時空管理局と化したEDF先輩   作:名無しの権左衛門

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番外編:魔法拳士と魔砲使いと愉快な仲間たち

 

 

「――■■■■■■ッッッ!!!」

 

 その巨躯を駆る蜂、『シュツルムガイスト』。

難敵を倒し勝利を宣言するかのように、咆哮をあげる。

 

―――z―――zz――z―――

 

―――――ザ――ザザ―――

 

???「パターンAを確認した」

???「LineLootsConectを解除する」

 

???「試験は終了した。試験者の生存確保のため、護衛機に殲滅命令を下す」

???「護衛母艦マザーシップ4.1。掃討作戦を実施する」

 

???「制空権なんて関係ねェZE!YAッちまうんだNAァ!」

 

――zz――――z―――

 

―――P――――……

 

 

<『司令本部』より命令を受諾。クライアント”レンジャー1結城”の確保のため、

救出任務と共に周辺敵性戦力の殲滅を実施します>

 

 マザーシップは、作戦区域に移動。

そして主砲を落とされていないのにも関わらず、全ての砲を解放し攻撃性を高める。

 マザーシップが空の景色より浮かび上がる。

その大きさに当事者は度肝を抜かれるが、その姿を見たことがある者は

支援砲撃が来たと喜んだ。

 

「あれは、蠍火のマザーシップ!? ここらへんを消し飛ばす気なんだね。

って、森の中に、僕の仲間がいるんだけど!?」

 

 元帥団長は援軍を後方に控えながら、現場へ急行している。

そう彼は非戦闘員の団長を送った時、丁度そこに居合わせた騎士団と連合軍、そしてその長官を連れてきたのだ。

彼らはマザーシップの攻撃可能範囲内に入っている。

しかし元帥団長の持つEDFの腕輪により、敵性勢力として除外されている。

 

 そのため花騎士は敵ではなくなっているのだ。

 

 だが敵はどうだ。

実際に結城を手にかけており、花騎士を撃破している。

まあ腕輪云々の前に、情報管理はマザーシップに任されていたので、

腕輪なんてなくとも簡単に勢力の見分けがつくというものだ。

 

 何よりも、敵とされる害虫全てからF因子が検出されている。

 

<星系惑星内原生生物に、初期F因子とは異なる因子を観測。

ただちに回収し、『研究所』へ送ります>

 

――

 

???「確認した。解明を急ごう」

 

――

 

<殲滅、第一段階開始>

 

 マザーシップは、上を見上げ理解不能として行動をしない害虫を一掃。

その瞬間害虫全てが、マザーシップを襲い始めた。

そこらかまわず体当たりしてくる害虫。

おかげで少々の被害を受けてしまう。

 

「「「キシャアアアア!!!」」」

 

『戦闘ブンブン』や『シュクーガ』、『ライヒーン』といった雑魚が、

悲鳴をあげ一気に墜落していく。

統率者である『シュツルムガイスト』は、それを行った者を発見する。

 

 決して、人ではないが。

 

<『蜘蛛型巨大生物2・凶蟲バゥ』を含めた、全フォーリナー。

結城救出のため、殲滅を開始する>

「「「◆◆◆◆◆◆ッ!」」」

 

 輸送船であるキャリアーが、アルゴや飛行ドローン・飛行ビークルに護衛されながら宇宙転移してくる。

そしてハッチを開け、先行した『凶蟲バゥ』に続いて『甲殻巨大生物4.1・黒蟻』を投下する。

 

 大わらわとなったEDF側フォーリナーの軍勢に、雑魚共が蹴散らされる。

しかしそれで終わるはずもなく、『シュツルムガイスト』を含めた極限指定害虫が

フォーリナーを少しずつ削り始めた。

 

「このままではまずい……!」

 

 劣勢に気づく元帥団長。

 

「ふむ……元帥。お主は先にいるという配下の生存を確認してくるのだ」

「し、しかし……」

 

 荷馬車の馬にのる元帥団長に、荷車にのる女性が声をかける。

そのものは正規軍や騎士団とは一線を画した存在。

服装や口調、元帥に対する態度で、格上の身分であることも窺い知れる。

 

「このままではお主の仲間が滅びることになる。

我等はあのフォーリナーとやらを削る、『シュツルムガイスト』を殲滅しよう」

「騎手は……」

「アタシ、女王直属のモモがやるわ」

 

「分かった。後は頼みます、”マツバギク”女王――!」

 

 

「ああ、任された」

 

 

