らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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緩やかになる旋律~試験に向けてのみさおの受難~

パティに日本の文化を見せるという名目で、今回の柊家の招待に応じた俺。

 

その際に、俺1人だけは照れくさかったのもあり、龍兄を巻き込む。

 

何となくオタクな反応をしつつも、とりあえずはパティも喜んでくれた事に安堵しつつ、龍兄の報復の修行3倍にため息をつく俺。

 

そして、雛祭りも終わり、パティの制服等が学校に届いたという連絡をパティは受けた。

 

学校見学という教師からの誘いもあり、俺と共に学校へと向かうパティ。

 

そして、学校へ向かう途中でまたもパティに抱きつかれ、それをこなた達に見られ、その日、1日はこなた達のご機嫌取りに奔走する事となったのだった。

 

そして、それから数日後・・・・・・

 

「ほら、みさお。次だ。後何問か解いたら休憩だからがんばれ。」

 

みさおを指導しつつそう言う俺に、みさおはかなり辛そうな表情を俺に向けながら

 

「うう・・・慶一ー、もう少しお手柔らかに頼むってヴァ・・・」

 

弱々しい声でそう言うみさおに俺は呆れつつ

 

「あのな。今回も試験勉強も兼ねて宿題を写させてやったんだぞ?それでいて赤点取りそうなおまえの願いを聞いてこうして勉強も見てやってるんじゃないか。中々寛大だとは思わないか?」

 

その言葉にみさおは言葉を詰まらせ

 

「う・・・そ、それはわかってるけどさー・・・頭パンクしそうだよー・・・」

 

頭を抱えながら弱音を吐くみさおに軽いため息をつきつつ

 

「後もう少しだろ?頑張れよ。そこまで解けたらこれをやろう。」

 

そう言って、みさおに有名どころのプリンを見せる。

 

すると、みさおは途端に目を輝かせて

 

「おおおー!!そ、それは私の大好物・・・おーし!慶一、頑張るから終わったらそれくれよな。絶対だぞ!?約束だかんな!?」

 

その言葉に俺は苦笑しながらも

 

「分かってるよ。だから頑張れ。」

 

そう言うと、みさおは満面の笑みで頷くのだった。

 

今どうしてこんな状況になっているかというと、その理由は、これより3時間程前までさかのぼる・・・・・・

 

「パティ、おはよう。学校見学してきたんだろ?どうだ?陵桜の感想は。」

 

パティのそう声をかけると、パティは満面の笑みで

 

「・・・スゴク・・・オオきいデス・・・」

 

と、どこかで聞いたような台詞を吐くパティに俺は脱力しながら

 

「それは何かのネタか?・・・はあ・・・まあいいや。ともあれ、俺もまだ知らない場所もあるんだよな。だから、それもお前が入学してきた時にお前を校内案内する時に一緒に回ってみないか?」

 

俺の言葉にパティも頷いて

 

「そうデスね。ワタシもまだまだシリたいバショ、ミタイトコロ、たくさんありマスね。そのトキにはケイイチ達にもアンナイしてもらえたらウレシイデスね。」

 

その言葉に俺も頷きながら

 

「ああ、まかせろ。って、学校全体を把握しきれていない俺が言うのもなんだけどな。まあ、楽しみにしてろよ。」

 

俺の言葉にパティも笑顔で頷きながら

 

「ハイ!タノシミにしてマスよ。あ、そろそろデカケなければ・・・ケイイチ、あまりオソクならないようにカエリマスから。それと、ナニかあれば、ケイイチのケイタイにレンラクいれマスね?」

 

その言葉に俺は

 

「ん?今日はどこかへでかけるのか?」

 

そう訪ねるとパティは頷いて

 

「ハイ!キョウはユタカ達とヤクソクがあるのデスよ。ナンでもワタシのタメにヒツヨウなブンボウグをエランデくれるとのコトデスので。ホントウにフレンドというものはアリガタイデスね。」

 

その言葉に俺は笑いながら

 

「そっか。良かったじゃないか、パティ。ゆたか達とも友達になれてさ。まあ、俺が言うのもなんだけど、友達は大切にしろよ?」

 

