この作品が処女作なので、絶対におかしい所が出てくると思います。
その時はご指摘していただけると嬉しいです。
処女作なので、温かい目で呼んでくださると嬉しいです。
第1話【孤独少年】
夕日が差し込む教室。
一人、教室に残っている少年の背中を照らす。
窓から風が入り込み、音が流れるように離れていく。
少年の片目を覆う前髪を揺らした。
「んっ?」
普段覆っている目の視界が白く染まり、目を開けた。
――ここは?
寝ぼけているせいか数秒間自分が何処にいるのか分からなかった。
段々視界が重なっていき、やっと自分が何処にいるかが分かった。
――教室。そうか俺はあの後気を失って...
そう。俺は確か帰ろうとした時、久しぶりいや何年かぶりにクラスメイトに声を掛けられた。
たしか、カラオケに誘われて、何円ある? と聞かれたから財布をだして...ダメだ。それからの記憶がない。
もしかしてと思い財布を確認すると、案の定現金がなくなっていた。盗まれたか。まぁスリ対策に普段持ち歩いてる財布には最低限のお金しか入ってないから取られてもそんなに困らないのだが、やり方がやり方だけに無性に腹が立った。
俺も声を掛けられたのが嬉しくて油断していたのも事実だが。
もう後悔しても仕方がないと思い、教室の扉に向けてあるき始める。
軽く舌打ちをしながら扉を開けて教室を出ようとすると――した瞬間下に人影が見えた。角度から横に視線を向けると一人の女の子が立っていた。
中学の制服を綺麗に着こなし、桜を半分に切ったような髪留めをしている。
鮮やかな銀髪は腹の所まで伸びていて、廊下に夕日が差し込んでいるためか銀髪に橙黄色が薄く色づいている。胸の部分に手を着けているが腕は服の上から分かるくらいに細い。全体的に細いのが分かるが、服を押し返している胸部は相当なものだ。
――たしかクラスメイトだったはず、確か名前は倉橋さんだったか。俺は出来るだけ優しい声で、
「倉橋さん? あの......「すみません! 私ちょっと忘れ物を取りに来ただけなので、すぐに帰りますのでごめんなさい!」
ここで何を、と言う前に倉橋さんが全力で謝罪をしながら後ずさっている。彼女の頬から朱色の色素が消え、小刻みに肩が震えている。
――なるべく怖くないようにしたつもりなんだが。
今も動揺している倉橋さんが謝罪を続けているが、やがて声が小さくなり耐えられなくなったのか教室に入って行ってしまった。
恐らく俺が帰るまで教室に引きこもっているつもりだろうから、もう気にせず帰ることにした。
――俺は自分の顔、特に目が嫌いだ。大嫌いだ。
俺、影山 海斗はクラスの皆から怖がられている。一番の原因は目つき、このめのせいで初対面の印象がだいぶ怖くしているのだろう。
街を歩けばそこら辺のチンピラに「テメェどこのもんだ?」と聞かれ、初めてあって人も俺の顔を見た途端、顔を引きつるかヒッと小さい悲鳴を上げる。俺はそんなこの目つきが嫌いだ。それに自分の嫌な所なら幾らでも出てくる。
最終的にクラスでは「ヤンキーとタイマン張った」とか「悪い人達と関係を持っている」だとかそんな嘘の噂が流れている。いや、もう学校全体だろう。
当然そんな事はしたことはなく、普通の中学3年生だというのにどうして見た目でここまで悪い印象を持たなくちゃいけないのか。そんな疑問がいつも俺の頭の中には浮かんでいた。
そんな思考をしながら目的の場所に付き足を止め見上げる。ここは日本で一番の病院、東京病院。ここに俺の過去を、大嫌いな所を受け入れてくれた唯一の人がいる。
俺は速足で受付に面会の許可を貰いエレベーターに乗った。受付の人に少し怖い物を見るような目で見られるのはいつもの事。
チンッと音がなり体にかかる重力に抵抗し、エレベーターを出て502号室に行き着く。当然ここは病室なのだが、この階にはこの病室以外病室が存在しない。何故か番号が付いてあるのは何かがあった時のコールを見やすくするためだろう。
軽く深呼吸してから扉を開けて部屋に居る人に声を掛けた。
「やぁ、来たよ。
「海斗! 待ってたよ!」
俺の目の前のベットに座っている李鈴は俺を見ても顔色一つ変えずにいつもの様に優しく笑ってくれた。
――李鈴と出会ったのは1ヶ月前だった。
その日はヤンキーにカツ上げられ財布の中身を失って俺は自宅に帰ってきた。俺は一人暮らしで住んでいる所も安いアパート。
「ただいまー」
帰宅してつい言ってしまう言葉だが、当然返事は聞こえない。今年15歳になった俺だが、一人暮らしをしているのは理由がある。
親が許してくれた訳でもないし、自分で望んでもいない。
