らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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広がる旋律~驚愕、俺が仮部長!?~

四重奏との再会、新たにみさお、あやのという旋律が加わり、なおかつ加わるのが必然だったこうと、本来はこの旋律に加わる予定のなかったやまととの衝撃の再会の一件から数日、俺はそれなりに学園生活を満喫していた。

 

今日も俺はかがみに誘われてこなた達のいるクラスへ一緒に昼食を取るために2人で教室を後にしようとしていたが、なんだか不満顔のみさおとそんなみさおを困った表情でみているあやのに声をかけらた。

 

「柊、慶一ー、たまには私達ともいっしょに飯食おうってヴァ。付き合い悪いぞー?」

 

不機嫌な顔で俺達に文句をいってくるみさお。

 

そんなみさおをあやのはよしよしと嗜めながら

 

「仕方ないわよみさちゃん。柊ちゃんも慶ちゃんも私達以外にも付き合いあるんだし。」

 

と、そう言っていたが、それでもみさおはまだ納得してないようで

 

「けどさー、あやのー・・・。」

 

と、言いながらなおも不満そうな表情をこっちに向けていた。

 

俺はそんなみさおの顔を見ながら苦笑しつつも、このままだとみさおが延々ぶーたれてそうなので俺は

 

「今度はこっちにも付き合うからそうむくれるなよ、みさお。あやの、みさおの事よろしくな?」

 

あやのにそう言うと、かがみもそんなみさおの言葉に呆れたように溜息をつきながら

 

「・・・まったく。あんたにも全く付き合わない訳じゃないんだから、少しは峰岸や慶一くんの言う事を聞き分けなさいよ?」

 

そう言ってみさおに追い討ちをかける。

 

かがみに突っ込まれたみさおは俺達のその言葉に落ち込んだような表情を見せながら

 

「ヴァ〜・・・。」

 

と言いながら黙ってしまった。

 

それを見た俺とかがみはやれやれといった感じで再び軽くため息をつきながら

 

「とりあえず行くか、かがみ。」

 

そうかがみに声をかけると、かがみも俺の言葉に頷いて

 

「そうね。いきましょ?慶一くん。」

 

そう言い、2人して頷き合うと自分の教室を離れこなたのクラスへと向かうのだった。

 

そしてこなたのクラスに到着すると教室のドアを開けながらかがみはこなた達に挨拶をした。

 

「おーす。こなた、つかさ、みゆき、来たわよー?」

 

それに続いて俺も皆に挨拶をする。

 

「こなた、つかさ、みゆき、弁当持ってきた。とりあえず食おうぜ?」

 

そんな俺たちの声に反応して挨拶を返す3人

 

「やほー、かがみ、慶一君、待ってたよー?」

「おねえちゃん、けいちゃん、いらっしゃい~。」

「お待ちしていました。さあ、食べましょう。」

 

と、三者三様の挨拶をしてくれた。

 

ちなみにつかさが俺を”けいちゃん”と呼んでいるのは慶一だと呼びにくいと思ったつかさが、こなたやみゆきを呼ぶように俺につけたニックネームなのだと言う事だそうだ。

 

まあ、あやのにもそう呼ばれているから今更気にはしないが・・・。

 

そうこうしているうちにいつもの昼食が始まった。

 

「慶一君は相変わらずお弁当おいしそうだね。つかさもだけどさ。」

 

俺の弁当を見つつ、つかさの弁当にも目をやりながらそう言うこなたにつかさも照れながら

 

「えへヘ、そんな事ないよ~。こなちゃんだって料理できるんでしょ?けいちゃんもお弁当作れるのは意外だったけど。」

 

そう答えるつかさにみゆきもつかさと俺の弁当を見比べながら

 

「つかささんも料理は得意ですしね。私は少し苦手なものですから。慶一さんも普通に出来てますよね?」

 

そう言っていたが、そんな俺達の様子を見ていたかがみは軽くため息をつきながら

 

「なんか、つかさはともかくこなたが料理できるってのは意外だったわ。私はその・・・あまり得意じゃない方だけど慶一くんのお弁当見てるとちょっと自信なくすかも・・・。」

 

そう言って少し落ち込み気味になるかがみ。

 

俺は、俺を褒めてくれたこなたとつかさとみゆきに

 