俺の言葉にパティもにっこりと笑って

 

「ワカッテいマスよ。そんなユタカ達がダイスキデスからね。ケイイチがシンパイするほどのコトではアリマセーン!」

 

その言葉に俺も笑いながら頷くと、パティは時計を見て

 

「イケマセン!イソガなくては・・・ケイイチ、キョウのディナーもキタイしてマスよ?それではイッテキマス。」

 

俺にさり気にプレッシャーをかけてから家を出るパティを、苦笑しながら見送る俺だった。

 

「・・・ったく、パティめ・・・さり気にプレッシャーかけていきやがった・・・しゃあない、がんばってみるかな?」

 

そう思いながら夕食の献立に思いを馳せつつ、部屋に戻って宿題等を終えてしまおうとしていたのだが、そこに俺の携帯に着信が飛び込んできたので俺は発信者を確認して電話に出た。

 

「もしもし?みさおか?今日はどうした?」

 

俺がそう話し掛けると、みさおはなんとも歯切れの悪そうな声で

 

「あー・・・慶一・・・その・・・な?もうすぐ期末も近いじゃん?それに、今日も宿題でてただろ?それでさ・・・あの・・・」

 

俺はみさおの言いたい事が何となく理解できたので

 

「宿題の掃除も兼ねて勉強会しないか?と言った所か?」

 

俺の指摘に電話口でみさおは

 

「あう!・・・うう・・・だめかなー・・・?慶一ー・・・頼むよー・・・柊もあやのも今日は捕まらないんだよー・・・」

 

相当に凹んでるらしいみさおに俺は軽いため息を1つつくと

 

「・・・はあ・・・わかったよ。引き受けてやるから来るなら来い。ただし、宿題も全部見せないからな?教える所は教えるから、頑張って問題解けよ?俺の所に来る以上はその位は覚悟してもらうぞ?」

 

一応の妥協案を示すと、みさおは途端に元気になって

 

「ほんとか!?お前に手を貸してもらえるんならその位は頑張るゼ!それじゃすぐ行くから待っててくれよなー?」

 

その言葉に俺も

 

「わかった。こっちに来るのはいいが、慌てて事故とか起こさないようにな。それじゃ待ってるぞ?」

 

そう言うと、みさおも

 

「分かってるってヴァ。それじゃ、後でな?慶一ー。」

 

そう言って通話を終えると、俺は、あいつに対する飴と鞭を準備する為にキッチンへと赴くのだった。

 

そして、しばらくしてみさおがやってきて、冒頭の状況に戻る。

 

俺は必死で問題を解くみさおを見ながら

 

「なあ、みさお。かがみとあやのが捕まらなかったって電話口で言ってたよな?一応2人には連絡は取ってみたって事なのか?」

 

そう訪ねると、みさおは頷きながら

 

「ああ。あやのはデートらしくてさー。邪魔するの悪いもんな。柊の方は電話した時にはちびっ子や柊妹と出掛けた後だったんだよ。それでさ、今回は珍しくちびっ子も柊妹も宿題終わらせてたらしいんだよなー・・・。んで、私1人だけこの有様で・・・。」

 

最後の方はため息をつきながらそう言うみさおに俺は

 

「ふーん?珍しい事もあるもんだな。つかさはかがみに頼る事はできるかもしれないが、こなたはなあ・・・。」

 

俺の言葉にみさおもうんうんと頷いて

 

「そうなんだよなー。私もちびっ子はてっきり柊を頼る物だと思ってたかんな。それに夏休みの時のあの姿見てっから、また柊家でぶつかるかも、って思ってたしな。」

 

その言葉に俺も苦笑しながら

 

「まあ、お前とこなたはかがみを巡ってのライバルでもあるわけだしな。(かがみ本人は結構迷惑してるみたいな感じだが・・・)」

 

俺が最後の方で心の中でそう考えていると、みさおは俺を見て

 

「なあ、慶一。お前、今なんか妙な事考えてなかったか?」

 

そんなみさおの指摘にギクリとしながらも努めて平静を装って

 

