どこで切るべきかわからずそのまま書き通してしまい。
気がつけば一万文字オーバー。
普段はこんなに長くする予定はないんだけどなー。
その結果こんな時間です。
こんな作者ではありますがよろしくお願いします!
武藤家の出会いから一ヶ月ほどが経ちました。
あれからちょこちょこ遊びに行っています。
その御蔭で真崎杏子さんとも顔見知りになれました。
だけど今日になって遊戯お兄さんが思い詰めたような顔で帰ってきたのでちょっと気になりました。
最初は心配にもなりましたが、その後原作の始まりを思い出しました。
確か牛尾さんだったかな?この時は確か風紀委員でボディーガードと称した恐喝紛いの事をされたんだったっけ?
ただ、本当に原作の通りとはまだ思っていません。
よく似た世界なだけかもしれませんし……。
原作知識は参考程度に止めて置いたほうが良いかもしれませんね。
それに、デュエルがメインになる前の部分はちょっと曖昧なんですよね。
あの頃のいろんなゲームで遊ぶのも好きだったんだけどな~。
できればカードの知識は役に立つと信じたいです。
そして翌日、千年パズルを完成させた遊戯お兄さんの姿が。
どうやら城之内さんとも原作通り仲良くなれたようで、楽しそうな遊戯お兄さんが見れて何よりです。
闇遊戯さんにもそのうち会うことがあるんでしょうか?
そんな事もありながら数日、刑務所から脱走者が出たとのことで童実野町を騒がせる事件が起きました。
「拳銃奪って逃走か~、あれ?なんかこんな事件が原作にあったような? でもあれって死刑囚だったよね?ハリネズミの鉄じゃなくて名前はでてなかったような? 確か、番号表記?」
テレビからは外出する際には十分注意するように、夜間の外出は特に控えるようにとの声が聞こえる。
それから数日、窃盗事件など多発、今朝のニュースでは水野宝石店で30点にも及ぶ宝石が盗まれるなどの事件が発生していた。
そしてその日の課題を終わらせて、夕飯の用意をするはずだったのだが。
「あっ、材料がない……」
ここ数日、脱獄犯の事があって外出を控えていたのだが、流石にこれは出かけないわけにはいかなかった。
「他の奴らは全員目を閉じて動くな!」
バァーン!
お外に出たら事件に巻き込まれてました。
ことの始まりは数十分前
「あの、遊戯お兄さんに、城之内お兄さんと本田おにいさんでしたか?こんなところで何をしているんですか?」
買い物を済ませた帰り道で、なにやらの薬局のマスコットで身を隠した三人の姿が。
そこから城内お兄さん連れられて杏子お姉さんを尾行することに。
そして付いた先はバーガーワールド、確かオープンしたばかりのファストフードショップだったかな?
「いらっしゃいませ!バーガーワールドへよう……こそ……」
どうやら杏子お姉さんのバイト先だったみたいです。
それから暫く杏子お姉さんはかなり不機嫌そうに
「お待ちどう様、当店のハンバーガーはケチャップをたっぷりかけてお召し上がってくださいね!」
そこには『ちくったらゆるさん!』の文字が……見ようによっては血文字にみえますねこれ。
けど、その後はいつもの杏子お姉さんで、夢のためにバイトする杏子さんと、それを応援する遊戯さんたちはかっこいいと感じました。
「そういえば、鈴音ちゃんはその買い物袋どうしたの?」
「あ、これですか? 晩御飯の食材ですよ」
「お母さんのお使いかな? 偉いわね、このバーガーは私のおごりだからゆっくり食べていってね」
すいません、一人暮らしですとは、ちょっと言いづらい。
だけどその後少ししてから騒がしくなり、脱獄犯がこの店に潜伏してるとの刑事さんから伝えられ店内は騒然。
そしてその後杏子お姉さんの機転で脱獄犯はあっけなくゴヨウ・ガーディアンとなった。
そこまでは良かったのですが、今度はバーガーショップの店長が前に脱獄した女郎蜘蛛の次郎で、ハリネズミの鉄から拳銃を奪い、杏子お姉さんを人質に。
私は遊戯お兄さんと並んで伏せていたのですが、あれ?こんな光景をたしかアニメで……あっ!
