今回、一部……いや、思いっきり原作ブレイクしておりますのでご注意のほどをお願いします。
「ライトロード・ビーストウォルフで攻撃! 疾風裂旋!」
あのブースタードラフト戦からしばらくして、ついに全国大会の予選が始まりました。
あの後もブースタードラフト戦に参加したりしてデッキの強化を欠かしませんでした。
でも、やっぱり前世のようなデッキにはなかなかなりませんね。
今現在は、獣、獣戦士、魔法使い族をつかったデッキになっています。
遊戯さんからブースタードラフト戦の後、私がブラック・マジシャンをもらったので、ドラフト戦でつかった六芒星の呪縛、マジカルシルクハットをプレゼントしてくれました。
でも、遊戯さんはこれをデッキに入れないのか聞いてみたら、もうすでに3枚もっていて余ってしまうカードなんだとか。
結果、獣、獣戦士をメインに、タッチで魔法使い族が入ってるデッキになっています。
シルクハット、六芒星の呪縛は普通に活躍してくれています。
シルクハットは現在は魔法使い族がいる時に発動できる速攻魔法扱いなので、ライラ、ルミナスがいる時に使えるのでブラック・マジシャンがいない時にも活躍してくれています。
そして切り札の一枚の革命-トリック・バトルがいざという時の命綱になりそうです。
そして現在は童実野町、町内予選の決勝が終わったところです。
ちなみに町内予選は2日に分けて行われ、初日と二日目の大会で決勝に上がった四人が地区予選に出場でき、地区予選上位2名が全国大会に出場できる仕組みになっています。
ちなみに大会はKCが協賛しているので、デュエルはヴァーチャルビジョンシステムが採用され、迫力のバトルとなっております。
そして城之内さんの事ですが、まさかの初日に優勝を勝ち取り、地区大会に駒を進めています。
私は城之内さんと当たらないように二日目に参加、なんとか予選突破となりました。
ただ、町内会予選だと、ブラックマジシャンが出た辺りでサレンダーする子もいたのでちょっと複雑な気持ちです。
(だから言っただろう、このぐらいの大会なら問題ないって)
そして決勝が終わり、ステージから降りたところで他の人には聞こえない声が私に話しかけてきました。
ええ、ついに見えるようになってしまいました。
カードの精霊が……。
あれは遊戯さんの家に泊まった夜のことです。
(あれ? またこの夢?)
ぼんやりとした意識の中、なんとなくブルーアイズの時と似たような夢。
そして私の前に突然現れる存在が……。
「おい! なんで俺を最初にとらなかったんだよ!」
ライトロード・ビーストウォルフが現れました。
「え!?」
「だから、なんで俺を選ばなかったんだよ! 昔っからの付き合いだろうが!」
「ちかいちかい! ちかいよ!」
「おら、弁明は聞いてやるからいってみろ!」
「それは……ドラフトの景品だから、先に取りたいものが結構……それにノーマルのほうが2枚もうあったから……うにゃああぁぁぁぁ!?」
そう言った瞬間、ウォルフは私の頭を頭をぐりぐりしはじめました。
私、し◯の◯けじゃないよ!
「たく、最後にはちゃんと取ってくれたから良かったが、そうでなかったらもっとひどかったぞ」
「夢の中なのに痛いです……、と言うか、昔っからの付き合いって?」
前世ではよく使ったカードではあるけど……。
「そのまんまの意味だ、俺はお前が前世で使っていたライトロード・ビーストウォルフの精霊だよ」
「……えええええええええええ!?」
流石にこれは驚きを隠せません、と言うかなんでこの世界にいるの?
「付喪神という概念があったろ? あっちじゃあれに近い部類だな。
それでなんで俺がここにいるかって言われたら、お前のデッキ、一緒に火葬されたせいでどうもお前さんの魂にくっついてきちまったみたいだ」
どうやら副葬品に私が愛用していたデッキとカードを一緒に入れたそうです。
あっちでもデュエルできるようにってことなんだそうです。
ですが前世の家族の皆、カード自体は一緒にくっついて来なかったみたいです。
偶に読んでた二次小説物だと、くっついてきてそうなものなんですけどね。
「そんで俺は気がついたらお前さんの選んだパックの中にいて、ちょうどパックを開封したところだったというわけだ」
「えっとつまり、ウォルフは私が昔から使っていたカードで、私の魂についてきた存在でいいのかな?」
その質問にウォルフは頷くと
「そういうことだ、今世でもよろしくな」
まあ、こうして会えたのは良いんだけど
「それにしても前に見た夢と違って、随分とはっきり声が聞こえるのは?」
「そら闇のゲームに参加して勝ったせいだろう、あれだけ濃い闇に触れたら感度も上がるからな」
「闇のゲーム、モンスターワールドの時の……」
あれのせいか~、十代さんじゃなく、私の場合は翔くんの様な感じなのかな?
