らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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憂鬱な旋律達~身体測定とバイトの再開~

パティのバイトの決定と共に、俺もまた、前にバイトをしたア○メ○トで、パティのボディガードも兼ねてのバイトをする事になった。

 

それを皆に話した途端、皆もすぐに、バイトの面接をしてもらうために店の奥へと向かって行った。

 

結局俺達は、再びこの店でバイトをする事になったのだった。

 

そして、その翌日にはみゆきさえもが面接に行ったらしく、前のメンバー全員が採用される事となったが、今回はそれにパティを含めたメンバーでのバイトとなったのだった。

 

そんな事があってから2日後、学校では年に一度の、とある学校行事が行われる事となった。

 

登校中、いつものようにこなた達と合流したのだが、こなたとゆたかとつかさがなんだか元気がなく、かがみも少し顔色がよくない感じだった。

 

俺は何となくそのことが気になり、4人に声をかけてみた。

 

「おはよう、こなた、ゆたか、つかさ、かがみ。4人とも少し元気がない感じだけど、何かあったのか?」

 

そう尋ねると、4人はそれぞれ

 

「・・・まあ、ちょっと、色々とね・・・。」

「今日、学校で行われる行事で少し不安があって・・・。」

「わ、わたしもちょっと気になってる事があるから・・・。」

「・・・私は今日はちょっと朝御飯を抜いてきたから・・・。」

 

そう言ったので、俺は(今日の学校行事って何かあったかな?)と思案に暮れていると、そこに俺に小声であやのが

 

『慶ちゃん、今日は身体測定がある日よ?たぶん、4人ともその事を気にしてるんじゃないかな?』

 

そう教えてくれたので、俺はなるほど、と納得しつつ

 

『そういう事か、でも、たかが身体測定だろ?そんなに気にする程の事なのかな?』

 

そう言うと、あやのは苦笑しながら

 

『ふふ。女の子は色々悩みがあるものなのよ。慶ちゃんももう少しその辺を理解できるようにならないとだめよ?そうじゃなきゃ泉ちゃん達を傷つける事にもなっちゃうからね?』

 

と言うあやのの言葉に俺は、頭にハテナマークを浮かべていたが、そんな俺を見たあやのは、左右に首を振りながら軽いため息をついていたのだった。

 

そんな中で俺は、少し疑問に思った事があったのであやのに

 

『そういえばあやのはあの4人に比べると、なんというか普通にしてるよな?』

 

そう尋ねると、あやのは苦笑しながら

 

『あはは・・・まあ、私はそんなに気にはしてない所為かもしれないわ。』

 

と言うあやのの言葉を聞いて俺は、なるほど、と、とりあえずは納得していた。

 

それと同時にパティもまた、別段動じている様子もなさそうだった。

 

そんな中で俺はふいに、パティの胸元に視線を集中させているこなた、ゆたか、つかさの3人に気付きはしたものの、結局理解も出来ずに頭にハテナマークを飛ばしたままだった。

 

その後、校門前でみなみ達とも合流したのだが、みなみもまた、なんだか元気がなさそうに見えた。

 

そして、それぞれの教室へと行く為に昇降口で別れて、俺達は自分達の教室へと向かったのだった。

 

教室に入ると、先に朝練で学校に来ていたみさおが俺達に声をかけてきた。

 

「おはよ、みんなようやく来たなー。あれ?ちびっ子と柊と柊妹、なんだか元気ねえじゃん?何かあったんかー?」

 

という言葉に俺は

 

「おはよ、みさお。お前は朝練か。まあ、こなた達には色々あるみたいだよ。」

 

そう言うと、みさおは頭にハテナマークを飛ばしていたが、そんなみさおにこなた達は

 

「みさきちは悩みがなさそうでいいよねえ・・・。」

「日下部は、能天気だからね・・・はあ・・・。」

「あはは・・・まあ、色々だよ~・・・。」

 

そう言っていたのだが、そんな様子の3人にみさおはなにやらピンときたみたいで

 

「・・・能天気で悪かったな。あ、ひょっとして今日の身体測定の事気にしてんだろ?」

 

そうツッコミを入れると、3人ともびくりとなって

 