しかしそんな事を考えてる間に遊戯お兄さんは杏子お姉さんが傷つけられたことで裏遊戯、いえ魔王さまがご降臨なされました。
前髪のお陰で気づかれずに見れたのですが、エゲツないの一言でした。
ゲームスタートで、煙草に火をつけると見せかけて相手の手にジッポライターを配置、拳銃を打てば反動でライターが高純度アルコールのウォッカに引火する状況にもっていき、杏子お姉さんを救出。
店長はその間にルールを無視して人差し指以外を使ってライターを取り除いた事により。
『闇の扉が、開かれた』
罰ゲームで火達磨になってました。
魔王さまを怒らせてはいけない、彼は身をもってそれを教えてくれました。
その後も双六おじいさんからエジプト展に誘われたりして、操られた吉森教授に襲われたり……、城之内お兄さんやりすぎです、吉森教授の意識が戻った後身体がボロボロでしたよ。
他にもデジタルペットのブームが来たり、城之内先輩と本田先輩に遊園地に誘われてついていったら、実は遊戯お兄さんと杏子お姉さんの尾行で、爆弾魔の事件が起きたりと、遊戯お兄さんの日常は結構危険に溢れてるみたいです。
なんでも杏子お姉さんが学校で襲われる事件もあったとか。
私は巻き込まれなかったけど、色んな所で遊戯お兄さんは事件に巻きまれてるみたいです。
そして最近は城之内さんや杏子お姉さんもデュエルモンスターズを始めたようで、最近は亀のゲーム屋で対戦することも何度か。
「それじゃあ素早いモモンガに一角獣の角をつけてアルティメーターに攻撃」
「だぁぁまた負けた! 小学生の鈴音にも負けるのかよ俺!」
今のところ城之内お兄ちゃんのデッキ、罠も魔法も入って無くて、ギャンブル系のカードも見受けられないんですよね。
城之内くんの個性でもあるギャンブル系カード、こんどストレージ漁ってみようかな。
しかしこうしてカードを見ていると、前の世界で使っていたカード達が恋しいです。
ある意味平和な環境なんだろうけど、妙なルールがあって結構大変。
今のルールは双六お爺さんや遊戯お兄さんに教えてもらい、デッキは一度ルール確認とパック購入をかねてちょうど暇していた双六お爺さんにシールド戦(パック代は鈴音持ち)でやったところ、出たカードを中心にデッキを組んだ。
一部でたカードで双六おじいちゃんも驚いていたけど、この時期にもうこれあったのか。
他にも面白いカードも出てきたのでありがたかったです。しかし、OCGには無かったカードもちらほら見かけるのは面白いですね。
そういえば最近どうにも妙な夢を見るようになりました。
なにやら妙な声がどこからともなく……け……て、……す……て。
そう囁いてくる夢を何度も見るようになり、お陰ですっかり寝不足気味です。
「城之内よえ~」
「これで何連敗かしら?」
「くっそ杏子に本田の野郎……遊戯!なんでだ?なんで勝てねぇのか教えてくれよ!」
「ちょっとデッキ見せて」
「あ、私も見てみたいです」
そして城之内お兄さんのデッキをみて思わず遊戯お兄さんと一緒に言ってしまいました。
「「なにこれぇ!」」
デッキの中はマジックもトラップも無いフルモンデッキ、いくらなんでも今のデュエルモンスターズでフルモンデッキは流石に無理があるよ……しかもほぼバニラ、バーバリアンがあったりしたけど流石にこれは厳しすぎるかと。
「全部戦闘タイプのモンスターじゃない!」
「ああ、強そうなやつかたっぱしからぶち込んだんだ!」
「勝負してて変だとは思ったけど、サポートする子もいなければ補助する魔法も罠もない。 デッキ事故かと思っていたけどそういうわけじゃなかったんですね」
「駄目だよそれじゃ、デュエルモンスターズでは魔法カードとモンスターカードのコンビネーションが重要なんだ! モンスターだけじゃ相手の魔法カードに軽くいなされちゃうし、罠カードで一気にやられちゃうよ!」
