らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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移り行く旋律~期末試験とアニ研世代交代~

みさおとの宿題兼勉強会を済ませ、俺達は、ついに2年生最後の期末試験に臨む事となった。

 

あの後もぎりぎりまで勉強会をくりかえし、万全の体制で最後の試験に臨んだ。

 

臨んだのだが・・・・・・。

 

試験中日、俺達は今回の試験の答え合わせも兼ねて図書室に集まっていた。

 

「・・・・・・で?3人とも、今回の結果について何か言う事はある?」

 

かがみがこなた、つかさ、みさおの3人を睨みつけつつそう言うと、3人とも縮こまりながら

 

「す、すいません・・・」

「ごめんなさい・・・」

「このとおりです・・・」

 

と3者3様に謝っているのを見て、俺達は苦笑していた。

 

最後の試験だからこそ、赤点なしですっきり終わろう、と、当初はそんな目的で勉強会をやっていた。

 

もちろん、かがみもみゆきもあやのも自分の勉強にも時間を使わなければならなかったのだが、そんな中でも、3人ともに、そんな貴重な時間を割いてまでこの3人に赤点を取らせたくなくてがんばった。

 

しかし、結果は苦手科目を落とす事となったようだった。

 

「・・・あんた達のがんばりは認める。けど、届かなかったわね・・・せめて・・・せめて赤点ぎりぎりで突破できれば、って思ったけど・・・」

 

かがみが残念そうな声をあげると、怒られてる3人はさらに申し訳なさそうに

 

「言い訳もできないね・・・」

「あうう・・・ごめんなさい・・・」

「ほんとにごめん・・・」

 

そうやって落ち込む3人に俺は、いたたまれなくなって間に割って入る。

 

「かがみ、気持はわかる。すごくわかるからとりあえずはその位にしといてやれ。」

 

そう言った後、俺は3人の方に向き直り

 

「お前らも少しでも反省してるなら、まだ試験日程は後半分あるんだからそっちを落とさないようにがんばれ。赤点教科はもう一度お前らさえやる気があるなら見てやるから。」

 

俺の言葉にかがみはしぶしぶながら

 

「・・・はあ・・・仕方ないわね。とりあえず切り替えていきましょ?」

 

そう言って、怒られてる3人は

 

「う、うん。とりあえず残りを頑張って汚名返上するよ。」

「わたしもがんばるよ~。だから、見捨てないで?」

「これ以上は落とさないように頑張るゼ!だから、苦手教科の方頼むー。」

 

その言葉にかがみは

 

「その言葉、本当でしょうね?ちゃんと宣言したからにはしっかりやりなさいよ?ここは慶一くんに免じて私も赤点教科の克服には手を貸すから。」

 

3人を睨みつけつつもそう言ってくれるかがみに3人は

 

「ほんと!?ありがとーかがみー。慶一君もよろしくね?」

「わたしも頑張る!皆で一緒に春休み過ごしたいもん。」

「私もやるぜ!ここで燃えなきゃ嘘だよなー!」

 

そう言って気合を入れなおしていた。

 

それを見たみゆきやあやのも

 

「私も及ばずながら手助けをさせていただきますね?私も皆さんと共に春休みを過ごしたいですから。」

「泉ちゃん、妹ちゃん、みさちゃん。がんばろうね?」

 

その言葉にこなた達もうんうんと頷いていた。

 

その後、残りの教科の試験日程をチェックして、今日はこれで家に帰る事となった。

 

その際に俺は、アニ研の部室に寄る用事もあり、皆には先に行っててもらって部室へと赴いた。

 

俺は部室をノックする。

 

すると、中から「どうぞー。」という毒島さんの声が聞こえたのを確認して俺はドアを開ける。

 

「失礼するよ。あれ?毒島さんだけかい?こうとやまとと山辺さんがいないな。」

 

3人の行方を尋ねると毒島さんは

 

「ああ、やさこ達なら桜庭先生に呼ばれて職員室ですよ?先輩、やさこに用事でしたか?」

 

そう聞いてきたので俺は頷いて

 

「ああ。というか、あいつからここに来るように声かけられたんだけどな。まあ、いつもの事か。」

 