「俺は人並み程度の腕だよ。そういうこなたも毎回と言っていい程チョココロネだよな?そんなので足りるのか?とはいえ、俺もこなたが料理できるってのは意外だと思ったよ。つかさはともかくみゆきも苦手ってのは驚きだがな。」

 

そう言い、さらにかがみにも一応のフォローを入れておく。

 

「かがみ、そう落ち込むな。俺なんかよりも上手い奴だって一杯いるんだし、それに料理できる奴みんながみんな最初から上手いわけじゃないさ。俺だって最初はそうだぞ?つかさやこなただってそうだ。失敗を繰り返して上手くなったんだ。だから、かがみも経験さえ積めばきっとうまくなるさ。」

 

俺の言葉にかがみは俯いていた顔を上げると

 

「そうよね、何事にも経験よね。よかった、私が下手だって訳じゃないんだ・・・。」

 

そう言ったかがみは少し元気を取り戻したようだった。

 

俺の言葉につかさやみゆきもかがみを元気付けるように

 

「そうだよおねえちゃん。おねえちゃんだって頑張ればきっとうまくなるよ。」

「そうですよかがみさん。私も家事が苦手な事を少し気にはしていましたが、慶一さんの言葉で頑張ってみようって気になれました。」

 

そんな風に励ます2人の言葉にかがみは少し感激したようになって

 

「ありがとう、2人とも。うん。なんか少し元気でてきたわ。みゆき、お互いにがんばりましょう。」

 

そう言うと、みゆきもいつもの笑顔で頷きながら

 

「ええ、かがみさん。私もがんばってみます。」

 

そうかがみに答えるみゆきだった。

 

そんなやり取りをみていたこなたが俺にニマニマとした顔を向けながら

 

「いやー、上手い事まとめたねえ?」

 

そう言ってきたのを受けて俺は少し照れながらこなたの視線を避けて

 

「俺は自分の経験と一般論を言っただけだ。何も特別な事じゃないって。」

 

そう、こなたから顔をそらしながら言うと

 

「照れる慶一君萌えー♪」

 

などといってきたので俺はおもむろにこなたの額にデコピンをかまして

 

「萌え、とかいうな、まったく・・・。」

 

少し照れ隠しをしながらこなたに言った。

 

こなたはデコピン貰った額を押さえて涙目になりながら

 

「うう、慶一君ひどいよ・・・。」

 

と抗議の声を上げたがあえて俺は無視をした。

 

そこにさらにかがみがここぞとばかりに追い討ちをかけて

 

「自業自得だ。こなた、少しは懲りなさい!」

 

と突っ込みを入れるとこなたは泣き真似をしながらみゆき達に

 

「うわーん、みゆきさん、つかさー、かがみと慶一君が酷いよー。」

 

と言いつつ2人に抱きつくこなたに

 

「こなちゃん、どんまい。」

「泉さん、大丈夫ですか?」

 

と、お人好しな2人はそんなこなたを受け止めつつ苦笑しながらもフォローを入れたのだった。

 

俺はそんな光景をみながらクスクスと笑っていたがふいに教室の外から俺を呼ぶ声に気がついた。

 

「先輩ー、慶一先輩いますかー?」

 

その声に俺は慌てて席を立ち、教室の入り口へ走っていった。

 

そして声の主にいきなりデコピンをかまして

 

「恥ずかしいから大声で俺の名前を呼ぶな!」

 

そう言うと俺の知っている顔なじみの後輩は涙目で

 

「先輩酷いですよ、いきなり・・・。」

 

と抗議をしてきたが俺は何か用事があって来たのだろうと察したのでこうに尋ねて見ることにした。

 

「それで?今日は何の用事できたんだ?」

 

俺がそう言うとこうは教室の中を何気に見回し見知った顔を見つけさらに知らない2人に気付いたらしくニヤニヤとしながら

 

「先輩、さらに2人の女生徒ですか?中々隅におけませんねー。」

 

言い終わると同時に俺は再びデコピンを食らわせて威圧する表情でこうをみて

 

「お前は俺に何か用事があってきたんだろう?」

 

と再び今度はドスの聞いた声でこうに言うとこうは怯えて

 

「す、すいません、つい調子に乗りました。実はですね放課後にちょっと付き合って欲しい所がありまして。」

 