そう、まだフルモンスターデッキで戦える時代じゃないんだよ……、ブルーアイズ3枚いれたフルモンデッキならある程度なら引けば勝てるかもしれないけど。
「遊戯!俺にデュエルモンスターズの特訓してくれ!」
「それは良いけど……」
「ほほう、デュエルの特訓とはまた急に熱心になったようじゃな?」
そこに店の奥にいっていた双六おじいちゃんが現れる。
「爺さん!?」
「カードの購入かと思ったら、デュエルの特訓とは随分熱を入れておるようじゃの? まさかこのトーナメントで優勝するなんていう大それた夢を見てはおらんじゃろうな?」
店に貼られてるポスターをみてから城ノ内お兄さんを睨むお爺さん。
「まさか、優勝賞金300万円が目的だったりして……」
「ゲェ……」
「そうなの?」
そして其処から遊戯お兄ちゃんに土下座して頼む城ノ内お兄さん。
「頼む遊戯! どうしてもトーナメントで優勝したいんだ!」
「でも、トーナメント開催まであと3ヶ月も無いよ」
あれ?なんかデュエルを始める時期が早いような? 誤差だよね? 私がいるせいとかじゃないよね?
「この双六が一肌脱いでも良いぞ」
そして話はトントン拍子で進み、城ノ内お兄さんは双六お爺さんに弟子入りすることに。
だけど、賞金目当てで始めた事に対する説教が最初に始まってしまいましたが。
「まあ、説教はこのぐらいで、弟子入り記念に儂の宝物を見せてやろう」
「宝物?」
「爺ちゃんの宝物ってもしかしてあれ!」
双六お爺さんが取り出したのはケースに収められた一枚のカード。
そう、ブルーアイズホワイトドラゴンである。
そしてそんな時にお客さんが現れた。
多少の差異はあれど、これも原作の流れというべきなのか……海馬社長である。
「それはまさか!?幻のブルーアイズのカード!?」
そこから社長の熱い交渉と、売り物ではない大切な親友のカードといって首を縦に振らない双六お爺さん。
しばらくして帰った海馬社長。
これは、始まるのかもしれません、海馬社長と遊戯お兄さんの因縁の始まりが。
だけど私はその時同時に、わかってしまったことが有りました。
(あの夢とおんなじ声が、あのカードから聞こえてくる、まさか助けてって!?)
そう、ブルーアイズホワイトドラゴンから聞こえてきたものだった。
(私、カードの精霊が見えたりするわけじゃないし、声だって聞こえなかったはずなのになんで!?)
このままいけば原作通りに破られてしまうのがこのカードは分かってるって事なのかな?
それからしばらくしてから今日は解散することに、帰り道、私はどうするか考えていました。
その結果
「とりあえず、やれるだけやってみよう! 駄目だったらごめんなさいでいこう!」
原作介入することにしました。
それから数日、私は朝から亀のゲーム屋に訪れては海馬社長の手下が来ないか見張ってました。
一度杏子お姉さんを人質に遊戯お兄さんにブルーアイズをかけたアンティデュエルを挑んだようですが、その際には引き分けで終わったようです。
だけど、海馬社長はやはり諦めなかったようです。
「武藤双六様ですね、一緒に来ていただきましょうか……」
本来であれば双六お爺さん一人で向かうところを私がやや無理矢理ではありますがついていきました。
「鈴音ちゃん、なぜついてきたんじゃ?」
「心配だからです!」
その先は原作通りに海馬ランドでのデュエル、そしてLPは残っても、双六お爺さんはかなり追い詰められ、屈しかけていました。
並んだ三体のブルーアイズを前に、倒れかける双六お爺さん。
介入するならここしか無い!
「お爺さん!? 海馬さん、双六お爺ちゃんはこれ以上のプレイは無理、私が代わりに続けます!」
「ほぉ、この三体のブルーアイズに挑もうというのか?負けるのがわかってて、いいだろう? その勇気に免じて交代を認めてやろう」
ヴァーチャル映像とは言え、この圧迫感はすごい。
アニメで見ていたのと現実で見るのではまるで迫力が違う!
