時空管理局と化したEDF先輩   作:名無しの権左衛門

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かなり前に書いた奴なので短いです。



番外編 金の雷光の現状、白い天使の日記

 私の名前は、フェイト=テスタロッサ。

相棒は斧型デバイスのヴァルディッシュ。

そして使い魔のアルフ。

 

 

 うん。今日も皆元気だ。

母さんのために、ジュエルシードを集めよう。

 

 

 ……なんて、今までやってきたんだ。

 

「フェイト。ジュエルシードは何個集まったの」

「……」

「たった三個! 嘆かわしいわ。アンタのような屑を生かしておいてる私に、

歯向かう気かしら?」

「いえ……」

「そりゃそうよね!私がいなければ、アンタは死んでいたんだもの!

というわけで、さっさとジュエルシードを集めてきなさい!」

 

ドカッ

 

「うぐっ」

 

 蹴られた。

 痛い。

 

 久しぶりに母さんに会ったけど、前よりも酷くなってる。

何がって……対応もそうだけど、奴らに毒されてる。

 

「フェイト! ああっ、怪我してるじゃないか! あのクソババア……!」

 

 アルフは母さんが歩いていった通路の方をにらみつけて、荒々しく吠える。

私を気にかけてくれるのは、アルフだけだ。

もう、私は母さんのために、戦えないかもしれない。

 

 私は限界なんだ。

 

 ただのジュエルシードだったときは、簡単に魔法で撃破すればなんとかなった。

でも母さんがあいつらを紹介した日から、全てが変化してしまった。

 

 かあさんが私を必要としてくれる事があまりなくなって、

あいつらの事を信用し始めた。

ジュエルシードとかアルハザードなんて迷信より、目の前で死者蘇生されたら

私も彼らを信用してしまうかもしれない。

 でもそれは違う筈。かあさんはアリシアの蘇生を対価に、私にジュエルシードの回収を命じてる。

 あればあるだけいいから、母さんは私をしかりつける。

以前からあったけれど、ここまでひどくなかった。

 

「おや? プレシア様のご令嬢ではございませぬか。どうしたのですか?」

 

 こいつだ。いや、こいつもそうなんだけど、こいつがいる組織が母さんを、世界を破壊したんだ。

 

 私は憎い。こいつをにらみつける。

でもこいつは飄々としていて、私の威嚇を躱し私を嘲笑してくる。

 

「今日も回収は0に近いようですね。では、我々のために頑張ってください」

 

 こいつは悠々とこの場から立ち去る。

 

 

「アルフ、抑えてくれてありがとう」

「いつかこいつらをボッコボコにするのが、あたしの野望だからね。

ここで本性を曝け出すには、時期尚早だと思ったからさ」

「うん……。それじゃあ、アルフ……」

「腹……決まったんだね」

「うん。アルフ、ついてきてくれる?」

「なぁに言ってんだい、フェイト。主についていくのは、使い魔として当然じゃないか」

 

 だよね。

でも心強い。

あいつらをぶっ潰して、母さんを再度私のモノにできるのならば手段を選んではいられない。

 

 

 行こうか、海鳴市海浜地区へ。

 

 

――

 

 私の名前は、高町なのは。

大学付属小学校の生徒だけど、関係ないよね。

これから話すのは、現実離れした現実なんだから。

 

 どこから話そうかな……。

 

 って、ただの日記みたいなものだけどねー。

 

「なのはー、ごはんだぞー?」

「はーい、今行きまーす!」

 

 うん。悩んでたら夕食の時間になっちゃった。

続きは戻ってきてからにしよっと。

 

 

 

 

 で、帰ってきたんだけど、書くのはあの人と出会ったところから書こうかな?

あの人って?うーん、友達?