 元帥団長は種を砕いて、花力を補充。

それによりバーストランを実施。馬並の速度で、増援部隊より駆け離れていく。

 

 

 騎手がモモに代わり、女王率いる援軍はその隊列を崩さないまま戦場へと向かう。

 

 

「勝利は勝ち取るのではない、もぎ取る物だ。行くぞ!」

「「「応!!」」」

「「「はい!」」」

 

 

 女王は花騎士と彼女らを率いる団長と共に、混沌の渦中へ向かった。

 

……

 

 さて、急に話が変わるが、結城とネギ・なのはが会わなかった話をしよう。

あれは一か月程前の涼しい夜だった。

 

 

 なんてこともなく、結城とネギ・なのはが分かれた時。

そう、ピンポイントで、結城がその場からいなくなった時だ。

 

「あれ、なのはじゃないか!」

「この声は……ユーノ君!」

 

 EDF隊員がごった返すエントランスホールで、近隣の故郷に帰ろうと準備をしていた。

そんなところに高町なのはの同郷である、ユーノ・スクライアが声をかけてきた。

ネギ・スプリングフィールドは、彼がだれなのか全く不明である。

 

「えーと……」

「あ、君がネギ・スプリングフィールド君だね? 

僕はユーノ・スクライア。ユーノってよんでいいよ、よろしくね」

「あ、はい。よろしくユーノ」

 

 握手をする。

 

「ネギ君、軽口でいいよ。堅苦しいのは苦手だからね」

「うん、わかったよユーノ」

 

 ユーノはネギの言葉を聞いて、うなずく。

 

「そういえば、なんでネギ君やなのはは、どうしてここにいるんだい?」

「それがね……」

 

 ユーノはなのはから、事の顛末を聞く。

するとユーノは彼女に、一度ネギ君の魔法使いっぷりを見てみたいってことなので、

同行してもいいかみたいなことを聞く。

 

「うん、もちろんいいよ!」

「よし! じゃあ、ちょっと上に報告してくるよ!」

 

 そういってユーノは、しばらくの間いなくなることを告げて二人の前からいなくなった。

ただ彼が向かう方向は、上司がいるといわれる方向ではない。

むしろなぜ無線を使わないのか。

疑問に思う事はなかった。

 

 なのはとネギが待機する中、ユーノは走ってすぐに人が少ない通路の角に移動する。

 

「はぁっはぁっ……く、くく、アハハ!

最高だよ、なのは。こんなに早く、実験ができるなんてね」

 

 あまりの興奮に声に出てしまう。

周囲に人がいない事をちゃんと確認しているのかいないのか、それはとても不思議に思える。

 

「<楽しそうだな、ユーノ>」

 

 いつの間にかユーノの後ろに、EDFの人間がいた。

服装がスカウト部隊用戦闘服である。

 

「そりゃあそうさ。なんてったって、僕らの悲願成就に一歩近づいたんだから」

「<そうか。ならば、正銘してみせよ。貴殿の外出を認可する>」

「ありがとう。それはそうとして、いい加減遠隔ロボットを使うのやめたらどうだい?

日光にあたらないと、ビタミンを生成できないよ?」

「<明日本気出す>」

「それ、ダメなパターンじゃん。じゃあ、コネクトしといて」

 

――zz―――

 

???「了解した」

 

――――――z――

 

 

 ユーノとスカウト部隊用装備を身にまとう人型ロボットは、そこで別れた。

そしてなのは達の下へ向かう。

 

「やあ、おまたせ。それじゃ、行こうか」

「うん!」

「行こう!」

 

 三人は宇宙転移広場にて、技術技師に報告し近隣の世界へ転移する。

 

 転移した先は郊外。

 停電して非常灯以外の明かりがないEDF支部から一転して、さわやかな風が吹きすさぶ晴天快晴の世界。

丘の上から望む海は、非常に煌びやか。

 

「わ~ここが、なのはさんの故郷なんですか?」

「うん。ここが私の故郷、海鳴市!」

 

 一通り腕輪の動作を確認して、なのははネギとユーノを連れてお店である『翠屋』の方へ行く。

『翠屋』で家の鍵を貰ってから、帰宅することにした。

なん十日か空けてしまっていたので、施錠に関しては全て家族に任せているのだ。

 

「う……女の人ばっかりだ……」

「ネギ君、くしゃみしないでね?」

「頑張るよ!」

 

 なのはに言われて、意気込みを語る。

因みにユーノは外来生物となって、なのはの肩の上にいる。

 