「な、何の事だか・・・。」

「ベ、別にそんなの気にしてないわよ!」

「はうう・・・どうしてわかっちゃったのかな・・・?」

 

折角こなたとかがみが隠そうとしていた事を、つかさが天然で暴露してしまい、それを聞いたみさおはニヤニヤしながら

 

「なるほど、やっぱしなー。ちびっ子と妹はともかく、柊が気にしてんのはやっぱりあれかなー?」

 

そう言ってかがみをからかうみさおだったが、その言葉にかがみは顔を真っ赤にして慌て始めて

 

「あ、あれって何の事よ?勝手な想像で物を言わないでくれる?」

 

そう否定しようとするかがみにみさおが更にニヤつきながら

 

「何って柊、それは体・・・おぶっ!!」

 

みさおが最後まで言い切る瞬間に、かがみの鉄拳がみさおの脳天を直撃した。

 

そして、みさおを見下ろしながら真っ黒なオーラを出しつつかがみが

 

「・・・それ以上言ったら・・・殴るわよ・・・?」

 

と言うかがみにみさおは涙目で

 

「も、もう、殴ってるってヴァ・・・。」

 

と言うのを俺達は苦笑しながら見ていた。

 

そうこうしてるうちに黒井先生が教室に入って来て、今日の朝のHRが始まったのだった。

 

「おーし、皆席につけー!これからHRはじめるからなー。」

 

という声と共に全員が席につくと

 

「今日は身体測定があるから、準備はちゃんとしていくこと、ええなー?それじゃまずは男子からいこか。準備を済ませた奴から保健室へ行くよーに!」

 

その言葉を聞いて俺を含む男子が立ち上がり、更衣室へと向かいだす。

 

「慶一君、いってらー。」

「あんたは何も問題なさそうだからいいわよね・・・。」

「後で結果教えてね~。」

「行ってらっしゃい、慶一さん。」

「慶ちゃん、がんばってきてね?」

「私も後で結果見せてもらうからな?」

 

そう言ってくれる皆に

 

「ああ。それじゃ行って来るよ。というか、あやの。身体測定の何を頑張れと?」

 

最後にあやのにそう言いながら苦笑している俺だったが、とりあえず、皆に見送られて俺も更衣室へと向かった。

 

それから30分程で身体測定を終えた俺は、教室へと戻って来た。

 

「ふう、ただいまーっと。」

 

そう言いながら教室に入ると、俺の姿を見た皆が

 

「おかえりー。どうだった?」

「おかえり。その様子だと別段たいした問題はなさそうね。」

「おかえり~。わたし達はこれからだよ~?」

「結果は出ましたか?後で私も見せていただければと思っていますが。」

「おかえりなさい。丁度今教室を出ようとしてた所よ?」

「まあ、どっちにしても私らも終わってからじゃないと、ゆっくりと結果は聞けねえよな。」

 

そう言って来たので、俺は笑いながら

 

「まあ、前回よりは少し変化があったって感じだな。どっちにしても皆が終わらないとゆっくりと話せなさそうだし、先に皆も済ましてきちゃえよ。」

 

そう言うと、こなたが

 

「うー・・・こうなったら覚悟を決めるしか・・・それじゃ皆、行ってこよーよ。じゃあ、慶一君、また後でね?」

 

そう言うと、その言葉に皆も頷いて、女子の身体測定へと向かったのだった。

 

皆が戻って来るまでの間、俺達男子は適当に自習をしつつ女子の終了を待った。

 

そうして適当に時間を潰していると、ようやく女子の方が終わったらしく、皆が戻ってきた。

 

そして、なんというか、こなたとかがみとつかさの表情が暗いのが見て取れたので、一応それとなしに聞いてみようと思い、声をかけた。

 

「お帰り、皆。所で、こなたとかがみとつかさ。なんだか暗いぞ?何かあったのか?」

 

そう聞くと、3人は俺をキッと睨みつけて

 

「慶一君にはわからない事だよ!」

「・・・あまり聞かないでくれる?」

「・・・ちょっとショックな事があったから・・・。」

 