こうがおどおどしながら俺に言う。

 

俺はそんなこうの言葉に首を傾げつつ

 

「付き合って欲しい所?」

 

そう、俺が聞き返すとこうは頷きながら

 

「はい。先輩とやまとと星桜の樹の所で会ってから先輩に話した事がありましたよね?」

 

こうの言葉にあの衝撃の再会の後こうからの相談を俺は聞いていたのを思い出した。

 

こうの相談とはこういう物だった。

 

中学の頃からこうはあっち系の活動等が好きだったが中学ではその活動は出来なかった。

 

でも、高校に上がればその活動ができるかもしれない。

 

だから、その活動の場を作る事に協力をして欲しいのだと言う事だった。

 

「”あれ”の事か?やっぱりやる気なのか?」

 

俺はため息混じりにそう言うと、こうは大きく頷いて

 

「はい。この学校に来たらやってみたいと思っていた事ですから。」

 

こうは目を輝かせて俺に答える。

 

俺はその言葉に顎に手をあてて考え込みながら

 

「・・・それで?部室の検討はついてるのか?」

 

そう俺が聞くとこうはこくりと頷いて

 

「はい。部室の方は何とか・・・後は顧問と必要部員の確保が必要でして・・・。」

 

苦笑しながら答えるこうに俺は何となく嫌な予感を覚えたので

 

「まさか、やまとも巻き込んではいないだろうな?」

 

本当の事を言え!といわんばかりにこうに問い正してみるとこうはさも言いにくそうに

 

「あはは・・・なんと言いますか・・・散々説得して手伝ってもらうことに・・・。」

 

その、こうの言葉に俺は、これからのやまとの苦労を思い、心の中で手を合わせた。

 

「はあ、まったく仕方ないな・・・。それで顧問の方はあてはあるのか?」

 

俺がそう言うと再び頷き

 

「はい、物理担当の桜庭先生が引き受けてくれそうなんです。」

 

こうからでたその名前を聞いた時、俺は自分のクラスの担任であるちんまい先生を思い出した。

 

「うちのクラスの担任かよ・・・これはどういう陰謀だ・・・。」

 

そう言って頭を抱える俺そんな俺を見てこうは

 

「ええ!?先輩のクラスの担任の先生なんですか?なんという偶然・・・。」

 

と言って驚いていた俺は後で桜庭先生に呼ばれる事になるかもしれないな、と心の中で思いつつ

 

「それで?俺は後何をすればいいんだ?」

 

半ば諦めの境地になりつつこうに問い掛けるとこうは俺の言葉に頷いて

 

「はい。後は部室への資材の搬入のお手伝いと仮部長を務めていただきたいと。」

 

前半は普通に聞いていたが後半の仮部長の言葉に俺は驚いて

 

「仮部長!?どういう事だそれは・・・まさか、俺も巻き込むつもりか?こう。」

 

こうに詰め寄るとこうは申し訳なさそうな顔をして俺に言いにくそうに

 

「すいません先輩。部の立ち上げには部長と副部長、顧問の先生と何人かの部員がいるらしいんですよ。本当はとても言いにくかったんですが、それをお願いできるのは先輩しかいないと思って・・・。」

 

うつむきながらそう言ってくるこう。

 

最初は驚いていた俺だがこうのそんな顔を見ては断れないと思った俺は(観念するしかないか・・・)と心の中で思いながら

 

「・・・わかったよ、仮部長、引き受けるよ。だからそんな顔するな。」

 

俺がそう言いながらこうの頭をなでてやるとこうはおもむろに顔を上げて笑顔で

 

「本当ですか?ありがとうございます。無理を聞いてもらってすいません。」

 

そう言って喜ぶこうを見ながら俺は(そんな顔見せられたら嫌だとはいえないっての)と心の中で叫びつつとりあえず今の段階での最後の質問をする事にした。

 

「とりあえず放課後だな?俺はどこに行けばいい?」

 

と、放課後に行く場所を尋ねるとこうは

 

「とりあえず、職員室の前で待ち合わせましょう時間は・・・・・・。」

 

と、行く場所と時間の説明を受けたのだった。

 

こうから時間を聞いて俺はこくりと頷いて

 