軽いため息をつきながら肩をすくめる俺を見て毒島さんは

 

「ずいぶんと慣れてるみたいですね。あ、そういえば先輩とやさこって・・・」

 

毒島さんの言葉に俺も頷いて

 

「うん。中学時代からの付き合いさ。だから、あいつのいい加減な所も、こうやって待ち合わせに遅れる所も知っているって事だな。まあ、この状況に慣れる事事態、俺もどうかしてるのかもしれないけど。」

 

そう言って苦笑する俺に毒島さんは

 

「へえ?先輩って結構面倒見がいいんですね。私だったら数回で見限りそうですよ。」

 

そんな毒島さんに俺は複雑な表情で

 

「あはは。毒島さんは結構厳しそうだね。俺はまあ・・・甘いのかもしれないな・・・。中学時代はあいつらに助けられる事が結構あったからね。それに対する恩返しを、無意識にしたいとおもってるのかもしれないな。」

 

そんな風に言う俺を見て毒島さんは微笑みながら

 

「甘さ、っていうのもあるのかもしれませんが・・・やっぱり先輩は優しいんだと思います。それに、手のかかる子程、先輩ってほおっておけないっていうのあるんじゃないかなあって思いますよ。」

 

そんな毒島さんの言葉に俺は照れながら

 

「それはあるかもしれないな・・・でも、毒島さん、よく見てるねえ。俺達まだ友達になってそんなに経ってないのにさ。」

 

そんな俺の言葉に毒島さんは軽く笑って

 

「人間観察は得意ですよ?でも、先輩を見ていてもなんか信じられませんねえ・・・」

 

その言葉に首を傾げつつ俺は毒島さんに「何が?」と訪ねると、毒島さんは苦笑しつつ

 

「やさこから聞いてますよ?先輩。中学時代は大分暴れ者だったって言う噂があったと。でも、今の先輩を見ているととてもそうは見えませんね。」

 

その言葉に俺は苦笑しつつ

 

「こうの奴そんな事を話したのか・・・はあ・・・その事は出来ることなら忘れたい事なんだがな・・・そのせいで結構馬鹿を見て来たしなあ・・・。」

 

俺の言葉に毒島さんは困惑顔で

 

「その事以外にも先輩はちょっと辛い事もあったんですよね?だから、それを考えると先輩の当時は仕方がなかったのかもとさえ、思えましたが・・・。」

 

俺はその言葉にため息を1つつくと

 

「あいつそんな事も話したのか・・・でも・・・ありがとう。その言葉だけでも少しは救われるかな、気分的にね。」

 

後頭部を掻きつつそう言う俺に毒島さんは

 

「1つだけ言っておきますけど、私はこの事は嘘じゃなくて本心で言ってますからね?だから、安心してください。」

 

そんな風に言う毒島さんに俺は頷いて

 

「うん。分かってるよ。君の言葉に嘘がない事はこうして話していると分かるから。だから、改めて、ありがとうな。」

 

そんなお礼の言葉に、毒島さんも微笑みながら頷いてくれたのだった。

 

そして、いきなり部室のドアが開く音が聞こえて、俺達は驚きつつ、そっちへ顔を向けたのだった。

 

「あ、先輩。来てくれたんですね?すいません。桜庭先生に呼ばれていましたから。少しお待たせしちゃいましたかね?」

 

そう言って俺に詫びてきたのはこうだった。

 

「なに、今日はお前を責められる事情じゃないからな。心配はないぞ?」

 

そう言うと、こうは少しほっとしたような顔をしていたが、その、こうの後ろからやまとと山辺さんの2人もやってきて。

 

「ごめんなさい、先輩。少し話しが長引いてしまったわ。」

「呼んだのは私達なのに、お待たせしちゃいましたね。ごめんなさい。」

 

そんな2人に俺はさっきこうに投げかけた言葉を伝えると、2人ともほっとしているようだった。

 

そして、こうは俺を少しニヤニヤしながら見て

 

「でも先輩。退屈はしなかったでしょ?こうなるかも、と思ったからみくだけここに留守番してもらったんだしね。」

 

その言葉に毒島さんはにっこりと笑い、俺は呆れつつも

 