そう言ってきたのだが、そこにあやのが素早くやってきて

 

『慶ちゃん、3人とも身体検査の結果が思わしくなくて落ち込んでるのよ。だからあまり聞かないであげて?』

 

俺はそんなあやのの言葉に頷いて

 

『わ、わかったよ。あやのの言う通りにする。』

 

そう言うと、あやのもほっとしたような顔をしていた。

 

そして、そんな風に落ち込む3人をみゆきがなだめていたが、そんなみゆきにこなた達は

 

「みゆきさんが羨ましいよ・・・。」

「おのれ!1人だけ余裕そうな顔しおってー!!」

「いいなあ、ゆきちゃん・・・。」

 

そうみゆきに自分達の不満を叩きつけると、みゆきはそんなこなた達におろおろとしながら

 

「え、えっとその・・・なんというか・・・その・・・すみません・・・。」

 

そんな風に謝るみゆきを見て、俺とあやのとみさおは苦笑を浮かべていたのだった。

 

俺はそんなこなた達に

 

「おいおい、そんなにみゆきを責めてやるな。それに、今出た結果だけが全てじゃないだろ?そこから先、まだまだ変化をしていくんだ。それは、これから先のおまえらの理想的になりたいと思う気持ちと努力しだいなんだからな?」

 

そんな俺の言葉にかがみとつかさは

 

「・・・そうね・・・確かに慶一くんの言う通りかも・・・今回出た記録だけが全てじゃないわよね?」

「・・・うん。何となく希望が持てて来た気がするよ。これから先、わたし達が自分の目標にどれだけ近づく努力ができるか、なんだね?」

 

その2人の言葉に俺は頷いて

 

「まあ、そういう事だな。これから2人がどうしていくか、それが大事だって事だよ。一時の結果だけがすべてじゃないって思わないとな。」

 

俺の言葉に納得して頷く2人だったが、こなたはまだ落ち込みながら

 

「かがみとつかさはまだいいよね・・・まだ希望あるしさ・・・でも、私は・・・どうにかなるのかなあ・・・努力だけじゃどうにもならない事って言う物もあるよね・・・?」

 

その言葉を聞いて俺は少し考えた後

 

「・・・こなたの場合、確かに遺伝的な物もあるかもしれない。けど、まだ諦めるのは早いだろ?俺達はまだまだ成長期だ。25歳までは俺達の体は成長を続ける。だから、後7年はこなたにだってまだまだ希望はあるぞ?だから元気出せ。」

 

そんな俺の言葉にこなたは”ハッ”と顔を上げて

 

「そっか・・・まだまだ時間はあるんだね?よーし、なんだか元気が出てきたよ。ありがとう慶一君。」

 

そんなこなたに俺も笑顔で頷いたのだった。

 

そして、そんな俺にまたもあやのが側に来て

 

『ふふ。慶ちゃん、流石ね。柊ちゃん達も泉ちゃんも元気が出たみたいよ?』

 

そんな風に言ってくれるあやのに俺は照れながら

 

『俺はただ、皆に知って欲しかっただけだよ。今出ている結果だけが全てじゃないんだって事をさ。後はあいつらのやる気と気力が戻ればいい、ってそう思っただけだからさ。』

 

そう言うと、あやのは笑顔で

 

『そうね。案外それだけで自己完結しちゃってる子って多いのよね。だから、それに気付かせてくれた事は大きいと思うわ。』

 

そう言うあやのに俺は

 

『そういうものかな?でも、皆元気になってよかったよ。』

 

そう言う俺に、あやのも笑顔のまま頷いていた。

 

そしてその日の昼休み。

 

いつものメンバーでアニ研部室での昼をとろうと部室へと向かっていた時の事、同じように身体測定を終えたこう達も部室に向かう道すがらに合流する事となったのだけど、その時に突然こうが俺の腕に抱きついてきた。

 

「お、おい。いきなりどうした、こう。」

 

その行動に驚いた俺はこうにそう尋ねると、こうはニヤリと笑いながら

 

「今日の身体検査でまた大きくなったのを確認したので先輩に報告も兼ねてますが。」

 

そう言ってきたのだが、俺は何の事かわからずこうに

 