「分かった、それじゃ放課後にな。」

 

俺がそう応えると、こうも再び笑顔になって

 

「はい、お願いします。」

 

嬉しそうに俺にそう言って、話もまとまったのでこれでお開きにしようとしたら、突然こなたに声をかけられた。

 

「ちょっとまったー!なんだか面白そうな話だね?」

 

と、興味深々の瞳で言うこなた。

 

そしてその後に続いて俺たちの話に割って入ろうとしたのを止めようとしたのだろう、かがみがこなたの肩をつかんで

 

「こなた、あんたは話の邪魔をしちゃだめよ?」

 

と突っ込むかがみ。

 

つかさも何だか良く分からない様相で俺とこうを見比べながら

 

「けいちゃん、その人だあれ?」

 

首を傾げつつとりあえず聞いてくるつかさ。

 

さらにその後ろからみゆきも顔を出してきて

 

「部活結成のお話ですか?」

 

少し話が聞こえたのだろう、俺にそう言ってくる。

 

俺はその4人を見て軽く溜息をつきながら

 

「何だお前ら、いつから話聞いてたんだ?」

 

と言うとこなたはにんまりと笑いながら

 

「最初からかなー?とりあえず八坂さん久しぶりー。」

 

とこうに挨拶するこなた。

 

かがみもそんなこなたの行動に呆れながらも

 

「まったく、あんたは・・・八坂さん、慶一くんごめんね?邪魔しちゃって。」

 

そう言って俺たち2人に申し訳なさそうに謝って来るかがみ。

 

そのかがみの言葉を聞いて、つかさはかがみが名前を呼んだ女生徒の事を知っていると思ったのだろう、かがみにその事を尋ねる為に

 

「おねえちゃんも知ってる人?」

 

と、つかさがそう尋ねるとかがみは頷いて

 

「ええ、そうよ。2.3日前だったかな?彼女は慶一くんと同じ中学の後輩なんだって。」

 

かがみがつかさにそう説明するとつかさはようやくこうの事を理解したようで

 

「へえ~?そうだったんだ~。私は柊つかさ、おねえちゃんとは双子の姉妹だよ?よろしくね。」

 

そう、こうに柔らかく笑って挨拶をした。

 

そして、みゆきも事情を把握したらしく

 

「まあ、そうだったんですか。私は高良みゆきです。八坂さん、でしたか?改めてよろしくお願いしますね。」

 

そう挨拶をしてきたのでこうもそんな2人に笑顔で挨拶を返した。

 

「あ、私は慶一先輩と同じ中学出身の八坂こうです。私の事は呼びやすいように呼んでくださって結構ですよ?それと、泉先輩に柊先輩、この前はどうもです。」

 

こうがそう言うと、こなたはゲームセンターでの事を思い出して

 

「私の事覚えていてくれたんだね?ゲーセンでのリベンジはいつでも受けるよ?」

 

親指をたててこうにそう言うのだった。

 

そんなこなたの言葉を聞いて呆れながらもかがみも

 

「あの時はごめんね?興味本位で話聞いちゃったけどさ、でもその様子だとうまくやってるみたいね?」

 

と、あの時の事を申し訳なさそうに謝っていた。

 

そんなかがみに対してこうは特に気にした様子もなく

 

「楽しみにしてますよ?泉先輩。それと柊先輩、あの時の事は気にしてませんから大丈夫ですよ。」

 

と、にっこり笑いながらこうが言うと、かがみはその言葉にほっとしたような表情を見せていたのだった。

 

一通り自己紹介が終わった所でこなたは

 

「所でさっきの話だけどさ、八坂さんは何の部活を作るつもりなの?」

 

そう言って先ほどの話をこなたが興味本位で聞いてきたので、こうはこなたの問いかけに頷きながら

 

「はい。実は、アニメーション研究部と言うものを立ち上げようと思っていまして・・・。」

 

こうはそう答えた。

 

するとこなたは少し興味ありそうな顔になって

 

「アニ研?面白そうだね。つまり慶一君はその部の立ち上げのために仮部長になるって事?」

 

と、こなたが俺に聞いてくる。

 

俺は軽いため息を一つつきながら

 

「まあ、そういうことさ。副部長はこうがやるとして部員にやまと、後はまだ未定って感じだな。」

 

