らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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あちこちで奏でられる旋律~慶一とみゆきの思い、ゆたか達の思い、そして、みんなの思い、後編~

みゆきと共に俺達が一緒に居る事のできる大学を探す決意をした俺。

 

そして、俺が今やろうとしている事をゆたか達やこなた達にも伝えつつ、俺は新たな決意を持ってこの問題に挑む事にした。

 

そして、俺の言葉を聞いてこなた達もまた、バイトに向かいながらも色々と考え込んでいるようだった。

 

そうこうしているうちに、バイト先へと到着した俺達は、開始時間まではまだ時間も残っていたので、当初の予定通りに暇潰しを行う為に、それぞれがそれぞれの目的の場所を回る事となった。

 

「んじゃ、時間まではまだまだあるからそれぞれに回る所へと行くとしよう。かがみ、お前に付いて行くから先導、よろしく頼む。みゆき、あやの、やまと。お前らも付いて来てくれ。」

 

俺の言葉にかがみも頷くと

 

「おっけー。それじゃ行きましょ?慶一くん、みんな。」

 

他の皆にもそう声をかける。

 

声をかけられた皆も頷いて、先を行く俺とかがみの後から付いてきたのだが、かがみはまだあの時のテンションのままだったので、自然と俺の手を引きながら行く事となった。

 

そんなかがみと俺の様子を見てみゆき達も少し唖然としつつも、俺達の後に付いてきたのだった。

 

そんな俺達の様子を少しだけ不機嫌そうな顔で見送っていたこなた達もまた、回る所があると言う事だったので

 

「・・・むう・・・かがみんめ、なかなかやるね・・・とりあえず、私たちも行こうか。つかさ、みさきち、八坂さん、パティ。」

 

そう声をかけると、そんなこなたに苦笑しつつもつかさ達も後に続いたのだった。

 

慶一side

 

こなた達とひとまず別れて、俺達はラノベのコーナーを目指していた。

 

そうして動いている際にもかがみは俺の手を取っていたのだけど、かがみはどうやら俺の手を引いている事に対する自覚はあるみたいで、けど、あのテンションのかがみなので、そんな事すら些細な事のように振舞っているかがみに俺は苦笑するしかなかった。

 

そして・・・・・・

 

「ねえねえ、慶一くん。これなんてどうかな?それともこれは?」

 

すごく上機嫌で俺に買いたいラノベ、薦めたいラノベを俺の所に持ってきては相談するかがみ。

 

そんなかがみの勢いに押されつつ俺は

 

「あ、ああ、それはいいと思うぞ?後、それは俺も少し興味あるかな?」

 

と、若干引き気味になりつつもそう答えると、かがみは物凄く嬉しそうな顔をしていた。

 

そんな最中にみゆきやあやの、やまともまた俺の所に判断を仰ぐ為にそれぞれの作品を持ってやってきた。

 

「慶一さん、かがみさん。私もちょっと選んでみた物があるのですが、どうでしょうか?」

「私もこれは読みやすそうかもって思って持ってきてみたわ。慶ちゃん、柊ちゃん。2人の意見を聞かせてくれる?」

「私はこのシリーズを先輩の所で見せてもらってから興味を持ったんだけど、その続きを見つけたわ。それ以外で何かお勧めを教えて欲しいのだけど・・・。」

 

そう言う皆に俺も答えていたのだけど、一気にラノベ仲間が増えた事が更にかがみのテンションを上げることとなり、物凄くいい笑顔のかがみは、物凄く上機嫌でみゆき達に色々アドバイスをしてあげていたのだった。

 

「みゆき、後私がすすめるのは、これとこれかしら?峰岸、あんたの趣味も悪くないわよ?私もそれは今度読ませて欲しいな。永森さん、それとはまた別の角度から見た話の奴もお勧めよ?」

 

すごく生き生きしているかがみを見て俺は、思わず微笑みを浮かべていたのだった。

 

それぞれの支払いを済ませようとした時、こなたから俺の携帯に連絡が入ったので俺は電話に出てみたが、何となくしていた予感はやはり当たる事となった。

 

今回もまた、買い物ポイントをたかられる事となったのだった。

 

仕方なく俺達は、こなた達がやってくるのを待つことにしたのだが、俺は他に見ていきたい所があったので

 

「かがみ、みんな。ちょっと見て来たい所があるから行って来るよ。ここで待っていればこなた達もやってくるだろうし、みんなはここに居てくれないか?」

 