「別に?何も考えてはいないぞ?」

 

そうとぼけておいたが、不信な目で俺を見つづけるみさおの視線に耐えつつ

 

「ほらほら、そんな事よりもとっとと問題終わらせちゃえよ。でないと、いつまで経ってもプリン食えないぞ?」

 

そう言ってみさおの意識をプリンに向けさせると、みさおは慌てながら

 

「そ、そうだったー!よーし、後3問だ!がんばるぞー!」

 

そう言って必死に問題を解き始めたのを見て、俺はほっと胸をなでおろしていたのだった。

 

そして、ようやく問題も解き終わり、みさおに約束のプリンを渡すと、みさおは満面の笑みを浮かべながらそれを食べ始めた。

 

とても幸せそうにプリンを食べるみさおを見て

 

「・・・お前ってそういうのってほんと幸せそうに食べるよな。」

 

そんな俺の言葉にみさおは満面の笑顔のまま

 

「そっかー?自分の好きな物を食べてる時って誰でもこんな風になったりしないか?私はすっげえ嬉しいし、幸せだけどな。」

 

みさおの答えに俺は笑いながら

 

「はは。でも俺はお前ほど好きな物を食べる時に幸せそうな顔をしてる奴を見た事は・・・」

 

そこまでいいかけてはたと俺は思い出した。

 

もう1人そんな顔をしてる奴を見たことがあった事を。

 

俺の、そんな何かを言いかけてやめたのを見たみさおは俺を見て首を傾げながら

 

「ん?どうしたんだ?慶一。何か今言いかけてたよな?」

 

その言葉に俺は苦笑しつつ

 

「いや、ちょっとお前みたいに幸せそうな顔してた事のある奴の事思い出してな。」

 

俺の言葉にみさおは何やらピンときたようで

 

「なあ、慶一。それって柊じゃね?あいつもお菓子とか好きだから、私もあいつの幸せそうにしてる顔見たことあんだよなー。」

 

みさおの言葉に俺も驚きつつ

 

「お?よく分かるな、みさお。夏休みの旅行の時も松茸とか食べて満面の笑顔を見せてたのを思い出したからな。とはいえ、流石にみさおもそれが分かるって事は付き合いの長さって事なんだな。」

 

俺の言葉にみさおも頷いて

 

「まーなー。それにそういう時に限って柊はダイエットとか言い出すかんなー。」

 

その言葉に俺も複雑な表情を見せながら

 

「分かるような気がするけど、あまりかがみの前じゃ言えないなあ・・・」

 

俺がそう呟くと、みさおも頷きながら

 

「そうそう。そんな事言うと必ずって言っていいほど柊の鉄拳が飛んでくんだよなー。」

 

みさおがそう言った瞬間、いきなりみさおの脳天に拳骨が振り下ろされた。

 

鈍い音と共に涙目になりながら拳骨を放った相手を見ると、その姿を確認した途端に顔を引きつらせるみさお。

 

「・・・日下部・・・何やら面白そうな話してたじゃない?」

 

そう威圧感を放つ顔でみさおを見下ろすかがみを見て、みさおは大慌てで

 

「うう、痛えよう・・・ひ、柊!どうして柊がここにいるんだよ?」

 

そう言うと、そんなみさおの言葉にかがみは軽いため息を1つついて

 

「私は慶一くんにこれを貸そうと思って来たのよ。こなた達との用事も済んだからね。」

 

そう言って持っていた荷物の中からラノベを取り出すかがみ。

 

俺はそれを見て

 

「あれ?それってこの前お前が言ってた奴か?そっか、もう出てたんだな。それはいいけど、かがみ。お前いつ家に来たんだ?というか、呼び鈴鳴ったのすら気付かなかったんだが・・・」

 

前に自分が頼んでいた物である事を確認すると同時に、俺はかがみに家に来てる理由を訪ねると、かがみは困ったような顔で

 

