時空管理局と化したEDF先輩   作:名無しの権左衛門

3 / 17
森の中の蜘蛛さん

3:森の中の蜘蛛さん

 

 私はレンジャー1結城。

久しぶりに宇宙転移することになった。

行先は並行世界のイギリスらしい。

どういうことなんだろうか。

 

「技術技師さん、頼みます」

「ああ、行って来い」

 

 

 私が転移すると、その場所は湖だった。

 

「!?」

 

 いきなりでびっくりした。

私は岸辺に上がり、武器を確認する。

うむ、何も起こっていない。素晴らしい!

 

「あのー……」

 

 私は小さな男の子が話しかけてくる事を視認する。

 

「ん、なんだい?」

「大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だよ。それで、君はどうしたんだ?お友達はいないのか?」

 

 幼少の子がこんなさびれた場所で一人ぼっち。まさか、迷子か!?

 

「あ、いえ。違うんです」

「聲に出てたか?」

「うん」

「あちゃー。うん、よし、私と何かして遊ぼう!子供は遊ぶに限る!」

「じゃあ、僕とこの本のごっこ遊びして!」

「ああ、私が敵になるよ」

 

 というわけで、ラプラスの悪魔とかいう事象現象に関しての小説を元にした劇場遊びをした。

推理小説かなにかか、と思ったくらい難解だったが何とか敵になれた。

少年は私の迫真の演技に、目を輝かせていた。

 

傍から見ると痛い人だが、これもこの少年の為だ!

 

 

 よ、夜まで遊び通してしまった……。

夜と云っても、まだ夕方なんだけれども。

そろそろ夜になる。少年は家に帰るといって帰ろうとするが、私の帰る場所について心配してくれる。

 

「大丈夫。私は私の家がある。だから、君は安心して帰っていいよ」

「……ねえ、僕の家にきて!」

「え?」

「家には誰もいないんだ。だから、一緒に居てほしいんだ」

「わかった。じゃあ、行こうか」

 

 私は少年と共に、家に向かおうとした。

しかしその時後ろにある森から、異様な音が聞こえる。

この音は……。

私は何かを察知し、少年を抱えて緊急回避する。

 

「へ!?」

 

 その時私達が居たところに、多量の蜘蛛糸が張られていた。

この量は蜘蛛型巨大生物のバゥだ。

実際森の中から、一匹の凶蟲バゥが出現した。

私はアサルトライフルを出して、バゥを射殺した。

奴は吹っ飛んでいった。

 

「大丈夫か?」

「うん、すごいねお兄ちゃん」

「EDF隊員なら、これくらい当然さ」

 

 

 私はこの後、少年と共に日本名物の『うな重』を少年と共に食べた。

 

「なにこれ!?すっごいおいしいよ!?口に入れたら、溶けるんだけど!?」

「そりゃ、日本産だから当然だよ」

「ねえ、お兄ちゃんの名前何?」

「私は結城だ。君は?」

「ネギだよ!ネギ・スプリングフィールド!」

「そっか、皆に親しまれるような良い名前だ」

「えへへ」

 

 少年の良い笑顔が見れた。それだけで儲けものだ。

さて彼の幼少時が酷く悲しいことになっている。

もしここで蟲を殺さなければ、彼の輝かしい未来は途絶えてしまう。

 

 

 私は深夜動き出す。

それはレーダーに赤い点が現れたからだ。

 

静かにネギの家から出て、敵戦地へ向かう。

そこには大量の蜘蛛と何か黒い奴らがいた。

 

 

『ルールオブゴッド―2』を発動させる。

 

 

 白い光線は周辺一帯を消し飛ばす。

そしてロケランで残った全てを射撃する。

少し遠いので、ライフルでは届かないのだ。

 

 

 私が其処を殲滅する頃合いには、ネギが住む家が所属する街に火が迸る。

私は街へ行き、周辺の建物を爆破しながら黒い人型の何かと、クモ型甲虫を撃破する。

 

「お前が、我々の仲間を殺した奴だな!お前もコレクションに入れてやろう!」

 

 すると目の前の奴は、口を開いて光を発した。

私はそれを無視して、敵を撃破する。

 