そう言うと、かがみが俺に

 

「わかったわ。私たちはここで待っているから用事済ませてきちゃいなさいよ。」

 

そう言ってくれたので、俺はかがみに

 

「ああ。悪いな、それじゃちょっと行って来るよ。そんなに時間かからないと思うから少しだけ待っていてくれ。」

 

そう言い残してその場を後にする俺を、皆も手を振って見送ってくれたのだった。

 

かがみside

 

慶一くんとみゆき達と共に私はラノベの新刊を探しにやってきたのだけど、そんな中でみゆきや峰岸、永森さんまでもがラノベに興味を持ってくれた事に凄く嬉しくなり、今までの鬱憤を晴らすかのようにみゆき達にラノベのお勧めなどを教えた。

 

そうして買う物を選んでいざ支払い、となった時、慶一くんの携帯にこなたからの電話が入り、またしても買い物ポイントをたかろうと言う事だった。

 

結局お人好しな慶一くんは、こなたを待つ事にしたらしく、それと同時に、慶一くん自身もまだ済ましていない用事があったみたいで、私達をここに残して自分の用事を済ませに向かった。

 

それを見送って私は、みゆき達と共にこの場所で雑談をしていたのだけど、私はさっき慶一くんから電車の中で告げられたあの事に対して、みんなの意識が気になったのでこの場を借りて聞いてみる事にしたのだった。

 

「ねえ、みゆき。あんたは慶一くんと一緒に慶一くんが目標としている大学探しをしているって言う事よね?無論あいつの定めた条件では私達も一緒に行けるような学部の揃った大学を、と言う事みたいだけど・・・。」

 

そうみゆきに尋ねると、みゆきは頷いて

 

「はい。かがみさんのおっしゃる通りです。皆さんがそこで学んでも遜色のないレベルの所であれば、大学に行ってもみんなと居られるかもしれない、慶一さんはそう考えていたみたいです。もっとも、それも私としてくれた約束の為に慶一さんが努力をなさってくれている訳なのですが・・・。」

 

そう言って1つ言葉を区切ったみゆきは更に言葉を続けて

 

「かがみさん、峰岸さん、永森さん。皆さんにお聞きしたいのですが、もしもそんな大学が見つかったなら、皆さんはどうしようと考えますか?よろしければ皆さんのお気持を聞かせて欲しいですが・・・。」

 

そんなみゆきの言葉に、私を始めとする後の2人も少し考え込んでいるみたいだったけど、それぞれの気持をみゆきに伝えるのだった。

 

「・・・私は、もしもそんな大学があって、相応のレベルがあるのならそこを選んでも構わないと思ってるわ。確かにみゆきや慶一くんの言うそれはかなりの理想かもしれない、けど、心の奥では私もそんな理想を持っていたしね・・・。」

 

私がみゆきにそう答えると、その後に峰岸が

 

「私もまだまだ皆と一緒に過ごしたいって思うし、後4年そのチャンスがあるなら、その時間を持てるのなら私もそれを目指したいって思うわ。」

 

そう答えて、そして、私達以上に考え込んでいた永森さんもふっと顔を上げると、何かを決意するかのような顔をみゆきに向けて

 

「・・・私はまだ、将来の進路は明確に決まっていないわ。ひょっとしたら高校在学中には見つけられないかもしれない・・・けど、私ももう、皆と、先輩達といる楽しさを居心地の良さを覚えてしまったから・・・今更1人で別の所なんて考えられないかもしれないわ・・・だからたぶん私も・・・付いて行くと思うわ。」

 

そんな私達の答えを聞いて、満足そうな笑みを浮かべながらみゆきは

 

「ふふ。嬉しいですね。皆さんも同じ思いを持っていてくれました。きっとこの事を聞いたら慶一さんも喜んでくれると思いますよ?」

 

そんなみゆきの言葉を聞いたとき、私は何だか凄く気恥ずかしくなって

 

「ベ、別に慶一くんの為とかじゃないわよ?あくまでも私が皆と一緒に居たいからであって、だから私は自分の意思でそれを選ぶだけの事なんだから。か、勘違いしてるんじゃないわよ?みゆき。」

 

そんな風に言う私を、みゆきはいつもと変わらない微笑を浮かべた顔で見て、そんな私達を峰岸は苦笑しながら見守り、永森さんもまた、自分の言った事に対して照れているのか、顔を赤くしてそっぽを向いていた。