「来たのはついさっきよ。それに、何故か今日に限ってあんたの家の呼び鈴が鳴らなかったのよね。何度か押してみたけど反応なしでさ。それにあんたの家は私たち出入り自由だから、とりあえず声かけて上がらせてもらったのよ。でも、私に気付かなかったのなら、よっぽど慶一くん達は話に夢中になってた、って事みたいね。」

 

その言葉に俺は首を傾げつつ

 

「え?音が鳴らない?妙だな、そんなはずは・・・あれ?もしかして・・・」

 

俺は何かを思い出すと、その事の確認の為にキッチンへと向かう事にした。

 

「かがみ、みさお。ちょっとキッチン確認してくるからここで待っててくれ。ついでに飲み物とかも用意してくるからな。」

 

俺の言葉に2人は頷くと、俺はそれを確認してから部屋をでた。

 

かがみside

 

今回は珍しくこなたとつかさの宿題が終わっていて、以前からこなたとしていた約束の為に、私とつかさは待ち合わせ場所に向かった。

 

その際に日下部からの連絡もあったのだけど、その内容は宿題を見せて欲しいとの事なので、私は日下部に出かけてる旨を伝えて、宿題は自分で頑張れといい含めてこなたとの用事を済ませた。

 

そして、私自身の用事も終わったので、慶一くんの家に寄っていこうと思い、慶一くんの家を訪ねたのだが、どういうわけか家の呼び鈴が反応しなかった。

 

どうしようか迷った私だったけど、慶一くんからこの家は自由に出入りしていいと言われていた事もあったので、とりあえず合鍵を使ってお邪魔する事にしたのだった。

 

一応「お邪魔します」と声をかけて上がって行くと、リビングで楽しそうに話す慶一くんと日下部を見つけたのだが、日下部が私の事で何やら失礼な事を言っているのが聞き取れたので、私は日下部の側に無言で近づき、拳骨を落としたのだった。

 

涙目で私に抗議する日下部と、私がここにいる理由がわからずに聞いてくる慶一くんの質問に答えると、慶一くんは何かを思い出したみたいで、私達にここで待っていて欲しいと伝えた後、キッチンへと走っていったのだった。

 

私は未だ涙目な日下部をじろりと睨みつけながら

 

「まったく、人が聞いてないと思って、好き放題言ってくれるじゃない?」

 

そんな私の言葉に多少びくびくとしながら日下部は

 

「そ、そんなに睨むなよー・・・ちょっとした出来心じゃん・・・」

 

そんな日下部に私はさらに

 

「あんたはいつも余計な事言いすぎるのよ!少しは自重しなさいよね!ったく・・・」

 

そう突っ込みを入れると日下部は涙目になりながら縮こまるのだった。

 

そんな日下部に私は軽いため息を1つつきながら

 

「まあ、いいわ。けど、あんたがここに居るなんて珍しいじゃない?」

 

私のその言葉に日下部は途端に視線を泳がせながら

 

「ま、まあ、私もたまにはそういう事だってあるさ。」

 

少し挙動不審ながらそう言う日下部の視線が机の方を向いたので、私も何気なしにそっちに視線を送ってみると、そこには教科書とノートという勉強道具一式があったので、私はそれを見た瞬間日下部の本当の目的を理解した。

 

そして呆れるような声で

 

「・・・なるほど、そういう事ね・・・まったく、あんたといいこなたといいつかさといい・・・いつもいつも慶一くんや私や峰岸に面倒かけて・・・少しはあんたにもプライドというものはないのかしら?」

 

そんな私の物言いにさらに凹んだ日下部は

 

「ヴァー・・・柊の言う事もわかるけどよー・・・プライドじゃ宿題おわらねえんだよう・・・」

 

しょんぼりとしながらそう言う日下部に、私は少し考え込んでやがて

 

「・・・しょうがないわね。ここに来たのも何かの縁でしょ?あんたがやる気あるなら私もあんたの宿題の面倒、みてやるわよ。」

 

その言葉に日下部は驚いたような顔をしていたが、すぐに笑顔になって

 

「ほ、ほんとかー?さすが柊、私の嫁だゼー!」

 

と言う日下部の言葉に私は赤くなりながら

 

「誰があんたの嫁よ!まったく・・・どこでそんな言葉覚えて来たのよ・・・」

 

