らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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思い出作りの旋律~箱根温泉旅行最終日と2年生編エピローグ~

温泉巡りによる前日の疲労回復、そして、次の日には市内の観光や土産物屋巡り、さらには新たなツーショット写真の撮影など、その日1日で出来る限りの事をやって、思い出を作れたと思う。

 

そんな中で、初日にゆたか達にちょっかいをかけていた村木一派と出会うが、お互いに許しあい、俺達は打ち解ける事ができた。

 

そして、最後には俺は村木とライバルと共に友人関係になり、ここに俺の新たな友が誕生した。

 

その後、温泉でのんびりした後に俺は部屋に戻ろうとしたが、部屋の鍵を持った龍兄がまだ部屋に戻っていないようだったので、例の場所で時間を潰そうとした時に、同じように暇を持て余していたやまとと出会った。

 

例の場所でやまとと2人、陵桜に来た頃の事を思い出した俺は、やまとと共にこの先の事を話していたが、何時の間にか集まっていた皆に俺達の話を聞かれつつも、みんなもまたこの居心地のいい場所を守っていける所まで行きたいとそう誓いあったのだった。

 

そんな1夜も明けて早朝、俺はいつもより少し早めに目を覚ました。

 

今日は昼頃には旅館を発つ予定でもあったので、俺は最後にもう一回あの秘湯に行っておこうと思い、出かける準備をすますと、龍兄を起こさないように部屋を出る。

 

そして、すでにフロントで朝の準備を始めていた叔父に出かける旨を伝えると、俺は一路あの秘湯を目指した。

 

秘湯に着いた俺はとりあえず周りを確認すると、水着に着替えて見晴らしの一番良いポイントに行って湯に浸かった。

 

しばらくのんびりと風景を眺めながら俺はこれまでの事を思い出していた。

 

(あれから1年か・・・あの時には俺は自分の周りがこんなにも騒がしく、そして楽しくなるなんて考えもしていなかったよな・・・。何しろ最初の1年目はこなた達とさえ知り合っていたけど、話すらしてなかったんだもんな・・・。でも、やっぱり最初のきっかけは・・・こなたにコロネあげた事、だったんだろうな・・・。あの時から・・・俺の日常は変わった・・・。俺にとって素晴らしく・・・俺にとってかけがえなく・・・俺にとって大事な仲間達・・・皆との出会いは・・・俺を幸せにしてくれた・・・。時には泣いて・・・時には笑って・・・時には喜んで・・・時には共に苦しんで・・・きっと俺は・・・こんな幸せが欲しかったのかもしれないな・・・でも・・・。)

 

そこまで考えた後、俺は無意識に声を出していたようだった。

 

「・・・俺は・・・幸せでいいんだろうか・・・?」

 

そう呟きを漏らした時、俺に声をかける者がいた。

 

「・・・今まで苦労してきたんだもの・・・いいんじゃない?幸せで・・・。」

 

その声に驚いて俺は声のしたほうを振り向くと、そこには、いつのまにか水着を着てやってきていたやまとが居た。

 

「や、やまと?お前いつからここに・・・?」

 

俺は驚きながらやまとに尋ねると、やまとは少し照れながら

 

「ちょっと前に、かしら。一昨日いったこの温泉が気持ちよかったから、帰る前にもう一回行っておこうと思って来たのよ。そうしたら先輩が居て何か考え事してるみたいだったから、つい声をかけちゃった、という訳。」

 

そう説明するやまとに俺は、とりあえず心を落ち着けて

 

「そういう事だったか。お前がそう思うっていうのならよっぽどここはお前にも合ってたんだな。」

 

そう言う俺にやまとも頷きながら

 

「そうね。初めて入った温泉なのに何故か気に入ってしまったのよ。とりあえず私も立っているのもなんだから浸からせてもらうわ。」

 

そう言うと、やまとはそっと俺の側に近寄ってきて俺の隣にゆっくりと腰を落ち着けた。

 

「ふう・・・いいお湯ね・・・。先輩は昔はここで傷を癒したりしてたのね?」

 

そう尋ねてくるやまとに俺も頷いて

 