「鈴音ちゃん、危ないことはよすんじゃ……」
「お爺さんにとってあのブルーアイズはとても大事な絆なんでしょう? なら、見捨てておけません!」
こうして、私の公の場での初デュエルは始まったのである。
(さて、今の手札は、左手、ホーリーエルフ、クリボー、ガイア、この状態だと守備でだしてもあんまり時間が稼げそうにない。 守備表示でも魔法か罠でLPが削り切られかねない)
海馬社長の場には三体のブルーアイズが並んでいる、普通ならどうあがいても勝てない。
たしかミラーフォースが入ってた気もするけど、無かったかもしれない。
「さぁカードを引け!お前のターンだ!」
「私の……ターン、ドロォー!」
(お願い、この状況を逆転ないし、命をつなぐカードを引かせて! 介入するって決めて、試合前にお爺さんのデッキに紛れ込ませたカード達!)
「私が……引いたカードは……」
そして大量にフィールドに降り注ぎ、ブルーアイズたちを閉じ込める光の剣
「光の護封剣! 3ターンの間、あなたの攻撃を封じます!」
「ふん、苦し紛れの時間稼ぎか、だが所詮敗北するまでの時間が伸びたにすぎない」
海馬瀬戸:LP1500
四獣院鈴音:LP1100
「俺のターンドロー……ターン終了だ、後2ターン」
口角を釣り上げる社長、この時の社長は本当に悪役してらっしゃる。
「私のターン……ドロー!」
このカードは!でもこれだけじゃ駄目、後もう一枚、あのカードが来ればもしかしたら!
「私はカードを場に一枚伏せてターンエンドです!」
「俺のターンはドローして終了だ、さぁ、後一ターンだ!」
「わ、私のターン」
あのカードが引ければまだ状況は逆転できるはず、お願い、来て!
「ドロー! このカードならまだ希望はつながる! 引いたカードは強欲な壺! さらに二枚ドローします!」
来たのはドローソースの最高峰の一枚、OCGで絶対帰ってこれないと言われる一枚の強欲な壺。
アニメだとGX序盤までは現役だったんだよねこれ。
今現在は5枚以下じゃないと通常ドローできないから軽視されてるけど、今後はすごいことになるんだろうな。
さぁ、この二枚のドローにお爺さんのカードが懸かってるの!お願い、今だけは答えて!
そして恐る恐る私が引いたカードは……。
「来た!私は、ブラック・マジシャンを場に出してターンエンド!」
「俺のターン、ドロー、ふふっ、これで俺のターン終了と同時に光の護封剣の効果が切れる、何をするつもりか知らんがこの三体のブルーアイズの布陣の前では塵芥同然だ! 次が貴様の最後のターンだ!」
「私のターン……、これが最後のドローになるか……勝負!ドロォー!」
私が引いたカードをみて、デッキが答えてくれるってこういう瞬間を言うのかと思いました。
「海馬お兄さん、たしかに三体のブルーアイズの布陣は強力です、だけどこれならどうです! 私は海馬社長のフィールドのブルーアイズ二体を生贄に、溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムを海馬社長の場に特殊召喚します!」
「なんだと!?」
二体のブルーアイズが消えた後に現れたのは溶岩でできた巨大魔神!
「このモンスターは!?」
そう、ラヴァ・ゴーレムは相手モンスターを2体除去できる代わりに、強力なモンスターを相手にプレゼントするデメリット持ちモンスター……と、されている。
バーン効果もあるからメリット・デメリットがあるモンスターだけど現状、ブルーアイズと同じ攻撃力をもつモンスターを相手にプレゼントして、ラヴァゴーレムに殴り殺される事が多発して、デッキに入れるのは避けられているカードなのだ。
守備でもダメージを受けることがあるのが辛い。
だけど、この状況なら問題ない! 攻撃力3000のモンスター3体が2体になるんだから!