「こいつ、石化しねえ!?」

「おい、先ほどからなに言ってやがる。私達は、石化等設定上ないのだ!」

「何言ってやがんだよお前!?」

 

 何かをほざく角やら尻尾やらを生やした、真っ黒な何かをライフルで引き撃ちする。

腰だめやジャムやらホワイトアウト、ブラックアウト、グレイアウト、レッドアウトも存在しない。

故に私達は常に安全に射撃を行うことができるし、高層ビルやヘリからでも落ちることができる。

 

 

 数時間すると、何か炎の玉が飛んで行って敵を撃退していった。

 

「ん?」

「そこのあなた、何をしているのかわかりませんが、援護ありがとうございます」

「いえ、仕事中ですので、お構いなく」

 

 金髪の女性が出現した。

その人物がいうには、奴らは魔法によって召喚される悪魔とのこと。

だから重火器ではダメージを通すなんて不可能と云われた。

しかし私達の世界では、悪魔なんていない。故に悪魔は常に戦場で生まれ、畏怖される生き残った英雄に与えられる称号だ。

決して姿形、その運命まで闇に堕ちていない!

 

「私はEDFのレンジャー1結城です。貴方は?」

「私はネカネ・スプリングフィールドです。この街の一介の魔法使いです」

「そうですか。ではこれより共同戦線を頼みます」

「それは願ってもないところ。お願いします」

 

 これによって殲滅力が上昇し、一気に敵を減らす事ができた。

だが私達は町の中だけを減らせたのであって、外の事を気に掛ける事をしていなかった。

 

<マザーシップより通達。ネギ・スプリングフィールドが、悪魔により襲撃を受けている>

 

何だと!?

 

「ネカネさん、郊外にてネギ・スプリングフィールドが、悪魔の襲撃を受けています。

 直に応援に行きましょう」

「ええ、行きましょう」

 

 私達が向かった時には、ネギは何者かにより助けられ杖を握った状態で見つかった。

その何者かは、私達の背後に立っていた。

 

「私はEDFのレンジャー1結城です」

「俺はナギ・スプリングフィールドだ。ま、今後会えないかもしれねぇが、ネギの事は頼んだぜ」

「私ではなく、ネカネさんに言ってください」

「いや、俺の勘だとお前は深く、ネギを含んだ全員と世界を救済することになるだろう」

「よくわかりませんが、頼まれました」

 

 ということで、魔物を全てぶっつぶしました。

 

 

 翌日私はいきなり豹変するナギ・スプリングフィールドを無視して帰還した。

 

 

 帰還してから本部周辺を巡ってみたが、誰もいなかった。

不信に思って、武装解除せず周辺を巡ってみると皆が皆、上層部に掛け合っている所が見られた。

その集まっている理由が、宇宙転移後の功績が巨大生物以外で加算されることがないその問題点についての事だ。

 

 最近宇宙転移により、若手のレンジャーがすぐに死んでしまう事態が発生。

その人数は万を超えており、その責任を有耶無耶にして相手とその当局の人間の対応力不足のせいにして、

追求を免れてきたようだ。

だが明らかに無茶な戦闘とその継続時間、むしろフォーリナーよりも厄介で強い敵がわんさかいる宇宙世界が危険だと

熟練のレンジャーが多数報告。

これはマスコミにも流れ、世間を風靡している。

 

 結果EDFという世界連合的な組織の地盤は、ゆるゆるで今にも倒壊しそうだが上層部がストーム部隊に強襲され

粛清と共に改革された。

おかげで新たな制度が生まれることになった。

この発表が今起こっているEDF内の閑散と一極集中の理由だ。

 

 というか、私の居ないところで凄い事が起こっているな。

 しかしこれで、あの悪魔や巨人も再評価されるんだろう。

これは功績に値されなかったフォーリナーより強い敵が、功績に値する事となって若手のレンジャーの基本的な

攻撃力上昇や武器の改良に力が入る事になるんだろう。

 

 実際EDFのレンジャー不足は、8年の経験の積み上げよりもこの功績の部分がフォーリナーの撃滅のみによる報酬だった事と、

報酬が武器のみで他に還元されないことは明白だった。

今回の改革のおかげで、ここら辺が一気に改善することは経済の循環が促進されることと同義で、非常に喜ばしい。

 