「まあな。でも、ここでの修行はそう長い期間はやっていなかったんだ。元々はこの前に連れて行った海の方にある合宿所がメインだったからな。こっちはいわば草薙との交流も兼ねての一時的な物だったのさ。」

 

俺の言葉にやまとは納得が行ったような表情で

 

「そういう事だったのね。でも、龍也さんは違うの?元はここは龍也さんが見つけたんでしょう?」

 

そう聞いてくるやまとに俺は

 

「ああ、その通りさ。ただ、俺とは違い、龍兄は正当伝承者としての使命があったのと、龍兄の父親がここの出身でもあった。だから、ここは龍兄にとっての故郷みたいなもんでもあり、地元みたいなものでもあり、って所だったんだ。」

 

そう答えると、やまとは納得してくれたようだった。

 

「そういう事だったのね・・・・・・。先輩、話は変わるのだけど、さっき先輩が言った事について聞きたいわ。”俺は幸せでいいんだろうか?”ってどういう意味なの?」

 

そのやまとの問いかけに俺は苦笑しながら

 

「はは・・・その言葉聞かれちゃってたのか・・・。俺はさ・・・色々不幸あったからな。お前らと出会って変わる事が出来たけど、それだけでも十分幸せだと思ってた。そんな俺に、さらにこなた達までもが俺に更なる幸せをくれた。その事自体は嬉しいんだ・・・けどさ・・・なんだか、いいのかなあ?って思っちゃってな。俺ばっかりが皆から幸せを貰ってる。けれど、俺は皆に何も返せては居ないんじゃないか、って思ったら、どうにも不安になってしまってな。だから、ついあんな独り言を言ってしまったんだ。」

 

そんな俺の言葉を、じっと俺を見つめながら聞いていたやまとだったが、少し考えた後、やまとは俺の頭に拳骨を落としてきた。

 

「あいたっ!や、やまと?いきなり何を・・・。」

 

軽く抗議する俺をやまとは睨みつけながら

 

「・・・先輩は何も分かってない・・・。自分ばかりが幸せを貰ってるって?私達に何も返せてないって?冗談言わないでよ!先輩に助けてもらったあの時から今まで、私は先輩に多くのものを貰ってきたわ!そして、それは私にとって、皆にとってもかけがえのない、何者にも変えられない幸せなのよ?私だけじゃないわ!泉先輩達だって、小早川さん達だって、そして、みくさん達も皆、先輩から幸せの種をもらってる。私達だって十分すぎるものを先輩からもらった!ちゃんと返せているわよ!皆その事をわかってるんだから、そんな風に言わないで!むしろその言葉は私達にも失礼よ!?」

 

そんな剣幕でまくし立てるやまとに、俺はあっけにとられつつも、俺はやまとのその言葉に思わず涙を流しながら

 

「・・・ごめん、やまと。お前の言う通りだ・・・俺は、思い違いをしていたんだな・・・。」

 

俺のそんな言葉に声をかける者が居た。

 

「その通りよ?見くびってもらっちゃ困るわ。」

「私は慶一さんにこれまでも色々な物をいただきました。それは私にとってもかけがえのない財産でもあるんですよ?」

「慶ちゃんはそんな私達の言葉を信じられない?」

「先輩のおかげで私は陵桜受験にもはずみがつけられましたよ?私に力をくれた先輩に私も私の出来る事で応えたいです。」

「・・・幸せを教えてくれたのは先輩です・・・。ゆたかという友達も先輩がくれました・・・些細な事ですが・・・私は幸せをもらっています・・・。」

 

そんなかがみ達の言葉を聞きながら、そして皆がここにいる事に驚きつつ

 

「・・・みんな、ありがとう・・・は、いいんだが、何で皆もここに?」

 

一応感謝の言葉をかけつつも、とりあえず尋ねてみる俺だったが、6人は俺にやまとと同じ理由を説明してくれた。

 

「そっか。朝食まではまだ時間もある。もう少しゆっくりしていくか。」

 

その言葉にかがみ達は笑って頷いてくれた。

 

俺はふと気になった事があるので皆に

 

「なあ?つかさやこなた、みさお、こう、ひより、パティはどうしたんだ?」

 

そう尋ねると、俺の質問にかがみとやまととゆたかが答えてくれた。

 