「成る程な、そういう事だったのか。まあ、お前にしては中々の機転だったと褒めておくが、こう・・・後でお前にすご~~く大切な話がある。覚悟しとけよ?」

 

俺はこうに黒いオーラを放ちつつそう言うと、こうはとたんに怯えて

 

「え?あの、先輩・・・それってどういう・・・」

 

そうやって慌てるこうに俺は黒い笑みを向けながら

 

「なあに・・・すぐにわかるさ・・・」

 

その言葉にこうは本気でびびっているようだった。

 

そんな俺とこうのやり取りを見ながらやまとは

 

「こうが何をしたのかは知らないけど、先輩のあの怒り様を見るにつけ、こうがやっちゃいけない事したかもしれないと言う事だけはわかるわね・・・」

 

隣にいる山辺さんにそう言うと、山辺さんも苦笑しつつ

 

「やさこ、骨は拾ってあげるよ?」

 

そんな風に言うのだった。

 

その言葉にさらに怯えるこうに俺は、軽いため息を1つついてとりあえず黒いオーラを収めると

 

「まあ、それはともかく、俺に用事だったんだろ?こう。まずはそれから聞こうか。」

 

俺がこうに俺を部室に呼び出した用事について訪ねると、こうは収支ビビリっぱなしだったのだが、本題を思い出したようで、恐怖をとりあえず押さえ込みつつ

 

「そ、そうでした。先輩、実はですね、もうすぐ先輩も3年生になりますよね?そして、私達も2年生へとあがります。ですから、今後受験勉強等で忙しくなるだろう先輩に代わり、私がアニ研の正式な次期部長を引き継ぐ事になったんですよ。」

 

その後を補足するようにやまとが

 

「それで、このアニ研も部員も大分揃い、部活らしくなってきたと言う事もあって、先輩を仮部長の任から解放するために桜庭先生と話してきたって事なのよ。」

 

その2人の説明に俺は

 

「そうか・・・もう3年になる俺の事も一応は桜庭先生も考えてくれたって訳だな。じゃあ、今後のアニ研部長は、こう、お前が引き継いでくれる、って事か?」

 

俺の言葉にこうは頷いて

 

「はい。そうなります。そして、副部長にみくとたまきがなってくれる事となりました。」

 

俺はそこまで聞いた時、妙な違和感を感じてこうに

 

「あれ?副部長は毒島さんと山辺さんがやるのか?俺はてっきり、やまとがやるものとばかり・・・」

 

その言葉にやまとが

 

「私は辞退させてもらったわ。元々こうとはただの付き合いでこの部にいただけだし、何より私よりもみくさんやたまきさんの方がこうには合ってるもの。」

 

そんな風に言うやまとにこうは少し残念そうに

 

「うーん・・・残念だよねえ・・・ここまで一緒にやってきたのにさ。この部を盛り上げる為に一緒にやってきたじゃない?やまと~。」

 

そんなこうの言葉にやまとは、こうをじろりと睨みつけて

 

「・・・結成当時には私は仮の部員という約束であなたに付き合ったのよ?その義理はもう果たしたんだから、もう私は自由になってもいいはずよね?それに、そっちの2人の方があなたにはやりやすいと思うからそうしたのよ?今更文句言われても困るわよ。」

 

そんなやまとの言葉にこうは、心底残念そうな顔をしつつ

 

「・・・まあ、そういう訳ですので。先輩も仮部長、お疲れ様でした。そして、私達も今日、正式なアニ研部長と副部長として先輩にご挨拶をしてその役目を引き継がせてもらいますから。」

 

そして、そんなこうの言葉の後に毒島さんと山辺さんも

 

「先輩、今までこの部の為にありがとうございました。これからは私たちがやさこと共にこの部を盛り上げていきますから。」

「部の立ち上げに係わってくれた先輩は名誉部長でもありますからね。部長を降りてもまた、この部に遊びに来てください。」

 

そんな3人の言葉に俺は大きく頷くと

 

「わかった。結成当時はどうなる事かと思ったけど、何とかやってこれたな。部員も増えたし、新たな部長も決まった。そして、頼りになりそうな副部長もね。俺はここで引くけど、3人でこれからも部を盛り上げていってくれ。俺はたまにでも、遊びに寄らせてもらうからな。」