「じゃあちょっと事務所行ってくるから、二人はここに居てね?」

「うん、いってらっしゃい」

 

 そういってなのはは、店の事務所へ向かっていった。

残された二人は、気まずそうにする。

というより、ネギがユーノをじーっと見ている。

 

「えーと……驚いてる?」

「むしろカモ君ににてるというか……」

 

 ユーノはネギの発言に頭を傾げる。

 その人の事をユーノが聞く。

 

「えーと、人じゃなくてオコジョなんだ。

初心者魔法使いの使い魔っていわれててね、いろんな罰を受けた時オコジョにされたりもしてて、

魔法協会っていう組織の中でもかなり不思議な形態をしているんだ」

「へぇ。僕のは仮想の生物を作り出しているんだ。人にとって一番抵抗力のない姿だね」

 

抵抗力を無くすため愛嬌を上げた代わりに、その他諸々の性能は格段に落ちている。

しかも魔力も消費するという変身魔法。

 

 二人はほかにもいろんな話をする。

待っている間、魔法の形態やどんな感じに発動するのか。

根掘り葉掘り聞いていると、なのはが戻ってくる。

 

「お待たせ、ユーノ君・ネギ君」

「よし、それじゃあ行こうか」

「そうだね」

 

 三人は高町家へ向かう。

今はまだ昼ほど。学校や仕事で、誰もいない実家に帰宅することになる。

 

「ただいまーって、だれもいないよねー」

 

 玄関を開けてなのはがそういう。

本当にがらんとしていて、静寂に包まれている。

仕方ないと彼女は重いながらも、少々悲しくなる。

 

「残念。今日は学校が休みなんだよー」

「ふぇ!?」

「「わっ!」」

 

 なのはは誰かに抱きかかえられる。

柔らかな感触と良いにおい。

後ろを振り向くと、ネギとユーノが驚く姿と自分の姉の姿が目に映る。

 

「美由希お姉ちゃん!」

「おかえり、なのは!」

 

 久しぶりの邂逅に、喜色を表す彼女たち。

勿論男性陣もそれに会うのだ。

 

「ようこそ、ネギ君。ユーノ君」

「え? え?」

「……お久しぶりです」

 

 いきなり自分の名前を言われることに戸惑うネギ。

そして変身状態でそのまま来ているユーノは、自分の正体をばらしていることを一時的に忘れていて反応が遅れてしまった。

 

 彼ら二人の後ろに出現したのは、高町恭也である。三きょうだいの長男だ。

 

「凄い……俊動を使えるんだ……」

 

 ネギはこの二人を超人として認識することになる。

実際二人は超人なので、間違っていない。

 

「ってあれ? 何で僕の名前を?」

 

 ネギは自分の名前を呼ばれたことをぶり返す。

 

「それはね、お母さんがうちに電話してくれたのよ。

びっくりさせてみてってね?」

 

 美由希が後ろを振り返って、ネギに微笑みかける。

年上の女性が好みなネギは、彼女の雰囲気に若干呑まれそうになる。

 

「へ、へぇ……そうだったんですね!」

 

「さて、積もる話は中でしようか」

 

 恭也はほか全員に意見して、リビングに向かうことになる。

 

 なのはとネギ・ユーノは、恭也と美由希に訪問した理由を伝える。

ホームステイもあるけれど、一番の理由がEDFが一時的に活動不能になったことだ。

この事を伝えると、フォーリナーの脅威と影響・暴力を知っている兄と姉は心配する。

そこらへんはモノリスなどで、その世界に対処法を伝授しているため、

一時的なEDFの不活性状態でも何とかなる、とユーノは伝えた。

 

 この話の後、なのははEDFの復旧中にこっちの世界で、力を鈍らせないように特訓したい旨を言う。

勿論無茶はしないし、もしものことがあればEDFを抜けて日常生活に戻る意思を見せる。

 

 そんななのはの強い意志とネギやユーノの後方支援を考え、恭也と美由希は彼らを応援することを決定する。

 父親や母親に対して、許可を取らなくていいのかなんて問題もある。

しかし、昔に居候が沢山いたこともある為、一人二人増えても問題ないとのこと。

 

「ところでネギ君」

「はい、なんですか?」

「君の接近戦の組手は、俺が相手しよう」

「え!? でも、僕のは魔力も乗せるので、危ないんですよ?」

「大丈夫だ。さ、今からやろう、今すぐに!」

 

 戦闘狂?と思われかねない発言に、ネギはうろたえる。

しかし恭也の未知に対する好奇心の強さは折り紙付き、と美由希が呆れるように言った。

 