こなたにそう言いながら俺はこなたがそういうものが好きだった事を思い出したのでこなたに

 

「こなた、お前もアニメとかそういった物が好きだっていってたよな?今回の件、協力してみる気はないか?」

 

と、だめ元で協力を要請してみたら、こなたは俺の言葉に少し考えこんで

 

「うーん、つまり私が部員にって事だよねえ?どうしようかなあ・・・帰るの遅くなったりしたらアニメとか見れないし、でも少し面白そうでもあるし・・・(何より慶一君もいるしなあ・・・)」

 

そうぶつぶつと言いつつこなたは腕組みしながら悩んでいたがとりあえずこうの方へと顔を向けると

 

「ねえ、八坂さん、具体的な活動ってどんな事するの?」

 

と、こうに活動内容について問い掛けるこなた。

 

こなたの問いかけにこうは人差し指を立てて

 

「そうですね・・・興味のあるアニメを観賞したり、模型を作ったり、でも自分の本命は・・・泉先輩、ちょっと耳を貸してください。」

 

こうがそう言うとこなたはこうの側に寄って耳を近づけてこうの言葉を待った。

 

そして、こうから何やら耳打ちをされると、こなたは何かをたくらんでいる時のような表情を見せていたのだった。

 

こなたside

 

慶一君とも友達となり、私の友達であるかがみ達も慶一君に紹介して私達は晴れて正式に友達となった。

 

あの入学式以降には私が言った通り、かがみだけでなく慶一君もまた、私達の教室へと招いてのお昼休みを過ごすようになっていたのだった。

 

今回もいつものようにお昼休みに2人と合流し、いつものたわいのない雑談をしながらのお昼を摂っていたのだけど、今日に限っては慶一君の名前を呼ぶ女生徒の声が聞こえ、その声に慌てた慶一君はもうダッシュでその声の主の下へと突っ走って行くのが見えた。

 

私はその時、何故かその事に少し焦りを感じていた。

 

そんな心持ちのまま私は他の3人にも目を向けたのだが、つかさとみゆきさんは私の視線を受けて何かを察してくれたらしく無言で頷く。

 

だが、かがみだけは何故か今回の出来事に焦りを感じている、という風に見えず、私の視線を受けても我関せず、という態度なのだった。

 

私はそんなかがみの態度も気になったが、慶一君の様子も気になり、3人にもう1度無言の視線を向けると、つかさとみゆきさんは無言で立ち上がり私の側へと来てくれた。

 

その様子を見ていたかがみは軽く溜息をつきつつも席を立って私達の側へとやってくる。

 

その後、私達は慶一君の様子を伺う為にこっそりと2人の様子を覗きに行ったのだった。

 

そして、2人の様子をこっそり観察すると、女生徒の方は何やら恐縮しながら話しをし、慶一君もなんだか呆れたような表情をしながらもその女生徒と話をしていた。

 

この位置からでも2人の話し声が聞こえたので、私達はその話に聞き耳を立てる。

 

すると、その内容は部活の結成の話のようだった。

 

私は話を盗み聞きしながら小声で

 

「なんか、部活を作る、って話みたいだね?」

 

と3人に声をかけると、かがみは頷いて

 

「そうね。何の部活を作るつもりかはわからないけど・・・」

 

そう小声で答える。

 

つかさも私の言葉を聞きつつ、慶一君達の方に視線を向けながら

 

「部活か~・・・何の部活を作るんだろうね~?なんかあの子、かなり元気そうに見えるよ~?」

 

と、やはり小声でそう答えたのだった。

 

そんなつかさの言葉にみゆきさんも頬に手を当てつつ

 

「あの人のイメージを見るにつけ、運動部のような気もする感じですが、既存の運動部はこの学校にありますよね?」

 

と、小声でそう言うみゆきさんに私も頷いて

 

「そうだねー・・・ん?」

 

とみゆきさんの疑問に返答しつつ、2人の話しを聞いていると、何やら面白い部活名が女生徒の口から聞こえて来た。

 

そして、とりあえず話が済んだのか、2人は話しを打ち切ろうとしたのだが、私はついその部活の話が気になって、2人の間へと割って入って行ったのだった。

 