 

そんな俺の言葉にこうがおずおずと

 

「あ、あの、先輩?さっきの台詞の中に私の事なかった気がするんですが・・・私って頼りになりませんか・・・?」

 

そんなこうの言葉に俺は意地の悪い笑みを浮かべつつ

 

「んー?そうだったか?よく覚えていないなあ。」

 

と言う俺の言葉にこうは涙目になりながら

 

「・・・そ、そんなあ・・・」

 

と言うこうを見て、俺達は大いに笑ったのだった。

 

そして、落ち込むこうを慰めつつ

 

「まあ、今のでさっきの後で話があるというのはチャラにしてやるよ。改めて、これからも頑張れよな?こう。中学時代からのお前の夢の1つが叶ったんだし、全てはこれからだぞ?」

 

俺のその言葉に涙目だったこうは”ぱあっ”と笑顔になって

 

「はい!この部の事は任せてください。これからも楽しい部になるように頑張っていきますから!」

 

その言葉に俺は笑顔で頷き、やまとも軽いため息をつきながらそんなこうを見て、そして毒島さんが俺の側に来て小声で

 

『やっぱり先輩は甘いですね。結局やさこを許しちゃうあたり、優しいな、って思いますよ?』

 

そんな毒島さんの言葉に俺も照れつつも

 

『まあ、この部の新しい門出でもあるからな。変ないざこざはなく、すっきりと送り出してやりたいからな。でも結局俺はお人好し、か。』

 

そう言いながらも苦笑する俺に、毒島さんもにっこりと笑って頷いていた。

 

そんな俺達の事に気付いたやまとが

 

「先輩?みくさん?2人でこそこそ何をやってるのかしら?」

 

不機嫌オーラを飛ばしながら言ってくるのを、俺達は苦笑しながら

 

「い、いや、別になんでもないさ。なあ、毒島さん。」

「ふふ。そうですね。先輩はお人好しだなあ、って言っていただけですよ。」

 

その言葉にやまとも呆れたようなため息を1つついて

 

「そうね、みくさんのいうとおりね・・・先輩はお人好しすぎるわ・・・」

 

そんな風にいうやまとに毒島さんは

 

「そうね。やまとさんも苦労するわよねえ?先輩があんな感じじゃあね・・・」

 

その言葉に俺は頭にハテナマークを飛ばし、やまとは赤くなって慌てながら

 

「な、何言ってるのよ?みくさん、私は別に・・・」

 

そう言うやまとに毒島さんはニヤニヤとしながら

 

「あれー?別に先輩とどうこう、とかは言ってないけどなあ?もしかしてやまとさんはその気があったりするの?」

 

そう追い討ちをかけると、さらに真っ赤になったやまとがしどろもどろで

 

「そ・・・その気って・・・何よ?ベ、別に先輩の事なんて特に・・・どうこう思ってるわけじゃないわよ。ヘ・・・変な勘ぐりは・・・しないでほしいわ。」

 

そんなやまとの言葉を聞いた毒島さんは俺に

 

「だ、そうですよ?先輩。先輩もお気の毒ですねえ・・・」

 

そんな毒島さんの言葉に俺は、ただただ困惑をしていて、やまとはただただ真っ赤になっておろおろとしていた。

 

それから4人でこれからの事や活動に関する事等を色々と話し合い、改めてこうたちに部の事を頼み、俺は部室を後にしたのだった。

 

だが、その際にまだ試験期間中でもあったので、やまと達も俺の家に立ち寄り、試験勉強をする事となった。

 

「すいません、先輩。お世話になります。」

「一応の復習とテストの傾向と対策をしないとね。」

「私達も面倒みていただいてありがたいです。」

「皆で一緒に残りを乗り切っていきましょ?」

 

そんな4人に俺も頷きながら

 

「お互いにこの学年では最後の試験だ。悔いを残さないように頑張ろう。」

 

俺の言葉に4人とも頷くと、俺達の学年最後の試験に向けて、最後のとも言える勉強会が始まった。

 

自分たちの教科の範囲を確認し、そこを重点的に復習したりしていった。

 