「おまけに巻き込まれたとは言え勝ったから、ヘカ(魔力)が上がってるな、他の精霊の微弱な加護の影響もあるだろうが」
「加護って?」
「文字通り加護だな、なんか精霊に心当たりあるか?」
「心当たりというか、お願いされて助けたドラゴンが一体……」
「ほぉ、一体どこのドラゴンだ?」
「……青眼」
「なるほど、だから微弱なのか」
「どういう事?」
「ブルーアイズを助けたから加護がもらえたみたいだが、持ち主じゃないからほんの少ししか加護が渡せなかったようだな」
「なるほど」
そこで夢は覚めて、起きたらウォルフが見えるようになっていました。
他にも、後数体、私についてきた精霊がいるようですが、今のところその手のカードは、ライコウ以外巡り会えてはいません。
(だからって油断はしちゃ駄目だよ、どこでどんなカード使ってくるかわかんないんだから)
実際、OCGでは未収録のようなカードが結構あったりするから侮れない。
代償の宝札とか魔轟神に入れたら即禁止行きだったでしょうね。
(しかし、アニメでは城之内さんは町内会予選ベスト8だったのに、まさか地区大会にいけるとはな~)
そして、それからまた時間は経ち、地区大会決勝、相手はまさかの城之内さんです。
「鈴音、今日こそは勝たせてもらうぜ!」
「城之内さん、本当に強くなりましたね、簡単には負けてあげませんよ」
『『デュエル!』』
なお、デュエルの内容は省かせてもらいますが、最後は城之内さんのギャンブル運に負けてしまいました。
デッキも最初のフルモン状態から強化され、魔法、罠カードも揃ってきた感じです。
この時期だと鎖付きブーメランやモンスターBOX、時の魔術師は鬼畜カードでした……、お触れ探さなきゃ。
それから一週間、対策カードを手に入れたりしながらデッキの強化とサイドボードの内容を悩んでいました。
え? 大会は一本勝負だからサイドボード無いだろうって?
実はこの大会、ルールではデッキは40枚以上で、試合と試合の間に、登録してある10枚のカードを入れ替えることができるのだ。
とは言え、対戦相手がわかっていても登録してるカードが相手に刺さるかは微妙な所。
だがこのルール、実は穴があったりする。
初戦以降、デッキのカードをサイドボードと入れ替えることができるが、他にもメインのカードをサイドボードにいれることができるのです!
この場合、メインデッキが40枚以上であればいいので、メインデッキが減っても40枚以上であればサイドボードが増えてしまうのはルール上問題ないとのこと。
このルール、ブースタードラフトだと起こりうることなんですよね。
まあ、このルールを使用する人まずいないんですけどね。
殆どの人はデッキ40枚で、サイドボードのことは考えてないんみたいなんですよね。
自分のデッキで一番戦いにくいデッキのことがわかってる人はその人対策にカードをサイドに詰め込んでる人は偶にいるみたいですけど。
私のデッキ? 詰め込んでライロが入ってる関係で50枚近くになっています……。
前世のメインデッキ? 60枚でしたが何か?