その時、そんな私に釣られてかがみ達も2人の前に飛び出したのだが、その時になってその女生徒が誰だったのかに気付いたのだった。

 

その子の事は私だけが知っているはずと思っていたのだけど、かがみもその子の事を知っていたようで、私はかがみがあの時に妙に落ち着いていた理由がこれだったのだと納得したのだった。

 

お互いに私達は自己紹介を済ませ、部活の件に関する話となったのだが、八坂さんいわく、私達にも部活の結成に協力して欲しいという事だった。

 

部活に興味が出てきたし、そこに慶一君もいるという事に私は少し悩んだのだが、とりあえず私は八坂さんに部活でどんな事をするのかを尋ねてみた。

 

八坂さんは私に部活でしようと思っている内容をかいつまんで話してくれたが、その時八坂さんが私に耳打ちをしてきてそれを聞いた時、八坂さんの部活結成の本当の目的を知ったのだった。

 

それは、『同人誌を作作ったり、とかですかね。』というもので、私はその言葉にかなり興味を引かれた。

 

それと共に私はその私好みの内容に思わずニヤニヤとしていたのだった。

 

慶一side

 

こうとこなたがこそこそと何やら話をしているのを見ていたのだが、ふいにこなたが何かを企んでいる時のようなニヤニヤとした笑みを浮かべたのを見て、俺は、ああ、また碌でもない事を話しているようだな、と呆れていた。

 

そして、こなたはふいに俺の方へと向き直り

 

「よーっし!私もアニ研立ち上げに一肌脱ぐよ。」

 

と拳を天に掲げて高らかに宣言した。

 

それを見てたかがみはやれやれと額を押さえて呆れていた。

 

こうはこなたの宣言に目を輝かせて

 

「本当ですか!?、ありがとうございます。それと、他の方々も部活に入っていないのであればできればご協力をお願いしたい所なんですが・・・。」

 

と、こうが皆の方を見回しながら言う言葉にかがみは腕組みしながら

 

「うーん、確かに私達は部活をやっていないけど、今は部活動する気はないしね・・・。」

 

と、かがみがそう言うと、つかさとみゆきも困惑の表情を見せながら

 

「わたしも、あまりそういう事よくわからないし・・・。」

 

そう言っていた。

 

そんな2人の言葉にみゆきも少し考え込みながら

 

「私は部活はやっていませんが、委員会の事もありますしね・・・。」

 

そう言って断りかけたのだがこうはすかさず

 

「大丈夫ですよ。部員といっても部活を立ち上げるまでの数合わせでいいんです。その後は私のほうで部員の勧誘等を行って数を増やして先輩達と入れ替えで外していく感じでやろうと思っていますから。」

 

そう言って皆に自分の考えていたやり方を提示すると他のみんなもそれなら、と納得したのか

 

「そういう事なら立ち上げには協力してもいいわ。」

 

と、かがみが同意すると同時につかさも

 

「おねえちゃんがやるならわたしも協力してもいいよ?」

 

と言ってつかさも同意を示した。

 

2人の同意を見てみゆきも

 

「そういう事でしたら、私も協力させてもらいますね。」

 

と、3人がそう言うとこうは喜んでいたが、みゆきが委員会に所属してる事を聞いたのを思い出したこうはみゆきに

 

「あ、高良先輩、先輩は自分の委員の仕事を優先してもらって構いませんから大丈夫ですよ?」

 

と補足をしたのだった。

 

そのこうの言葉にみゆきも頷き話も大分まとまったので俺は

 

「なら、そういう事でいいな?みんな、とりあえず、放課後に職員室前で集合だ。」

 

俺がそう言うとみんなは「分かったよー。」「放課後ね?慶一くんといっしょに行くわ。」「私もゆきちゃん達と一緒に行くよ~。」「それでは後ほどみなさんと一緒にうかがいますね。」と言い、こうも

その言葉に頷きつつ

 

「ありがとうございます、皆さん。それじゃお手数おかけして申し訳ありませんが、放課後よろしくおねがいします。」

 

そう言って俺達はひとまず別れた。

 

俺は複雑な顔をしながら

 

「やれやれ、新しい部活、しかも仮部長か・・・ほんとどうなるんだろね?これから・・・。」

 

と一人呟きながらこれからの事に頭を痛めるのだった。

 

 

 


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