「あはは……お兄ちゃん、いきなりはちょっと……」

「俺は用意できてる」

「……」

「なのはさん、大丈夫ですよ。準備はできてますので」

 

 残念な兄に項垂れ呆れるなのはに、ネギが心配無用と笑顔でいう。

しかしその笑顔は建前で、俊動の使い手だと知った時から強敵として認知している。

だから少しだけ、にらみつける感じになってしまった。

 

「それじゃあ、表行こうか」

 

 真昼間、燦々と照り付ける太陽。

予想外の暑さになってきた。

 

 恭也とネギは、表といいながら近くの海岸、砂浜にて対峙する。

 

 美由希達は防波堤のところで、日傘をさして座り観戦。

 

「一発食らったら終了だ。行くぞ!」

「お願いします!」

 

 一見、恭也に武器が見当たらない。

両者駆けるのと同時に、一気に距離を縮める。

 

「『雷火崩拳』!」

 

 拳を突き出す。

普通ならば諸に食らうが、相手は暗殺を生業にできるほどの実力を持つ。

故にその単純に伸ばされた腕は、右腕で払いのけられ左拳が腹に突き刺さる。

 

 そのはずなのだが、ネギも小手調べとはいえ仮にも戦闘狂だ。

対策として、拳を防御用に置いておくことくらい容易である。

ネギは殴られた威力そのままに、後方へ仰け反る。

 

「風の射手16矢!」

 

 指にはめられた杖の代わりである指輪のおかげで、長い杖を使わなくても速攻できる。

 16本もの拘束力を持つ魔法の矢が、中距離にて恭也に向かって放たれる。

しかしその矢は全て、何か細く光を鋭く反射するものに斬られる。

 

「(斬った!? だったら!)――!」

 

 刹那。

 

 いつの間にか目の前にあった木製小太刀を、咄嗟に片手で弾き飛ばす。

ついでに目線もそっちへ向かってしまうのと同時に、恭也が懐に入り込む。

視線を戻した時には遅く、恭也の鋼糸に体に張り巡らせたバリアを全て突破されてしまった。

 

そしてネギの視界が空に向くのと同時に、背中や体の裏側に砂の感覚が衝撃と共に押し寄せた。

 

 あまりの早業に、ネギの思考が追い付いてなかった。

 

「す、すごい……!」

 

 ネギは後に来た左足の痛覚で、ようやく自分が左足に重心を傾けて回避しようとした事を看破され、足を払われたことに気づく。

考えるほどに、恭也の凄さを感じ取っていく。。

 

「ネギ君、立てるかい?」

 

 視界に手を差し伸べる恭也。

それをネギは手に取り、地に足をつく。

 

「あ、ありがとうございます」

「どういたしまして。それじゃ、君の悪いところを洗いざらい判明させていこうか」

 

 そういって、二人は炎天下の中、先ほどの演習に関して話し合う。

 

 彼らの戦闘を見ていた、なのはと美由希・ユーノ。

改めて兄の強さを実感した姉妹と圧倒的強さを目にする彼。

実家に戻って自主練に励もうとしたことは、今後にとって良かったのかもしれない。

 

 こうしてネギたち三人の強化合宿が始まるのであった。

 

 そしてユーノは、高町士郎ら全員が集まる夕飯の後、EDFの腕輪がアップデートされたものを

訓練相手の恭也や美由希・士郎に渡す。

 

「いいのかい? ユーノ」

「はい。それがEDFの決定です」

「それほど、EDF事情がひっ迫しているのか?」

 

 未来的デザインの腕輪を撫でまわす恭也は、このような高価なものを無料でもらえる事を訝しむ。

この事に関してユーノは、全ての責任を上層部の所為にする。

それでもEDFに触れてきた士郎に感づかれてしまう。

 

「そういうわけではないんですが、フォーリナーが攻めてきている今。

こちら側の戦力を上げないといけないんです。

幸い、こちらの世界は海鳴市周辺によく出没しています。

ですので、戦えるあなた方の戦力を強化しておくのは、少数精鋭の観念から理に適っているはずです」

 

「言い分はわからんでもないな」

 

 士郎は腕を組んで考えるように目を閉じるが、鋭い視線を放つ片目はユーノを貫く。

怪しまれていることに冷や汗をかくユーノ。

表は笑顔のまま繕っているが、内心ひやひやしている。

 

(EDFの志向じゃなくて、研究所の志向なんだけどね!)