「こなたとつかさはまだ寝てるわ。あいつらも帰る前にもう一回行っておきたいって言ってたのに結局寝坊したみたいね。」

「みさちゃんもまだ眠ってたわね。一応書き置きは置いて来たけどね。」

「こうも部屋を抜け出てくる時にはまだ寝ていたわ。」

「田村さんとパティちゃんもですね。起こすのも可愛そうだったので私達だけできちゃいました。」

 

そんな3人の言葉に俺は苦笑しつつ

 

「そういう事か・・・でも、帰るまでに時間あるなら来ればいいだろう。ともあれ、もう少しゆっくりしたら戻ろうぜ?朝食終えたら帰る準備だ。皆、忘れ物だけはしないようにな。」

 

そう言う俺に頷くみんなだった。

 

そして、もう少し談笑しようとした時、凄い勢いで温泉に突っ込んでくる影が見えたので、俺は驚いてそちらを凝視すると、そこには息を切らせたこなた達が居たのだった。

 

「はあ、はあ、ま、間に合ったー・・・。酷いよかがみ、私達の事置いてくなんてさー・・・。」

「はあ、はあ、はあ・・・こなちゃん・・・もう・・・走れないよ・・・。」

「だらしねえなー、柊妹。でももう着いたから大丈夫だぞ?」

 

そんな3人にかがみが呆れたように

 

「起こそうとしても起きないあんたらが悪いんでしょうが!とにかく一息ついたならゆっくりしなさいよ。」

 

そう突っ込みを入れた後、とりあえず休めと言うかがみだった。

 

「やまと、置いてきぼりは酷いよ。」

 

そう言うこうにやまとは

 

「自業自得よ。一応私はあなたを起こそうとはしたわ。でも起きなかったんじゃない。」

 

こうに突っ込みをいれると、やまとの言葉に凹むこうだった。

 

「うあー・・・しんど・・・。」

「ヒヨリン、ファイト、ですヨ?このテイドでヘバっていてアリアケでタタカえますカ!?」

 

そんな2人にゆたかとみなみは苦笑しながら

 

「あはは・・・おはよう、田村さん、パティちゃん。」

「・・・お疲れ様、2人とも・・・ゆっくりするといいよ・・・?」

 

そう言っていたわってあげていたのだった。

 

俺はこの場に龍兄とまつりさん、いのりさんの姿が見えない事に気付いて

 

「こう、やまと。まつりさんといのりさんはどうしたんだ?」

 

そう尋ねると、やまとが

 

「私が出てくる時にはまだ寝ていたわね。でも、あれから少し時間が経っているし、そろそろ起きていても不思議はないかもしれないわね。」

 

そう言っていたが、後発できたこうが

 

「私が起きた時にはすでに起きてたみたいですよ?出てくる時に会いましたし、龍也さんと後でここに来るって言ってましたから。」

 

その言葉に俺は少し考え込みつつ

 

「うーん、ひょっとしたら龍兄は俺達に気を使ってくれたのかもしれないな。旅の最後の日だし、俺達だけにしてくれたんじゃないかな?」

 

そう言うと、こなたが

 

「そっかー。それじゃ残り時間はあまりないかもだけど、少しの時間でも一緒に居ようよ。みんなでさー。」

 

その言葉に俺達はお互いに頷きあうと

 

「そうするか、と言いたいが、俺は少し湯船から体出させてもらうぞ?俺とやまとは一番長く浸かってたから下手したらのぼせてしまうよ。」

 

俺の言葉にやまとも頷いて

 

「そうね。正直浸かってる時間長かったからそろそろ辛くなってきてたし。まあ、足は湯につけたままでいいかもしれないわね。」

 

そう言うと、こなた達も納得してくれたようだった。

 

そして、朝食のはじまる時間ギリギリまで俺達は、旅の事や今までの事を話し合った。

 

俺にとってその時間もまた、凄く充実した時間となった。

 

そうして納得の行く所まで話し込んだ俺達は、旅館に戻って朝食をとった後、部屋に戻って帰りの準備をしつつ忘れ物等がないかどうか荷物の確認をしていた。

 

しばらくそうしていると、フロントから俺宛に呼び出しがあった。

 

俺は内線の受話器を取ると

 

「もしもし、慶一か?フロントに村木君が来ている。慶一を呼んで欲しいという事だ。」

 

