カルデアで送るベル・クラネルの日常   作:自堕落キツネ

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お酒は二十歳になってから、です。


酒呑童子のアルハラ

 カルデアの資料室にあった様々なマンガや小説にハマったベルは、今日も夜更かしをしていた。

 

 コンコン、と日付も変わる頃に、呼び鈴に設定されていたノック音に反応し扉へ向かう。

 

 「こんな時間に誰だろう?は~い。」

 

 開いた扉の向こうには、

 

 「フフフ、こんばんはぁ~。」

 

 酒瓶「鬼殺し」を片手に頬を赤らめた酒呑童子(以降、酒呑)が立っていた。

 

 「こ、こんばんは。酒呑童子さん、こんな時間にどうしたんですか?」

 「茨木の部屋で呑んどったんやけど、潰れてもうてな?ベルの部屋で続き呑もかぁってな?」

 

 なお、部屋では茨木童子が

 「酒呑~、吾はもう呑めぬ~。」

と目を回してベッドに倒れている。

 

 「そうなんですか?すみません、僕ももう寝ようとしてたんですけど。」

 「そない固いこと言わんと、一緒に呑も?なぁ?」

 「イヤイヤイヤイヤ、僕まだ14歳ですから!マスターからもダメって言われてますし!」

 「ちょこっとだけ、一本位ならかまへんて。」

 「一本!?全然ちょこっとじゃないですって!」

 「ウチらからすればちょこっとなんやけど?それともナニ?ベルはウチの酒が呑めへんの?」

 

 ぐいぐい押す酒呑にベルは圧倒されつつもなんとか抵抗していたが、焦れったくなったのか酒呑は実力行使をしてしまう。

 

 「そないに嫌がるなら仕方ないわぁ。よいしょっと。」

 「へ?わ、わわ!?」

 

 ベルをベッドに押し倒し、膝で腕を挟みヘソの辺りに座って押さえつけた。器用にベルのシャツを首もとまで捲り直にベルに座っている。

 

 「しゅ、酒呑さん!?」

 「ん~?どないしたん?ベル。」

 「いや、その、どうしてこんな体勢に!?」

 「フフフ、それはなぁ?ベルが逃げへんようにするためや。」

 

 言うまでもないことだろうが、酒呑童子は『外見』は紛うことなき美少女である。そんな彼女に、女性に対して免疫が強いとは言えないベルが腹部に直接座られて平然としていられる訳がない。混乱し、身を捩って逃げようとするも、悲しきかな酒呑の筋力は外見に反してAランク、ベルの抵抗はアッサリと抑えこまれてしまう。

 

 「ほぉら、たんと御上がり?」

 「わぷっ、ひゅ、ひゅへんふぁん?(しゅ、酒呑さん?)ふぁにふふんへふふぁ。(なにするんですか。)」

 「ん?こうするんよ。」

 

 ベルの口に指を二本突っ込み、舌を弄りながらもう片手に持つ酒『鬼殺し』を指に垂らす。

 口内に感じる液体、つまりは酒にベルは呑み込まないよう抵抗しようとするも、舌を弄られているためマトモな抵抗などできる筈もない。そのままコクコクとビンの半分程呑まされたベルはたちまち顔を真っ赤にし、そのまま眠ってしまった。

 

 「あらら、ホンマはただのお水やのに、思い込みで酔うやなんて。仕方ないなぁ。………そぉだ、フフッ。」

 

 何を思いついたのか、着物を脱いで下着?姿になり、ベルの眠る隣へとベルの腕枕で横になった。

 

 「フフフ、起きた時にどないな反応するのか、楽しみやわぁ。」

 

 そう独り言ちた酒呑だったが、ベルが酒呑の方に寝返りをうち、腕枕をしている腕で酒呑の背中を、もう片方の腕で抱き締めるようにして頭を、ポンポンと親が子供にするように叩くといえない強さで叩き始めた。

 

 「なんや、えらい落ち着くなぁ。父親ってこない感じなんかなぁ。」

 

 予想外の行動に驚いていたが、その安心感に頬を弛め、酔いとは別に赤らめる。

 

 「ふわぁ~、もうこのまま寝てまおうか。」

 

 ベルに抱き締められたまま酒呑も眠りについた。

 

 翌朝、癒しを求めてこっそりとベルの寝顔を見に来たマスターとマシュと一騒動起きるのだが、それはご想像にお任せする。




呑まされるくだりは実体験だったりするんですよねぇ

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