この数式は、っと・・・うう、難しいっスね・・・。」

「ウウ・・・二ポンのシャカイもムズかしいデス・・・まだまだワタシにはタイヘンなブブンあります

ネ・・・。」

「難しいなー・・・私本当によくこんなレベルの高い学校に合格できたなあ・・・。」

 

私達はそれぞれそう言いながらも自分達の勉強を進めた。

 

そして、集中して30分の最初の休憩時間まで、私達は頑張ったのだった。

 

2年生side

 

仲間達と共に始まった勉強会。

 

私達はそれぞれに得意な教科から勉強を進める。

 

「ここの漢文はこうだから・・・と。」

「ここの化学式はこうで合ってるわよね?後は・・・。」

「ここの数式をここに当てはめるとこうだから・・・。」

「・・・年には・・・が起こって・・・それで・・・。」

 

と、それぞれに効率良く勉強を進めて、最初の休憩時間まで突っ走った私達だった。

 

3年生side

 

俺達は、この勉強会も何度かこなしてきた事もあり、ある程度の慣れもあったので、いつも通りに事を進めていった。

 

行ったのだが・・・やっぱり例の3人はいつも通りだった。

 

「慶一君、ごめんねー?また宿題見せてもらちゃってさー。でも、やっぱり人数増えると、何だか前以上にプレッシャー感じるよー・・・。」

「はうう・・・わたしも~・・・。なんだかやりにくいかも・・・。」

「昨年の時はもっとちびっこ達だけがいたんだけど、今回は八坂達もいるしなー・・・余計になんだかみっともない所見せたくないって思うかも・・・。」

 

そんな3人にかがみは呆れたような口調で

 

「・・・まったく、あんたらは今頃気付いたの?そうよ?私たちの後輩達にみっともないとこみせたくないなら精々がんばんなさい。あんたたちに少しでもプライドって物があるならね?」

 

と、ニヤニヤしつつそう言うかがみに、3人共大分凹んでいるようだった。

 

「分からないところ等は私たちもフォローしますし、がんばりましょう。泉さん、つかささん、日下部さん。」

 

かがみの物言いに苦笑を浮かべていたみゆきが、いたたまれなくなって3人にそう声をかける。

 

更にあやのも

 

「そうね。私も及ばずながら協力するわ。だから、遠慮なく頼ってね?」

 

と、3人だけでなく、みゆきのフォローに廻っていた。

 

俺もそんな2人を見ながら

 

「俺もいるし、かがみもいるからな。とりあえずは大丈夫だろ。なあ?かがみ。」

 

そうかがみに話を振ると、かがみは”はっ”と我に返って

 

「え?あ!そ、そうね。ま、まあ、そう言う訳だから、あんたらもがんばんなさい。」

 

と言う、いかにも慌てて取り繕ったようなかがみに、こなたとみさおがニヤニヤしながら

 

「かがみー?今更良い子ぶっても誤魔化せないよー?ちゃんとかがみのテンパった所見てたからね?」

「そうだぜー?柊ー。ちゃーんと恥ずかしい所見せてもらったかんな。」

 

と言う2人にかがみは顔を真っ赤にしながら

 

「う、うるさい!!あんまりからかうとあんたらの勉強と宿題、見てあげないわよ!?」

 

と、慌てながら言うかがみにこなたは「照れるかがみ萌えー。」と追い討ちをかけて、かがみに鉄拳を脳天に叩き込まれているのを、俺は苦笑しながら見ていた。

 

そんな風にして、最初の休憩時間まで俺達は頑張っていたのだった。

 

そして、30分後に休憩をして、俺達は更に勉強を進めて行った。

 

4回目の30分が来ると、もう時間的にお昼になっていたので、俺達はお昼休憩を取ることにした。

 

お昼のメニューは先程買い物してきた食材でサンドイッチを作る事となり、皆それぞれに好きな具を挟んでサンドイッチを作り、食べたのだった。

 

その後は十分に昼休み休憩を取って、再度勉強を再開。

 

そのまま夕方5時くらいまで俺達は勉強を続けていた。

 

そして5時になり、今日の勉強会はこれで終了と言う事になった。

 