回りの知り合いからは『なんでそれで回るの!?』とは言われてたけど、サーチはそれなりに積んでいましたし。
枚数減らすと逆に負けるという妙な事態になってから大体55~60枚ぐらいでデッキ組むようになったんですよね。
まあ、あのデッキが特殊だっただけかもしれないけど。
まあそんなことはさておいて、全国大会に駒を進めたその夜、また妙な夢を見ました。
「なんだか慣れてきている自分が怖い……」
「そう落ち込むなって、あれだ、二度ある事は三度あるってな」
夢の中では隣に精霊のウォルフが、そして正面には、なにやらとてもでかい存在が胡座をかいて座っていました。
「おお、ついに来たか、精霊の声を聞きし少女」
とても大きな存在が、具体的にカードにしたら5枚のパーツからなってそうな、揃ったら勝利してしまいそうな方がいらっしゃいました。
そして未来の龍可ちゃん、どうやら私はあなたの先輩になってしまったかもしれません。
「ええっと、これは一体どういうことなんでしょうか? エクゾディアさん?」
「夢の中とは言え、突然の呼び出し、すまないことをした。
呼び出したのは他でもない、どうしても頼みたいことができたからだ」
エクゾディアさんはそう言って、私を見ながらそう頼んできた。
「えっと、私に一体何を?」
「それはだな……」
頼まれた内容はブルーアイズと同じように助けて欲しいそうです。
手段を問わず、海に捨てられるのを防いでほしいそうです。
なんでも、占いの魔法でそれを知ってから、どうにかそれを避けられないかと手を講じていたら青眼の白龍が私に助けられたことを知って、こうして夢を渡って会いに来たんだそうです。
確かに助けられるなら助けたいですけど、できるかどうかはわからないんですよね。
青眼の白龍のときは、駄目だった時はごめんなさい精神の上で、双六お爺さんに無理やりついていく形で行ってなんとかなったけど、エクゾディアは今遊戯さんのもとにある上、事件は船の上、ペガサス島に行く最中だったから私行けるかわかんないし、それに加えて超危険な千年眼装備のペガサスさんがいるんですよね……、よくよく考えたら確か全国大会優勝したらペガサスさんと出会うんでしたっけ?
やばい、全国大会は予定が合わなかったで棄権した方がいいんじゃないかと頭のなかでぐるぐるし始めた。
だけどそこでエクゾディアさんが
「千年アイテムに関しては私が協力しよう、できることは可能な限り協力する、だから頼む!」
結局私はそれを了承し、どうにかこうにかエクゾディアさん投棄事件を回避するために行動を開始することになったのだ。
それにしても、エクゾディアさんから感じるフィールはすごかったです、会話の終始、実はずっとウォルフが支えてくれてました。
それから全国大会までの間、日常生活に加え、サイドボード用のカード探し+ペガサス対策+投棄対策というものが加わって、忙しい日々になりました。
しかし、エクゾディアを救う一番簡単な方法はいくつかあるけど、どうするべきか……。
そしてそうこうしているうちに全国大会が始まってしまいました。
エクゾディアさんの協力で、マインドスキャン対策はなんとかなったみたいだけど……。
追加依頼で、対戦できたらあの虫野郎を叩き潰してほしいとのこと。
恨み骨髄とはこの事か、いや、海にばらまかれたらそらそうなりますよね。
そして、決勝まで来ちゃいました。
準決勝、城之内さんは3ヶ月の特訓の末、ここまで来ていましたが、ごめんなさいな事になりました。
エクゾディアさんが、エクゾディアさんが悪いんです、追加報酬が、追加報酬が魅力的過ぎたのがいけないんです!
私は悪くない!エクゾディアさんが、エクゾディアさんがやれって言ったんです!
どこぞの親善大使のような事を心で思いながらデュエル終了後、心のなかで城之内さんに謝罪しました。
ガンメタ貼って押し切ろうとしました。
初手が、王宮のお触れ、マジックドレイン、ブラックマジシャン、マジカルシルクハット、ライトロード・マジシャンライラ。
先行、お触れとシルクハット、ドレイン伏せてからブラック・マジシャンだしてエンドしました。
その結果、開幕から鎖付きブーメランやBOXの類が封じられて、後ろを割るために罠はずしなんかはマジックドレインで止めれたはずなんですけどね~……。
ですが城之内さんは初手はモンスターをセットするだけでした。
その次のターン、ブラックマジシャンで攻撃すると、なんで城之内さんがライコウ使ってるんですかね?