「大きくなった、って何がだよ?」

 

そう尋ねると、こうはいたずらっぽい笑みを浮かべながら

 

「今、先輩に押し当てているものですが?」

 

そう言った途端、俺はその事を理解し、顔を真っ赤にしたのだが、即座にこうにデコピンをかまして

 

「お前のスキンシップは精神衛生上にもよくないと、前にも言った筈だろうが!」

 

赤い顔のままこうにそう言うと、こうは涙目になりながら

 

「・・・痛い・・・すいません、調子に乗りました・・・。」

 

そう言って謝っていて、さらにはその様子に気付いたやまとが

 

「こう!!あなた、またそんな事やって!いい加減にしないと私も怒るわよ!?」

 

と言うやまとにこうは小さくなりながら

 

「ご、ごめんって、やまと。ほんの出来心だからさー。」

 

と言うこうに、やまとはなおも説教モードを持続していたのだった。

 

そして、そんな俺達を見ていたほかの皆もまた、何名かは黒いオーラを発していて、更に何名かは不機嫌な顔をしていた。

 

俺はそんな気配に気付いたが、どうする事もできずにただビクビクしながら部室を目指した。

 

そして、部室で昼食を取りながら、今回の身体検査の結果についての話等をする俺達。

 

そんな中でやはり、こなた同様に元気のないゆたかとみなみだったのだが、こなたはさっき俺から言われた台詞を2人に言って聞かせたらしく、少しだけ元気を取り戻したようだった。

 

そして、何気にこなたが俺に

 

「そう言えばさ、慶一君の結果はどうだったの?私達の何名かはまあ・・・あまり納得のいく結果じゃなかったんだけどさ。」

 

と言うこなたに俺は

 

「ん。身長は去年より2センチ伸びたな。体重も3キロ増えた。まだベストの範囲内だから大丈夫だけどな。」

 

そう答えると、かがみが

 

「ふーん?じゃあ、慶一くんは今178センチなのね?でも、体重がそんなものならあんたもまだ痩せ型な方よね?」

 

その言葉に俺も頷いて

 

「そうだな。俺の場合、あまり脂肪がついてないからな。鍛えこんだ分、それが筋肉になってるって所だし。」

 

そして、気付いたら俺の腕を触っているつかさが

 

「そっか~。だからけいちゃんの腕はこんなに堅いんだね~。」

 

とのん気な声をあげているのを、俺は少しだけ顔を赤くして照れつつ

 

「つ、つかさ、お前いつの間に・・・ま、まあ、そういう事だよ。」

 

そんな俺の体に興味を示したのか、みゆきや更にはゆたか達までもが俺の体のあちこちを触って

 

「やっぱり無駄のない筋肉ですね。見事です。」

「胸板も中々厚いわね。」

「腹筋もかなり鍛えこまれてんな。」

「わあー・・・足もがっしりだねー。」

「・・・背筋もすごいです・・・これがあるからあの攻撃ができたんですね・・・?」

「プロレスラーとはまた筋肉のつき方が違う感じっスね。先輩はあまりレスラーみたいに太った感じはないですし。」

「フクラハギもすごくハッてますネ!このキャクリョクであのウゴキをジツゲンしていたんですネ!」

「先輩って、格闘技やっていたんですねえ・・・。」

 

そんな皆の行動をくすぐったく感じていたが、さらに毒島さんや山辺さんまでもが

 

「いっそのこと、先輩に格闘家の肉体のモデルを頼んでみてはどうですか?」

「田村さんの漫画に活かせそうだよね。うんうん。」

 

そう言ってうなずく山辺さんに俺は照れながら

 

「そ、それは流石に恥ずかしいぞ?大体、俺の体なんてそんなに価値なんてないって・・・。」

 

そんな俺にこなたがさらにニヤニヤしながら

 

「あれあれー?何を今更照れてるのさ、慶一君。温泉や海水浴でも散々に慶一君は私達にその肉体をさらしてきたじゃん?」

 

その言葉に途端に真っ赤になる俺と、毒島さん、山辺さん、若瀬さん、こう以外のメンバー。

 