アルバイトみたいなものだから、同僚なのかな。

 

 あの人とはジュエルシード亜種関連で知り合ったんだ。

最初はお姉ちゃんとお兄ちゃんを引き連れてる、小さな軍人さんな感じだった。

でも中身は私より2歳年上の子供だったの。

 

あー、子供の私がいうのもなんだけどね。

 

 でもあの人は子供だけど、心も言葉も見た目以外子供じゃなかった。

 説明を聞かされた時、凄くおどろいちゃった。

EDFが、フォーリナーが。

 

 まさか宇宙規模の戦争が起こってしまってその保護のため、

いろんな世界を渡っているんだとか。

最初の印象が、ね? ちょっと衝撃的な奴だったから、最初は嫌な人だったんだ。

 

 でもEDFの事とか、私達の事を心配してくれたり、この星のフォーリナーをあの人一人が請け負って……。

剰[あまつさ]え、お父さんの命も救ってくれた。

なんかもう、私達は会う運命だったんだよ!って言われても不思議じゃない。

それくらい助けられてる。

 

 え、あの人はどんな人だって?

 

 うーーん。

 

 一言で言えば……。

 

 不相応?厳格?職人気質[かたぎ]?

むしろ、フォーリナー専門バーサーカー?

 

 難しいなぁ。

 

 あの人をどう思ってるか?お姉ちゃんによくいじられてるけど、好きじゃないよ!

凄く効率的だし、フォーリナーを殺せるならほかの事を無視するような人だし!

それに機械的で、人を人とも思わないような言動までするし……。

 

あ、でも、無表情な彼が時折見せるあの顔は、ちょっと……ね?

 

 

 あーもう!私は好きじゃないんだって!やりなおし、やり直し!

 

 ……私が考案したお菓子を、おいしそうに食べるあの人。

そして……日記書いてるだけなのに、暑くなってきちゃった。窓開けよ。

 

 

あー、涼しー。

 

 

よし! 気を取り直して、書くぞー!なんてね。

 

 あ、そうだ。重要な事なだけど……昨日、私とユーノ君がフェイトちゃんとアルフさんとジュエルシードをかけて戦っていたんだ。

 そしたらね、クロノっていう時空管理局の執務官に、強制武装解除とアースラっていう次元航行艦に移送されたの。

何かする間もなく転移させられて、私達は戦艦の艦長と執務官のクロノ君と話し合うことになったんだ。

 

 話の内容は、ヒドゥン型ジュエルシードといった突然変異種の研究と、

世界を席巻している謎の外来生物について協力を要請してきた。

今まで敵だったのに、何言ってんだろって思った。

 

 

”無礼は承知の上だ。これは君たちだけの問題じゃないんだ。お願いする。

もしよければ、一週間後海鳴市海浜地区にて返答を聞きたい。よろしいか?”

 

 高圧的だけど、フォーリナーに対抗できる手段や技術力をもつ存在が、今のところ彼らだけど考えたら協力しない手はない。

それに結構前から、ここで居候しているネギ君がフェイトちゃんの虐待の痕跡を見つけてから、私はフェイトちゃんとアルフさんをこっち側に呼び寄せてみたんだ。

 曖昧な返しだったけど、アルフさんが”おい、小僧! フェイトを裸にしたんだ、その償いと復讐……絶対にしてやるからな!”と言ったことから、海浜地区に来ることは確定しているんだ。

 

 それにフェイトちゃんには悪いけど、本気で回収してるからお父さん・お兄ちゃん・お姉ちゃんそしてユーノ君を合わせたフルメンバーで戦うよ。

私とネギ君は、絶対参加だから入れてない。

 

”で、ネギ君? 

ありがとうっていいたいんだけど、私も巻き込んだのはどうしてなの?”

”ひっ?! ご、ごめんなさい!”

 

 つまるところ、ネギ君がくしゃみをして私とフェイトちゃん、アルフさんの服を武装解除させちゃったんだ。

後はわかるね?わからない? 

 

分かれ。

 

 ふー。とにかく!ネギ君には、もっと魔力制御を上手くやってもらわないと!

 

「なのはさーん!ユーノが、アクセルシューターの練習するってー!」

「はーい!今行くよー!」

 

 

 今日はここまで。

邂逅は明日だから、今日は早めに切り上げて寝よう。

折角学校も休みなんだからね。

 




性格がおかしい?イクリプスの仕様とEDFのせいです。

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