しかも的確にブラック・マジシャンをスルーしてお触れ割りに来る勝負運。
そしてアックス・レイダーにデーモンの斧装備して攻撃してくる辺り、初手もかなりいいと来た。
シルクハットで回避して、返しのターンでライラで斧割ってブラックマジシャンで撃破。
マジックドレインで防ぐことも考えましたが、魔法握られてるときついのでここはシルクハットで耐えることにしました。
だけどその後も城之内さんはかなりしぶとくあの手この手でこっちの手を躱しながらライフとデッキを削ってきます。
終わった頃には残りデッキ枚数4枚にまで追い詰められてました。
ライフにいたっては残り50、正直紙一重でしたね。
多分、双六さんがセコンドについてると見た。
たしか原作? では遊戯さんたちは家のテレビでこの大会を見ていましたが、今回は私と城之内さんが全国大会に出ることになったから応援に来てるんですよね。
ペガサスさんの小包はズレそうですね。
「師匠、すまねぇ、アドバイスもらっていたのに負けちまった」
「何を言うとる、わしゃおまえさんがここまでこれるとは思っとらんかったぞ。
実のところ、お前さんのようなヘタレは精々、町内予選で落ちると思っとったが、お前は諦めずに努力してここまで勝ち上がった、それ故につい口を出してしまった」
「師匠……」
「お前さんはようやった、ここまで来たことは十分誇って良いと、わしは思うぞ」
デュエルが終わった後、ステージの向こう側では、城之内さんが双六さんの胸で泣いてました。
確か原作の方だと躱してた双六さんでしたけど、3ヶ月という期間は師弟の絆を育むのに十分すぎる時間だったようです。
遊戯さん達もあちらで城之内さんを慰めてる模様。
城之内さん、本当に強くなりましたね……。
これは、早々に追い抜かれてしまいかねないですね。
ちなみにもう一つの準決勝は、原作にもあった、インセクター羽蛾VSダイナソー竜崎の戦いだそうです。
インセクター羽蛾もダイナソー竜崎も、どっちも知名度が有り、大会実績では上位入賞常連だったりします。
インセクター羽蛾にいたってはシード選手で、予選すっ飛ばして全国大会に参加していたそうです。
まあ、そんなインセクター羽蛾と一戦することになるんですが、この時期の昆虫族だと……あんまり警戒してないんですよね。
という訳で、実質決勝戦は準決勝だった決勝戦をお送りさせていただきます。
『全国一千万! デュエルモンスターズファンの皆様、いよいよトーナメント優勝決定戦が行われようとしています! 全国の地区予選から選び抜かれた200人のデュエリストの頂点に立つのは果たして誰か! さぁ! 選手入場です!』
司会のその一言で、私が乗っていたデュエルリンクは稼働を始め、ゴンドラがリング中央へ進んでいく。
『東日本代表、インセクター羽蛾選手!』
羽蛾選手にライトが当たる。
『そして同じく東日本、童実野町予選より勝ち上がってきた少女! 四獣院鈴音選手!』
(さて、生羽蛾が見れるとは……原作で見てもリアルで見ても個性的なメガネ&ヘアーですね)
(正直、昆虫好きだとしてもあのメガネのセンスは独特すぎるな、親のセンスも気になるところだ)
インセクター羽蛾をリアルで見た感想を思念でウォルフと会話してましたが、ライトが当たってそれも中断。
『それでは、優勝決定戦を開始します! さぁ、両デュエリストがデュエルリンクで向かい合った!』
(前世でこのシステムがあったら良かったのにな~)
(無理言うなって……)
「君のカード、ビビってますよ」
「さぁ、どうでしょうね? それよりも、対戦、よろしくお願いします」
羽蛾選手はそう言って来たけど、まずは挨拶、これは大事だと私は思ってます。
そして、念のためウォルフに聞いてみた。
(ビビる要素、あるかな?)