少し呆れつつそう言うと、日下部はしれっと

 

「えー?だってちびっ子もいつも柊にそんな事言ってるじゃん?」

 

その言葉に私は思わず

 

「だからって、それを真に受けんな!」

 

そう突っ込みを入れた時、私の後ろから

 

「お待たせ、飲み物を持ってきたぞ。」

 

そう慶一くんが声をかけてきたので、私は驚いて振り返ったのだった。

 

慶一side

 

みさおと勉強を進めていたが、みさおとたわいのない話をしてる時に俺も気付かないうちにかがみがやってきていた。

 

俺はかがみに何時来たのかの事情を聞くと、インターホンの呼び鈴が鳴らなかったとの事。

 

それを聞いた俺は原因の究明と2人への飲み物を取りにいく為に部屋を出たのだった。

 

そして、キッチンにインターホンの受話器もあるのでそこを調べに行って見ると、電源が外れていたので俺は慌ててそれを嵌め直して修理した。

 

「・・・なるほど、これが原因だったか。」

 

呼び鈴の機能回復を確認して俺は冷蔵庫からゼリーと飲み物を取り出すと、それを持ってリビングへと戻って行ったのだった。

 

そして、リビングの側まで来た時に、何やら怒られているみさおと声を荒げているかがみを見たのだが、一区切りつくまでは割って入らない方がいいだろうと思い、俺はリビングの入り口近くで待機していた。

 

かがみとみさおの話もとりあえず纏まったようなので、俺はそれを見極めて部屋に入り、かがみに声をかけた。

 

「お待たせ、飲み物持って来たぞ。それと、かがみ。お前にも面倒かけさせて悪いな。後もう少しだから、このまま協力頼むよ。」

 

そうかがみに言うと、かがみは頷きながら

 

「わかってるわ。とりあえずはじめましょ?そうしないと終わらなくなっちゃうしね。それに、峰岸ももう少ししたら来ると思うから。日下部を迎えにね。」

 

俺はその言葉に驚きつつ

 

「ん?なんであやのがここに来る事をお前が知ってるんだ?俺、連絡はしてないと思ったが・・・」

 

その疑問にかがみは苦笑しながら

 

「慶一くんの家に来る途中でね、峰岸から連絡があったのよ。日下部と会ってないか、ってね。それで、日下部を見つけたら峰岸に連絡する事になったんだけど、慶一くんの家に用事もあったから来てみたら、日下部を見つけたからさ、部屋に入る前に峰岸にメール送っといたのよ。さっきマナーモードの携帯が震えたから、返信来てると思うわ。それと同時に峰岸も動き出してる、って事ね。」

 

そう説明してくれたので俺は納得して

 

「そういう事か。それじゃあやのの分もお茶用意しとかないとな。あ、それと、みさお。残りの問題解いたらそのゼリーはおまえの物だから頑張れよ?」

 

その言葉にみさおを満面の笑顔になり、かがみはそんなみさおを見てやれやれ、と首を振っていた。

 

そして、俺とかがみでみさおの残りの宿題の片付けを手伝った。

 

色々苦戦もしたが、ようやくみさおの宿題が片付き、みさおはゼリーを食べながら幸せの笑顔をしているのを見ていたとき、家の呼び鈴が鳴ったので俺は

 

「ん?あやのが来たかな?ちょっと迎えに行ってくるからみさおも勉強道具の片付けとかしとけよ?」

 

そう言うと、みさおは

 

「分かったゼ。こっちはやっとくからあやのの出迎えよろしくなー?」

 

その言葉に俺も頷いて玄関へと向かう。

 

そして「はいはい今あけるよー。」と言いながら玄関を開けると、そこには困った顔のあやのとちょうどゆたか達との用事を済ませて帰ってきたパティがいた。

 

「いらっしゃい、あやの。と、お帰り、パティ。」

 

そう声をかけると2人とも

 

「ごめんね、慶ちゃん。またみさちゃんが慶ちゃんの手を煩わせる事になっちゃって・・・」

「タダイマデス、ケイイチ。そこでグウゼンアヤノとデアッタですヨ。」

 