 

……

 

 

「主任!技術技師!どうでしたか!?」

「うむ。君のテロリスト・巨人・悪魔撃破の功績は、上層部のストーム隊長から流石と褒められたよ。

よってその功績で―――」

 

 

 

 功績はお金に還元され、それを使って物品の購入・武器やビーグルのレベル上げや細かい備品のレベル上げや

装備の改良・新たな武器やアーマー強化への購入・自室や倉庫の強化や増強に充てられた。

勿論実家への仕送りも可能になった。

そこで私は民宿を営んでいる母親に、仕送りをして少しでも手助けになる様にした。

 

 

「ん?民宿ユウキはないぞ?今はホテルユウキになってる。

ああ、息子さんの偉業のおかげで、いろんなところからスポンサーが食いついて、一気に大企業に変身したな」

 

 いつの間にか、ユウキ不動産会社・コンツェルン・ホテルまで経営し始めた。

何してんの、結城の一族。

いや私もそうなんだが……。

 

 

 ちなみに今回の功績=お金システムは、新たな不穏な風が吹いている。

しかしこれに対するシステムやルールが追加された。

それはヘルメットについているカメラを、仕事中に停止させたり壊した場合職務停止または職権剥奪になるという。

(再度EDFに申告してきても、DNA関係が進化している今どうやっても通ることがないので、再度兵士になれない)

このカメラは非常に頑丈なので、壊れることはない。

地下数千キロの圧力に耐え、真空による膨張圧にも耐え、太陽風や宇宙線に耐え、水圧・電気その他諸々に対応できる

超ハイスペックカメラだ。

 更に稼働には人体の電気エネルギーという微弱な電気で賄っている為、非常に省エネ。

記憶も微弱な電気で保存しているので、長く持つ。

これを解析することで、レーダーや視覚情報・聴覚情報の同期を確認し、功績の整合化を測る。

ただこれは人数が少ない今できることであり、これから一年後少なくとも8年後大変な事になるので、

超機密な判別機器を作ってこれらの無人化と機械化を進める事になっている。

 

 これにより加入申請者が増えたわけではない。

何せ常に生死の境が続くのだ。

だから若干増えただけで、慢性的な兵士不足はまだまだ続く。

更にストーム部隊が改革をやっただけで、ストーム1がやったわけではない。

 

このため現役な彼等は、GGを片手に戦場で戦っているんだろう。

 

 

さて、私も整備しようか。

 

 

 

 項目が沢山あるが、フォーリナー(人類側)というのはなんだろうか?

それをクリックすると、アースイーター・ブレイン以外のフォーリナーが列挙されている。

 

 

「技術技師!この項目はなんですか?」

 

 宇宙転移する広場にある機器で、これを使っているので技術技師に聴ける。

 

「それは一定のフォーリナーを撃破した者や優秀なEDF従事者・ルールオブゴッドを持っている者へ

選択が可能になる特殊な装備だ。此奴を使えば、EDFを倒すこともできる。

 今回革命をしたのはフォーリナー絶対殺すマン、ストームチームによる行いだ。

奴らが使ったのは、フォーリナーやEDFの軍隊だ。

しかし軍隊の方は、EDFの専属者にならなければ選択すら不可能になる。

洗脳もあるらしいが、頭がイカレた奴らの思考回路はわからん。

 とにかく、フォーリナーはいいとしてEDF軍隊に手を出そうとは思うな。

グラインドバスターは浪漫だが、そのためには自身の将来と過去を生贄に捧げなければならない。

覚悟しておけ」

「ごめんなさい」

 

 私は素直に謝っておく。

今のEDFは敵の全てを知っているような物。

だから再度襲撃を受けても、確実に破壊できるようになっている。

故にフォーリナーごとき、使い潰してもいいだろうという考えなんだろう。

 

よし、私はこうしようと思う。

 

 

 近況報告。

ロケラン:

『スティングレイM1―13』

アサルトライフル:

『AF-14―5』

『AF-15―7』

後方支援:

『ルールオブゴッド―2』

フォーリナー:

『マザーシップ―3』

『アルゴ―1』

全体改良:

『最大弾数強化―1』

『リロード速度強化―1』

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。