(ねぇだろう? インセクトクィーンとか寄生虫パラサイト辺り使われると絵的にひどそうだが)
(ですよね……)
アニメででたインセクトクィーンとパラサイトは正直引くレベルであったと思います。
自分のモンスターがあれに寄生されるのは正直見たくない。
無理矢理にでも出させないために禁止令3積みしてでも止にかかりたい。
まあ、そんなことは置いておいて、デュエルに集中しましょう。
『それでは、デュエル開始ィィィ!』
「「デュエル!」」
「僕のターンドロー、まずはモンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンド」
インセクター羽蛾:手札6→4 伏せ1、伏せモンスター1
「私のターン、ドロー! 同じく手札からモンスターをセット、そして二枚カードを伏せてターンエンド!」
『おおっと、お互い静かな立ち上がりだ!』
鈴音:手札6→3 伏せ2、伏せモンスター1
「攻めてこないなんて、やっぱりビビってるんじゃないか、ならこっちから行くよ! 手札からキラービーを攻撃表示で召喚、セットモンスターに攻撃!」
インセクター羽蛾のモンスターの攻撃が私のモンスターを襲う、だけどセットしたモンスターは
「セットモンスターはライトロード・ハンターライコウ、その効果によりデッキの上から3枚墓地に落とし、フィールドのカードを一枚破壊します。
では効果処理で先にコストのカードを三枚墓地に落とします」
「君は随分と使いづらいカード使ってるんだね、わざわざ自分のデッキを破壊していくなんて!」
指差して笑ってる感じがありますが、さて落ちたカードを確認、ライトロード・サモナールミナス、ライトロード・マジシャンライラ、ライトロード・ビーストウォルフ。
綺麗にライトロードが3枚落ちた。
「私はセットモンスターを破壊します」
「僕のセットモンスターはニードルワーム、残念、攻撃してくれたらそっちのデッキを更に削ってあげれたのに」
「ああ、デッキを削りに来たんですか」
「残り31枚のデッキで何ターン持つかな?」
「ああ、勘違いしてるようですが私のデッキは40枚じゃありませんよ」
「ひょ?」
「私のデッキは55枚です、ライトロード入れてる関係でデッキ枚数が多くなったんですよね。
サイドボードに引っ込めたカードたちもいますから少し減りましたけど」
「な、55まいだとぉ!」
「では、墓地に落ちたライトロード・ビーストウォルフの効果、このカードを墓地から特殊召喚します」
(よっしゃ出番だ! 覚悟しやがれこの虫野郎!)
ウォルフがめっちゃ張り切ってるけど、どうなるやら……、狂戦士の魂入ってないんだけどな~。
「私のターンドロー! 手札のウォルフを切ってソーラーエクスチェンジ、二枚引いて、二枚落とします。
落ちたカードは、六芒星の呪縛に、巨大ネズミ」
そして引いたカードは……あ、これは勝ったかも?
「手札から一角獣のホーンをライトロード、ビーストウォルフに装備して、カードを1枚伏せてから、ウォルフでキラービーを攻撃!」
鈴音:手札4→2→4→2
ビーストウォルフ攻撃力2800
キラービー攻撃力1200
「君、今攻撃といったね」
「ええ、言いましたよ」
「僕の手元に伏せてあるカードは相手の攻撃をトリガーに発動する罠カードさ! メサイアの蟻地獄発動!」
「メサイアの蟻地獄だったのね」
(なんで割らなかったんだよ、お前の伏せなら割ってから攻撃できただろう? 止めることだって……)
攻撃止められたウォルフが不満そうです。
(だって、上げて落としたほうが効果的じゃない? エクゾディアさんからの依頼としても……)
「メサイアの蟻地獄によってライトロード・ビーストウォルフの動きが止まる!
そして僕のターンドロー! 昆虫人間を出して、火器付き機甲鎧レベル5を装着!さらにレーザーキャノンアーマーレベル3、加えて武器のパワーを三倍にするパワーブースターレベル2を装備!」
装備カードで攻撃力をドンドン上げていくと、上がったモンスターもドンドン大きくなっていく。
そして3つも装備カードを付けたせいなのか、昆虫人間は某MSの様な姿になっていた。
(なにあれ? デンド◯ビウム?)
そんな事を思っていると
「さあ! これで終わりだ! 昆虫人間でライトロード・ビーストウォルフを攻撃!
海馬と引き分けたそうだが、所詮まぐれの上で遊戯のデッキで戦ったからだったか、ハッハッハ!」
フィナーレを宣言しながら高笑いし始めた。
それにしてもこの布陣で迷わず攻撃してくるとは、呆れるべきいなのか豪胆すぎるのか、同評価するべきなんでしょうね?