「まさか、そんなものを入れているとは……、だが、まだブルーアイズは残っている、どのみち次の俺のターンで終わりだ! 俺のターン、ドロー!」
あ、勝手にターンが! 終了宣言してないのに!? これが恒例の言ったもん勝ちなの!?
「ふぅん、俺はカードを一枚伏せてからバトル!」
「貴様から送られたモンスターだ、自らのモンスターに焼かれるが良い!溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムでブラック・マジシャンを攻撃!」
3000VS2500
「この瞬間、伏せカードをオープンします!」
「なに!?」
「私が発動するのは、永続トラップ!革命-トリック・バトル」
「なんだ! そのカードは!?」
「このカードが存在する限り、場に存在する表側攻撃表示モンスターはバトルにおいて、攻撃力の高いほうが破壊されるルールに変更される! ダメージは受けることになりますけどね」
四獣院鈴音:LP600
「何だと!そんなカードが!?クソ、ターン終了だ!」
「私のターンドロー! バトル! ブラック・マジシャンでブルーアイズを攻撃! 黒・魔・導!」
「させん!伏せカードオープン! 破壊輪! ブルーアイズはやらせん! !貴様も道連れだ!」
「そんなっ!?」
破壊輪:通常罠(エラッタ前OCG版)
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊し、
お互いにその攻撃力分のダメージを受ける。
ブラック・マジシャンに巻きつけられた破壊輪が爆発し、その瞬間、両者LPは0になり、この勝負引き分けとなったのだった。
「くっ、まさか遊戯に続いて二度までも引き分けるとは……」
「引き分けだから、アンティは無効ですね?」
「いいや、この場合は延長戦だ! ゆえにこのブルーアイズは預からせてもらおう!」
「なんじゃと!?」
「爺ちゃん! 鈴音ちゃん!」
ここで到着する遊戯お兄さん達。
「遊戯、カードを取り返したければ最上階まで来るがいい!」
そう言って去っていく海馬社長、そしてここから脅威のアトラクション、DEATH-Tが開幕する。
「遊戯、来てくれたのか! 遊戯を助けようと思ったのじゃが、できなかった……すまん。
挙げ句の果てには鈴音ちゃんに心配かけて助けられる始末じゃわい」
「爺ちゃん……」
「それにしても鈴音ちゃん、儂のデッキに入ってなかったカードが何枚かあったが、あれらを仕込んだのはこの間の時かの?」
「はい……、この間デッキを見せてもらった時に4~5枚……、最近嫌な予感が止まらなくて、あの海馬さんが来たときからそれが強くなってもしかしたらって、それで……勝手にしてごめんなさい」
デュエリストにとってデッキは魂であり、勝手にいじって良いものではない。
介入するためとは言え、そのデッキに勝手にカードを入れたのだ、怒られるだけならまだいいほうだと思う。
「そうじゃな、確かに勝手にカードを入れたのはいけないことじゃろう、じゃが悪意をもって入れたわけではなく、儂を助けるために入れたのじゃし、実際助けられたわけじゃからな。それにデッキの枚数が増えていたのはデッキを持った時に気づいとった。その時に確認もしたからの」
双六お爺さんには全部バレてたみたいです。
さすが元世界を股にかけた無敗のギャンブラー!
そして私が入れたカードを抜いて自らのデッキを遊戯お兄さんに託す双六お爺さん。
「遊戯、これを持っていけ、儂の魂のカード、持っておればいつかきっと役に立つはずじゃ!」
「これは爺ちゃんの大事な……」
「あの海馬という少年はゲームのためには手段を選ばん、気をつけるんじゃぞ!」
「爺ちゃん……」
そして、皆に励まされる遊戯さん。
人の繋がりって、こういう瞬間を一番美しいと感じてしまうんですね。
だけど海馬社長の手により、双六お爺さんがボッシュートされてしまいました。
「遊戯、繰り返すようだが爺とカードを取り返したくば地獄のアトラクションをクリアして最上階まで来ることだ」
そして始まるDEATH-T、そして今後の遊戯さんに強く影響を残した……。
「皆、手を出して! ほら鈴音ちゃんも」
「あの、杏子お姉さん」
「杏子で良いわよ、私達の友情の印、インクなんかすぐ消えちゃうけど、私達の心のなかでは決して消えたりしない!」
皆の手の甲に描かれるピースの輪。
本来4人でやったはずだったのですが、私も外周の縁の部分を書いてもらいました!
