パーシヴァルの物語 作:匿名
繰り返しになりますが、これも皆様のお陰です。
本当にありがとうございます!
そして、感想、評価を下さった皆様誠に感謝致します。
それを糧に、何とか続けられればと思います。
何卒これからも、『パーシヴァルの物語』を宜しく御願い致します。
……なんて、堅いですかね? でも本当にありがとうございます。
それと、誤字脱字を報告してくださいました皆様、お手数お掛けして申し訳ありません。
自分が気付かないだけで、あんなにも誤字脱字があるとは思いませんでした。
重ねてお詫びします、誠に申し訳ありません。
そして報告ありがとうございました。
※修正しました。
感想欄でご指摘頂いた箇所を、直しました。7月25日 14︰21
〇月〇日
今日から日記を書く事にする。
野営が多い旅の間は、鍛錬しかやる事が無いからな。
それだと味気ないなぁ、と思って書くことにした。
さて、村を出てから1ヶ月経った。
その間に起きた事を話そう。
まず村から出て、真っ直ぐに歩いた。すると一週間後ぐらいには、俺の所より少し大きい村に着いた。
だけど、なんかその村の雰囲気が変だった。具体的に言うと、村全体が静かで誰もいないように思えてならなかった。
気になった俺は、たまたま見つけた痩せこけた老人に話を聞いてみる。
聞く限り、どうも魔猪に畑や作物を荒らされているらしい。
酷い時は、人間も食い殺してるんだとか。
ここで俺は、ピンッ!と閃いた。
これ、実力を試すいい機会じゃね? と。なんだかんだ言って、今までマーリンしか相手にした事がない。
更に言えば、それは修行でしかなく、俺は命のやり取りをした事が無い。
そこで老人に、俺がその魔猪を倒す事を宣言、約束し魔猪が現れるまで一晩泊めてもらった。
夜明け、魔猪が姿を表した。
寝ながらも何となく気配を感知した俺は、すぐ起き上がり剣を持って外に出る。
気配を感じる方向に目をやれば、こちらに向かってくる
…………っえ? 嘘? えっ? 一匹だけじゃないの?
直前になってビビる俺氏。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ、死ぬ死ぬ死ぬ、無理だってこれ! 初めての戦いが多対一なんて無理ゲーすぎ!
光の速度で目が腐っていくのを感じながら、その後、無茶苦茶斬り殺した。
あの時は本当に死ぬかと思ったけど、結局は無事──多少の傷はある──だったので良しとする。
村の人達からは、凄く感謝された上、何と俺が旅人だと知っているあの、痩せこけた老人から馬を貰った。
実はあの痩せこけた老人がこの村の長老らしく、泣いてありがとうと繰り返していた。
馬の餌等を貰って、準備を整えた次の日にその村を出た。
次の町に着くのに、2週間かかった。
食料も尽き、我が愛馬スレイプニル──野営中に付けた──通称スレイも歩き疲れ、倒れそうになった時、目の前にそこそこ大きい町を発見。
最後の力を振り絞り、そこに行ったところで力尽きて俺は倒れた。
目を覚ますと、見慣れない天井だった。
此処は何処、私は誰、とでも言えば良いのだろうか。
そんな下らない事を考えていると、一人の幼女が入ってきた。俺と目が合うと幼女は慌てて部屋を出ていった。
俺の顔が怖かったのか、だとしたらショックだぞ。
何て思っていると再び幼女入室、奥には恰幅の良い女性がいる、親の様だ。
その女性に、何故俺はこんな所で寝ているのか聞いてみると、町の入口あたりで倒れている俺を幼女が見かけ、家で介抱してくれたのだとか。
幼女──リリアと言うらしい──に御礼をすると、「どういたしまして!」と花が咲いた様な明るい笑顔で言われた。