「・・・考えてみたら、俺は相当恥ずかしい真似してるな・・・特に温泉とかは・・・。」

 

その時の事を思い出し、そして、そんな事に慣れて来ている自分に複雑な思いの俺。

 

それは皆もだったようで、お互いに気まずい状態になってしまった。

 

そんな様子をくすくすと笑いながら見ているこうが俺に

 

「でも、先輩。私達にはそれ以前から裸晒してますよね?中学時代に一緒にプール等に行った時とか。」

 

その言葉に俺は少し慌てながら

 

「そ、そういやそうだな・・・。でも、そんな事も最近まで忘れていた気がするよ。」

 

その言葉にこうとようやく復活したやまとが

 

「ちょっと先輩、それは酷いんじゃないですか?私は今でも覚えてますよ?凄く楽しかったし。」

「そうね。私も覚えているわ。先輩に泳ぎを教わったのもあの時だったしね。それを忘れるとか、先輩って案外薄情なのね?」

 

その言葉に俺はさらに慌てて

 

「そ、そう言うなよ2人とも・・・すまん、俺が悪かったよ・・・。」

 

なんだか申し訳なくなって2人に詫びると、2人は苦笑しつつも

 

「まあ、分かってくれればそれでいいですよ。それに、今だって先輩との付き合いは続いてますからね。」

「まあ、そうね。今度またレゾンでご馳走になるという事で手打ちでいいわ。」

 

こうの言葉に嬉しくなりつつも、やまとの言葉に苦笑する俺だった。

 

そして、2人は俺をもう1度見つめながら

 

「それにしても、先輩が卒業してから1年会えなかったし、久しぶりに合格祝いで遊びに行ったあの時先輩と再会して思いましたが、やっぱり先輩、大きくなってるなあ、って思いましたよ。」

「・・・そうね。卒業当時の先輩は確か、今より10センチくらい背が低かったわよね?」

 

その言葉に俺は首を傾げつつ

 

「んー?そうだったか?そういや、あの時は168センチだった気がするな・・・。言われてみれば確かに、成長してるかもしれないな。」

 

そんな風に言う俺に、2人は笑いながら

 

「そう言う点から言えば、過去の先輩を知ってる私達は少しだけ優越感がありますね。」

「まあ、その点については同意かしらね。」

 

そんな2人の言葉を聞いてこなたは

 

「むう・・・いいもん。今は対等だもんね。同じ場所にいる以上は差なんてあってないようなものだよ。」

 

そう呟いていたが、その呟きを聞いた全員もうんうんと頷いていたのだった。

 

そして、ゆたか達や毒島さん達は俺の中学時代の事に興味を持ったのか、こう達に詰め寄って色々と質問攻めにしていたようだった。

 

詰め寄られて困惑してる2人を見ながら俺は、ただただ苦笑していた。

 

そして、学校が終わり、俺達の改めてのバイトの初日と相成った。

 

皆で集合し、バイト先へと向かう俺達。

 

俺達の担当は大体あの時と一緒だったが、とりあえずはバイト先へ向かう前に簡単な打ち合わせをする。

 

「おーし、今日からバイトだけど、みんな。部署は前とほぼ一緒だ。皆、自分のやってた事を覚えているよな?」

 

皆を見回してそう言うと皆も

 

「当然だよ。仕事の仕方はまだ体に染み付いてるから問題なしだよ。」

「なんだかんだで仕事して、それ以降は一旦は退いちゃったけど、まだやっていた事は思い出せるわ。」

「よ~し。私も今日からは頑張っていくよ~?けいちゃん。また何かあったらフォローしてね?」

「あの時の仕事のポイント等をメモした手帳はまだ残っています。こちらも問題ないですよ?」

「私の方も大丈夫よ?後は実践で感を取り戻して行くつもりよ?」

「私の方も大丈夫だゼ?いっちょがんばってみっか。」

「また私はレジですね。慣れてる仕事だからやりやすくて助かります。」

「私はまた日下部先輩やつかさ先輩と一緒ですね。お2人ともよろしく。」

「ワタシはコンカイがハジメてですからヨロシクですヨ?」

 

最後のパティの言葉に俺は頷きつつ

 