そして、4人のわからない所等の質問にも答えつつ、勉強を進める。

 

「先輩、ここなんですが・・・」

「ここはこれでいいのか見てくれる?先輩。」

「これってこれであってますか?」

「うーん、ここは難しいな。先輩ちょっといいですか?」

 

勉強を進めつつ、後輩達からも質問が飛んでくる。

 

俺はそれを裁きつつ、俺自身も1年の頃の勉強の復習をする事となった。

 

ある程度勉強も進み、今日はこれでお開きと言う事になった。

 

「先輩。今日はありがとうございました。」

「残りも油断せず乗り切っていくわ。」

「先輩のアドバイス、とても参考になりましたよ。」

「やっぱり先輩は頼りになりますね。部のほうでもまたよろしくお願いしますね?」

 

そんな4人に俺は

 

「はは。役に立てたのなら嬉しいよ。テストもきっちり終わらせて新たな学年へと進みたいからな。それと山辺さん。そっちもたまに立ち寄らせてもらうよ。だから、部のほうはよろしくな。」

 

そう伝えると、4人とも頷いてそして、俺に手を振ってそれぞれの家へと帰っていった。

 

それを見届けて俺は、パティの待つ家へと帰っていったのだった。

 

「ただいまー。ん?」

 

家に帰り着き、ただいまと声をかけた時、キッチンの方から漂ってくるいい匂いに気付き、俺はとりあえずキッチンへ顔を出しに行く。

 

すると、そこでは鼻歌を歌いながら料理をしているパティがいた。

 

俺はパティの邪魔をしないよう、注意しながらパティに声をかける。

 

「ただいま、パティ。今日はお前が作ってくれたのか。でも、驚いたな。お前もそんな事出来たなんてさ。」

 

俺のその言葉にパティは得意げに

 

「フフン。モトモトはホームスティサキがミつからなかったトキはヒトリグラシもシヤにイれてましたからネ。そうなってもいいように、リョウリ等はレンシュウしてキましたヨ?」

 

そんなパティの言葉に俺は感心しつつ

 

「成る程な。それじゃ今日はパティの料理に期待させてもらおうかな。」

 

その言葉にパティも満面の笑みで頷いて

 

「オマカセです。いつもケイイチにはオイシイゴハンをタベさせてもらってイマスからネ。ワタシもケイイチにタイするギリはハタさないと、ですヨ?」

 

そんなパティの気持に俺は素直に甘える事にした。

 

そして、パティとの楽しい夕食を過ごし、試験勉強をする。

 

試験が終わるまでは、パティにもアニメDVDの観賞等は自重してもらった。

 

そして、俺は残りの日程も順調に消化していった。

 

試験最終日に最後の答え合わせをみんなで行う為に図書室に集まる俺達。

 

例の3人も、落とす教科は苦手分野のみで済んだようだった。

 

「さて、これでようやく2年生として最後の試験が済んだわけだけど、何にしても今後はこなた達の赤点教科のフォローをしなきゃならないな。」

 

と、俺がみんなを見回しながらそう言うと、かがみは

 

「まあ、他に落とす教科がなかっただけましかしらね?でも、赤点教科の勉強だけはしっかりやらせるから覚悟しなさいよ?」

 

かがみのその言葉に3人も

 

「取ってしまった教科は仕方ないよね・・・でも、私達も頑張るから、フォローよろしくね?みんな。」

「次はきっとパスしてみせるから勉強見てね?」

「今度は絶対取り戻すから頼むゼ?みんなー。」

 

そして、みゆき、あやのの2人も

 

「春休み前の再試で決めましょう。私もお手伝いさせてもらいますから。」

「みんなで揃って春休みを過ごす為にも頑張ってもらうわよ?」

 

そんな2人に対してもこなた達も力強く頷くのだった。

 

そして、それから再試までの間俺達による特訓を開始、苦手教科の克服に努めた。

 

その甲斐あって、何とか再試は全員通る事が出来たのだった。

 

そして、全てを終えたその日の帰り、試験におけるストレスの解消と言う事で、俺達はケーキバイキングにやってきていた。

 

