4:お花畑の赤蟻
私は久しぶりの宇宙転移だ。
今まで地底探索をして、アリの巣の植民地化戦争をしていたから、こっちに来るのは本当に久しぶりになる。
「では、送るぞ」
「御願いします」
私が送られた場所。
そこはだだっ広い草原だった。
非常に空気が澄んでいる。
更に二酸化炭素濃度が低く、酸素濃度が高い。
恐竜の時代かな?
いや、それにしてはこの世界は綺麗過ぎだ。
空気中に、火山からでてくる一酸化炭素がほとんど見られない。
中々小奇麗だが、この地球は生きているのか?
私がそこらを散策していると、目の前にある林の奥から何やら例の音と女性4人と男性一人の聲が聞こえた。
私はすぐにローリングとハヴォック跳躍を行い、向かい側へ行く。
「親方ぁ!空から誰かが!」
「親方じゃないって!団長だって!」
私は眼下で赤蟻数匹と見たこともない蟻が、男性一人・女性4人を襲っているのを発見する。
しかし意外と距離が近いので、射撃する。
これにより、見たこともない蟻は殺したが、赤蟻がまだだった。
すると女性4人が、絢爛な力を発揮し赤蟻の撃破を完遂した。
私が着地したときには、全て倒し切っていた。
「私はEDFのレンジャー1結城。君たちは?」
「僕はFlower of Knightsの団長です。今初めての花騎士の連隊構想の試運用中ですので、
団長は僕一人だけです」
「あたしはアブラナ。まぁ、よそ者だし機会は少ないんでしょうけれど、一応自己紹介しとくわ」
「セントポーリアです~。みじかあ~い間でしょうけど~御願いしますぅ~」
「貴族出身の花騎士、ギンランです。短い時間でしょうが、御願いします」
「後方支援が得意なワレモコウです?特異な変化への対応は得意です?」
どうやら、キャラの濃いながらも初めての軍団指揮を行う軍事国家と邂逅してしまったようだ。
だが一応友好的である。一名を除いて……。
とにかくお互いの親交を深め、よりよい関係を築かなければ今後危ういだろう。
私はアイテム欄にある、孫子の兵法を団長に、ぬいぐるみをセントポーリアと菜の花に、
宝石をギンランに、本をワレモコウに手渡す。
「お互いの友好の為、お納めください」
すると三者三様の反応を示された。
実際、本とぬいぐるみと宝石の三種類なので、これは妥当だろう。
この後私は、ブロッサムヒルという所で初めての軍団指揮をやって成功に終わった団長を送り、
共に今後の戦略を考えることになる。
そして私は聴いた事のある名前やこの国の成り立ち等、色々聞いて興奮した。
「え、じゃあ、サクラやウメは花騎士の中で上位なの?
なのに松竹梅といわれるのに、松はどこかの下っ端で竹は花ですらないと?
解せぬ」
「まあまあ、一応一般市民はいるんだし、そこは妥協してよ」
一応お互いに親しく話す間柄になる。
孫子の兵法を読む傍ら、ある程度の彼等にとっての花騎士や能力関係で、しょうもない話を展開する。
これは団長にとって、戸惑うことだろうがそういう認識がこっちであるんだ。
「其れにウメやサクラは、一般大衆に知られている認知度や生命エネルギーを力として転換・変換できる人間を、
花騎士として採用している噂があるんだし、そこら辺は……」
「竹とミントの生命力はヤバイからな?」
「竹はいないし、ミントは下っ端だなぁ」
「駄目な花騎士だな、このやろう」
「認知度……」
「ミントは芳香剤として、竹は観光系で世界中に知られてるけど?」
「どうしようもないね」
花騎士の上級騎士の任命する順番がよくわからん。
まさか生きるその場所の範囲だとか?