「まあ、確かに終わりですね……」
「今ならサレンダーを受け付けるぜ!」
「ええ、ですが終わるのはそちらですよ?」
「何を言っているんだ? 僕のインセクトコンボで終わるのはお前だよ!」
「では羽賀さん、先程のお言葉そのまま返させていただきます」
「ひょ?」
「あなた今、攻撃と言いましたね」
「な、なにぃ!?」
「私もまさかバックに3枚も伏せてある状況で躊躇なく攻撃してくるとは思っていませんでした。
まさか、私が3枚もブラフで伏せてるなんて思っていたのなら流石にちょっと見くびり過ぎだと思いますよ」
「まさかトラップ!?」
「とは言え、私が伏せたのは攻撃反応系じゃないんですよね、2枚の伏せカードオープン、DNA改造手術です」
ですがこれをオープンしたインセクター羽蛾の反応は
「なんだ、ただの種族変更カードか、脅かすなよ……ん?種族?」
どうやら気づいたようですね
「はい、私が宣言するのは獣戦士族! これによりフィールドのモンスターは全て獣戦士族に変更されます!」
ウォルフは元々獣戦士族なので変わりませんが……、羽蛾さんのモンスターたちは見る見るうちに昆虫から獣戦士族風に姿を変えていったのです。
「さて羽賀さん、攻撃宣言してしまったからもう止めることはできませんが確認しますね、火器付き機甲鎧レベル5とレーザーキャノンアーマーレベル3の装備条件は何だったでしょうか?」
それを聞いて狼狽え出すインセクター羽蛾。
「嘘だ……嘘だぁぁぁぁ!」
「キラービーを強化して攻撃だったらまだ終わらなかったんですけどね、あなたが使った強力な装備カードはどれも昆虫族を強化するカード、ですが、その種族が変更されたら装備カードはどうなりますかね?」
そう、攻撃してきた昆虫人間についていた装備カードはポロポロ取れだし、さながらノイエにオーキスを破壊されたステイメンである。
「そう、対象不適正で破壊される! だけどモンスターの数が変動したわけじゃないから攻撃の巻き戻しは起こらない!」
「だ、だがメサイアの蟻地獄でお前のモンスターは動けないはず!」
「ですのでもう一枚、チェーン発動で砂塵の大竜巻も発動してあります。
これでメサイアの蟻地獄は破壊ですよ」
これによりウォルフは完全に自由となった。
「そ、そんな……馬鹿なぁぁぁ!」
「ウォルフの反撃! 獅吼滅龍閃」
文字通り竜崎戦とは逆方向でワンキルが決まった瞬間であった。
インセクター羽蛾:LP2000→0
『決まったぁぁぁぁあ! この瞬間、優勝者は四獣院鈴音選手に決定しました!』
試合終了し、完全に放心状態のインセクター羽蛾選手をよそに、会場は大熱狂。
『それでは、優勝トロフィーと賞金が授与されます! プレゼンターはデュエルモンスターズの生みの親にしてインダストリアルイリュージョン社の名誉会長! さらには天才ゲームデザイナーであるペガサス・J・クロフォード!』
来てしまった……、私にとってある意味ラスボス、できればスルーしたい人でもあります。
少なくとも千年眼を外すまでは。
「コングラッチュレーション、スズネガール、そう固くならずにリラックスデスヨー」
「は、はい、サンクス、ペガサス会長様」
うん、めっちゃ見られてる、一瞬顔がこわばってた。
トロフィーを受け取ると続けてペガサス会長は
「ユーには近く、我が社が開催するイベントに無条件で参加してもらうよ!」
それ、言い方変えると強制参加&無報酬とか聞こえかねないですよペガサス会長。
「えっと、予定が合えば参加させていただきますね」
「できればもっとスズネガールとは話していたいところですが、それは次の機会に」
笑顔で去っていくペガサス会長。
この時、私の頭にあったのは、家の戸締まりと防犯しっかりしておかなきゃという気持ちでした。
という訳で思いっきり原作ブレイクしました。
インセクター羽蛾のコンボ、見ていると対策カード一枚であっさり壊れるんですよね。
ちなみに作者はこの段階ではまだそこまで嫌いではありません。
エクゾディアを海にソーイ! などの外道非道をしてなかったら多分、面白キャラで通ってたと思います。
バトルシティ編でもあっさり新ルールに適応してましたから構築力もありますし、残念なのは、フィニッシャーになる昆虫族がこの頃無かったことでしょうか。
せめてデビルドーザ辺りが居ればもうちょっと昆虫族は活躍していたでしょう。
究極完全体グレート・モス? あれはロマン仕様ですので……、安定して出せる手段が……。
むしろ最強が二頭を持つキングレックスの恐竜デッキで決勝まで上がってきた竜崎がすごい気がする。
さて、今後の羽蛾はどうなるのやら……それは作者にもわからない。
ではまた次回、ペガサス島編でお会いしましょう。
それにしてもどうしてこんなに長くなったのか……もうちょっと短くできるようにしないと……。
そして城之内くんが作者が思っている以上に強くなってる気がしてきた……。
ブードラで強化しすぎたか?