キャラを出しすぎたようだ。
カルデアの娯楽施設の一つ、温泉。
身体を清めるだけでなく、湯に浸かり、日頃の疲れや悩み、その他アレコレを忘れてリラックスできる場所である。
ココでは相手が怨敵であろうと戦闘行為は禁止であり、破れば一定期間、使用禁止の刑が与えられる。(何名かは一度その罰を受けている。誰とは言わないが。)
さて、その女湯の入り口には
『現在、ベルを引き込み中、入られる方は水着着用を厳守願う。』
という看板が立てられていた。(それを読んだ黒髭が突入して、中で見張りをしていたケイカに撃退されている。散り際に「何故、クラネル氏だけ……ずるいでござるぅぅぅ。」と言っていたが、諦めてほしい。普段からの行いの差であろう。因みにケイカへの報酬は数本の希少な酒である。『温泉で一杯セット』付きの。)
「ふふ、さぁベル。しっかり汚れを落としましょうね。」
ベルの正面では、ニコニコとしながら髪を丁寧に洗う、水着へと着替えた頼光。
「意外にベルって筋肉質なんだね、でもそんなに硬くないね。あ、マシュ、そこのボディーソープ取ってくれる?」
ベルの斜め後ろ、洗体用スポンジを片手に腕や背中の筋肉をツンツンとしているこちらも水着のマスター。
「戦う為の筋肉というのはしなやかさが必要だそうですよ、先輩。前にレオニダスさんが
マスターの反対側に居て、ボディーソープのボトルを渡しつつ、以前聞いた筋肉豆知識を披露する、もちろん水着のマシュ。
「う~。」
と、目のやり場が無く、顔を真っ赤にして
「さぁ、ベル。今度は母の背中を流してください。ふふ、一度やってみたかったんですよ。背中の流し合い。」
ベルの髪を洗い終わった頼光が、スポンジを渡してベルに背中を向けた。「えぇぇ!?」と驚くベルをよそに「あ、じゃぁ私もお願い。」「では、私は髪をお願いします。」と頼光の案に乗っかる二人。
かなり照れながらも、優しく、宝物を扱うように丁寧に洗われた三人は、実に満足げに息を
ベルを中心にワイワイと楽しく喋っていた四人だが、不意にガラガラ、と扉が開き、水着を着た数名が入ってきた。
「おぉう、まだ入っとったか。ま、知ってたけどネ。使ってる籠があったしのぅ。」
「そうですわね。それにしても、今日は普通に男の子なんですのね。」
「うん。その方が良いよ。(自身の胸元を見ながバキューン!!アウチ!!)」
「どうしたのよいきなり撃って。危ないわよ?」
「うん。なにか失礼なことを言われた気がしたんだ。」
「そう。でも跳弾とか危ないから止めておいた方が良いわよ。」
「うぅ………あつい………みず~………。」
「おぉ!!楽しそうだなマスター!!余も混ざるぞ!!」
「ちゃんと身体を洗ってからね?」
「うむ!!」
ペタペタ、と足音を響かせながらやって来たのは、ノブナガ、アン、メアリー、エレナ、フラン、ネロであった。
それぞれがしっかりと身体を洗った後、フランは涼しさを求めてフラフラと水風呂へ、他はマスターの元へ、つまりベルを囲むように集まった。
「ノッブは今日何してたの?」
「うむ、更なるロックンロールを目指して特訓しとったんじゃ。おもに金の腕で。」
「アンとメアリーは?」
「私達は普通に休んでましたわ。」
「海賊のマンガとかをずっと読んでたよ。」
「私はシミュレーターを使って、クマラ・ホイールでアメリカを走り回ったわ。たまにはこういうのも良いわよね。風を切る感じが楽しかったわ。」
「うむ、余は花嫁姿の余とエリザベートとカラオケで特訓していたのだ。おかげで更に余の攻撃も強くなっておるぞ。次の特異点では楽しみにしているがよい!!」
そんな雑談を続ける水着の女性達に囲まれて、とうとう目を瞑ってしまったベル。それを見ながらも話を続け、イタズラの機会を伺うマスターやノッブ。
硬さを確かめるように筋肉に触ったり、わざと胸を接触させたりとベルが色々と限界になってきた頃、見計らったかのように。
てい、と脇腹を突っつかれ「わひゃっ!?」と反応してしまったベルはそのままクスグられ続け逆上せるまで続いた。その為、頼光に大層怒られた。
更衣室のイスに横になりパタパタとウチワで顔を煽られていたベル。
「それじゃぁベル。このままにするのは不安ですし、今日は母と一緒に寝ましょう。」
と頼光がヒョイと抱き上げ歩き出す。
熱で頭が働かず、体も思うように動かないため抵抗できず、そのまま連れ去られていった。
頼光に正面から抱き締められ、ベットに横になっているベルは、『ベル』の『ベル』が『アルゴノゥト』しているのをバレないように頑張った。普通に頼光にはバレていたが、本人曰く、「男の子なら仕方ないことです。」らしいので、気づかないフリをしてくれたようだ。
洗い合いの事が広まり、暴走しかけるサーヴァント達がいたとかいないとか。