サボテンという上級騎士がいるんだが、その生物は砂漠に広く存在している。
だから上級騎士なのだろうか。
しかしペポなんて聞いたことがない。
せいぜい一般で売られているアネモネ・そこらに生えているヤマブキ・紅ショウガはわかる。
桜や梅・サクランボもわかるし、オオオニバスもわかる。
デンドロビウムってなんだよ。
そんな時緊急を知らせる音が鳴り響く。
<赤い蟻がこちらに向かって来ています!花騎士と軍団長は至急出動せよ!>
「お話はここまでだ」
「うん。後、結城の言う通り、僕らは赤蟻よりもその右翼にいる害虫を倒すよ」
「ヨワ虫だったか」
「違う、マイドアリだよ」
「そうそう。頼んだ」
戦場に行く頃には、上級騎士が布陣を整えている。
しかしどう見ても傭兵のような行動だ。
これでは勝てる戦も勝てないぞ。
「む、来たか新設の新戦闘布陣説を提唱した団長よ」
「サクラさん、我々を侮らないでください。
そして新たな花騎士として任命された『蠍火』さんと共に、敵を効率よく撃滅します」
「ほう、その実力とやら、魅せてもらおうか」
たしかブレーメン地方での生き残りが、少数精鋭を叫んで物量と個人の傭兵スタイルを取っていると言っていた。
おかげで軍団レベルの統率や指揮は、すたれかけているとのこと。
しかし当時の生き残りである桜やウメは、この新たな風である団長と孫子の兵法を用いたその懐柔案により
団長を信じるようになった。
ちなみに一番信じた案の一つが、”女性ばかりの中男性が一人いれば、女性は男性に見栄を張ろうと頑張る。
その為戦闘効率や能率が上昇する。”という言葉。
現実世界の真逆かよ!?
と、とにかく私は団長の指揮下(仮)で、戦闘を開始した。
『ルールオブゴッド』発動。
先鋒の赤蟻を爆散させた。
この後はロケランとライフルで支援しつつ、サクラさんの砲撃やウメのペンタゴンアタックを筆頭に撃滅していった。
マイドアリの方面は物量なんだが、団長の指揮により救済された花騎士と共に戦線を拡大し、
徐々に数を減らしていった。
赤蟻は二度目の『ルールオブゴッド』で殲滅できた。
この赤蟻は爆風で吹っ飛んでどこかへ行ったので、偏差とそのままの射撃で撃破した。
「助かった、ありがとう、結城」
「いや、数が多いマイドアリのほうが圧倒的に脅威だ。だから、引きつけてくれたことは非常にありがたかった」
「新設団長、貴殿は正式に花騎士団長として任命される」
「拝命仕ります」
この事により、正式に団長による軍団指揮が功を奏して、新たな戦闘隊形が支持されるようになる。
これは革命だろう。
さて、私は彼等の大団円を見て、帰還することにしよう。
この世界もこれで安泰だな。
そういやアルゴは役に立たなかったな。
まあ呼んでいないからどうしようもないんだが。
「主任、どうでした?」
「うむ。赤蟻1300撃破。マイドアリ2900撃破だ。ただ、マイドアリは雑魚中の雑魚だから、
功績はそんなにないぞ?」
「功績目当てで戦っているわけではありませんので」
「流石EDFレンジャー部隊」
というわけで、今回は安上がりだが母親に仕送りをした。
これで一安心。
さ、次の戦闘の前に、改良を施さないといけないな。
その前に、武器を購入しよう。
流石にスティングレイだと、赤蟻がきつくなってきた。
そこで、『ボルケーノ3A』を調達。
長らく使ってきたスティングレイM1は、ここにて退役することになる。
今回はこれくらいかな。
近況報告。U=装備中。
ロケラン:
『スティングレイM1―25』
U『ボルケーノ3A―1』
アサルトライフル:
『AF-14―5』
U『AF-15―10』
後方支援:
U『ルールオブゴッド―3』
フォーリナー:
『マザーシップ―4』
『アルゴ―1』
全体改良:
『最大弾数強化―1』
『リロード速度強化―1』