そう言って来たので俺は

 

「あやの、気にしなくていいよ。ともあれ、折角来てくれたんだ、少しゆっくりしてけよ。パティ、お前も着替えて来ちゃえよ。荷物もずいぶんあるみたいだからな。」

 

そう2人に言うと、パティは頷いて自分の部屋へと向かい、あやのも気を使いながら上がって来た。

 

「お邪魔するわね。とりあえず慶ちゃんの言葉に甘えさせてもらうね?」

 

俺にそう言ってリビングの方へと歩いていくあやのを見送った俺は、キッチンに人数分のお茶を準備しに行った。

 

そして、お茶を用意してリビングに向かうと、今度はあやのに怒られて凹んでいるみさおがいたが、それを見た俺は苦笑するしかなかった。

 

「まあまあ、あやの。みさおも大分反省してるみたいだし、そのくらいにしておいてやってくれよ。それと、みんなにお茶だ。」

 

そう言って、俺は皆に用意してきたお茶を配る。

 

そのうちにパティも着替えを終えてリビングにやってきた。

 

「おマたせデス。ケイイチ、ワタシのブンもありマスか?」

 

そう言うパティに俺も頷いて

 

「ちゃんと用意してあるから心配するな。ほら、お前はそこに座れよ。」

 

俺がパティの座る場所を指差して教えると、パティは小走りでそこへ行って座った。

 

それを確認してから、俺達は今度のテストの事について話をした。

 

「期末まで後もう少しだな。皆、対策の方はどうだ?」

「私は今回も問題はなさそうよ?」

「私もかな。範囲はちゃんと勉強出来てると思うわ。」

「私も頑張ってはいるけど、まだまだ自信ねえな・・・でも、あやのと一緒に頑張るゼ!」

「頑張るのはいいが、あやのの負担にはなりすぎるなよ?どうしてもとなったら、俺が手を貸してやる。」

「慶一くんは甘いわよ。そんな事だからつけあがるのよ?まったく・・・でも、皆でやるって言うなら、私も手を貸さないわけにはいかないわね・・・」

「ふふ。なんだかんだで柊ちゃんも人の事言えないんじゃない?でも、こうなったら乗りかかった船よね。」

「う、うるさい!そんな事あんたに言われなくても分かってるわよ!」

「おおー・・・慶一ー、柊ー、あやのー、よろしく頼むゼー!」

 

そんなみさおに俺達も苦笑しながらも頷きで返すと、パティが

 

「ケイイチ、カガミ、アヤノ、ワタシもスクールにカヨウようになったトキにはベンキョウオシエテほしいデス。」

 

そんなパティに俺達は笑いながら

 

「いいとも。パティにも分かり難い所あるだろうしな。俺の出来る範囲で教えてやるさ。」

「日本と向こうとじゃ勝手も違う部分もありそうよね。でも、そういうのもこっちにとってもいい勉強になりそうね。」

「パトリシアさんなら意外と飲み込みも早そうな気もするわ。あ、そうだ、パトリシアさん。あなたの勉強の面倒見る代わりに、私達にも英語の指導をお願いしてもいいかしら?」

 

そのあやのの言葉にパティは笑顔で頷いて

 

「サンキューデス。ミナさん。イングリッシュにカンしてはワタシにオマカセですヨ?」

 

そう言うパティに俺達も笑顔で頷いたのだった。

 

その後はみさお達を駅まで送ると、俺はパティに言われた通り、期待してる夕食を作ってパティに食べさせた。

 

今日の夕御飯も美味しいと言って食べてくれたパティに照れつつも俺は、とりあえず今日のミッションが達成できた事に安堵していた。

 

そして、またパティに捕まってアニメDVDを見させられて、その後はかがみから借りたラノベを無理して読んだら、朝寝坊しかけて焦る事になったのだった。

 

今日の勉強会を振り返り、俺は、出来ることなら仲間の誰も赤点を取らずにテストを乗り越えられる事を祈りつつ、試験に向けて気合を入れなおしていた。

 


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