カルデアで送るベル・クラネルの日常   作:自堕落キツネ

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書きたいことを書いただけなのにこんなに長くなってしまった。

書き上げてから、本文の文字数が2525(ニコニコ)なのに気づいたんですが、なんか良いことあると良いなぁ。


ジャックとの一日

早朝、ベルは布団とは違う温かさを感じ薄く目を開いた。

下に目を向ければ、小柄な人が居そうなサイズの膨らみがあり、モゾモゾと動いている。

ペラ、と捲ってみると、ジャック・ザ・リッパーがベルに引っ付いていた。

 

「………おはよう。ジャック。そこで何してるの?」

 

寝ぼけているのか、リアクションも少なく理由を問いかける。

 

「えへへ、おはよう、おにいちゃん。「兄は妹に起こされると喜ぶイキモノなんですぞ。デュフフ。www」っておしえてもらったからやってみたの。」

 

満面の笑みで答える彼女に、特徴的な話し方から誰が言ったのか察したベル。

 

ちなみに、彼女は最後まで聞かずに駆けていったので知らないが、「できれば拙者にもして欲しいでござ………ってあれ?」というオチが人知れず有ったりする。

 

時間を確認し、既に食堂が開いていると判断して部屋を出るためにパジャマから着替えようとする。

 

「それじゃ、朝ごはん食べに行こうか。着替えるからちょっと向こう向いててね。」

 

「は~い。」

 

クルリ、とベルに背を向けベッドのフチで足をパタパタ、体を左右にユラユラとしながら待つ。着替えはすぐに終わり声をかけると、ピョンと飛んで首に腕を回し、腰に足を絡めてベルの背中に貼り付く。

 

「っとと、今日はオンブなんだね。」

 

「うん!!」

 

急な行動に少々ふらつくもすぐに立て直し、そのまま部屋を出ていく。他には肩車、肩に座る(アステリオスとエウリュアレを見て)、抱っこがある。今日はオンブの気分のようだ。ちなみに、飛びつくさいにコートを羽織っているため、後ろからの盗撮には対応済である。誰からの、とは言わないが。

 

「やあ、おはよう。ベル、ジャック。」

 

「おはよう。エミヤ兄さん。」

 

「おはようございます!」

 

食堂に着いてすぐ、今日の朝食当番であるエミヤに声をかけられた。しっかりと挨拶を返す二人に、

 

「よし。朝の挨拶をしっかりできた良い子にはこれをプレゼントだ。皆には内緒だぞ?」

 

「うわぁ~い!!ありがとう!!」

 

「ありがとう、エミヤ兄さん。」

 

「ベルのはちゃんと甘くないモノだから安心するといい。」

 

ジャックにはエミヤ印のプリン、ベルには甘さ控えめな和菓子である。秘密と言いつつも、一定年齢以下の子供には大体配っているが。(一部大きな子供も居たりする。腹ペコな誰かとか。)

 

「「ごちそうさまでした。」」

 

「あぁ、お粗末様でした。二人はこれからどうするんだ?運動をするなら少し時間を置くようにな。」

 

両手をパンッと合わせて食後の挨拶を済ませた二人に予定を聞くエミヤ。

 

「ハイ。今日はシミュレーションルームで遊ぼうと思ってます。」

 

ベルは遊びと言っているが実際は訓練の色が強い。

遊び感覚でジャックも喜ぶのでそう言っているが。

 

「ふむ、そうか。ではもう少しゆっくりしていくといい。サーヴァントといえど食後すぐの運動は良くないだろうからな。」

 

「ハイ。」

「はぁい。」

 

まったりと過ごした後、ベルの背中に貼り付いて二人はシミュレーションルームへと向かった。

 

 

 

 

「じゃ、始めるよ。」

 

「うん!!」

 

シミュレーションルームの設定を霧深いロンドンに設定し、中央にマスターを模したマネキンをセット、それを中心に半径3m程の円のラインが淡く光る。

 