 

そんな事を話した私達だったけど、やっぱり、皆と一緒に居たいという気持は峰岸達にもあったのだと思った時、少しだけ嬉しくなった私だった。

 

こなたside

 

かがみ達と別れて漫画捜索組みの私達は、つかさやみさきち、八坂さん、パティらと共に漫画コーナーにやって来ていた。

 

つかさは探したい物があるとの事だけど、それと同時に八坂さんやみさきちもそうだけど、パティも探したい物があるようだった。

 

それと同時に、私は皆にも私のお勧めを教えたいと思っていたのだった。

 

「ねえ、つかさ。探している物見つかった?」

 

自分の探そうとしている本を手にとってああでもない、こうでもないとやっているつかさにそう尋ねると、つかさは困ったような顔を私に向けながら

 

「それが、まだ見つからないの・・・。ねえ、こなちゃん。私の探してる奴のタイトルって・・・・・・なんだけど、こなちゃんも探すの手伝ってくれない?」

 

つかさから探してる本のタイトルを聞いた私はつかさに頷いて

 

「おっけー。私に任せなさい!つかさの探してる本はすぐに見つけてあげるよ?」

 

そう言って私は自分の胸をぽんと叩くと、早速つかさの探してる漫画をチェックし始めた。

 

その時にみさきちもまた私に

 

「ちびっ子ー。私にもお勧めあったら教えてくれよ。」

 

そう言って来たので私は自分の胸をぽんと叩いて

 

「任せなさい!私がどーんと面倒を見てあげようではないかー!」

 

そう言うと、みさきちも私に「んじゃ、まかせるゼー?」と言ってくれたので、私はつかさの探し物と同時にみさきちにお勧めの漫画を教えてあげるのだった。

 

その頃、少し離れたエリアでは、八坂さんとパティがアニ研で使えそうな資料になる漫画等を探していた。

 

こうside

 

私とパティはアニ研で使えそうな資料の漫画を探るべく、パティと一緒に泉先輩達と少しはなれた場所で漫画の物色をしていた。

 

「お?これもよさそうだね。後はこれかな?」

 

そう言いながらいくつかの漫画を見繕っていく。

 

そして、パティも同じように日頃からチェックしていた漫画等を探していたようだった。

 

そんなパティに私も、とりあえず声をかける事にしたのだった。

 

「パティ、探してる物は見つかった?こっちはもう済んだよ?」

 

そうパティに声をかけると、パティは2つの漫画を手にして悩んでいたようだった。

 

「うーん・・・こっちにするべきか、それともこっちか・・・バイト代ハイラないとキビシイですネ・・・。」

 

そんな風に呟くパティに私は

 

「パティ、その2冊のどちらかで悩んでるの?それとも両方欲しいとか?」

 

そう尋ねると、パティは苦笑しながら

 

「コウ、ジツは2サツともホシイトコロだったりするのデスが、おコヅカイのカンケイもあってどちらかにしないとキビシイジョウキョウでして・・・。」

 

そんな風に言うパティに私は

 

「んー?それなら私がお金貸そうか?なんならバイト代入った時にでも返してくれればいいしね。」

 

パティにそうもちかけると、パティも少し悩んでいるみたいだったけど私の方に顔を向けると

 

「・・・そうですネ。ではコウ、ホンのダイキンはバイトダイがハイったらカエシますからここはタヨラせてください。」

 

そう言うパティに私も頷いて

 

「おっけー。この位は任せてよ。それに、可愛い部員の為でもあるからね。先輩としては頼ってもらえたら嬉しいし。」

 

その言葉にパティも満面の笑みを浮かべながら

 

「サンキューです!」

 

親指をビシッと立ててそう言ったパティに私も、笑顔で頷いて応えるのだった。

 

「それじゃ、泉先輩達の方に戻って一緒に会計を済ませちゃおう。」

 

そう言うと、パティも頷いて私の後に付いて来るのだった。

 

そして、私は柊先輩や日下部先輩となにやら話している泉先輩に声をかけたのだった。

 

「泉先輩、こちらも買う物は決まりましたよ?後はお金払ってくるだけですけど、そちらも用事が済んでいたら一緒にいきませんか?」

 

そう言うと、泉先輩は私の方を見て少し考え込むような顔をしていたのだった。

 

こなたside

 