ちょっと恐れ多い気もしますが、私、この事は絶対忘れません!
「俺たちもいい加減呼び捨てでいいぜ、どうにもお兄さんって呼ばれるがむず痒くてな」
「おうよ!年下だからって遠慮するなよ!鈴音、代わりに俺たちも呼び捨てにするからよ」
そして始まるDEATH-Tの第一ゲーム、それは宇宙船の中を舞台にしたシューティングゲーム。
プレイヤーは襲来したエネミーを撃退して船を守るという設定のゲーム
敵役の3人はもと軍隊上がりのプロ。
「そう言えば、一人一丁ってルールはなかったよね……」
二丁拳銃はロマンって聞いたことあるし、銃自体は結構軽量だったのでやってみることに。
ゲーム開始してすぐにじっとしている事ができなくなった城ノ内お兄ちゃん。
開始してからずっと耳をすませていたので、なんとなくだけど左に一人、右に二人別れていることに気づけたので、飛び出した城ノ内さんについていくことにしました。
「ちょっ、鈴音ちゃん!?」
杏子さんの静止を振り切って城ノ内さんが目立って気を引いていて来れたので連射したら一人倒すことができました。
前世ではこういうアトラクションみたいなのやってみたかったけどできなかったから、危険だとわかっていてもちょっと楽しいですこれ。
そしてその後は本田さんと城ノ内さんが突撃して、私や杏子と遊戯さんがその隙をついて攻撃することに。
城ノ内お兄さんが一撃貰って倒れてしまい、恐怖のDEATH-Tの恐ろしさを味わいました。
そして続く第二ゲーム、マーダーマシンブラッド
名前を間違われる事を嫌う殺人マシンも遊戯さんがブラッドの謎を解き無事突破。
私は完全にレバーにぶら下がるような形で持っていたんですが、明らかに他の皆さんとレバーの硬さが違ってました。
子供ということでここだけ緩くしていたんでしょうかね?
そして続くDEATH-T3ではブロック落とし、これは完全に殺しに来てますよ!
落下速度も音も、ブロックの硬さもこれは死にますよ!?
海馬ランドは子供に優しくないテーマパークにするつもりですか!?
杏子さんがリズムを見切り、落下位置を予測してからはだいぶ変わりました。
だけど終盤になってリズムが変わり本田さんがギリギリ回避することに成功したけど。
「本田くんが先に!」
「おれより先にいけ!早くしないと出口がブロックで塞がれてしまう! 城ノ内! 遊戯を頼む!」
「おう!」
だけどそこで本田さんが動けなくなってしまう。
そうか! さっきのブロックを避けた時に服が!?
慌てて念のために持ってきていた小道具をポシェットから探し本田さんにパスする!