そう、いないのだ。俺には。
母親は一年前に交通事故で命を落とし、そのあと親父は母がいなくなったショックで俺を置いて何処かに行ってしまった。今も親父には連絡つかないし、今どうしているかも分からない。もしかしたら母を追ってもうとっくに自殺しているかもしれない。
だから俺にはもう帰る事を待ってくれる人も、支えくれる人も、俺の事を理解してくれる人も、もういない。
たしかそのくらいだろうか、学校で妙な噂が立ち始めたのは。クラスメイトの事なんかどうでもいい、どうせあいつらは俺の事を分かろうともしてくれないし、分かるはずもない。
だから俺は今も、これからも孤独で強く生きていくしかない。そんな思考をしながらベットに座る。そして、視線を枕元にある物に移す。
――だから俺は自分で逃げ道を作った。
それは仮想世界。
つまり、ネットの中。ネットやゲームでは自分の好きなキャラ、見た目に変われる。現実のこんな弱く、辛い、人を怖がらせるような自分は大嫌いだ。だから、ネットにもう一人の自分を作った。
そして、ベットの上に張ってあるポスターに目を向ける。
そこに書いてあったのは鎧を着た剣士がモンスターと戦っている画像と街での人達が写っている画像。
その下には【ソードアート・オンライン 2022年 11月6日 正式サービス開始】と書かれていた。
ある日、突然ある人物が設計したゲーム機がゲーム界に革命を起こした。
それは、VR技術を使ったゲーム機。何十年か前に最初の家庭用VRゲーム機、確か名前は......PSVR? だったか。
その最初のゲーム機から進化したゲーム機が最近発売された。それは、フルダイブ型次世代VRマシン。《ナーヴギア》このナーヴギアはヘルメットみたいな形になっており、それを被る事でゲームを始められる。
だが、このゲーム機は今までのように視点を動かすだとかそんな次元のものではない機能が備わっていた。それは、ゲームの中に実際に入り、ゲームの中のキャラを自分で動かせる事が出来るのだ。
ヘルメット型のナーヴギアは被ると首までかかる程に大きい。そして、首のうなじの部分で脳が体に送る命令をナーヴギアがシャットアウトし、ゲームの中のキャラに送れる事が出来る。たとえ、ゲームの中で暴れまわろうが現実世界の体はピクリとも動かない。
その機能は、ゲーム界にこれまでにない革命を起こした。ゲームの中に入れるなんて誰もが夢見たり、憧れたりしたものだろう。
開発者は茅場 晶彦。このナーヴギアを作った人でもあり、今度発売されるゲーム、ソードアート・オンラインの開発者でもある。茅場晶彦はインタビューでこう発言している。
「これは、ゲームではあっても遊びではない」
このコメントから茅場晶彦がこのゲームをどんなに真剣に作ったかを思わせるコメントだった。
このソードアート・オンラインがもうすぐ発売、俺は少し前に行われたβテストに選ばれて、βテスト期間中、学校も休んでゲームをしていた。
ソードアート・オンラインの舞台は浮遊城アインクラッドという100層にも及ぶバカでかい城だ。層の中にはプレイヤーが拠点とす街や村の居住区や様々なモンスターやギミックがあるフィールド。そして、フィールドの何処かにあるダンジョン、迷宮区があり、層を登るには迷宮区の最終ボスのフロアボスと呼ばれるモンスターを倒す以外方法はない。
俺はβテスト期間では第10層まで登ったが、俺がこのゲームで受けた感動は凄まじいものだった。まるで現実のようなグラフィックとどこまでも続く大地。俺はこの仮想世界に、も一つの現実に魅了されていた。またあの世界に戻れると思うと、ドキドキとワクワクが止まらない。
そんな事を考えながら、段々上機嫌になっていると、
スマホの着信音が部屋に響いた。誰だと思ってスマホを取り出して見てみると、
「知らない番号だな......」
とりあえず出てみることにした。
「もしもし」
「あ、すみません。そちらは影山さんのお電話でしょうか?」
「え、ええ、はい」
知らない女の人の声に知らない番号、どうして俺の名前を?
「実はですね、いきなりで申し訳ないですけど――」
最初は現実での物語ですのでご了承ください。
後読んでいて原作の設定と違う所がありましたらお申し付けください。ちゃんと原作と違うようにする所は言いますので。アホな作者ですのでそういった事が起きてしまいます。
すみません......
次回は少しシリアス気味になると思います。ですが下手な作者程度のシリアス展開ですのであまり期待くださらないようお願いします。