俺は、みく達を部屋へと案内して、荷物をそこに置いてもらい、皆で改めて軽くそれぞれの部屋の掃除をしたり、夕食の準備をしたりと動き回った。

 

今日の夕食の当番は、つかさとあやのとやまとが担当してくれた。

 

夕食を終えて、俺達はリビングに集まって今日の反省をしたのだった。

 

「さて、とりあえず初日は済んだわけだけど、みんなの成果はどうだ?」

 

と俺が皆を見回しながら聞くと、まずは3年生組が

 

「私は宿題メインで進めたよ?大分進んでるから、明日中には終わらせたいねー。」

「私はむしろ、自分の勉強を優先したわ。宿題は後でも大丈夫そうだしね。」

「わたしも宿題をメインにしたよ?私もこなちゃんと同じく明日中には終わらせたいな~。」

「私は半々で進めて行きました。どちらも良いペースだったと思います。」

「私は勉強メインね。宿題はそれ程慌てなくて大丈夫そうかな?」

「私は宿題の方だな。とにかくそっちを先に終わらせてえしなー。」

 

と、報告してくれた。

 

俺はみんなの言葉に頷きつつ

 

「ふむ。なら、こなたとつかさとみさおは宿題を先に終わらせていくのがいいだろうな。かがみとみゆきとあやのは自分のペースで行けばいいだろう。俺もまあ、宿題は勉強会前日に遅くまで頑張って終わらせてるし、勉強の方を進めて行くか。じゃあ、俺達は明日もそう言う方向で行こう。」

 

そう言うと、3年生組は頷いて、次の日の方針固めを終えたのだった。

 

次に2年生組は

 

「私は今日は勉強メインで宿題は手をつけていないので、明日以降で、ですかね?」

「私もそうね。宿題も量はそれ程でもないから、慌ててはいないわ。」

「私は今日は少しだけ宿題も進めました。明日は宿題メインで行こうかなと。」

「私もやさこと永森さんと一緒ですねー。宿題は後でもオーケーです。」

 

と報告してくれたのを聞いて俺はその報告に頷きつつ

 

「そうか。なら、こう達も思う通りに進めて行けばいいだろう。明日も頑張ろうな。」

 

そう声をかけると、こう達も頷いていた。

 

最後に、1年生組の報告も受けた。

 

「私は先に宿題を進めました。先輩、明日はちょっと宿題と勉強の方を見てもらっても構いませんか?」

「・・・私も、出来る事ならお願いしたいです・・・いくつか分からないところもありましたので・・・。」

「私もお願いしたいっス・・・。とりあえず宿題は進みましたが・・・。」

「ニホンシ、コブン、コクゴ、セカイシ、ムズカしいデス・・・ワタシのホウもヘルプです!」

「・・・うう・・・恥ずかしいですが、私もお願いします・・・お手数かけてすみません・・・。」

 

と言うゆたか達に俺は

 

「ああ。余裕が出来たら教えに行くよ。それまでは出来るところは頑張ってな。パティの方は少々苦労しそうだが、そっちもとりあえずは任せておけ。最悪はかがみとみゆき、あやのにも協力を頼むかもだがな。」

 

そう言うと、ゆたか達もほっとしていたようだった。

 

そして、かがみとみゆきとあやのは

 

「・・・ふう。まあ、後輩の面倒を見るのも先輩としての務めよね。いいわ。私も協力するわよ?」

「私も協力させてもらいますね。皆さんで勉強会を成功させましょう。」

「私も頑張らせてもらうわね。慶ちゃんもいれて4人でならなんとかなるだろうし。」

 

そう言ってくれたので俺は3人に改めて

 

「すまないな。ともかく、みゆきの言うとおり、皆で協力しあってこの勉強会を成功させよう。そして、ゴールデンウィーク開けのテストできっちり成果を出して行こうぜ?」

 

そう言うと、皆も俺の言葉に力強く頷いて、それぞれに決意を新たにしているようだった。

 

俺は、そんな皆の様子を見て安心するとと共に、とりあえずの初日のクリアにもほっとしていたのだった。

 

まだまだ大変な勉強会はまだ始まったばかり。

 

俺は気合を入れなおして挑もうと思うのだった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。