「本田さんこれを!」
出口にブロックが降る前に本田さんにめがけて投げたのは、刃先がケースにはいった小型のハサミ。
見えなくなる前に本田さんが受け取るところまで見えたから、多分まだ大丈夫だと信じたい。
原作では本田さんはこの先も行きていたからきっとだいじょうぶだと思うけど……万が一があったら。
そして遊戯さんは……
「本田くんは……本田くんは僕のために……」
そして、本田さんや双六お爺さんを奪った海馬瀬戸への怒りを燃やす。
「僕は、抑えることができない、自分の中の何か……」
そして遊戯さんは皆にもう一人の遊戯さんの事を話しだした。
「この千年パズルを完成させてから、時々意識がどっかに行っちゃうことがあるんだ……」
ずっと抱えていた恐怖、せっかく友だちになれたのに、そのせいで拒絶されてしまうんじゃないかという恐怖。
「遊戯、俺は誓うぜ、例え遊戯の中にもう一人の遊戯がいたって、俺達はずっと、友達だってな」
遊戯さんはやっぱりすごい、恐怖に打ち勝って皆に話す勇気……私には……。
私は、ある意味ではもうひとりの鈴音。
この世界ではない別の世界からやってきた異邦人。
下手すれば死人といっても過言じゃない、もしかしたら私はこの体を奪ってしまった悪霊かもしれないのに……。
こうして遊戯さんの告白を聞いて、再認識するなんて……、とても、胸が苦しい。
「鈴音ちゃん、大丈夫?」
杏子さんが声をかけてくれる。
「あっ、だ、大丈夫です、ちょっと、遊戯さんはすごいなって、私だったらそんな秘密、皆に打ち明けられるかなって……」
「そうだね……、やっぱり遊戯は本当は強い子なんだよ、それに鈴音ちゃんだって強い子だよ」
「え、わ、私はそんな強くなんて……」
「強いよ! 私が保証する! なんてったって鈴音ちゃん、お爺さんを助けるためにあの海馬くんと引き分けたんだから。私だったら、あそこで飛び込めたかどうか……」
「杏子さん……、杏子さんだって強いよ、夢のために努力し続けるあの姿は、きっと誰にも負けない強さだと私は思います」
杏子さんに励まされて、何だか少し勇気がもらえた気がします。
いつか、誰かに話せる日が来るのかな……。
そして遊戯さんに活を入れた城之内さん。
「苦しいならそいつを俺たちにもよこせよ! それが仲間じゃねえか!」
そして杏子さんは手を出して、それに皆が手を重ねていく。
「城之内が言うとおり私たちは仲間だよ!ね、鈴音ちゃん!」
「はい! そしてこれは本田さんの分ですね」
もう一つの手もだして本田さんの代わりに乗せる。
(話しても、いいのかな? 私が何なのか……本当に仲間なんだと、自信が持てたら……)
そして、その後すぐに木馬のあざ笑うかのようなセリフから始まるDEATH-T4、カプモンワールド。
「遊戯!ここは僕とお前の一騎打ちだ!」
城之内さんは遊戯さんを一人で行かせることに心配するが、それを遊戯さんは
「城之内くん、ここは僕一人に行かせて欲しい……、僕には友だちがいる、城之内くんや本田くん、皆が教えてくれた本当の勇気があるから!」
そしてバトルボックスに足を向けてから
「僕はもう、もうひとりの僕を怖がったりしない……」
そして覚醒する、もう一人の遊戯さん。
城之内お兄さんに本田さんと双六お爺さんの居場所を探ってもらうように頼のむが
「爺さんと脱落したやつなら最上階にいるぜ、ま、僕に勝てるわけはないんだがな」
そして始まるカプモンワールド。
そして始まってしまうと明らかに細工されたような戦い。
木馬くん側はレベル5や4の強力モンスター軍団。
遊戯さん側はレベル1と2の弱小モンスター軍団。
そして戦いが始まると遊戯さんのモンスターを包囲しだす木馬。
片や遊戯さんはモンスターを動かさず最初に配置した時のままの状態。
だけど木馬が攻め始めた後状況は一変。
強すぎた力で自軍に被害を出す木馬、それを見越して作戦を練り上げた遊戯さん。
戦いはついに状況を築き上げ、レベル2モンスターを進化マスによって最強のレベル5にした遊戯さんが盛り返す。
そして戦いは最後のモンスターが残った遊戯さんの勝利に終わる。
そして非情にも負けた木馬に罰ゲームを下す海馬。
だがその木馬を助け出す遊戯さん。
「なぜだ、なぜ助けたんだ!?」
「俺が勝てたのは、手を差し伸べてくれる仲間がいたからなんだ……」
「な、なかま……」
そして始まる、遊戯お兄さんと海馬瀬人の最終決戦。
磔にされている双六お爺さん、その下で横たえられている本田さん。
お互いに隙を伺う序盤、攻め上げる暗黒騎士ガイア!
そして始まる闇道化師サギーを使った死のデッキ破壊ウイルス!
デッキの中の攻撃力1500以上のモンスターを全て破壊するとんでもカード!