私達の方の探し物も済んで、そろそろ支払いを済ませようと思った時、私は大事な事を忘れていた事を思い出し、すぐに携帯で慶一君達の所に電話して、買い物分のポイントを譲って欲しいと言う事を伝えた。

 

幸い、まだ支払いは済ませていないと言う事だったので、私はほっとしつつ、後はつかさとみさきち、八坂さん達にもそれをお願いしてみようかと考えていた。

 

そして、つかさに聞いてみたらあっさり了解してくれたのでほっとしていると、そこに探し物を終えた八坂さん達がやって来たので私は2人にも一応尋ねてみようと、声をかけてくれた八坂さんを見て考えていた。

 

「あのさ、八坂さん、パティ。一応2人にも聞きたいんだけど、買い物ポイントとかは集めてる?」

 

私のその質問に2人は

 

「ええ。やはりこういうのも楽しみの1つですからねー。」

「ポイントカードにはミリョクイッパイですし、ワタシもアツメていますネ。」

 

その言葉に、(そういえば2人は私と同じ人種だったっけ)と心の中で思いつつ

 

「そっか。それならいいんだ。ちょっと聞いてみたかっただけだしね。それじゃ、かがみ達の所へ行って会計すませちゃおうか。行くよー?皆。」

 

私がそう声をかけると、皆も頷いて、先ほど慶一君達と連絡を取った時に決めた待ち合わせ場所に向かって動き出す私達。

 

そして、その場所に移動しながら私は、さっき電車の中で慶一君から聞いたことに対して皆がどう思っているのかを聞いてみたくなり、私は皆にその話題を振ってみた。

 

「ねえ、皆に聞きたいんだけどさ、電車の中での慶一君の話を聞いて、皆はどう思った?」

 

その言葉につかさが

 

「けいちゃんやゆきちゃんが皆と一緒にいける大学を探してるっていう話?」

 

そう聞いて来たので私は頷いて

 

「うん。そうだよ?私もちょっと気になってたからさ、聞いてみたいなって思ってね。」

 

そう返すと、つかさは少し考えるような仕草をした後

 

「わたしはたぶんだけど、けいちゃん達がそんな所を見つけてくれたなら一緒に行きたいって思うかも。」

 

そう答え、みさきちと八坂さんもまた私達の話を聞きながら

 

「私も皆と一緒の方がいいなって思ってるゼ?まあ、私の方のはちょっと難しそうだけどな。」

「私はきっと、やまともそうなった時に先輩達に付いていこうとするかもって思ってますし、私も先輩達ややまととも一緒に居たいですからね。おそらくは私もついていく事になるかも、ですねー。」

 

そう答えてくれたのだが、パティは少し寂しそうな顔をしながら

 

「ワタシもデキルコトならミナさんとイッショのトコロヘイキたいとオモっていますが、イマのトコロはイチネンカンがスぎたらアメリカへカエラねばなりませんから・・・。でも、デキルコトならもうイチド二ポンへキタイとオモっていまス。」

 

そんな風に言うパティを見ながら私は、パティにはパティのどうにもできない事情があったのだという事を思いだして

 

「そっか、パティはパティの問題があるんだね。私達と何ら変わらずに接してきてたから私もパティの事情には気付けなかったよ。でもさ、パティが望みたいと思うなら、また留学してくればいいんじゃないかな?そうなったら私も嬉しいけどね。たぶん、ゆーちゃん達もだろうけど。」

 

私の言う、留学と言う言葉にパティはしばらく考え込んでいるようだったけど、ふいに顔をあげて

 

「そうですネ。コナタのイうようにリュウガクもカンガえてみたいとオモイマス。そのトキにはミナサンがカヨウガッコウのコトをオシエテもらえたらウレシイですガ。」

 

そんな風に言うパティに私は笑いながら

 

「大丈夫だよ、パティ。その頃までにはきっと私達の行く大学は決まってると思うからさ。それ以降はパティ次第だよ?」

 

そんな風に言う私にパティも頷いて

 

「そうですネ。そのトキにはワタシもフタタビのリュウガクのタメにドリョクをしてみますヨ?」

 

そう答えるパティに私達は笑いながら頷いて答えるのだった。

 

そんな中で八坂さんが私に

 

「私たちはいいですけど、泉先輩はどうするんですか?」

 

そう聞いて来たので私は人差し指を振りながら

 