うむ、可愛いなぁ……はっ! いや俺は断じてロリコンではないぞ! って何書いてんだろ俺……。
スレイの方も、町の馬小屋で面倒を見てくれていると言うので、改めて女性に感謝した。
このまま世話になりっぱなしは嫌なので、何かを返したい。そう言うと、気にするなと言われた。
だが俺の気が済まないので、しつこく聞いてみると、なら店の手伝いをしてくれと頼まれた。
手伝うのはいいが何の店か聞いてみると、食事処だと言う。
……この時代に食事処なんてあったのか。
少し驚きつつ、腹に入れるもん入れた後、下に降りて準備をする。
……しかし、何時迄経っても客が来る気配がしない。何故だろうと考えていると、「大体こんなもんだ」と奥の方から野太い声が聞こえ、振り向くと偉丈夫と言う言葉がぴったりなオッサンが立っていた。
リリアの父ちゃん兼店の店主らしい。
客が少ない理由を訊ねてみる。
オッサン曰く、食事処と言っても料理より酒がメインなので、どちらかと言うと酒場に近いんだと。
だから、夜は多いが昼間は皆働いている為、こんな時間に来る客は大体が働かない碌でなしか、俺のような旅人だけだと言う。
なるほどと納得するが、それではやる事が無いなぁなんて考えていると、リリアが遊ぼうとせがむので、オッサンに許可をもらい店を後にする。
遊んでいると時間を忘れ、なんやかんやで夜となり、リリアを連れて急いで店に戻る。
戻るとオッサンが丁度良かったと、準備も出来ぬまま酒を持たされ、テーブルに運ぶ。
とにかく忙しかった、昼間とは打って変わって客が多く、騒がしい。
何とか余裕が出来、休んでいると。
「酒に合う食べ物は無いかねぇ」
「ある訳ねえだろんなもん」
と言う会話が聞こえたので、オッサンに厨房を借りると言って、肴を作る準備を始める。
今は戦時中だから、材料も調味料も少ない。しかし文句は言ってられない、これでも前世での趣味が料理だったんだ、限られた食材でも美味しく作ってみせる。
そう意気込んで、ジャガイモ2つ、塩少量、水、油を用意して、ハッシュポテトを作った。
昇る湯気が食欲を刺激する、そんな一品になった。
出来た肴をさっき話していた人達の所に持っていくと、驚かれたが俺が取り敢えず食べてみ、と言って黙って食ってもらうと、大声で絶賛された。
それで気持ちが良くなった俺は、調子に乗って店にあった限りある食材で教えれば誰にでも作れる、簡単な料理や肴をバンバン作り、お陰でバンバン注文が殺到。
死ぬ程忙しくなった。
それに合わせるかのように、客も騒ぎ出すので軽い宴状態。
だが、楽しい時間と忙しい時間はあっという間に過ぎていき店仕舞いになる。
オッサンには、大儲け出来たので感謝されたが……正直もうやりたくない。戦いとは別の体力を使いグッタリとする。
その日は部屋にもどり、倒れるように眠った。
似たような生活を一週間この町で送ると、町全体は俺の料理の話で持ち切り。
店も過去に無いぐらい、忙しくなったという。
俺も、最初はよそよそしかった町の人達と仲良くなれた。
そして今日も今日とて、料理を振る舞い一日を終えると俺はオッサンの所に向かった。
そろそろこの町を出る為、その話をしに行くのだ。
やはりと言うかなんというか、俺がその事を話すと悲しそうに、そうか、とだけ言われた。
最後に明日の早朝には出ますとだけ言って、その場をあとに部屋に戻った。
すると戻った部屋には、何故かリリアがいてどうしたと聞くと「明日出て行っちゃうの?」と涙目で聞かれた。
胸が苦しいが、俺の目標の為には此処に居座るなんて出来ない為、そうだよと返すと、分かったとだけ言って部屋を出ていった。
嫌われたかなぁ、なんて思っているとすぐにリリアは戻ってきて一緒に寝ようとせがんできた。