そんななか死者蘇生の魔法カードを引き当てる遊戯さん!
ブラック・マジシャンを呼び戻し、巧みな戦術で海馬瀬人の強力モンスター軍団に立ち向かう遊戯さん!
そんな中、ついに現れるブルーアイズホワイトドラゴン!
トラップを駆使しブルーアイズを撃破するが、ついに二体目三体目のブルーアイズが!
ブラック・マジシャンを失い、窮地に立たされる遊戯さん、だがその手の中に残された最後の希望に気がつく。
だがそんな希望を消し飛ばそうと、死者蘇生で三体のブルーアイズを蘇生させる海馬瀬戸。
そんな中、カードを引こうとする遊戯さん。
「カードが遠くに!? ちがう、俺がカードから逃げようとしているんだ……俺は、カードを引くことに怯えているんだ!」
だけどそんな中、右手をみて思い出す遊戯さん。
(そうよ遊戯!忘れないで)
(俺達はいつだって)
(このピースの絆で)
(繋がってるよ)
この時、私の右手がすごく熱くなった気がしました。
城之内さんも、杏子さんも……、そしてきっと倒れている本田さんも!
「遊戯の顔つきが変わった!?なぜだ!」
「海馬、俺は希望を手にしたんだ」
そして引いたカードは、あのピースを手に書いた時に、遊戯さんに渡したカード。
本当はデッキから抜いてたんだけど、輪を書いた時に遊戯さんから
「そういえば鈴音ちゃん、さっき抜いたカードにこんな感じのカード無かった?」
「え? あ、あるけど、あれは条件が厳しいから……」
「貸してもらっていい? きっと助けてくれると思うんだ」
そうして渡したのは、始めた時に買ったパックに入ってたレアカード!
「俺が引いたカードは『ピースの輪』これは通常ドローで引いた時かつ、相手の場にモンスターが3体以上いて、自分の場に何もカードがない時つかえる魔法カード! これにより俺はデッキから一枚、好きなカードを手札に加える!」
「なっ!?」
「そして俺が手札に加えるカードは、封印されしエクゾディア! いま五枚のパーツが全て揃った!」
「まさかエクゾディア!? あのカードは本当に実在していたのか!?」
「いでよ!エクゾディア」
そして5枚のパーツから出てくるエクゾディア。
「怒りの業火!エクゾードフレイム!」
そして消し飛ぶブルーアイズ達。
「そんな! 俺のブルーアイズホワイトドラゴンが!?」
「海馬、カードと心を一つにすれば、奇跡は起こる! 海馬、お前の負けた! 負けたものへの罰ゲーム、償いの瞬間だぜ! マインドクラッシュ!」
「ぐああぁぁぁぁぁ!」
海馬社長の心が砕かれる。
「海馬、お前の中の悪の心は砕け散ったぜ!」
駆け寄る木馬、そして拘束が解かれる双六お爺ちゃん。
「兄様! 兄様!」
「木馬、海馬は今、悪の心で傷ついた心を癒やしているんだ、そう遠くない内に目を覚ますだろう」
「遊戯……」
「優しい心を持っていたなら必ず、少なくとも木馬のことを大切に思っていたなら絶対起きるはずだ」
こうして、私達のDEATH-Tは終りを迎えたのでした。
駆け足気味の海馬ランドDEATH-T編は終了です。
感想もらえてすごく嬉しかったです、後日感想の返信させてもらいますね。
次回ペガサス島編 生きろペガサス!
とみせかけてのまだデュエル付けになりません、ある意味ラスボス戦のTRPG、モンスターワールド編を予定、もしかしたら小話はさむかも。
※ここからさきボツネタ
他にも面白いカードも出てきたのでありがたかったです。しかし、OCGには無かったカードもちらほら見かけるのは面白いですね。
とったのが
他にも面白いカードも出てきたのでありがたかったです。しかし、OCGには無かったぶっ壊れカードもちらほら……、まさかこの世界にもマ◯ーが!? 社長室に行こう!
というのを入れるかちょっとなやんだw 深夜テンションでw