「うーん。やっぱり、ストレス解消には甘いものだよね?」

「同感。だけど、この反動で太らないかが心配だわ・・・」

「あはは。あまり食べ過ぎないように気をつけなくっちゃね。」

「それでもついつい甘いものを食べたくなってしまいますねー。」

「柊ちゃん達の気持も分からなくもないわね。私もこういうの好きだし。」

「幸せを感じる時っていうのはこういう時でもある訳だよなー。」

 

そんな6人を見ながら俺は苦笑しつつ

 

「幸せそうに食べるのはいいけど、ケーキばかりで胸やけがしてきそうだなあ。」

 

そう言うと、何故か皆に軽く説教をくらってしまった。

 

そして、ケーキを食べながら俺達は春休みの事について色々と話をしていた。

 

「ねえ、ねえ。春休みにはみんなでどこかに遊びに行こうよ?」

「どこかって、どこよ?」

「こなちゃんはどこか行きたい所あるの?」

「皆さんが行かれるのでしたら私もお付き合いしたいですね。」

「映画とかはどうかしら?今確か面白いのが来てたと思うわよ?」

「ああ、あのアクション物かー?あれは私も見てみたいなって思ってるんだよなー。」

 

あやのの提案に俺も興味を示しつつ

 

「映画?なるほど、それも良さそうだな。」

 

そう言うと、こなたが俺の言葉に同意しつつ

 

「じゃあ、映画も予定の1つって事で。他には何かないかな?」

 

そう言うこなたの言葉に皆が悩んでいたが、俺は1つ思いついた事があったので

 

「なあ、俺の親父の知り合いに温泉旅館を経営してる人がいるんだが、そこに2泊3日くらいで泊まりに行ってみないか?親父の知り合いだから、格安で泊まれる筈だよ。」

 

俺の提案にこなたは瞳を輝かせつつ

 

「おお!?それはいいねー。ねえ、みんなはどうかな?」

 

こなたが皆に話を振ると、みんなは少し考え込んでいたが

 

「・・・そうね。この際だから行ってみるのもいいかもしれないわ。」

「わたしも賛成~。お母さんに話してみるよ~。」

「いいですね。それでは慶一さんに手配の方をお任せしましょうか。」

「楽しそうね。それにいい思い出にもなりそう。慶ちゃん、お願いできるかな?」

「温泉でのんびりかー。楽しそうでいいなー。私も賛成だゼ?慶一、任せたゼー?」

 

そんな皆に俺も頷いて

 

「ああ、任せてくれ。詳しい事決まったら連絡いれるよ。こなた、みゆき。ゆたかとみなみにも声かけといてくれ。俺の方もこうややまと、ひよりに声かけといてみるから。後パティも連れて行ってやらないとな。」

 

そう言うと、みんなも満面の笑みで頷いた。

 

そして、春休みの予定を決めた俺達は、ケーキを食べ終えた後に解散する事となった。

 

家に戻り、俺は親父に温泉旅館の件について連絡を入れる。

 

「もしもし、親父か?実はな・・・と言う訳なんだけど、予約とか取れそうか?」

「ん?あそこへ行くのか?それなら私が話を通しておいてやろう。心配はいらんぞ?それと、今回も私がついていった方がいいだろうか?」

「引率はいた方がいいだろうしな。親父さえ忙しくなければ頼みたいけど・・・」

「ふむ・・・おお、そうだ。今回は龍也に頼む事にしよう。あそこへは電車を使う事になるだろうしな。それならば龍也でも十分に役目を果たせるだろうからな。」

「そうか・・・なら龍兄に頼んでおいてくれるか?日取り決まったらまた連絡してくれ。」

「わかった。龍也に連絡させよう。じゃあ、今日はこれで切るぞ?慶一、達者でやれよ?」

「分かってるさ。ありがとな、親父。」

「ふん。このくらいはたやすい事だ。」

 

そう言って電話を切る俺。

 

さらに俺は、こうややまとにも連絡を取って旅行への参加希望を取ったが、2人とも来てくれる事となった。

 

パティにもその話をしたら、相当喜んでくれたので俺はほっとしていた。

 

2年生最後の春休み、どんな出来事がまっているのか。

 

俺はわくわくとした気分になりながら、春休みの訪れに期待を寄せていたのだった。

 


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