そう言ってくる叔父に俺は

 

「村木が?わかりました。すぐに行きますので。」

 

そう言って俺は受話器を置くと、部屋を出てフロントに向かった。

 

俺の姿を確認した村木は

 

「よう、森村。悪かったな。急に呼び出したりして。」

 

そう言ってくる村木に俺は

 

「構わないさ。帰る準備もあらかた済んだしな。それで?俺に何か用か?」

 

そう尋ねると、村木は取り巻き連中を呼んで、そいつらの持っていた物を受け取ると俺に

 

「これは俺達からの餞別だ。3日前のお詫びとしてはちょっと不足かもだが、俺達の気持ちだ。受け取って小早川さん達に渡してくれたらありがたい。」

 

そう言って俺にあの時のお詫びと称して土産物らしいものを俺に渡して来た。

 

俺はそれを受け取ると

 

「ありがとう、村木。でも、いいのか?」

 

俺のその言葉に村木は笑いながら

 

「構わないさ。お前らとはちゃんと詫びて仲直りをしたい、そう思ってたからな。それに最初にあの子達に怖い思いをさせたの俺達だ。それに対するけじめだけはつけないと俺が納得できないからな。」

 

俺はそんな村木の言葉に

 

「そうか。お前の詫びの気持は受け取った。なあ、ゆたか、みなみ、ひより、パティ。」

 

そう返事をしつつ、俺はこっそり呼んでおいた4人の名前を呼ぶと、4人は俺達の所へやってきて

 

「はい!あの時は驚きましたけど、私はあなたの事はもう許していますから。」

「・・・先輩との戦いはひやひやしましたが・・・今は先輩の友人であるのなら、私はそんな人を憎む気にはなれません・・・。」

「その後には泉先輩達の捜索にも手を貸していただいたんスから十分村木さんは罪を償ってますよ。」

「ムラキがケイイチのフレンドなら、ワタシにとってもフレンドですヨ?デスからワタシはもうキニしていまセン!」

 

突然やってきた4人と共に、そんな4人からかけられた言葉に驚いた村木だったが、4人に再び頭を下げると

 

「ありがとう。怖い思いさせてごめんな。森村にお詫びのしるしを託したから後で受け取って欲しい。」

 

そんな村木に4人は困惑していたが、俺が村木の気持ちを汲んでやって欲しいと言うと、4人とも頷いてくれたのだった。

 

「・・・ともあれ、一時のお別れだな。また来いよ?森村。ここはいい所だからな。」

 

俺はそんな村木に

 

「ああ。また遊びに来させてもらうよ。ここでの数日の事、忘れないぜ?信也。」

 

そう言って俺は、村木の事を下の名前で呼ぶと、信也は驚いたような表情を見せていたが、やがて笑顔になって

 

「ふっ。最後の最後でしてやられたな。俺もだぜ?お前みたいな強い奴の事は忘れない。だから、また遊びに来いよ?慶一。」

 

俺の言葉に答えて、信也もまた俺を名前で呼んでくれたのを受けて、俺もまた満面の笑顔を返す。

 

そんな光景を見ていた皆もつられるように笑顔となっていたのだった。

 

そして、俺は信也とがっちりと握手を交わすと、再会を約束しあって部屋に戻った。

 

部屋に戻って帰る準備を済ませた俺は、そろそろ駅へと向かう時間となったので部屋をでた。

 

そして、フロントでチェックアウトを済ませた俺達は、駅へ向かう送迎バスに乗り込んだ。

 

駅に辿り着いた俺達は叔父にこの4日間の礼を言うと、電車に乗り込み、箱根を後にする。

 

電車の中で俺達は今回の旅の事を話していた。

 