「ああ、わからない所等は俺達に聞いてくれ。それと、あの時の面接ではパティは確か、俺たちと同じ接客処理担当だったな。俺達も出来るだけフォローするが、俺達よりバイトの経験そのものが多いこなたに頼る方がより確実かもしれないな。」

 

そう言うと、パティも頷いて

 

「ワカリマシタ!コナタ、イッショにガンバッテいきまショウ!」

 

そう言うと、こなたもビシッと親指を立てて

 

「私にまかせたまへー。すぐにパティも一流にしてしんぜよう!!」

 

と、自信たっぷりに答えるこなたに、俺達は苦笑していた。

 

そんな事をやってるうちに秋葉に到着する電車。

 

俺たちは電車を降りてア○メ○トへと向かう。

 

そして、控え室で着替えを終えて俺達は、店長の控え室に顔を出しに行く。

 

ドアをノックして帰ってきた声に俺は、少し違和感を覚えた。

 

とりあえず中に入らなければと思い、俺は「失礼しまーす。」と言って部屋へと入ったのだが、そこで待っていた人物に俺達は驚きを隠せなかった。

 

その人は腕組みをしたままこちらに振り返り

 

「・・・よくぞ来たな。伝説の少女Aと少年A、そして、その仲間達よ!今日からはこの電気街店はこの俺が取り仕切る!少年達よ!今再び、この電気街店に奇跡を起こすのだっ!!」

 

そう熱い台詞をぶつけてくる店長に俺は、驚きと困惑を交えながら

 

「・・・えーと・・・何故あなたがここにいるのでしょうか?兄沢店長・・・。」

 

俺が呆けている皆の代わりに代表で質問をすると、兄沢店長は俺たちにびしぃっと指を刺すと

 

「よくぞ聞いてくれた!実はな、前回君達がこの電気街店に配属になり、伸ばした売上が上の方に殿鬼の功績として認められたのだ!そして、殿鬼は池袋本店へと栄転となった!その後に再び君達が殿鬼を訪ねてきたようだが、そのすぐ後で人事異動が決まってしまった殿鬼はすぐさま池袋本店へ行かざるをえなくなってしまったのだっ!ゆえに、今まで池袋本店でやっていた俺がここに来る事となったのだっ!人事異動という屈辱があったが、それはどうやら君達との邂逅、まさに運命だったようだ。そう言う訳だから今後は俺の元でこの店の売上の為に頑張ってくれたまえ!!」

 

最後に何故か、兄沢店長の背後で爆発が見えたような気がしたが、そういう事ならしかたないと割り切って俺達は

 

「「「「「「「「「「分かりました(ワカリマシタ!)。今日から(キョウから)よろしくお願いします(ヨロシクオネガイしまス!)。」」」」」」」」」」

 

そして、俺達のバイトは再開されたのだった。

 

パティは結構飲み込みが早くて、すぐにこなたや俺の教えた事をこなせるようになった。

 

他の皆もあの時の感覚を取り戻すかのように、自分達の仕事の一つ一つを噛み締めながらの初日となった。

 

つつがなくバイトを終えて、俺達は帰宅したのだが、夕食を済ませてのんびりしていた時、俺の携帯にかがみからのメールが飛び込んで来たのだった。

 

from:かがみ

 

慶一くん、まだ起きてたかな?前に言った件だけどさ、行きたい映画と日にち決めたから、その連絡をしようと思ってメール送らせてもらったわ。

日にちは明後日の土曜日の放課後、場所は前に皆で行ったあの映画館で。

映画については当日に私が指定した奴を見る、って事でいいかな?

時間についても後で学校で打ち合わせましょ?

じゃあ、そういう事だから。

 

P.S ベ、別に楽しみにしてるって訳じゃないから、あくまでも賭けの報酬よ?だから、そこの所は勘違いしないでよね?

 

そんなかがみからのメールを見て俺は苦笑していたが、とりあえず返信を返すと、俺は明後日にやってる映画が何があるのかを調べ始めたのだった。

 

(賭けの結果は結果だからな・・・。)俺はそう思いながら、明後日の事について色々と考えるのだった。

 


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