最後なのだし別にいいだろうと思い、了承した。
その晩、リリアと沢山話をした。
俺の覚えている限りで、昔話を聞かせたり俺について聞かせたり。
気付くとリリアは寝ていたので、俺も就寝。
その翌朝、リリアを起さないように荷物を纏め町の入口に行く。
リリアの母ちゃんがスレイを連れて、待っている筈だ。
案の定、入口に行くとスレイがいた。御礼をし、スレイに跨って、出発だと意気込んでいると少し大きい荷物を渡された。
中身は数週間分の食料だった、旅には必要だろうと渡してくれた。
本当に感謝してもし足りない、せめてもの僅かな恩返しに料理のレシピをその場で書いて渡した。
最後にもう一度御礼を言って、遅くなったが俺は町をスレイと共に出た。
歩いていると後ろから声が聞こえるので、少し振り向いてみるとリリアが「お兄ちゃんまた来てねえー!」と大声で叫びながら手を振っていた。
俺は何も言わなかったが、大きく手を振り返して我が愛馬と共に歩き続けた。
これがこの1ヶ月の出来事。
実際書いてみると、色々とあった事が分かるな……。
眠くなってきた、今日はここまでにして寝るとしよう。
◇月◇日
旅から半年、村や町を転々として傭兵や料理人、果てには何処かのお偉いさんの所で執事紛いの事もした。
本当に半年で色々あった。様々な魔獣やグール、死徒を斬り殺してきたお陰で、最初の頃は魔猪の群だけで一杯一杯だった戦闘も、今では余裕を持てる程に慣れた。
そしてこの半年、成長したのは俺だけではない。
我が相棒、スレイ。
此奴もスゲー成長した、と言うか進化と呼んでもいいかもしれない。
食いもんが無い時、倒した魔猪やグールを食べさせたせいか、スレイの体格は普通の馬の一二回り大きくなり、走る速度が尋常じゃなく早くなった。
しかも、戦闘になるや俺と共に戦ってくれる程、強くなっている。
……ぶっちゃけ、なんかスゲー申し訳ない。人外ならぬ馬外になり掛けている事に、僅かなやっちゃった感を感じ始めている……。
やっちゃったもんは仕方ない、今は置いておこう。
あ、そうそう。
旅の途中、変な本を手に入れた。
どんな物かと言うと、黒色で所々紫があしらってあって、蔦にも血管にも見える絵が本の中心に向かっている。
中身を見てみたけど、おかしい事に読めなかった……。
読もうとすると、文字がボヤけて何て書いてあるのか分からなくなるのだ。
読解阻害の魔術でもかかっているのだろうか。
本自体に膨大な魔力を感じるから、多分魔導書だと思うのだが……読めないのでは仕方ない。
今は読む事を諦め、袋にしまって持ち歩いている。
そして話は変わるが現在、俺は海を渡ろうとしている。
先程書いた、お偉いさんの家で執事紛いをしていた時に褒美として小型船を貰っている、スレイも何とか乗れる大きさだ。
設備もこの時代にしちゃあ上等な部類だ。
食料も積み、道具も積んだ、後は夜明けを待って出発するのみ……なのだが、嫌な予感がしてならない。
この航海中、何か起きそうな気がする……あれ、フラグかなこれ。
……気にしても仕方ない、もし何か起きたらその時に何とかすればいい。
という訳で、自分で自分の武運を祈りながらそろそろ寝ようと思う。
頼むから何も起きないでくれよ……。
急いで書き上げたから荒いです、お粗末です。
後で、書き直すかも知れません。
日記形式って案外難しいんですね……。
さて今日のお話は、パーシヴァルくんはじめてのたたかい、それと食べ物が世紀末なこの時代に、『美味しい料理』を広めた、ちょっとした偉業? のお話でした。
……旅扁はあと、二三話で終わらせます。
次回は皆大好き、おっぱいタイツが出るかもしれないよ!
駆け足駆け足。