皆さんこんにちわ、突然ですが私、遊戯王の世界にいます。
テレビや新聞を見たら海馬コーポレーションやI2社の記事、デュエルモンスターズの広告何かが目に入ります。
マジック&ウィザーズじゃ無いんですよね。
あれいつ頃から変わったっけ?
KONMAIもなければ遊戯王と表記されたりもしてないです。
そしていま住んでいる場所が童実野町……、思わず二度見してしまいましたが、どうやら現実のようです。
そして、どうして私がここにいるのかと聞かれたら、二次小説でよくある転生トラックに引かれたというわけではないんですよね。
私、元の世界ではそこそこ病弱な方だったんです。
ただ、アニメであるような常に病院で過ごしているほどではなく、1年に1、2回ほど入退院するぐらいだったんですが、ある時心臓が悪くなってあっさりと……。
まあ、死ぬ時は苦しかったですけど、それでも辛い人生では無かったんですよ。
両親は精一杯愛してくれましたし、兄や姉、弟とも仲良かったですから。
思いっきり外で遊んだりはできなかったですが、そこはほら、ゲームだったり漫画や小説、映画とか有りましたから。
特にハマったのが遊戯王みたいなトレーディングカードゲームですね。
お店の大会にはなかなか出れませんでしたが、オンラインのスカイプを使った対戦なんかはよくやりました。
っとと、話がずれました。
話を戻すと、どうしてここにいるのかについては詳しいことはわかりません。
ただ、今の私になる前の《この身体に残る記憶》からするとどうやら私は死を望んでしまったみたいです。
事の始まりは交通事故、そこから始まる両親の死と言う現実と深い悲しみがまだ幼い私の精神を殺してしまったみたいです。
そして気がつけば私はベッドの上です。
そこからはトントン拍子に話が進みましたね。
事務的な手続きだったり、相続に関した事や、維持管理などの諸々の手続きは弁護士さんと相談の元終わらせ、今は両親の残した遺産で一人やや引きこもりライフです。
親戚がいなかったから一人暮らしですが、心配した弁護士さんとかは子供の一人暮らしにかなり難色、反対してましたけどね。
学校なんかは調べたら、通信制の小学校があったのでそちらに。
お陰で届く教材片付けたら後は自由時間です。
こっちの世界の私の身体は至って健康体だったので童実野町を見て回ったりするんですがまあ、カードショップなんかを見て回ったらやっぱりカードの値段がすごかったです。
デーモンの召喚とかあっちだとお手軽な値段で買えるのに、こっちじゃ諭吉さんが束になって逝く必要があります。
高攻撃力や守備力持ちのカードは総じて高かったです。
そして、ショップのどこを見渡してもやっぱり無かったです。
ペガサスさんとか海馬社長がテレビに出てる時点で薄々気づいてました。
ああ、多分原作前だこれ。
エクシーズやシンクロは無く、ペンデュラムなんてもってのほか!
あるのは儀式や融合までです。
カードショップでは基本的にストレージ漁りです。
アニメで見かけた代償の宝札とかがあったのには流石に目が点になりましたよ。
今の時代、そこまで重要視されてないんですよね、ドロー関連のカード。
確かこの時期だと、手札が5枚以下じゃないと通常ドローできないんだったかな?
他にも、ネコマネキング、ミスト・バレーのファルコン、逆ギレパンダ、素早いモモンガとか、デメリット持ちだったり、低攻撃力系は軽視されがちですね。
これは、低レベルバニラワンキル系を組んでみるのも面白いかもしれませんね。
まあ、他のカードが足りないから今はまだ当分組めそうにないですけど……、トライアングルパワーや弱肉一色、トライワイトゾーン、魔の試着部屋……出るのはまだ先かな?
他にも後々役に立ちそうなカードを揃えたりしてましたけど、この時代にミスト・バレーあったの?
そして暫く町を探索する日々を過ごしている時 ある一件のお店に入ったんです。
お店の中にはデュエルモンスターズのカードも置いてありましたけど、それよりも沢山のおもちゃが置いてありました。
テレビゲームはもちろんの事、カタンやモノポリー、人生ゲーム等のメジャーな物から、見たこと無いようなゲームが所狭しに並べられていた。
そのまましばらく置いてある商品に見入っちゃってましたね。
そのせいで声をかけられるまで気づかなかったんです。
あの時の私はかなり浮かれてたんだと思います、せめてお店に入る時は店名ぐらいちゃんと見ておくべきでした。
「珍しいのぉ、こんな時間に若い子が儂の店に来るとは、学校はどうしたんじゃ?」
店名【亀のゲーム屋】
初代キングオブデュエリスト武藤遊戯の祖父である、武藤双六のお店。
原作キャラにエンカウントしちゃいました!?
「よし!出目は7、僕は盗賊を9鉄において、じーちゃんから一枚もらうね!」
「ぬぅ、よりにもよって其処で儂を狙ってくるか……」
「ああ!7さえ出なければこの10枚の資源でほぼ勝ちだったのに!?バーストで半分捨てますね……」
あの後双六おじいさんと世間話をしていたら、だんだん会話が弾んでしまいました。
まあ、学校に関しては通信制の学校なのでと伝えたらちょっと心配されましたが……。
そこから他のお客さんが来るまでお茶を片手に遊んでもらってました。
最初はそこらの店では見かけないゲームなんか見せてもらってたんですけど、しばらくしてからお孫さんの、そう、遊戯王、武藤遊戯さんが帰ってきてそこから流れで何故か三人カタンすることになってました。
楽しいから良いんですけどね。
「よし!じーちゃんからもらった資源で鉄3と麦2を使用して家を街に発展!そしてリバースカードオープン!ポイントカードが2枚で10点だ!」
「ぐぬぬ、次の儂のターンで騎士章取って勝ちだったんじゃがのう」
「おじいさんの独占で、一度木を全部持ってかれたのが痛すぎました~」
道作るにも家建てるのにも必須の木を持ってかれたのは痛すぎました。
まあそんなこんなで遊戯達さんとも交流することになったのですが、これからどうなるんだろう?
激流に身を任せ同化するしかないのかも?
「そういえば名前を聞き忘れておったの? お前さんなんて言うんじゃ?」
「四獣院鈴音です、最近越してきたばかりなのでよろしくお願いしますね」
おい、デュエルしろよ。
なおこの世界の主人公の見た目は前髪キャラでポニーテール。
某武蔵在住臨時外交官っぽい見た目