「それは聞くだけ野暮というものじゃない?八坂さん。もちろん皆が行くなら、私だって行くよ。今更私だけ仲間外れは嫌だしねー。それに、私だって皆と居たいもん。」

 

そう答える私に八坂さんはニヤニヤとした顔を見せながら

 

「皆と、と言うのもそうでしょうけど、慶一先輩とも居たいんですよね?泉先輩も。」

 

と言う八坂さんの言葉に私は、顔を赤くして慌てながら

 

「え?あ、その、なんといいますか・・・。ま、まあ、慶一君とも一緒に居ると楽しいしね。そ、それに慶一君だって”皆”の中に入る訳だから、それは当然といえば当然な訳でー・・・。」

 

しどろもどろになりながらそう答える私だったけど、そんな私をニヤニヤとした顔のままで見る八坂さんに私は照れ隠しで

 

「ちょ、何ニヤニヤしてるのさー。そういう八坂さんだって結局は付いて行こうって思ってるのなら一緒でしょー?」

 

そんな風に言う私に八坂さんは笑いながら

 

「あはは。確かに先輩の言う通りですね。私も人の事は言えませんけど。ともあれ、ちょっとだけ安心ですね。皆がそう思っていただけでも、ですけどね。」

 

そう言う八坂さんに私やつかさ、パティも頷きながら

 

「そうだね。私もちょっと安心したかも。」

「わたしも~。皆と一緒なら楽しいよね。」

「またしなければならないコトがデキましたネ。でも、モクヒョウがあるならガンバレマス!」

 

最後のパティの言葉に私達も頷きながら、皆の待つ待ち合わせ場所へと向かうのだった。

 

そして、待ち合わせ場所で私は再度皆に今回の事についての話題を振ったが、皆もまた同じように考えてくれていた事が凄く嬉しかった。

 

そうこうしているうちに、慶一君が個人の用事を終えて戻ってきたので、先ほどの電車での事に対する私達の思いを伝えると、慶一君は驚きつつも喜んでくれたのだった。

 

そして、私はちゃっかりと八坂さんやパティ以外の人達の買い物ポイントを貰って、ほくほく顔になっていたのだった。

 

慶一side

 

自分の用事を済ませるために皆にこの場所に居てほしいと告げてこの場を後にした俺だが、用事を済ませて戻ってみると、そこにはこなた達も合流していて皆もまた楽しそうに話をしているのが見て取れた。

 

そんな皆の所に行くと皆も俺を笑顔で出迎えてくれた。

 

そして、こなたの計画通りに買い物ポイントを手渡す事となり、みんなの会計を済ませる時に、こうとパティ以外の皆からポイントを貰ったこなたは、凄く嬉しそうな顔をしていたのだった。

 

「ありがとー、皆。これでまた目標に近づけたよー。」

 

ホクホク顔でそう言うこなたに俺達は苦笑していたのだった。

 

そうこうしているうちに時間も来たので、俺達は今日のバイトの為に店内控え室へと足を向けた。

 

バイトの準備を済ませていざ、仕事場へという時に兄沢店長から俺に声がかかったのだった。

 

「伝説の少年Aよ。ちょっと話があるから店長室へと来てくれないか?」

 

そう言われた俺は、とりあえず話を聞くために店長室へと向かう事にしたが、仕事の方も皆には打ち合わせ通りやってもらいたかったので

 

「わかりました。すぐに行きます。それと、皆。俺はちょっと行って来るけど、皆は打ち合わせ通りに頼んだぞ?」

 

そう伝えると、皆も頷いて

 

「おっけー。任せてー。」

「ちゃんと打ち合わせ通りやるから大丈夫よ?」

「こっちも頑張ってるから大丈夫だよ~?」

「何かあれば皆さんと共に対処しますからご心配なく。」

「こっちは任せて、慶ちゃん。」

「柊妹と永森とちゃんとやるから大丈夫だゼ?」

「レジは問題なくやれると思いますのでご安心を。」

「先輩達と共にやっていくから心配ないわ。」

「ワタシもガンバリマです!ファイトでイキマスよ!?」

 

そんな皆の言葉を聞いて安心しつつ俺も頷きで返すと、俺は店長室へと兄沢店長と共に向かうのだった。

 

そして、店長室へと入った俺は

 

「それで、兄沢店長。俺にどんな用事ですか?」

 

そう尋ねると、兄沢店長は俺をビシィっと指差して

 

「伝説の少年Aよ。君の働きと実績を見込んで頼みがあるのだ!君に電気街店の統括主任を任せたい!!」

 