ルールは簡単、ジャックはベルに見つからずにベルをくすぐれば勝ち。ベルはジャックを視認した状態でくすぐれば勝ち。

これはベルがアサシンによるマスターの暗殺を阻止するために、ジャックは逆に特異点のボスを隙があれば暗殺するために、隠密技術を磨くために遊びの形でマスターが提案したモノである。ちなみにこの遊び、

 

「きゃはははは、くすぐったい。くすぐったいってばぁ。」

 

ベルの方が勝ちやすい。

 

「あ~あ、またまけちゃった。」

 

「もっと静かにそろ~っと来ないとね。足音とか結構出てたよ?」

 

「ん~。でもおにいちゃんにはすぐみつかるよね。」

 

負けたのに、嬉しそうなジャック。すぐに自分を見つけてくれるのは彼女としては嬉しいらしい。その存在の特質性が理由だろうか?

ジャックは気配遮断がA+だが、ベルはとある女神の視線に晒され続けたために視線には敏感である。距離は分からずとも正確な方角、高さを示せるため、特に長距離からの狙撃を得意とするアーチャーの天敵足り得るのだ。

 

実験としてシミュレーションルームで冬木を舞台に、エミヤの射程距離ギリギリまで離れても見られていると認識した。

その結果マシュと二人でマスターの護衛役に任命されている。

 

 

さらに幾度か訓練(遊び)をした後、昼食を摂るために食堂へ向かう。

今日の昼食当番はタマモキャット、グイグイ進めるオススメを受け取り(ベルのにはやたらとニンジンが多かった気がする)、デザートのケーキも食べ終えたので、多くの絵本なども有る資料室で午後を過ごすようだ。

 

 

 

 

 

「こうして、勇者■■■■は世界を救い、王女様と結婚して、優しい王様として国を平和にしましたとさ。おしまい。」

 

「ねえねえ、つぎはどれをよむの?」

 

「ん?うん、そろそろ夕御飯の時間だよ?だから今日はもうおしまい。」

 

「ん~………は~い。」

 

少々つまらなそうに口をとがらせるが、素直に言うことを聞くようだ。

どうやら、「あんまり我が儘を言ってお兄様を困らせるのはレディのすることでは無いのだわ。」と言われているらしい。

 

 

 

夕食を食べ、ベルの部屋の浴室でシャンプーハットを着けたジャックの頭をベルが洗っている。二人とも水着を着て。

 

「はい、泡を流すからちゃんと目を瞑ってね。」

 

「はぁい。」

 

ザパー、と頭の泡を流し終わり、

 

「こんどはわたしたちがおにいちゃんのせなかをあらうね。」

 

と言うが早いかベルの背後に回り込みゴシゴシと背中を洗う。

 

「ありがとう、ジャック。」

 

「えへへ~。」

 

体を洗い終え、しっかりと肩まで浸かり、ゆっくり百まで数える。

 

「「い~ち、に~ぃ、さ~ん、よ~ん………ひゃ~く。」」

 

ほかほかと体から湯気を上げながら水滴を拭き取り、パジャマに着替えて同じベットに横になる。

 

部屋を薄明かるい程度にして、今日の最後の挨拶をする。

 

「「おやすみなさい。」」

 

ふたつの寝息が静かに部屋に満ち、朝『までは』平穏な時が流れる。

 

翌朝にナーサリー、ジャンヌサンタリリィ、バニヤン、マスターが部屋に突撃してくるまでは。




今更ですが、29日に日付が変わる少し前、キャンペーン中になんとか第一部クリアできました。
ストーリースキップしまくりでしたけどね。

クリア記念に札3枚ずつイシュタルと山の翁それぞれのピックアップ引いたら、イシュタルとエルキドゥが出たんですよ。
まさか虹演出で翁来たかと思ったらエルキドゥ。弟に変な顔してるとツッコミ入れられました。
キャスター:ギルガメッシュが元から居るのでその三人で何か書こう『とは』思っております。(どんだけ時間かかるのやら)

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