 

「さて……明日は早いぞ?」

「あら、明日休み?」

「世界の危機に、いちいち休んでいられないだろ?

明日はこれを使って、皆で慣れていこうか。

構わんだろ、ユーノ君?」

「はい! もちろんです!」

 

 有無を言わさない威圧感が、ユーノを襲う!

 フェレットはどこまでいってもフェレットなユーノ。

この後ユーノは、この腕輪のアップデートについてなのはとネギに話す。

 

 アップデート内容は、世界線を統合することで新たな能力を得られるようになったこと。

つまりこの機能を稼働状態にしておくことで、なのはの魔法をネギが使えたりその逆もできるようになる。

 

「でしたら、起動パスワードを作っときます?」

「パスワード?」

 

 ネギは縁側にてなのはとユーノと腕輪による、今後の能力付与に関して話している。

 

「はい! 最初はこれで魔法の発現を安定させるんです」

「そうなんだ~。私が使ってる魔法とおんなじ感じなんだね」

「あ、そうなんですか」

 

 同じことだと知って、笑いあった。

既に起動パスワードはあったようで。

 

「どんな感じなんですか?」

「基本的に、リリカルマジカルって言って、やりたいことを言えばレイジングハートが

勝手に処理してくれるよ」

<Yes,Ido.>

 

 首から引っさげている赤色の宝石が点滅して、ネギに同じみな英語が飛び出る。

 

「英語かー。僕は英語圏に住んでるから余裕ですけど、なのはさんはいけるんですか?」

「大丈夫だよ。意思疎通は問題ないね。それでネギ君の方の起動パスワードは何?」

 

「基本的に三段活用で、僕の場合ですと……ラステル・マスキル・マギステルですね。

この後に命令式である言葉を言えばいいんです。例えば、プラクテ・ビギナル・アールデスカット」

 

 ネギは床についている両手のうち右手を眼前に掲げ、人差し指を出す。

そして人差し指の先に、チャッカマンの最大出力程度の火が出る。

 

「お~、本当に魔法使いみたーい!」

「あはは、なのはさんもすぐになれますよ。それで……」

 

 二人はお互いに知らない魔法の世界を知っていく。

そして深く話しあい、お互いの初動を高めあう事に成功した。

 

 英語の大元であるラテン語、ミッドチルダ型アルファベットの英語。

 

 普通であれば世界観の違いに、翻弄されるはずだが両者は似ている。

似すぎている為、後は魔力や気力の扱いによって全てが変化していく。

 

 更に、天性の才能で勘による魔法陣作成ができるなのは。

 そして大学に匹敵する魔法学校主席卒業のネギ。

 

 両者の特性や能力は上手くかみ合ってしまい、短期間で強くなってしまうのだった。

 

 

「「「戦いの歌[カントゥス・ベラークス]!」」」

 

 士郎とネギ、なのはは立ち会う。

 

「よし。来い! ネギ君、なのは!」

「はい!」「うん!」

 

 

 

「ラステル・マスキル――」「リリカル・マジカル――」

「「――マギステル――」」

 

 

「強大な神威!破壊する力、この腕に!」

「光の精霊11柱!集い来りて敵を撃て!!」

 

「ディバインバスター!」

「連弾光の11矢!」

 

 白色の中距離射程の光線と、11本の高速矢が士郎を襲う。

 

「ユーノ君のおかげで、魔法の練りが見えるな……。

なるほど、こうすればいい」

 

 右手に持つ短刀で一振り。

それだけで光線を雪崩うって魔力構成を破壊し、光の矢を全て打ち砕いた。

 

「ふぇえええ~!!?」

「ええっ!!?」

 

「風の障壁ならぬ、音の障壁。どうした二人とも、行くぞ?」

 

 海岸線に爆音が鳴り響く。

これをユーノが結界魔法を使って軽減し、海で遊んでいる親子に見せかけている。

 

「これはひどい」

「お父さんも元気だねー」

 

 恭也と美由希は、父親の理不尽さに笑うしかなかった。

 

 こうして、ネギとなのは、ユーノ、士郎、恭也、美由希の戦力増強がなされることになる。

 

「棒術・八卦掌、剣術……やることがいっぱいで、父さんうれしいぞ!」

 

 バトルジャンキー気質になる父親もここに爆誕した。

 




現実が辛い。そして制作意欲が薄れていますので、もう投稿しないかもしれません。
プロットも完結も考えていない、本当に適当に書いたものです。

なにかアップした時、暇つぶしがてら見てくだされば幸いです。
では、失礼します。

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