「楽しかったねー。ちょっとハプニングもあったけど、いい旅行だったよー。」

「ハプニングという言葉は痛いわね・・・実際洒落じゃすまない所だったし・・・でも楽しかったな。」

「この旅行を通してまた皆との絆も強くなった気がするよね。」

「そうですね。とても充実した旅行でした。」

「慶ちゃんにはまた何か企画してもらいたいわね。もっともっと思い出が欲しいな、って思うし。」

「だよなー。私らの楽しい時間は後1年しかねえもんな・・・もっともっと楽しい事したいゼ!」

「日下部先輩、弱気になってませんか?私達は望むなら出来るってこの前確認しあったばかりじゃないですか?」

「そうね。その思いがあればまた色々な事も出来るはずよ。」

「もっともっとみんなと一緒に色々な事やっていきたいよね。ねえ、みなみちゃん。」

「・・・そうだね・・・。だから信じよう・・・先輩の言ってくれた事・・・。」

「私達ならできるはずっスからね。その為にもまずは入学式を終えて先輩達の前に立たないと。」

「タノシイジカンをツクルのはワタシタチのツヨイオモイでどうにでもデキルはずデス。だからワタシはジカンのユルスカギリみんなとタノシンデいくつもりですヨ?」

 

そんなパティの言葉に皆も頷いてそして俺も

 

「それが俺達が共通して願う事ならきっと出来る。だから俺も俺の出来る限りでみんなとやっていくさ。」

 

そんな俺の言葉に皆の顔にも決意のようなものが見えた気がした。

 

そんな皆の決意を感じながら家路に着く俺。

 

こうして2年生最後の思い出作りの旅行は幕を閉じる事となった。

 

2年生編、エピローグ・・・・・・

 

その後家に着いて、俺は荷物の整理をしていたのだが、俺の携帯に数件の着信が入る事となった。

 

着信は、泉家、柊家、高良家からのもので、どうやら今回の旅行でおきた遭難事件をこなた達は親に報告したのだろう。

 

娘達を救ってくれた事に対するお礼の言葉をもらう事となった。

 

そして、俺は次の日、お墓に供える為の花を買い込んで、こなたとの待ち合わせ場所に向かう。

 

待ち合わせ場所でかがみたちと合流したが、こんな時でも遅れて来るこなたに俺は苦笑していたものの、とりあえず全員が揃ったので、俺達はかなたさんのお墓へと向かったのだった。

 

今回はそうじろうさんも一緒に来てくれたので、泉親子を伴ってかなたさんのお墓へと歩みを進めた。

 

そして、かなたさんのお墓に着いた俺達は、お墓の周りを綺麗にしたり、水を取り替えて花を供えたりという事をやってお墓に向かって手を合わせていた。

 

「・・・かなた。ありがとうな?お前が森村君を導いてくれたおかげでこなたも無事だった。今回の事でお前がいつでもこなたの事を見守っているんだ、という事がわかっただけで嬉しいもんだ。もちろんこなたが無事に帰って来てくれた事もそうだけどな。かなた、みんなこうしてお前に感謝する為にやってきてくれたよ。俺も嬉しいが、お前もきっと嬉しいよな?なあ、かなた。」

 

そうやってお墓に語りかけるそうじろうさんの言葉を俺達は黙って聞いていた。

 

そしてその後にこなたも

 

「お母さん。私を助けてくれてありがとう。私は今とても素晴らしい仲間達と一緒にいるよ?今まではおとーさんと2人で少しだけ寂しい思いをした事もあったけど、今はそんな事ないからさ。だから安心してよね?ほら、見える?お母さん。私たちの後ろにいる人達が私の大切な仲間だよ?これからも私はみんなと一緒に頑張っていくから、だから、安心して見守っていてね?お母さん、私はお母さんを誇りに思うよ?」

 

そう語りかけるこなたの姿を見ながら俺もまた心の中で

 

(かなたさん。こなたにはきっと、俺達が寂しい思いをさせないようにします。それと共に改めてあの時はこなた達を救う手助けをしてもらえた事、とてもありがたく思っていますよ。安心してください。俺達はずっと、こなたの側にいてやるつもりですから。それが、俺にとってのあいつへの恩返しでもあるんですから・・・。)

 

そう考えるのだった。

 

そして、墓参りから戻った俺は新学期へ向けての準備を済ます事となった。

 

明日には学校が始まる。

 

俺はパティに、明日に支障の出ない程度にゲームやアニメを切り上げておけ、と釘を刺しながら明日からの新たな学校生活に思いを馳せるのだった。

 

らき☆すた~変わる日常、2年生編~ 完

 




2年生編はこれにて終了となります。

次回からは3年生編へと突入。

これからもよろしくお願いします。

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