その言葉を聞いて俺は一瞬パニックに陥って

 

「・・・え?あの?統括主任って、俺がですか?」

 

そう聞き返すと、兄沢店長は重々しく頷いて

 

「そうだ。君のこの店での実績は素晴らしいものだし、それに伝説の少女Aやその関係者および、この店で働く従業員達にも君は大きな信頼を得ている。それは、前にこの店において統括主任をやっていた者とは比べ物にならない程のものなのだ。どうだろうか?君にも負担が大きくなってしまう事は百も承知だが、この役目、引き受けてもらえないだろうか?」

 

兄沢店長のその言葉に俺はしばらく考え込んでいたが、俺は店長の方に顔を向けると

 

「その申し出、そして評価はありがたいものですが、俺は受験生という身分でもあります。ですので、四六時中店内を見ているというのは厳しいかと思いますよ?」

 

そう言うと、店長はその言葉は想定済み、と言わんばかりに俺に再びビシッと指を差すと

 

「その答えは想定済みだ。だからこそ、今回は統括主任を2人作る事にしたのだよ。一人は君に。そして、もう一人は前の統括主任よりはそれなりの信頼と実績もある人間を抜擢した。」

 

そして、店長室のドアに向かい、声をかける兄沢店長。

 

「その者を今ここに呼ぶ!入ってきたまえ!杉田店員!!」

 

そう言うと、ドアの外で「う~す・・・。」と言う少しやる気のなさげな声と共に”杉田”と呼ばれた店員さんが入ってきた。

 

そして、俺の前にやってくると俺にペこりと頭を下げて

 

「ども。ご紹介に預かりました杉田です。君と共にこの電気街店の統括主任を任される事となりました。君がこちらに来れない日は俺が統括主任を担当しますのでどうぞよろしく。」

 

そう言って俺に手を出してきたので、俺もその手を握ってとりあえず握手を交わして

 

「こちらこそよろしく。えっと、とりあえず、この杉田さんが俺の来れない日に統括主任としていてくれる、という事なんですね?」

 

そう兄沢店長に尋ねると、店長は大きく頷いて

 

「その通りだ!君は君の来れる日にのみ統括主任をしてくれればいい!そう言う条件だが、どうかな?やってくれるか!?」

 

その店長の言葉にまたも少し考えていたが、店長の方に向き直ると

 

「そういう事でしたら、折角ですので引き受けます。」

 

そう言うと、店長は満面の笑みを浮かべると

 

「よろしい!!それでは後で伝説の少女Aらにもこの事を伝えておいてくれたまえ!これで話は終わりだ!今日の業務、頑張ってくれたまえ!!」

 

という店長の言葉に俺も頷いて

 

「わかりました。これより業務に付きます。それでは杉田さん、今後ともよろしくお願いします。」

 

杉田さんにそう言いながら頭を下げると杉田さんも

 

「こちらこそよろしくな。それじゃ俺も作業に戻ります。」

 

そう店長に伝えて俺と杉田さんは店長室を出て行った。

 

その後、業務に戻って今日のバイトを終えた後、帰り道に皆に今回の事を話したら

 

「へー?凄いじゃん。慶一君、大出世だ。」

「あんたが統括主任ねえ・・・でも、あんたならやれそうな気がするわ。」

「けいちゃんすご~い!」

「何時の間にか慶一さんが私達の上司ですか。私も驚きですね。」

「でも、慶ちゃんの下でなら働きやすそうね。」

「だなー。気兼ねしなくてもいいかんな。」

「でも、先輩もよほどあの店長に見込まれているんですねー。」

「なんていっても伝説と呼ばれているほどだしね。」

「サスガですケイイチ。これからもワタシタチのボスとしてガンバってもらいまショウ!」

 

そんな風に言う皆の言葉に俺は、ただただ苦笑するしかなかった。

 

その後は、ふいにみゆきと2人きりになった時にみゆきが、こっそりと皆が俺の考えている事に関しての自分達の思いを教えてくれたのだが、それを聞いたとき、俺はとても嬉しくなった。

 

そして、改めてみゆきと共に大学を探そうと決めたのだが、以外にもそれは結構あっさりと見つかる事となった。

 

と言っても、それを知る事になるのはそれから2週間程経った頃だったのだけど。

 

そして、その時に迫っていた事件の足音にその時の俺は気付かないでいた。

 


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